更新日:2023年8月10日

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厚木基地周辺での航空機騒音

厚木基地の騒音問題について掲載しています。

概要及び経緯

  • 神奈川県内には、綾瀬市、大和市にまたがる厚木海軍飛行場(厚木基地。海上自衛隊と米海軍が共同使用)があり、周辺では航空機騒音被害が生じています。
  • 厚木基地には昭和30年代から、米海軍のジェット機が飛来するようになり、騒音問題が表面化しました。特に、昭和57年2月から厚木基地において空母ミッドウェー艦載機による夜間連続離着陸訓練(NLP)が始められ、騒音は一層激化しました。
  • 平成5年、米側に東京都小笠原村硫黄島の訓練施設が提供され、近年ではNLPのほとんどが硫黄島で実施されています。
  • 基地開放日には厚木基地においてデモンストレーションフライトが行われてきましたが、平成14年5月、在日米海軍司令官が今後行わないことを表明し、その後行われていません。
  • 厚木基地を拠点とする空母艦載機の岩国基地への移駐が、平成18年5月に日米両国政府間で合意されました。その後、平成29年8月から平成30年3月にかけて空母艦載機部隊の移駐が実施されました。

空母艦載機騒音問題(空母艦載機着陸訓練)

  • これまで、厚木基地周辺では、横須賀基地を事実上の母港とする空母の艦載機による激しい騒音が発生してきました。
  • 空母艦載機は、空母の入港中には発着艦ができないため、入港前に洋上から基地へ飛来し、出港後に洋上の空母に帰艦します。また、空母の入港中、艦載機は基地を拠点として活動することとなります。そのため、厚木基地周辺では、空母の入出港前後と入港中に騒音が激しくなる傾向がありました。
  • 空母に着艦するためには高い技量が求められることから、空母出港前後は、パイロットの練度維持のため、飛行場を甲板に見立てて離着陸を繰り返す空母艦載機着陸訓練(FCLP)が行われ、特に大きな騒音が発生してきました。
  • そのなかでも、厚木基地で夜間に行われる着陸訓練は夜間連続離着陸訓練(NLP)として大きな問題となったことから、硫黄島に訓練施設が整備され、平成5年、米側に提供されました。
  • 現在では、ほとんどの着陸訓練が硫黄島で行われるようになった一方で、近年では、平成24年と平成29年に厚木基地で着陸訓練が行われ、甚大な騒音被害が生じています。

空母艦載機移駐

  • 平成18年5月、日米両国政府で、空母艦載機のうちヘリコプター以外の固定翼機を、厚木基地から岩国基地へ、平成26年まで移駐すること合意されました。
  • その後、移駐の遅延が明らかとなり、平成25年10月に、空母艦載機の移駐は平成29年頃までに完了することが日米両国政府間で確認されました。
  • 平成29年1月、国から移駐のスケジュール等について情報提供があり、同年8月、移駐が開始しました。
  • 平成30年3月、艦載機部隊の移駐が完了しました。
空母艦載機移駐の経緯
  • 平成18年5月1日 日米安全保障協議委員会において「再編実施のための日米のロードマップ」(最終報告)が合意。2014(平成26)年までの空母艦載機の移駐が盛り込まれる。
  • 平成25年1月24日 防衛大臣政務官が来県し、地元自治体に対し、空母艦載機の移駐の遅延等について説明。
  • 平成25年5月28日 移駐の進捗状況等についての国と地元自治体との間での情報交換の場として「厚木飛行場からの空母艦載機の移駐等に関する協議会」(移駐等協議会)を設立し、第1回移駐等協議会を開催。
  • 平成25年10月3日 日米安全保障委員会において、空母艦載機移駐を2017(平成29)年頃までに完了することを確認。
  • 平成25年11月1日 第2回移駐等協議会を開催。
  • 平成26年1月24日 第3回移駐等協議会を開催。
  • 平成26年5月28日 第4回移駐等協議会を開催。
  • 平成27年5月29日 第5回移駐等協議会を開催。
  • 平成28年5月25日 第6回移駐等協議会を開催。
  • 平成29年1月20日 国から空母艦載機移駐スケジュール等の説明。
  • 平成29年7月12日 第7回移駐等協議会を開催。
  • 平成29年8月9日 E-2Dアドバンスド・ホークアイが岩国基地に飛来したことにより、空母艦載機の移駐が開始。
  • 平成29年11月28日 FA-18スーパーホーネットの2部隊及びEA-18Gグラウラーの部隊が移駐。
  • 平成29年12月5日 C-2グレイハウンドの部隊が移駐。
  • 平成30年3月30日 FA-18の2部隊が移駐し、空母艦載機部隊の移駐が完了。
  • 平成30年7月4日 第8回移駐等協議会を開催。

米軍機の飛行計画、経路、時間、高度など

県をはじめとする地元自治体は、米軍機の飛行に関する許可や管制の権限などを有していません。また、米軍は運用上の理由から、飛行計画や経路などを明らかにしていないため、飛行情報を入手するのは困難な状況にあります。(例外として、FCLP(空母艦載機着陸訓練)は実施の一週間程前に、防衛省から関係自治体に対して通告がなされることが通例となっています。)

飛行時間は、日米の政府間合意「厚木飛行場周辺の航空機の騒音軽減措置」(昭和38年9月合意)で、22時から翌朝6時までは原則的に禁止されています。

飛行高度は、日本の航空法で定められている最低安全高度の直接的な適用はありませんが、日米両国政府間で「日本の法令を尊重し、国際民間航空機関や日本の航空法により規定される最低高度基準を用いる」ことが合意されています。そのため、人または家屋の密集している地域の上空にあっては、当該航空機を中心として水平距離600メートルの範囲内の最も高い障害物の上端から300メートルの高度となっています。

関係法令等

厚木飛行場周辺の航空機の騒音軽減措置(外務省サイトへリンク)

昭和38年に日米両国政府間で合意され、「飛行活動に関する時間制限(原則として22時~翌朝6時の飛行禁止、日曜日の飛行訓練を最小限に止める)、アフターバーナーの使用規制、ジェットエンジン試運転時間の制限など」が定められています。

NLPの日米両国政府了解事項

平成14年の了解事項で、下記の事項が示されています。
1.合衆国政府は、引き続きできる限り多くのNLPを硫黄島で実施する。
2.合衆国政府が本土の飛行場においてNLPを実施しなければならない場合においては、合衆国政府は、従来の慣行を継続し、できるだけ早く日本政府に通知するとともに、騒音・環境等の面に最大限配慮する。

航空法(法令データ提供システムへリンク)(別ウィンドウで開きます)

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