野菜収穫残さの堆肥化試験について

掲載日:2018年3月6日
 

畑からは作物のつる、茎、葉等食べられない部分や、大きさや形が悪かったり、病害虫に侵害されたりして商品化出来ない物が、収穫残さとして、排出されます。特に多くの残さの出る物としてはダイコン屑、キヤベツ外葉、夏野菜のスイカ、カボチャ、メロン等や、施設野菜としてはトマト、キュウリの残さ等が考えられます。

県内の堆肥資源需給バランスは平成3年の農業技術課の調査によると供給量(畜糞、稲ワラ、その他)が313,000tで、需要量(畑、水田、等での作物栽培)は403,000tであり90,000tの不足となっています。

この不足分の補充方法としては購入堆肥及び未利用有機質資源(おから、茶殻、酒粕、オガクズ、剪定屑、古畳、野菜屑)等の堆肥化が考えられます。

野菜等の残さ量としては16,000tと考えられ、堆肥化による有望な有機質資源と考えられます。野菜屑等を堆肥化する場合の問題点としては、原料の含水率が非常に高い場合が多く、ニンジン(72.3%)~キュウリ、ダイコン(93.8%)の範囲のものが多い。

そこで、注意を要することは、水分調節のために混合する資材を選定することと、これらの資材をうまく混合するために、野菜をある程度の大きさに細断するための機械の選定も重要です。

細断する場合、野菜の細胞を潰してしまうのでなく、細胞の水が細胞外に出るのを最小限に抑えるよう、刃物で切る様な方法が最適と考えられます。

また、水分調節材としての資材としてはオガクズ(10.7%)、ムギわら(30.3%)、紅茶粕(20.6%)、剪定屑(22.1%)、コーヒー粕(3.7%)等が考えられます。これまで当所では、スイカの果実、かぼちゃ残さ、数種類野菜混合、ダイコン屑等の堆肥化を試みて来ており、現在実施しています。

屑スイカ堆肥化の例

1)収穫後の屑スイカは、糖含量と水分含量が高く堆肥化が困難な資材であるが、含水率が小さく吸水性の良い資材と混合して堆肥化する事が出来ます。

2)屑スイカ767kgを10~20Cmの大きさに裁断し、94.8kgのスイートコーン茎葉11.2kgのコーヒー粕乾燥物を混合して堆肥化する。コーヒー粕は含水率の調整とアンモニアの吸着による悪臭防止に、スイートコーン茎葉は空隙の確保による通気性の改善に役立ちます。

3)発酵装置及び堆積機関は、一次発酵は通気装置付き縦型発酵槽(1,200L容)で23日間、二次発酵は通気装置付き箱形発酵槽(1,000L容)で66日間行った。一次発酵中は60℃を越す発熱が見られたが、同時に廃液219kgが発生し、二次発酵を終わった製品は、もとの22.8%になり、スイカの皮が一部残るだけで、スイートコーンの形状だけが目立つ黒褐色の堆肥となりました。

4)屑スイカのC/N比は15程度で、混合原料のC/N比は20であるが、一次発酵により15、二次発酵により10以下になり、肥料効果の期待ができる堆肥となった。

5)完成した堆肥を用いて、無化学肥料でコマツナを栽培した結果、障害は見られず、初期生育が優れ、肥料効果の高い堆肥として使用出来た。

6)スイカの堆肥化では多量の廃液が装置外に流出します、廃液は糖を含む液であり、この有効活用が課題として残る。

 
表1 堆肥の原料混合内容
 
表2 原料及び発酵過程の成分変化

参考文献

1,未利用資源の農業利用に関する研究(4)-縦型発酵槽を用いた野菜屑の堆肥化法-

神奈川県農業総合研究所研究報告138号pp21-30(1998-3)

2,堆肥化による屑スイカの農業利用技術の開発

神奈川県農業総合研究所研究報告141号pp15-22(2001-3)

3,生ごみ処理装置を利用した圃場残さ処理法の検討

日本土壌肥料学雑誌73(2)pp145-149(2002)

未利用資源堆肥化マニュアル

 

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