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更新日:2024年3月29日

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第6回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

平成24年10月30日(火曜)に開催された、第6回黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川の実施結果についてご覧いただけます。

概要

第6回「黒岩知事との”対話の広場”Live神奈川」

テーマ 女性の力を生かす -女性の活躍が神奈川を変える-
日時 平成24年10月30日(火曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 131名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。





実施結果(テキスト版)

知事

こんばんは、神奈川県知事の黒岩祐治です。

きょうはようこそ神奈川県庁までお越しいただきまして、ありがとうございます。

県民との対話の広場、これは定期的にここでやっているんですが、対話の広場には実は3種類あります。きょうはLive版ということで、Live中継していますから、世界中に放送されているというものであります。

きょうの対話の広場は、知恵袋会議という私のブレーン会議の内容とリンクをしております。知恵袋会議で神奈川県政をどうすればいいのかと私もいろんなご相談をしているんですけれども、そんな中で、いろんな方々から、いろんなお知恵をいただきます。

そのテーマを元にして、ではこれを県民の皆さんとともに議論をしてみようということです。今回出てきたテーマ、それが「女性の力を生かそう」というテーマであります。

どうしてこういうテーマが出てきたのかというと、これまた面白いんですね。

たまたま知恵袋会議で、最近の日本人は内向きじゃないかという話になった。特に若い人は内向きだなと。留学にもあまり行かないし、海外に赴任するということもあまり希望しなくなってきているという話になった。日本人は、国際化の中で、本当はもっともっと外向きにいかなければいけないのではないかというときに、どうしてこんな内向きになっているんだということをみんなで議論をしていたんです。

そうしたら知恵袋会議のある一人のメンバーが、「ちょっと待って。内向きなのは男だけじゃないか」、「女性はどんどんどんどん実は外に向かっているんじゃないのかな、逆に今、女性のそういう外に向かっていこうとするパワーを男性が押さえているんじゃないのかな」という話になりました。そう言われてみれば、それぞれの組織の中でも、本当に女性の力を十分生かしているのかという話になりました。やっぱり女性の力、これを本当に生かすということが、この日本を元気にするために、とても大事なテーマなんじゃないのかということです。そして、このテーマについて県民の皆さんと対話をしてみようということになって、きょうの会となった次第であります。

きょうは高校生の皆さんもたくさん来てくれているので、とても嬉しいですね。

対話の広場には、いつも高校生が来てくれます。どんどん話をしてくれます。その話の中で、大きな刺激をいっぱいもらうこともあります。

そして、この中でいい提案があったら、できればすぐに実行しようと思っています。

過去にも、ここで出てきたアイデアをすぐに県政に実現させたこともあります。そういう意味でも、きょうは本当に直接の対話ですから、思ったことはどんどんぶつけてください。

ということで、きょうはすばらしいゲストをお迎えしております。ジェイ・ボンド東短証券代表取締役社長、斎藤聖美さん。それと、文化起業家として、食や農といった分野を中心に活動中の藤田志穂さん。

女性の経営者として、しっかりやってらっしゃる斎藤さんのお話と、「ノギャル」として、女性の新しい感性で、食とか農の世界に新風を入れてくださっている藤田さん、この2人のお話をお伺いして、そしてその後、皆さんとともに議論をしていきたいと思います。その前に事務局の方から神奈川県はいったい今、どんな状況かということを説明させていただきます。

人権男女共同参画課長

県の人権男女共同参画課長の出口と申します。よろしくお願いいたします。

きょうは非常に楽しみにしておりました。

お手元にお配りしている資料を出していただいて、中に入っておりますA3の資料を見ていただきたいと思います。

先ほど知事から、今回のテーマにつきまして、選ばれた経緯の説明がございました。

内向き社会の中で、女性の方が海外に飛び出していっているのではないかといったような問いかけに関しまして、まずそのお答えを用意させていただきました。

A3の資料(人権男女共同参画課資料[PDFファイル/174KB])の左側のところを見ていただきたいのですが、「女性の力を生かす~女性の活躍が神奈川を変える~」という資料です。

左側の上に、女性の活躍の現状と課題というところ。まず、左上の、「学校では」のところですが、海外に出ていく日本人留学生の男女比は、男性対女性が1対2になっております。

昨年行われました県民ニーズ調査によりますと、その下の棒グラフを見てください。男女の地位の平等感を見ますと、学校現場、教育の場では、ほぼ6割の方々が平等だという意識を持っていらっしゃいます。

次に下の、職場ではというところをご覧ください。職場では、それに比べて、海外で働いている人、特に雇用されている人の割合は、これが逆転いたします。男性対女性が2対1ということになります。

棒グラフを見てください。県民ニーズ調査でもこの結果が表れておりまして、職場では男性が優遇されているという回答をした方が、男性で約6割、女性で約7割という状態になっております。

次に左側の下の棒グラフを見てほしいんですが、こちらは、まず日本の国の男女の人口比、基本的にはほぼ同じですが、各分野において女性が占める割合は、多いところで3割というような状態になっています。

次にその右側のグラフですが、こちらは女性の年齢階級別労働力率というものです。日本におきましては、出産期に下がり、子育てが一段落すると上昇するという、いわゆるM字カーブを描いております。

これは徐々にM字カーブの底は上がってきておりますが、こちらの状況を見ていただきますと、スウェーデン、米国に比べまして、日本ではこのM字というものがはっきりしております。

さらに特に本県ですが、本県では残念なことに、全国で2番目にこのM字の底が深いというような状態になっております。

これに対応して、どういったことが考えられるんだろうということですが、資料の右側をご覧ください。「国の取組み」と書いてあるところです。

少子高齢化の進む日本の将来が非常に深刻な労働力不足になるのではないか、その結果、経済にも非常に大きな影響が及ぶのではないかといった懸念もありまして、関係閣僚会議名で、国におきましても今年6月に「働くなでしこ大作戦」と銘打った行動計画が示されたところです。

日本経済の再生に向けて、女性の潜在力を生かそうというものです。

この行動計画は3本の柱で成り立っておりまして、1番目として男性の意識改革、2番目としてポジティブアクション、それから3番目として公務員から率先して取り組むといったものとなっております。

次に県の取組みです。本県では、今年度、法定計画であります、かながわ男女共同参画推進プランの改定に向けた手続きを進めているところです。

こちらの計画の中では、まず4本の重点目標を掲げております。

まず、女性の活躍と参画の促進といたしまして、様々な分野において、意志決定過程に参加する女性を増やしていこうということを目指しておりまして、そのために女性の管理職の割合を増やしていこうという目標を立てております。

また、女性の就業支援と、就業の場における男女共同参画の促進といたしまして、女性の就業継続、それから再就業、起業に対する支援を行って、就業率自体を上げていきたいと考えております。

そのためには、その下の重点目標の3になりますが、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスの実現も必要でありますので、保育、介護などの福祉施設の整備や、男性の家事等への参加に対して支援し、長時間労働の削減を目指していこうというものです。

さらには、本日取り上げる女性の活躍という側面だけではなく、配偶者からの暴力被害に対しては、異性に対する暴力の根絶と人権の尊重を図っていくことも必要であるというふうに考えております。

特に改定プランにおきましては、様々な対象者に対して、あるいは様々な場面で、意識啓発といったものに努めてまいりたい。そして、実効性のある取組みを図るために、数値目標というものを右側の方に用意させていただきました。

これはあくまでも例示でございますが、特に先ほどの知事からのご紹介もありましたが、先々週ですか、10月17日の日にNHKのクローズアップ現代という番組で、今月IMFから、日本の経済を立て直すには、女性をもっと活躍させるべきだといった趣旨の緊急レポートが提出されることに合わせまして、IMFのラガルド専務理事と、それから経済同友会の長谷川代表幹事が出演いたしまして、「女性が日本を救う?」というタイトルの番組が放映されまして、本日のテーマは非常に旬なものとなったかなと考えております。

お手元の資料の中には、今取組みを進めております改定のプランの素案も入っております。

今パブリック・コメントを求めているものですので、皆さんにもぜひご意見をいただきたいと考えております。

私からの説明は以上です。

知事

やっぱり、留学生を見ても、男女比は1対2、女性の方が多かったんですね。何となく勘では、内向きなのは男だけじゃないかと思っていました。そういうのは留学生では数字で出ていた。

ところが、働く場にいくと、それが逆転しているというのは何でなのか。この辺りに問題の本質が見えてくるような気がいたしますけれどね。

それではゲストからお話をいただきたいと思います。

斎藤聖美さん、神奈川県でいろいろお世話になっておりまして、神奈川県の男女共同参画審議会の会長も務めていただいております。

では、斎藤さん、よろしくお願いいたします。

斎藤聖美氏(神奈川県男女共同参画審議会会長/ジェイ・ボンド東短証券(株)代表取締役社長)

皆さん、こんばんは。

7分間というお時間をいただきましたが、私は40年働いているので、40年間を7分でどうやってしゃべるんだろうとちょっと悩んでいるんですが、なるべく簡潔にお話するように頑張ります。きょうはお招きをいただきまして、ありがとうございます。

私が就職活動をしたころというのは、今40年前とばらしてしまいましたけれども、大昔です。そのころ、大卒の女性は、就職をしないと思われていました。就職しても22,3歳でやめるのが普通でしたので、4年制の大学を出た女性が就職するには、チャンスがほとんどありませんでした。求人募集の中に「女子も可」というのがいくつか、ほんのちょこっとあることはありましたが、「ただし英文科のこと」というような断り書きがありました。とどめを刺す条件には、「ただし容姿端麗のこと」というのがございました。

私をご覧になれば、私がいかに絶望的になったかというのはおわかりいただけると思うんですが・・・・・、「容姿端麗」ってどういう意味か知ってますか?もう死語になっているかもしれません。美人でスタイルがよいということ。つまり、女性は職場の花だったのです。

そういう時代に就職をいたしましたので、大変苦労しました。

一人前に扱われておりませんので、会議があっても、行くのは男性だけ。女性は席にいて電話番。名刺もつくってもらえない。

一番辛かったのは何かというと自分の将来が見えてこないことでした。男性は2、3年すると、次はどこそこへ異動というふうに、キャリアパスが決まっているんですが、女性の場合にはずっと同じ仕事です。というか、早いところやめてくれというプレッシャーがどんどん高まるばかり。自分の将来が見えてこないというのはとても不安です。

そういう中で、どうしたらいいのだろうとずいぶん考えました。

結局私が選んだのは留学です。海外に出て勉強すれば、勉強すると同時に英語もできるのではないかという、軽い考えで留学をいたしまして、ハーバードのビジネススクール、これは経営学の大学院です、そこにまいりました。

英語もできないのに留学をしてしまいましたので、大変苦労をしました。とてもがんばって勉強をしました。

そして卒業して、就職をしました。

日本の会社は当時MBAという学位を取った女性を、まだ雇ってくれていませんでしたので、外資系に就職をいたしました。

外資系の金融機関で働き、ニューヨークで勤務をいたしました。というと、バリバリのキャリアウーマンで、格好よくって、男も女も関係ない、そういう仕事ぶりだったんじゃないかと想像なさるかもしれませんが、アメリカでも男女差別はあります。未だに根強くあります。

どこの組織でも同じだと思いますが、既得権を持つ人との戦いになります。エントリーレベルの入社直後は、男性も女性も同じように働けます。しかし、どんどんどんどん昇進をしていって、ピラミッドの上の方に行けば行くほど競争が激しくなります。

そうすると、男性の間でも競争が激しいのに、女性なんてとんでもないということで、女性を排除しようという力が強くなります。

エントリーレベルでは男女平等でも、トップの方にいくと、まだまだ男女平等とは言いがたい。アメリカにおいてすら、そうでした。

そういうような差別のある中でがんばりましたが、やはりこれ以上はもう無理だろうな、これ以上昇進する可能性はないだろうなと見極めました。

それをよくガラスの天井といいます。上の方は見えるんだけれど、ガラスで遮られて、その上に行くことができない。そのグラスシーリングにぶつかって、私は会社を辞め、そして社長になることにしました。

自分が社長になってしまえば、何でも好きなことができるだろうという甘い考えで社長になりましたが、社長業は、これはまた大変でした。

というのは、稼がなくちゃいけない。自分で自分の給料を稼ぐというのがいかに大変かというのが身に染みてわかりました。

起業したのが1992年ですから、まもなく起業して20年になります。

社長という肩書きで仕事をしてきていますけれども、零細企業の社長ですから、苦労はつきものです。

「そんなに苦労して何で働くの」とよく言われます。何故働くのか。それは第一に、とても楽しいからです。仕事をしていると楽しいです。仲間と何かをやり遂げる、その達成感は何物にも代えがたい喜びだと思います。

よく女性と話をしていると、「私はいい仕事をしたいの」、「別に昇進なんかしなくてもいい」、「昇進しようとしてがんばっている女性って嫌だわ」、とかいう言い方をする方がいらっしゃいますが、ぜひその考えは改めていただきたいと思います。

昇進して、肩書きが上に行けば行くほど、責任は重くなります。責任が重くなるということは、それだけ自分の権限の範囲が広がり、仕事がおもしろくなります。

まさに山登りと同じです。山を登るとき、麓の方は淡々と歩けます。それがだんだんと急になってきて、疲れてゼイゼイいうけれども、そのときに周りを見ると、視界が広がり、きれいな景色が見えてくる。それとまさに同じで、仕事も、どんどん働いて、責任が重くなっていくと、その仕事の楽しさ、おもしろさ、やりがいが広がっていきます。ですから、皆さんにはぜひ仕事を続けて、昇進をするということを目標にしていただきたいと思っています。

とはいえ、ワーク・ライフ・バランス、働きながら家庭を同時に楽しいものにするというのは大変なことです。

このバランスを取るにはどうしたらいいか。

一つの答えは、会社にとって掛け替えのない人材になるということだろうと思います。

私が今社長をしている会社、証券会社ですが、女性が何人かいます。

そして、お子さんのいる女性も当然ながらいますが、彼女は、9時から16時が勤務時間です。

それから、保育園の関係で、火曜日は午前中だけという女性もいます。勤務時間は全員9時から17時というような決め方をしないで、その人に合った仕事の時間帯を決めています。

というのは、彼女たちが、会社にとって掛け替えのない重要な人だからです。重要な人、どうしてもいてほしい人に対しては、会社は融通を利かせます。

ですから、皆さんも会社にとって掛け替えのない人材にぜひなっていただきたいと思います。

私はもう一つ会社の社長をしています。東短インフォメーションテクノロジーというIT会社の社長を1年半前から兼務しています。こちらの方は、私の前任は男性でした。

連絡会という幹部の会議がありますが、以前は男性ばかりでした。

1年半経って、今、男性と女性と半々です。

今職場はとても変わりました。

とても顕著な変化は残業しなくなったこと。みんな早く帰ります。お休みを取るようにもなりました。これは女性だけでなくて、男性にも好評です。

男性だって本当は自分の時間を持ちたいんだけれども、なかなかそれができない。それが女性が多くなり、女性が上の方に立つことによって可能になったということだと思います。

ですから、男女共同参画の社会というのは、決して女性のためではなくて、男性のためにもなるものだということを申し上げておきたいと思います。

私が働くもう一つの理由、それは経済的理由です。

私は若いときに離婚をしました。離婚した途端、失業者です。仕事はない、収入はない。こんな嫌な立場になることはもう絶対にやめよう、男性に頼って生活する人生はまっぴらだと、そのときに思いました。

こう言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、専業主婦という職業ほどリスクの高い職業はないと思っています。

専業主婦は、男性の収入で暮らさなくてはいけない。ということは、自分の人生を男性に100パーセント預けることになります。経済的な自由を持たないということは、自立からはほど遠いというふうに言えるかと思います。ご主人が病気になるかもしれない。交通事故に遭うかもしれない。会社が傾くかもしれない。そういうリスクがあっても自分は何もできないというのは、とても大きなリスクです。やはり自分で経済的な力を持つことはとても重要だと思います。

今、私は結婚しています。社宅から出る年齢になったので、家を買いました。そのとき主人が仲間から言われたのは、「君のところは奥さん働いていていいねえ」でした。普通は社宅を出ると、社宅よりも遥かに遠くて小さな家に住むことになりますが、私のところでは二人が収入を得ているために、今までよりも近くて便利なところに住むことができました。

収入を得て、家庭の責任、そして家族を養う責任を男女両方で分かち合うということが、どんなに楽なことかを、男性も最近悟ってきたんじゃないかと思います。

そういうような働き方をするためには、公共の施設がとても重要になります。

保育所、それから老人の介護の施設などなど、これらの充実がないと大変難しいということが現実ですけれども、施設が充実して、みんなが楽しく長く働ける、そういう時代になればいいなと思っています。

どうもありがとうございました。

知事

どうもありがとうございました。

何かとっても魅力的な人生というか、いろんなことをさらにお伺いしたいな、なんて気持ちになりました。またその辺りは議論の中でお話を聞いていきたいと思います。

それでは藤田志穂さん。

前に商店街の活性化というプログラムがありまして、行ってみたら、その責任者は何と彼女だったんですね。ノギャルだといって、ノギャルって何ですかなんて。農業をやるギャルだみたいな。

やっていることはまあ見事な、若い女性の感性あふれる、すばらしい思いの中で、商店街活性化のイベントをやられていて、すごい人がいるんだなと思った。

きょうこういう会がある、ぜひ来て皆さんにお話をしてもらおうということで、おいでいただきました。

では、藤田さん、よろしくお願いします。

藤田志穂氏(文化起業家/Office G-Revo(株)監査役)

藤田志穂氏参考資料[PDFファイル/201KB]

よろしくお願いします。藤田です。

私は元々今まで企業に勤めて来たわけではないので、起業したりとかという部分での、ためになる話というか、皆さんにアドバイスができるという感じではないかもしれませんが、19歳で起業して、今年で8年目になりましたので、そういった経験をお話させていただくことで、皆さんにちょっとでもプラスになるようなお話ができればと思いますので、最後までよろしくお願いします。

まず、自己紹介も兼ねてなんですけれど、ノギャルという言葉だったり、ギャル革命という言葉だったり、ギャル社長だったり、そういう言葉知っている方いますか。聞いたことある方。

結構何だかんだいらっしゃいますね。ありがとうございます。

私は、元々、19歳のころに、「ギャルでもできる」、「ギャルだからこそできる」ということを証明するために会社を興しました。

今であったら、ギャルのイメージって、皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか。たぶん昔よりは、昔といっても、私がギャルに憧れたときなので、10年ぐらい前ですかね。そのころからはすごくイメージが変わったとは思うんですが。私がギャルに憧れた時期、そのときは、例えばコンビニであったりだとか、薬局に行った時点で、「何か物を取ったんじゃないか」といきなり店員さんにカバンを開けられたり。バイト先では、お金がなくなれば一番に疑われたり。バイトの面接では、友達は面接だけなのに、何か私たちだけ社会とか数学や国語のテストを受けさせられたり。すごく自分の中では納得のいかないことが多かったんですね。

でも、確かにそんな原因をつくっていた部分もあるかもしれません。

例えばちゃらちゃらしているとか、ちゃんと働けなさそうだとか、確かにそういったイメージをつくった原因もあるかもしれませんが、私はそれをひとくくりで見られたくないなと思って、ギャル革命というものを立ち上げました。

自分の中では好きなファッションをして、好きなメイクをして、なのに、私はただそれがギャル系だっただけで、例えばお姉さん系が好きな人は、同じく好きなメイクをして、好きなファッションをして、それで仕事が受かるとか、そういった話がすごく自分的には納得がいかなかったんですね。

ギャル革命をしようと思って、最初に思いついたのが、企業に勤めて、バリバリのキャリアウーマンになって、世の中を見返してやりたいと思ったんですが、まず高校生の時代からバイトすら受かることが難しかったので、もちろん企業さんに書類を送ったとしても、面接まで行かず、書類で落ちてしまう状況だったので、どうすればいいかなというふうに考えたとき、本当に単純に、自分が当てはまる場所を探すよりも、つくった方が早いのかなというふうに思ったんですね。

そのときに、「よくつくろうと思ったね」と言われるんですけれど、逆につくる大変さを知らなかったので、学校で会社のつくり方も教えてもらったこともないし、つくる大変さを知らないから、できるんじゃないのかなというふうに思ったところからでした。

でも、やっぱりそこからは本当に知らないことだらけで、まず本を買って、本屋さんに行って、一番絵が多くて、一番字が大きい、この77ステップをクリアすれば会社ができるというような本を選んで読んではみたものの、やっぱり漢字が難しくて読めなかったりだとか、すごく大変なことがあったんですけれど。

でも、その中で、また考えたわけです。

これは時間がかかってしまうと。私がやりたいのはギャル革命だと。若いうちに世の中をびっくりさせたいと思ったときに、じゃあ会社をつくった人に聞いた方が早いんじゃないかというところで、いろんな人に自分の思いを話して、中にはやっぱり応援してくれる人もいたし、反対する人もいた。

中でも一番辛かったのは、表では応援してくれていたけれど、裏では「何言ってんのかな、あの子」みたいに馬鹿にされることもあって、すごく悲しい思いをしたんですが、いろいろな人と会ううちに、いろいろないい言葉を教えてもらって。

その中で例えば、何か新しいことを始めようとしたときに、人は賛成とか反対とか、そういった言葉ばかりを耳に入れてしまいますけれど、実際のところは賛成2割、反対2割、様子見が6割と言われているらしいです。

なので、賛成とか、反対とか、わかりやすい意見ばかりが耳に入ってしまいますが、実は期待している人が半分以上いるんだよ、というようなお話を聞いたときに、自分はもっとがんばってみようと思って会社を立ち上げて。

その中でも、私の会社はギャルマーケティングということを主にやっていたんです。皆さんたぶんマーケティングという言葉は結構お聞きになると思うんですが、その中でも、私は女の子、女性。その女性の中でも、ギャルという女の子たちの情報の発信力の速さであったりだとか、仲間意識の強さであったりとか。ギャルの子たちって、今ってギャルってくくると難しいかもしれないけれど、若い、たぶんきょう来ている女の子たちも、本当に新しいこととかを知ったら、「ねえ知ってる?」と、周りに言ってしまいたくなるような、そういったスピードの速さを使って世の中に流行を発信するお手伝いをしているような会社をしていました。

その中でも、私自身は環境系のイベントにも参加させてもらうことがあって、そこから徐々に食という部分にもつながってはくるんですけれども。

でもそのときに女の子たちの中で、やっぱり女の子独特なのか何なのか、私の中で、触れ合ったときにみんなポジティブに考えられるパワーがすごいあるなというふうに思ったんですね。

例えば、私が今やっている食の活動の中で、田植えであったり、稲刈りであったり、そういった活動があるんですけれど、シブヤ米というお米、聞いたことありますか。

そのお米の田植えや稲刈りあるんですけれど、そのときに女の子たちが最初、汚れる、寒いと、結構テンションが落ちていたんですけれど。でも、その中で、一人の女の子が、「いや、汚れたら洗えばいいし、とりあえず誰が一番早く終わるか競争しようよ」みたいな。そういった話を一つ言い出すと、女の子同士の仲間意識の強さというか、そういった部分が一気に連鎖をしまして。「じゃあ私が一番になる」とか、「じゃあ私はこっちからやる」とか。もっといくと、一人の女の子が、「この田んぼの泥って、すごいミネラルたっぷりだから、肌にいいらしい」っていうふうな話をし出したら、足に塗り出したりとかして、もう一人がやったら、もう一人が塗り出したりとかして。

本当にそういった部分での女の子同士の、よくみんな学校とかでもおトイレとか行ったり、女の子っておしゃべりだからというので、男の人とかいろいろ聞かれちゃまずい話を女の子同士で言われていたりだとか、いろいろあるぐらい。何だかんだ私は仲間意識が強いという、そういう女の人の部分っていうのをもっともっと生かせればなというふうに、活動もしてきました。

あとは、私自身こういうふうに活動をしていますけれども、前の会社のときは男の人もいて、女の人もいて。全部で13人ぐらいいたんですけれど、その中でやっぱりずれも出てきます。

どれがいいかは実際、まだ私も8年目なのでわかりませんが、やっぱり男の人の中では、一生仕事をしていくという部分で、どんどん上に、どんどん上に、そういうふうに社会もいろいろと昇進、昇進というものがあったのかもしれません。

でも、私の女の子の感覚としては、やっぱり一つ一つの仕事を大切にしていきたいなという思いが強かったので、なかなかぶつかることも多かったです。

ですが、私は、今の自分がここに立っていることもそうですけれど、その考えも間違いではなかったのかなと思うんですね。

それっていうのが、やっぱり今まで本当にいろんな仕事をしてきた中で、長く続く仕事、うちの会社の場合、一つのクライアントさんとお仕事をすると、そのクライアントさんと何年もお付き合いができる。

そして、そのほかにも、その方から新しいお仕事を紹介してもらえる。何かそういった部分を結構会社の中で見ていると、男の人よりも、女の人の割合の方が、そういう仕事を取ってくるのが多いなというふうに思いました。

確かにそれが自分にとっての成長につながるのか、何なのかは、まだまだちょっとわからない部分はありますけれど、私はそういうふうな気持ちを、一つ一つの仕事をオーダーメイドの気持ちでやっていきたいなというふうな気持ちを大切にしています。

そして今、農業の活動を4年間やってきましたけれど、その中で若い子たちとも触れ合う機会があって、今実際、11月3日に全国の農業高校生の子たちが、ご当地の食材を使ったオリジナルメニューを考えて、地域活性化につながったりだとか、あとはそのオリジナルメニューを東京で販売、有楽町で販売するんですけれど。地域活性化であったりだとか、あとはその高校生の子たちが学校外の人たちと触れ合うことで、何か勉強になったり、いい刺激になってもらえればいいなというふうな、ご当地絶品うまいもん甲子園というイベントを企画していまして。その中で、農業高校の子たちと触れ合うことがあるんですが、そこの中で実際、皆さん農業高校って聞くと、男女の比率とかってどう思いますかね。結構意外なんですけれど、女の子が7割なんですよ。

実際今まで農業というと、男の人とか、そういうイメージがありましたけれど、そういった部分でも、ここ数年で女の子が上回ってきたそうです。

でも、その部分で話を聞いてみると、やっぱり女の子自体も自分にとって何か手に職をつけたいとか、自分にとって何かいい、一人でも何かやっていけたりだとか、そういったものも学びたいというような話も聞いています。

なので、もしも皆さんが今興味があることがありましたら、ぜひぜひそこにはとことん追求していったらいいんじゃないのかなと。私自身がそうだったので、ぜひ皆さんにとっても、本当にそういった機会があったら。

女の子の勘は本当に鋭いと思いますので、そこの部分、私は今でも思っています。自分自身いろんなタイミングを見てきましたけれど、本当にそのタイミングを逃がさないようにぜひぜひ、女の勘を頼りにしてもいいんじゃないのかなと思います。

そして、私が今活動している中でも、新しい活動をする中でも、絶対に大切にしていること。仕事の面でいろんなお話はできないかもしれませんが、絶対に大切にしていることは、何か新しいことを始めようとするとき、そんなときには、自分がやりたいこと。一つですね。

次は、自分だからできること。

そして三つ目が、周りが求めること。

この三つをぜひ考えて、その三つがリンクすることをやると、意外とはずれがないんじゃないのかなというふうに思います。

まず今の私の活動自体も、自分のやりたいことっていうのは、いろんな人に、いろんなことを伝えたい。そして、大人と若者の架け橋になったり、都会と田舎の架け橋になったり、そういったことをやっていきたい。

そして、自分だからできることというのは、こういった場所であったり、そういった部分でいろんな人に伝えること、そういったことが自分だからできることだと思います。

そして三つ目は、今若者の中で食や農業に目を向けてほしい、そういった部分。

なので、私はこの三つが常にリンクするものを探しています。

ぜひぜひ皆さんも、何か始めようと思ったときには、こういったことを考えてみてはいかがかなというふうに思います。

本当に私自身まだまだ27歳で、子どももまだおらず、結婚もしていないんですけれど。いろんな問題を見てみると、結婚をしてから、子どもを産んでから、仕事に復帰するっていう部分に対しての不安であったりだとか、そういったことを書かれていましたけれど。でも、私自身、本当に結婚をしたい、したいとずっと思っていても、タイミングがなく、ここまで来ていますが。なので、ぜひ、結婚だったり、子どもを産むということに対しては本当にもっともっとプラスに考えてもいいんじゃないのかなと。

仕事に関しては、まだ私も経験がないので、わかりませんけれども、例えば、仕事に関して、男の人がいなくなるから、自分がしっかりしなきゃいけないというよりは、そういう男の人、自分がそんなにがんばって働かなくても、お互いにいい関係になっていけたりだとか、男の人を成長できるという部分で、自分もある程度の余裕のために仕事をするとか、そういった部分で私はできればいいかなと、実際思っているタイプです。

なので、本当にバリバリバリバリ女の人が仕事をして、ちょっと男の人が、もう女の人がんばっているからいいよみたいな、そういうのはぶっちゃけちょっと悲しいんですね。

なので、そういった、女の人もがんばっている、じゃあ自分もがんばろうって思えるような、そういった女性がどんどん増えてもらっていったらいいんじゃないかなというふうに思っています。

そして、やっぱり子どもというものが生まれたときに、小さいころにいられる時期って限られていると思うので、そういった部分で安心して、子どもが大きくなったら自分が働けるぐらいの、そういったスキルも身につけながら、そういった部分の世の中になっていってもらえればいいなと、私自身はちょっと思っています。

本当に自分のことであったり、まだ経験したことのないことについてちょっとお話もさせてもらっちゃいましたけれども、何か皆さんにとってもプラスになればいいなと思います。

ありがとうございました。

知事

どうもありがとうございました。全く違うタイプのお二人のお話でした。

これからは皆さんといろんな形で対話をしていきます。今のお話に対する感想でも、質問でも結構ですし、こんなことを私は言いたいんだ、こういうことを聞いてみたいんだとか、何でも結構です。

対話の広場ですから、皆さんの発言があってこそ進んでまいります。きょうのシナリオはどこに行くかわかりません。それではどうぞ。

参加者1

こんにちは。横浜市のアベと申します。

エンパワメントかながわというNPO法人で理事長をしております。

女性の力を生かすっていうことのためには、まず女性への暴力をなくして、人と人とが対等な社会をつくっていくことをお願いしたいと思っています。

そのために暴力防止ということと、人権教育の推進をぜひお願いしたいと思っています。

私たちのNPOでは、今は県と協働して、デートDVという、暴力防止のためのシステム構築事業をしております。

もちろん、デートDVという言葉を聞いたこと、知事はあると思うんですが、皆さんはいかがでしょうか。

恋人間の暴力なんですけれども、高校生のカップルの中で、2組に1組で起きていると言われている、大変身近な問題です。

それでいて、昨年度の年末には、長崎のストーカー殺人事件という、深刻な事態にもなるという、非常に大きな問題だと思っています。

私たちはこれをなくしていきたいと思って、神奈川県内で予防教育をしているんですけれども、高校の現場で対等でない、支配されている関係の中で、望まない妊娠をするという、そんな事例をいくつか見てきました。

もちろん、10代が妊娠・出産すること自体が悪いわけでは決してないです。

でも、そういったこと、暴力の中でそういう妊娠があり、若年出産があり、それからそれがDV、虐待ということにつながっていく連鎖があるということを思うと、やはり人権教育として断ち切っていきたいということをぜひ考えていただきたいです。

例えば、ちょっと想像していただきたいんですが、一人の女性がDVという暴力に遭って、出産をして、そのままDVが続くか、あるいは一人親家庭になって、経済的な貧困、それからまたもしかしたら虐待というところが発展していくとなれば、やはりそこを何とか止めていきたい。

そういうことがあった場合、一人の女性が保護されて、自立していくまでに、行政的なコストってものすごくかかります。何百万円、何千万円かと思います。ぜひこういったことが起きないために、10代のための予防教育を促進していただきたいと思っています。

例えば、私どもが、すごくこんなことであれなんですが、例えば500万円あったら、1万人の子どもたちに予防教育を行うことができます。

1人の被害に対してかかる膨大なコストということから考えると、すごく小さくなると思っています。

予防というのは効果が見えないんですが、実はとってもコストが少なくて、大きな効果があると思っています。

ぜひ人権教育というものを推進していただくことで、女性が本来持っている力を発揮して、社会に貢献して、また暴力のない家庭をつくって、健やかな子どもたちが育っていくということのご検討お願いしたいと思って、お話をさせていただきました。

ありがとうございます。

知事

ありがとうございました。

これはとても重大な問題ですよね。やっぱり女性の力を生かす時に、そういう暴力ということがあって、十分に生かせないというのは、大変大きな問題だと思いますから、そういった教育の面でもしっかりやっていきたいと思います。

参加者2

横浜市の緑区から来ました、サワダと申しますけれど。

女性の力を生かすということで、私も40数年間働き続けて、子育てをしながら、やってまいりました。先ほどのお二人の話、とてもすばらしいなというふうに思いました。

今、私は労働組合で労働相談の仕事をしていますが、実は本当に悲しいことなんですけれど、今時の女性たちは職場でずっと働き続けることがなかなか難しい、そんなようなことがたくさん生まれています。

子どもがほしくて不妊治療を受けたりしながら、やっと妊娠したという女性が、実は職場の中でマタニティハラスメントを受けたり、セクハラを受けたり、「あなた仕事続けられるの」、「いつやめるの」ということを言われて、職場をやむなくやめさせられてしまっただとか。

あるいは、大学を出て教員の免許を持ったけれど、超就職氷河期で、正規の職員につけなくて、それで製造業の製造ラインで働いている女性が、そこでパワハラやセクハラに遭って病気になってしまい、時間給1,000円で働いていましたので、傷病手当をもらうことはできたんですけれど、傷病手当をもらっても、時間給1,000円の傷病手当では、月々に8万か9万の収入にしかならない。それでは身体を治しながら職場復帰はできないということで、生活保護をやむなく申請するとか。

あるいは、銀行でこの4月から働き始めた女性たちが、長時間労働で身体を壊してしまい、そのお母さんから、うちの子をどうしたら職場から解放することができるかとか、そんな相談が寄せられて。

本当に女性が、きょうの資料の中にありましたけれど、M型雇用の問題で言えば、子育てをしながら働くとか、あるいは結婚するとか、そういうことは本当は自由な意志で選択できるようにならなければいけない、そういう社会が望ましいと思うんですね。

ところが、残念ながら、子どもがほしくて、それで働きたいと思っているのにもかかわらず職場をやめなきゃならない、そういうような状況がこの神奈川の中で今蔓延しています。

そういったことをぜひ、神奈川県の男女雇用を推進する県の条例がありますし、その条例をもっと活用していただいて、やはり長い間働いてきてる女性たちに県はもっと企業に対して正規の雇用にしてほしいとか、あるいは安定した雇用に切り替えてほしいとか、そういった働きかけなども、先ほどお話ありましたけれど、保育所も神奈川はとても遅れてますよね。その保育だとか介護がやっぱりこれから必要になってきますので、そういう望む女性たちがきちっと就業ができるように改善していく。そのために県も、県と仕事しているいろいろなところには、そのルールをつくってもらうようなこともぜひ検討していただきたい、そんなふうに思っております。

どうもありがとうございます。

知事

ありがとうございました。

先ほどのM字カーブというのは、子どもを産む年代が、すっと職を離れちゃうということです。これが全国2番目に神奈川が底が深いという現状。神奈川は、ほかよりも大きな問題なんですね。

参加者3

横浜市泉区在住の、横浜隼人高校3年のフクダアキラです。

黒岩知事には、ハイスクール議会だったり、いろいろ7月に行われた同じく対話の広場でお世話になりました。

実際にハイスクール議会に参加して、第5委員会の政治・経済委員会の委員長をやらせていただきました。

そして、そのときに実際に話に挙がったのが、特に外国籍の方の労働問題でありまして、実際に神奈川県内、そして横浜市内においては、外国人労働者の方が多数いらっしゃいます。

その中で、男性の外国人労働者の方は就職率が非常に良いのですが、女性に対しては非常に低いというデータがあります。

その中で、私は泉区に住んでいるということで、泉区には「いちょう団地」と呼ばれる団地がありまして、実際そちらには特に東南アジア方面、中国、フィリピン、カンボジアやベトナム国籍などの方々がたくさん住んでいます。

先日、今回この場に出席するということで、実際にアンケートを取ってまいりました。

女性の方50人ぐらいにアンケートを取ってみましたところ、約40人の方が、外国人労働者の女性の方に対して、セミナー活動などの場所がないというふうなことをおっしゃっていました。

実際に大学生や高校生などが就職する際に、やはり企業の説明会とかあるそうなんですが、外国人労働者の、特に女性の方を中心とした説明がないということで、外国人労働者の方が、やはり敬遠されがちな問題だと思っています。

そこで、実際に私が考える提案として、外国人労働者、特に女性向けのセミナーの講演など、積極的に行っていけばよいと思いますが、知事はどうお考えでしょうか。

知事

ありがとうございます。

ここに来るためにアンケートをしてくれたんですか。すごいですね。

今時の高校生ってただ者じゃないといつもあちこちで言っているんですけれど、神奈川の高校生は特にすごいです。

ハイスクール議会でのやり取りなんかも、県議会とどっちがどっちかわからないぐらいすごいハイレベルでした。

確かに、私もはっきりそういう事態、把握していませんでした。

女性の外国人労働者の方のそういう就職が圧倒的に少ないとか、機会が少ないとか、ちょっとそれを改めて調査して、何とか対応できるようにしてみたいと思っています。(本県の取組み・考え方)

参加者4

藤沢市から来ました、マキといいます。

簡単な質問を。男性、女性もなんですけれども、労働時間が長いことがかなり大きな問題になっていると思うんですが、私も超長時間労働の夫を持っているおかげで、苦労している一人なんですけれども、知事は神奈川県という大きな企業の社長として、労働時間の短縮、具体的にどういうことをすればできるか。

テレビに出てくる社長さんたちは、残業時間を減らそうとか、そう言っているんですけれども、具体的にどうすればいいのか。

ただ残業時間を減らす、制限するだけじゃなくて、どうして意識改革をすればいいのか。

その辺り具体的に何かお考えがないか、お聞かせください。

知事

このことについては現役の社長さんがいらっしゃいますから、社長さんにちょっと聞いてみましょうかね。そういう問題出てきますよね。

どうしたら残業減らせますか。

斎藤聖美氏(神奈川県男女共同参画審議会会長/ジェイ・ボンド東短証券(株)代表取締役社長)

残業を減らすっていうのは、マインドコントロールみたいなところがあって、長い時間働くと偉い、仕事してるというふうに思い込んでいる人がすごく多いんですけれども、そうじゃなくて、時間時間で働いた方が偉いんだというのが徹底してくるとずいぶん違うと思います。

そして、無駄な時間を結構過ごしているので、会議の時間をものすごく短くし、会議を少なくしました。

そうしましたら、あっという間に帰る時間が早くなりました。

知事

僕もテレビ局にいました。テレビ局って長く働いているんですよ、みんな。

「報道2001」も日曜の朝の番組。これなんか木、金、土って3日間徹夜してる連中とかいる。

そういうとこにずっといたので、なかなかピンとこないところがあるんですね。残業当たり前って職場にいたから。

ただ、こういう立場になったら、そんなこと人に押し付けるわけにいきません。

ただ、どうですかね、見ていて、上司が残っているから、何となく残っているという、そういうこと結構あるんじゃないですか。

だから、上司から早く帰っちゃうことにして、もうこれまで、終わりといって、パパッと帰っちゃう。もう残るなって言って。そこがやっぱりそれぞれの組織の中で、部の中で、局の中でというか、徹底していくということから始めなきゃいけないんじゃないかなって、思いますけれどね。

参加者5

お話ありがとうございます。

相模原市から来ました、国際基督教大学のイグチと申します。

私今大学3年生で、ちょうど就活の時期にあるんですけれど、やっぱり友達とかと話していても、会社選びの際は絶対に産休、育休の話は絶対出てきます。

OB、OGの方を訪問していても絶対に聞きますし、企業がやっているって言ってても、やってないのかどうかとかも気になってきます。

地元の友達とかになると中小企業に行くことがやっぱり多くて、中小企業っていうのは育休とか産休とかがあまり進んでないことがよくあります。

なので、神奈川県からでもいいので、育休とか産休とかを、名前だけじゃなくて、実質ともにちゃんともっと広めていただけたらなと思います。

以上です。

知事

ありがとうございます。

これは県が何かできるんですかね。副知事、教えてください。

県が産休や育休といって、じゃあこういうふうに指導しようなんてことできるのかな。

黒川副知事

そういう制度があるということ、育児休業制度とか産休制度、しっかりと企業の方でも取り入れてくださいと、そういうようなお願いはできると思いますけれど、強制することはできませんね。

知事

いままでお願いしましたっけ。

黒川副知事

啓発資料等をつくって、お配りしています。

知事

これからお願いしていきます、私も、ちゃんとそこのところは。

フジテレビっていうのは、そこのところはすごかったんですよ。

3年ぐらい、産休からそのまま育休になって、3年目にまた子ども生まれた人がいて、3年経ったらまた生まれてといって、10年間ずっと休んで、戻ってきた人いましたからね。それはずいぶん進んでいたと思いますけれどね。

それでは企業の社長さんたちにお願いしに行きます。(本県の取組み・考え方)

参加者6

横浜市のゴトウと申します。よろしくお願いします。

私は今、先ほど話された内容で、藤田さんのおっしゃったことで、すごく気に掛かったというか、自分の胸にきたことがあったんですけれど、それは三つ、自分がやりたいことと、それから自分だからできることと、周囲から求められること、この三つが揃うといいというような話だったんですけれども、これはすごくいい話だなと思いました。

自分がやりたいことというのは、これは意志の問題ですよね。やっぱり自分がやりたいというんでないと、これは何をやってもたぶんうまくいかないと思います。

それから、自分だからできることというのは、やっぱり自分のオリジナリティーですね。これがないとやはりだめだと思います。

それから三つ目の周囲から求められることというのは、これはやっぱり自分がいくらやりたいとか、自分ができるといっても、周りから何かそれが求められることがないと、やはりうまくいかないという。

私はこの三つを、藤田さん自身がいろいろやった中でもって体得したとか、実際体現したというのがすばらしいことだと思いました。

私自身そのことを、なるほどなということで、今もう一度改めて学び直させていただきました。ありがとうございました。

知事も、今県政進められる上で、やはりそういったことをいろいろ日々感じられることもあるかと思うんですけれども、そこら辺のところはいかがでしょうか。

知事

私も、藤田さんの話聞いて、まさに見事に言うなというか、表現力というのはすごいなと思って聞いていました。

まさに、自分に置き換えてみたときに、確かにそうだなというか、そういうことをしっかり自分で分かっていながらやらなければいけないな、確認しながらやらなければいけないなということ。これはすごく感じて、若者が、これだけの表現力を持って、みんなの前でパッとプレゼンテーションできる力に対して驚嘆をして聞いていましたね。

これは男も女も関係ない話ですけれどもね。だから女性は女性で、私の立場であったらこうやっていくんだという、それをしっかり見つめる、きょうも本当にものの考え方の大きな示唆を頂いた、藤田先生ありがとうございましたと、そんな感じです。

ありがとうございました。

参加者7

藤沢市からまいりました、カミジョウと申します。かながわ女性会議の理事長をしております。

私は10年以上男女共同参画審議会の会長も務めましたし、総合計画審議会の副会長も務めておりますので、県政には長くかかわっておりますが、ずっと女性の力を経済の中で生かすということを施策に反映してほしいと言い続けてきまして、やっと国も県もそういう目線で施策を展開しようということを伺って、非常に嬉しく思っています。

ただ、やはり掛け声だけでは済みませんで、一つには神奈川県のM字の底が低いということは、女性の働き方に関係があると思うので、もっと短時間でも、要するに働いただけきちんと処遇をされるという賃金体系、あるいは評価の仕方、そういったものが確立できればいいかなというふうに思っています。

神奈川県では10年前から、男女共同参画条例でもって、企業の男女共同参画取組状況を報告していただくということを条例化しておりますので、そういう関係で企業さんとは非常に緊密な関係が構築できていると思うんですね。

ということで、優良な企業もたくさんありますので、県と一緒になって、そういったことが実現できるモデルケースを早く実現していただいて、それを展開していただけるといいかなというふうに思います。

もう一つは、こういった仕組み、ルールを決めるためには、やっぱり組織の中で上位の位置を占めないといけない。

女性の管理職比率というのは、世界の中で見て10パーセントで、非常に低いわけですね。

最近のダボス会議では男女格差が101位に転落してしまったという、非常に情けない状況なんですけれども、これは、管理職比率を上げるということは、ある種トップの判断で引き上げるポジティブアクションというのをきちんとやっていくということが必要になってくるだろうと思うんですね。

まず国の方針から3番目に、まず公務員からやるということですので、知事、ぜひ県庁内で、ポジティブアクションでぜひたくさんの女性の管理職をつくっていただきたい。

それをやるためには、やはり管理職になるべきスキルと、それからトレーニング機会を十分に女性のワーカーに与えないといけないと思いますので、そういう機会をぜひ増やしたい。

実は私のかながわ女性会議では、女性のトップ人材を養成するということで、来月の23日から25日まで、合宿形式のセミナーを開きます。

元法務大臣の千葉景子先生ですとか、本当にトップの講師をお呼びして、膝突き合わせてディスカッションができるというような、そういうセミナーです。

もう一つ言えば、これができるのは合宿ができる江の島というセンターがあるからでありまして、これの有効活用ということで、センターを移転するというような話が聞こえてくるわけですけれども、何年か前から、これを活性化しようということで、例えば人材育成の拠点にして、なおかつそれが実践できるような半分商業施設にしようというような話も進んでいたと思うんですけれども、この辺をやはりきちんとした形で位置付けて考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

知事

ありがとうございました。

確かに公務員から始めると、私もその気でいるんですけれどね。

私は神奈川県庁に入って一番最初にびっくりしたのは、女性幹部がすごく少ないということだったんです。

さっきからフジテレビの話ばっかりしていますけれど、フジテレビは実を言えば男と女と全く同じに働いていました。差が全く無いんですよ。

だから、例えばアメリカに3つの支局がありまして、ワシントン支局、ニューヨーク、ロサンゼルス、これ全部女性が支局長。

しかも結婚しているんですよ。結婚していて、女性だけが単身赴任みたいなことが普通に行われていましたし、僕がやっていた「報道2001」という番組も、最後の段階ではプロデューサー、チーフディレクター、プログラムディレクター全部女性だった。

という環境の中にいて、ポッと県庁に来たら、男ばっかりっていう、どうしたんだこれはということを実は正直思っているところであります。ちょっと聞いてみましょうか、ここに女性の幹部の一人がいますけれども。

言いたいこと言ってください、どうですか、この県庁の中。

人権男女共同参画課長

非常に辛い立場になっていますけれども、私は管理職試験を受けました。

確かに管理職試験を受けるっていうのは、すごく勇気のいることでした。

というのは、皆さん大変な思いをして、苦労して仕事をされているっていうことを間近で見て知っているからです。

だけど、私みたいなちょっとずっこけた人間でもやっていけるなというのが分かれば、みんなも続いてくれるかなという気持ちで受けさせていただきました。

以上でございます。

知事

ありがとうございます。

僕が聞いてびっくりしたのは、女性の中で、キャリアを積み重ねて、これからだという人が、意外に幹部になりたくないと。そういう人が結構多いんだということに、びっくりしたんですよね。

だから、これは、まさに同じ思いでいるんです。しばらく時間かかるかなと思っていますけれど、必ずそっちの方向に持っていきたいと思っています。

江の島のかながわ女性センターの話は、今、県有施設の見直しという中でいろいろ議論もあがっています。そういう機能というものはやっぱり絶対必要だと思います。そこのところはしっかりと大事にしていきたいと思っています。

参加者8

横浜市を中心に、食を通した楽しい学び場づくりをしています。ワガと申します。よろしくお願いいたします。

先ほど斎藤さんと藤田さんのお話を伺いまして、本当にこういった方々、女性の方々がもっともっと前に、社会に出ていっていただきたいという、本当に改めて思ったんですけれども、子育て支援の一つの学童保育について、思っているところが一つありまして。保育園はどんどん整備されてきまして、働く女性の支援というのは少しずつ広がっていっていると思うんですけれども、昨年の震災の後から、やはり小学生も一人では家に置いておくのは不安だという声がすごく増えてきまして、小学校の後に学童保育に預けたいというお母さんが増えているんですが、なかなかまだ十分ではないというところがありまして。

その十分で無いというのが、18時まで預けられるところはもちろん増えたんですが、どうしても仕事をしていると、18時までに子どもを迎えに行くというのが難しい状況はあると思うんですね。

なので、私たちは、無いのだったら、つくろうということで、自分たちで、もうちょっと遅くまで、お母さんたちが安心して働けるように、22時まで預けられるような学童保育をつくろうということで、NPOを立ち上げまして、「フーズマイルぐりぐら」ということで、食を楽しみながら、子どもを預けられる場所。

先ほどいろいろお話しされていて、すごく共感させていただいたんですけれども、食を通して子どもたちの夢を叶えられる場所、それが学童であれば、毎日の生活の中でいろいろ学ぶことができるんじゃないかということで、食の学び場としての学童保育を立てることになりました。

ただ、そうなると、今の助成金対象というところからちょっとずれてしまうということもあったりですとか、あとは自主運営、働くお母さんたちが仕事に専念できるように自主運営するということだったり、あとは横浜市の方でなかなか今ちょっと学童保育への助成金が、あまり金額が難しいというお話があったりなどで、苦しいんですけれども、自主運営をすることになりました。

ただ、そうなったとき、学童というのは元々保育園よりも注目されていないこともありまして、なかなか宣伝というか、皆さんに伝える場所がないんですね、私たちがこういうことをやっていますという。

学童というのは元々伝える場所がない上に、助成金をもらわない自主運営となると、市だとか区の方もなかなか宣伝してもらえない、伝えてもらえないということで。本当は働くお母さんたち、忙しいお母さんたちの支援をしたいのに、お母さんたちががんばって探さないと見つからないという、本当に陰に隠れてしまっている状況なんですね。

そこにちょっと歯がゆさを感じておりまして、それがなかなかお母さんたちを支援できない現状じゃないかなというふうに考えているんですが、今後学童保育がどうなっていくのかというところをご意見いただけたらと思います。

知事

ありがとうございます。

今、話聞いて、藤田さんの発想と近いところあるなって感じました。

やるとこが無いんだったら自分たちでつくってしまおうみたいな。これはやっぱりすばらしいですよね。

そういう試みをどんどん知ってもらわないと。これは県の非常に重要な仕事だと思ってますから、今の活動をホームページに載せちゃいましょう。みんなに分かるようにしましょう。決定。(本県の取組み・考え方)

参加者9

法政大学女子高等学校1年、トミオカと申します。

先ほどのお話を聞いていて思ったんですけれど、私まだ高校1年生なので、ちょっと素朴なお話になってしまうんですけれど、出産後に女性の就職の場が多いということは、安心して子どもが産めるという環境でもあるので、少子高齢化対策にもなると思いました。

女性が活躍するという場面でも、一石二鳥かなと思っています。

ほかには、斎藤さんのお話で出てきた、ガラスの天井という話なんですけれど、私たちの代ではぜひそのガラスの天井を破りたいなと思っています。

ありがとうございました。

知事

ありがとうございます。

高校1年生で話してくれるんだから、いいですよね。

ガラスの天井、ぜひみんなでぶち壊していきましょう。

参加者10

茅ヶ崎からまいりました、スガワラと申します。

私はフリーランスでファイナンシャルプランナーをしているんですけれども、女性がやっぱりずっと働き続けることを普段から推奨しております。と申しますのは、先ほども皆さんのお話にあったように、一家の家計を一人で男の人が支えるよりは、太い柱が一本よりも、細くてもいいから、二つ柱があった方が安定するからという考え方をしております。

そういった中で自分もずっと働き続けてきたんですけれども、例えば困ったことがあったときにどこかに助けを求めるのではなくて、じゃあやっちゃえということで、今までの女性の発言にもあったように、いろんなことをやってまいりましたが、これまでの話だと、女性に一人でがんばれと言っているような気がしてならないんですね。

もうちょっと学びの場とか、公の施設などで学ぶ機会、それから情報を共有する機会、場所というのを県として用意していただきたいというふうに思います。

ですので、例えば実は私神奈川県主催の江の島塾で3年ほど学ばせていただいているんですけれども、ここに来ますと、志同じくした女性たちに会うことができるんですね。

ですから、自分でがんばりたいという気持ちを共有して、学び高め合う仲間に出会える場がありますので、それを今後もぜひ続けていただきたい、なくすような方向がもしあるんだとしたら、それはちょっと考えていただきたいというふうに思っております。

いかがでしょうか。

知事

誰がなくすと言いました。

参加者10

ないですけれども、何か縮小の方向にあるような噂を聞いたのと、今年は実際に1日減っています、実施日が。

知事

先ほど私、もうお答えしたつもりでいたんですけれども、今、県有施設を全部見直しています。

それは緊急財政対策で今やってます。というのは、今やらないと、本当に20年後、もう支えられない。20年後どころか、今の計算でいくと、10年持たないという非常に厳しい状況にあるわけですね。

だから、これを何とか乗り越えなければいけないから、神奈川臨調というところから、3年以内に県有施設の原則全廃という話が来たんです。それを踏まえながら、全部見直しています。今見直しの作業をやってるところです。そのときに、一つ一つしっかり見てます。

だから、機能、何が必要な仕事なのか、県がやらなければいけない仕事は何なのか。これは、民間でできる仕事なのかどうなのか、1個1個精査している最中です。それが答えです。ということで、皆さんの意見をお伺いしているということです。

今のまま全部残せと言われたら、みんなと共に沈没するしかないんです。だからこそ、みんなで意見を出し合って考えましょう。

この機能が必要だというんだったら、それを何とかして残しましょう。

その場所で同じようにやってくれと言われたら、それはできるかどうかはわからない。

その機能が大事だ、ここはこういう意味がありますよとみんなで確認できて、よし、これは残すべきだとなったら、それは必死で残さなきゃいけないという思いですね。

参加者11

横須賀から来ました、名前は匿名希望です。

きょうはゲストお二人の方いらっしゃって、個々の人の才覚と地道な努力でこちらの表舞台に立っているんで、非常に尊敬に値して聞いていましたが、やはりこういう会に出てよく聞くんですが、やっぱり点なんですよね。こういう方もいる、こういう立派な方もいる。点と点で、惜しむらくはその点と点がつながって、すごい一本の太い柱になって、要するに別の言葉で言うと、根本的にどうすれば女性の力がもっともっと現実的に大きく働かすことができるのか。

それは何だと思います?黒岩知事。

要は、女性の力をすごく根本的に大きく変えて、もっと働きやすくするためには何を根本的に今一番変える必要があるか、大本はどこかっていうことなんですけど。

知事

そういうことを皆さんと共に考えましょうとやっているわけです。私がこれだと言って、やるんだと言って決めて、それでいいかっていうことです。

参加者11

私は一言で言いますと、政治と立法府に女性の進出が少ない。日本は非常に女性の政治家が少ないんです。立法府にも女性の進出は少ないんです。

例えばノルウェー等は目標があって、課長さんご存知だと思うんですが、ノルウェーは例えば地方議会では女性はこれぐらいのパーセントにしましょう、全体の国の議員はこれぐらいにしましょう、それでノルウェーは男女共同がかなり進みました。

私が思いますには、要は女性の人材、特に政治家、あるいは立法ですよね。

いわゆる日本は法治国家だと思うんです。要するに法律に則って。企業活動もそうです。その法律に則っています。

ですから、基本的には法律をつくる側、あるいはそれを元にして政治を行う側、こちらに女性が進出しない限りは、根本的には変わらないと思います。

一つの提案なんですが、神奈川県例えば辻堂、茅ヶ崎に松下政経塾というのがあります。これは神奈川県です。

野田首相は第1期生の卒業生で、今首相ですが。前神奈川県知事もそこのご出身でした。あそこは女性が入っちゃいけないかというと、女性でもオーケーです。ただし少ないです。

私が思うに、あの場合は松下さんという私人がお金を出して、そういう政治家等を育て、経済家を育てましたが、できれば神奈川県もその音頭を取って、例えば企業の中でも、例えば資生堂さんなんか、たぶん副社長さん、岩田さんとか、非常に熱心な方がいらっしゃるんで、企業に呼びかけて、女性の人材育成、それにお金を出してくれるところを募って、神奈川県もそことタイアップして、例えば江の島の方の女性センター等を使って、例えば松下政経塾というと2年間3年間お金は一切授業料なしで、むしろそのお金を与えて自由に勉強させるっていうことなんで、根本的には女性の政治、あるいは立法、法律をつくるという分野にもっとどんどんプッシュしないと、根本的には変わらないと思います。

2050年には日本の人口は7,000万人代、2100年には4,700万と言われてます。今高校生いらしてますが、高校生が50歳ぐらいのときには2050年ぐらい。そのお子さんたちが活躍するのは2100年、4,700万と見込まれてます。もっと少ないかもしれません。

そのときにやはり女性が活躍するしかない。その辺り見越してちょっと考える、そういう教育ですよね。それぜひ神奈川県で音頭取りで、そういう場所というんですかね、を考えていただいてもいいのかなと思います。ちょっと大きなテーマですが。

知事

女性議員が増えるというのは、それはいいことでしょうけれど、私が増やすわけにいかないです。あなたが増やせばいいと思うなら、あなたが増やすんです。

藤田さんの発想はそうでしょう。無いんだったら、私がやるんだ、この発想だと私は思いますけれどね。

県が増やせと言っても、私の力で女性議員増やすわけにいかないです。みんなが選挙で決めるわけですからね。

だから、私が皆さんにお約束しているのは、県庁の中で女性をもっと幹部にしていきたいということはお約束します、ということです。

これネット中継でも見てくれていて、Twitterでいろんな意見も来ております。

ちょっとご紹介しますね。

「女性、特に若い人が社会で活躍することはすごいと素直に思う。ただ、そのことがすごいと思わせない社会にしなければ」まさにそうですよね。確かにそうです。

「女性が活躍するためにはもっと、お母さんが活躍できる社会インフラの整備が不可欠だと思います」まさに先程おっしゃったとおり。その後また来ていますね。

「学童保育で22時まで預かってもらえるのは、働くお母さんにとっては助かるね」ちゃんと聞いてくれているんですよね。これだけでもずいぶん告知が進みました。

さあ、ということで、だんだん時間も少なくなってまいりました。さあ、どうですか。

参加者12

先ほど匿名希望さんからお話が出ました神奈川の女性センター、今年江の島塾というところで受講いたしまして、女性の社会参画に関するステップアップのいろんな講議を受けて、きょうはわくわくしながら参加いたしました。

その中で、ちょっとお聞きしたいんですけれども、今男女共同参画プラン、神奈川県は第3次男女共同参画推進プランということを来年に向けて策定中ということで、インターネットでも一応検索したんですけれども、きょうその資料いただきまして。

前から感じておりましたんですけれども、神奈川県の場合は、その前、一応2002年に神奈川県は男女共同参画推進条例を策定いたしまして、私の勉強していく中で、ちょっと目に止まりましたのが、新しく今素案として出ております、きょういただいた神奈川男女共同参画推進プラン(第3次)の9ページの「施策の基本方向2政策方針決定過程への女性の参画等の促進」という項目がございますけれども、その中に、きょう出席なさってらっしゃる皆さんの職場とか、それから企業、行政、さっき知事が約束してくださいました、県庁の職員は女性職員を増やしますというそういう、ありましたけれども、その中に、匿名希望さんの話を受けてなんですけれども、女性議員という項目が抜けているように私は思ったんですけれども。

なぜかと申しますと、神奈川県の女性は、女性議員の比率といいますのは、11.2パーセントで、むしろ市町村議会の方が20パーセントという数字を達成しております。

ですから、これは202030プランと申しまして、2020年までに女性、政策意志決定の場に30パーセントの女性をということが閣議決定されまして、それを受けて今各都道府県では、神奈川県もさっき申しましたような第3次男女共同参画推進プランというものが作成中なんですけれども、その中に女性議員の割合のことにつきましてちょっと漏れているように私は思ったんですけれども、その辺どうしてなのか、ご説明いただきたいんですけれども。

知事

女性議員というもの、こういうのは書き込めるものなんですかね。

人権男女共同参画課長

確かに国の方の計画の中で、国会議員の候補者に占める割合を2020年までに30パーセントにするという目標は立てております。

ただ、都道府県議員に関しての目標はございません。

議員は、先ほどもちょっと知事の方からお話ありましたけれど、選挙で選ばれるものでありますので、県の施策が直接及ぶものではないというふうに考えておりまして、県としても状況について、数値の状態というのは把握しておきますが、目標値として設定するということはなじまないというふうに議会の方にも伺っておりまして、同じように考えているところです。

知事

なかなか難しい気はするんですけれどね。

女性議員がたくさんいた方が私はいいと思うんだけれども、それを県が条例でというのはちょっと、それがなじむかどうか。今回折角ですから、検討させていただきたいと思います。(本県の考え方・取組み)

さあ、どんどん時間も無くなってまいりました。最後の質問。

参加者13

実際に私の母親の話なんですけれども、母親は外国から来て、今50代後半で仕事をしています。それで実際に給料が少ないだとか、立場が悪くて、職を転々としたりして、いろいろ困っています。

それで、今回はゲストで女性として活躍しているお二人がいらっしゃるので、そのお二人に、今私たち若い世代は特に社会をまだよくわかっていないので、女性が進出していく難しさとか、そういうものにあまり関心がない人がとても多いと思うんです。

それも含めて、若い世代がこれからどう気持ちを持っていけばいいかとか、そういうヒントをもらえれば嬉しいです。

知事

ありがとうございます。

これを最後の質問にします。全体を総括する形で、きょうの全体の議論も聞いてこられて、そして最後に今の質問に対して、若い世代に対するメッセージという形で、藤田さんから、ちょっとお伺いしましょう。

藤田志穂氏(文化起業家/Office G-Revo(株)監査役)

たぶん私がちょうど会社を起業したときというのが、本当に女社長というのが出だしたりしたときで。でも、私は実際にはそんなことも知らずに起業してきたという部分がすごくあるんですね。

なので、その中で本当に大変なことはやっぱりたくさんあって。会社的にも、会社をやるとか、仕事をやるという部分、「社長になるのはどうやればなれますか?」とか、いろいろ聞かれたりもしたんですけれど、たぶんこれは会社だけに限らず、やっぱり何でも大変なことって、会社を立てること以上に、続けること。仕事をする以上、やっぱり周りにいろんな人がいて、仕事をするために、家族のためにっていう部分もあるかもしれないし。そういった部分では本当に継続することっていうのが大変だと思います。

さっきもお話しましたけれど、私自身すごい女性の人にはがんばってほしいし、実際すごく今の時代に合っていたりだとか、女の人ががんばれるような環境も、昔よりは整ってはきているんじゃないのかなというふうに、ちょっと自分自身がこうやって、私でもやれるっていうところを考えると、そういうふうな環境には実際なってきているんじゃないのかなというふうに思います。あまり逆にこれから仕事をがんばろうとか、そういうふうにがっつり働きたいなって思う気持ちを押さえないで、逆にそういう気持ちがあれば乗り越えられることもあると思うので、ぜひちょっと今、女性の方に対しての産休とか、そういう部分だったり不安もあるかもしれませんが、逆にそれを変えようというぐらいの気持ちで働ければ、何かしらうまくいくんじゃないのかなというふうに思います。

知事

ありがとうございました。

斎藤さん、最後に一言お願いします。

斎藤聖美氏(神奈川県男女共同参画審議会会長/ジェイ・ボンド東短証券(株)代表取締役社長)

きょう外国人の方のお話が出てきましたけれども、私の会社でエンジニア2人いますが、2人とも外国人です。

彼らは、国籍というよりも、求めているスキルを持っている、パーソナリティーもいいということで、たまたまそれが外国人だったという結果です。

ですから、ハンディキャップを持つ、女性であることというのはハンディキャップです、残念ながら。

女性であるハンディキャップ、あるいは外国人であるハンディキャップ、そういうものを克服するためには、やはり人にないもの、資格であり、スキルであり、そういうものを身につける努力というのはしていかなくちゃいけないんじゃないかなというふうに思います。

ある方がおっしゃっていたんですけれども、仕事の楽しさを知った人というのは、何か困難なことがあっても、どうしたら会社をやめないで、どうしたら仕事をやめないでいけるだろうかということを一生懸命考えて工夫する。ところが、仕事の楽しさを知らないままで働いている、働かされているというふうに思っている方というのは、どうやってやめようか、いつやめようかと考えるようになってしまうということをおっしゃっていました。

仕事というのは辛いことがある。それだけに楽しいこともたくさんある、達成感があります。

ですから、仕事の楽しさを分かって、そして仕事を続ける努力というのを、これは女性だけではなく、男性も続けていただきたいと思います。

きょうはどうもありがとうございました。

知事

ありがとうございました。

女性の力を生かすというテーマで、いろんな形で議論をしてきました。高校生も含めて、率直に意見交換できたことは、とってもよかったと思っています。

そんな中で、今、日本を何とかして救わなきゃいけないと。世界から見て、日本は何をやっているんだと言われているわけです。女性の力をもっと生かすことで、あなたたちはもっともっと元気になるだろうと、外から言われている。なぜそれができないのかといったときに、やはりまだまだ意識の中に、男が中心になっているということがずっと残っているんじゃないのかと思います。

私は、さっきから何回も言いますけれども、フジテレビっていう会社の中では、女性と共に一緒に働いてきたんですね。そこのところは少なくとも普通の会社よりも先に進んでいたと思っておりまして、それがとっても良かったという、成功体験を実は持っているんです。だから、その成功体験を持った自分が、県知事としていろんなことをやっていきたいと思った次第です。

きょうこの議論を通じて私が感じたことをまとめます。

自分がやりたいことは、女性をもっともっと登用して、そして女性がもっともっと生き生き働ける、女性の力によって神奈川の力を出していく、そんな神奈川づくりをやりたい。自分だからできること。知事だから、この神奈川県庁からまず始めていきたいと思っています。

そして、周りが求めることは何か。きょうそれは皆さんとの議論の中で、しっかりと感じさせていただきました。

神奈川の女性の力をもっともっと生かしてくれと。そのための母親を支えるような社会的基盤、しっかりやってくれと。NPOでやっている部分に対しても、ちゃんと目を向けてくれと。

そういったことをしっかり私が、周りから求められることということで受け止めさせていただきました。

ということで、またこういうテーマについて改めて皆さんとともにお話しもしていきたいと思います。

きょうは長い時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 

参加者意見への本県の取組み・考え方

 

参加者の発言

本県の取組み・考え方

1

神奈川県内、特に横浜市内には外国人労働者が多数いる。男性は就職率が高いが、女性は低いというデータがある。

外国人、特に女性向けのセミナーなどを積極的に行ってはどうか。

平成22年国勢調査をもとに県域全体を集計すると、外国人の労働力率※は男性82.1%、女性52.5%となっております。

※労働力率を計算する際の分母には、非労働力人口(学生・家事従事者・病弱者など、職をもたず、職を求めない者)も含まれています。

〔就労希望者のうち、職に就けない割合を示す完全失業率(完全失業者/労働力人口)は、県域の外国人では男性、女性ともに8.4%。(日本国籍をふくめた県域では男性6.4%、女性4.8%)〕

県の労働センターにおいて、外国人労働者が職場で直面するトラブル等の相談に応じ問題の解決に努めています。また、国の委託を受けた日本国際協力センター(JICE)では、外国人の就労を進めるため、日本語コミュニケーション能力の向上や、日本の労働法制、雇用慣行等に関するセミナーを県内各地で開催しています。

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大学3年生で、就職活動を行う時期である。会社選びでは、産休や育休の話が出る。企業に制度があるかどうか気になる。中小企業では育休や産休が進んでいない。神奈川県でも、制度をもっと広めてもらいたい。

県では、仕事と生活の両立を推進するため、ワーク・ライフ・バランスアドバイザー派遣や労働環境改善訪問などを行っております。今後も引き続き、育児休業制度の規定なども含め働きやすい職場環境作りの推進に努めてまいります。

また、ワーク・ライフ・バランスポータルサイト「かながわ働き方改革」にて、産休・育休の推進に関する企業・個人の取組み事例やQ&A、またセミナー情報や統計データなど、これからワーク・ライフ・バランスに取り組みたい企業等に役立つ情報を掲載しております。

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子育て支援の一つの学童保育について。22時まで預けられるような学童保育を作ろうと、NPOを立ち上げた。

学童は保育園より、注目されていないこともあり、宣伝できる場所がなく、働くお母さんを応援したくても、お母さんたちが頑張って探さないと見つからない。

県が運営委託しております「かなチャリサイト」にて、広く活動を周知したい県内のNPO等から提供された様々な情報等を提供しております。

また県では、NPO法人に関する施策や制度改正の内容などを、ホームページで情報提供するとともに、登録いただいたNPO法人(特定非営利活動法人)の皆様に、電子メールで情報提供を行っております。

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男女共同参画推進プランについて。女性議員の割合について抜けている。国の202030プランで2020年までに女性を政策意思決定過程で30%という数字が閣議決定されているのになぜか。

国の基本計画では都道府県議員に関する目標値はありません。議員は選挙によって選ばれるものであり、目標値には馴染まないと考えますが、本県議会議員の女性比率について、経年の推移等、動向を把握してまいります。

 

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