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更新日:2021年9月7日

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過去の「武家の古都・鎌倉」に関する概要

過去の「武家の古都・鎌倉」の取組みを説明するページです。

 

神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市の4県市では、これまで、「武家の古都・鎌倉」について、2013年6月の世界遺産登録に向けて取組みを進めてきましたが、残念ながら登録することはできませんでした。

4県市では、改めてコンセプト及び構成資産を練り直し、早期の世界遺産登録を目指してまいります。

このページでは過去の「武家の古都・鎌倉」に関する概要等をご説明しています。

「武家の古都・鎌倉」の顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)

「武家の古都・鎌倉」は、武家が造った神社や寺院、寺院跡、武家館跡、切通及び港跡などの文化財が、「三方を山に囲まれ、一方が海に開く」要害的地形と一体となって残されていることに最大の特徴がありました。

これらは、12世紀末に源頼朝によって樹立され、その後約700年にわたって続いた武家の社会・時代を切り開いた、我が国初の全国的武家政権(鎌倉幕府)が存在したことを示しています。同時に、この地で、その後の日本文化に大きな影響を与えた武家文化が創出されたことも示しています。

さらに、これら山稜部と一体となった遺産群は、武家が要害的地形に積極的に働きかけ、当時の土木技術を駆使して造り上げたことを示すとともに、唐の長安を模して造られた奈良や京都など、「武家の古都・鎌倉」がそれまでの都とは全く異なる政権所在地であったことも示しているのです。

これらのことから、「武家の古都・鎌倉」は世界遺産として登録されるための、顕著な普遍的価値(※)を持っているとしました。

(※)国家間の境界を超越し、人類全体にとって現代及び将来世代に共通した重要性を持つような、傑出した文化的意義及び/又は自然的な価値

登録候補となっていた遺産

「武家の古都・鎌倉」の世界遺産登録候補の資産は、武家政権の樹立と政権所在地の整備に決定的影響を与えた要害的地形、なかでも主な地形である三方を取り囲む山稜部と、その内部やそれに接する山裾や谷間などに造られた鶴岡八幡宮、建長寺、鎌倉大仏などの神社及び寺院の境内、それらに含まれる建造物、永福寺跡などの寺院跡、武家館跡である北条氏常盤亭跡、朝夷奈切通、名越切通などの切通及び港跡である和賀江嶋等、国指定の史跡、重要文化財及び国宝などの文化財から成り立っていました。

これらの文化財は、12世紀末から14世紀前半までの約150年の間に造られ、「武家政権の樹立」や「武家文化の創出」に深く関わったもので、鎌倉時代からの地理的位置を保ちながら、造られた当時の基本的な姿を現在に伝えていることが、古絵図他の文献史料、発掘調査の成果等から確認されています。

「武家の古都・鎌倉」を構成した文化財

「武家の古都・鎌倉」を構成した文化財について、写真や地図、アクセス情報とともにご説明しています。

「武家の古都・鎌倉」を構成した文化財へのアクセス・モデルコース

「武家の古都・鎌倉」の世界遺産候補をめぐるモデルコースやみどころ、アクセス情報をご案内しています。

登録候補遺産と緩衝地帯(バッファゾーン)について

世界遺産の本体ではありませんが、登録される世界遺産の顕著な普遍的価値や環境が損なわれないように、建物の高さ等を制限する区域を周囲に設定することが世界遺産登録の要件となっています。この周囲の区域のことを緩衝地帯(バッファゾーン)といいます。

次のイメージ図のとおり「武家の古都・鎌倉」の登録候補資産は、緩衝地帯(バッファゾーン)に取り囲まれており、要件を満たしていました。

特に鎌倉の場合は、古都保存法(※1)によって保護された歴史的風致(※2)が登録候補資産や緩衝地帯として活かされていることに特徴がありました。鎌倉は古都保存法成立の契機となった地であり、鎌倉の緑は昭和39年の「御谷(おやつ)騒動」に始まる鎌倉市民の方々の努力もあって守られてきました。そして鎌倉の歴史的風致は、例えば大仏や社寺境内と一体となった景観を創り出し、見る者に潤いややすらぎを与える役割を果たしています。

鎌倉は歴史的な遺産だけではなく、東京近郊にありながら、歴史的な遺産と緑が調和した潤いのある古都の風情が保たれていることこそ、その大きな特徴となっているのです。

(※1)正式名称:「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(昭和41年、法律第1号)

(※2)地域における固有の歴史および伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物およびその周辺地域が一体となって形成してきた良好な環境。

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