第2回「有償ボランティア」をどう考えるか

掲載日:2013年10月3日
 

NPOでのボランティアとしての活動の仕方

NPOでのボランティアとしての活動の仕方に、純粋無償ボランティアや実費弁償的ボランティア、有償ボランティアがあります。純粋無償ボランティアは、まったくの無報酬で活動するボランティアで、実費弁償的ボランティアは、交通費など活動経費の実費支給のみを受けるボランティアです。


有償ボランティアは、無償ボランティアと異なり、交通費など活動経費の実費だけでなく「謝礼的な金銭」や「活動経費としての一定額の支給」などの金銭の支払いを受けるボランティアです。


事業型NPOで働き、支えているのが「有償ボランティア」

最近は、コミュニティビジネスと重なり合う形で「事業型NPO」がソーシャルサービスを有料、有償で提供する事業を起こし、自らサービスを提供して収入を得て、そのようなサービスを提供することで社会に貢献することにつながっているNPOもあります。


このような「事業型NPO」を支えているのが「有償ボランティア」で、増加する傾向にあります。「謝礼的な金銭の支給」や「活動経費としての一定額の支給」は、その支払いの内容が労働の対価、つまり賃金として解釈される可能性もあり、その場合には労働者とみなされているという法的に微妙な立場にあります。


「有償ボランティア」と非常勤職員の働き方を比較

「有償ボランティア」と臨時的雇用関係の非常勤職員の働き方について比較してみると、「活動条件の取り決め」において、非常勤職員が勤務する場所や経費や報酬の支給内容、事故などの補償内容面で明確に決めているのに対し、「有償ボランティア」ではそれほど明確に定めていなく、仕事の種類や範囲や誰の指揮下で働くか、勤務日数や時間については、あまり両者に差がない、という調査があります。


そのため、「有償ボランティア」は非常勤職員と比較して、全体的に雇用労働者としての傾向は弱いけれど、雇用労働者に近い働き方をしている可能性があるといわれています。


注意が必要なグレーゾーン

雇用労働者として捉えると、労働関係諸法の適用を受けることになりますが、その点については、明確ではないためにグレーゾーンとなっています。金額的にも報酬と捉えると、最低賃金法に抵触する場合もあるので注意が必要です。労働者ではないということになると、労働諸法の保護を受けることができません。


このように有償ボランティアをグレーゾーンのままにしておくのは、優秀な人材を確保してNPOとしての継続性を確保し、発展を図るという側面では、大きな課題であるといえます。


講師:堀眞一郎

プロフィール:社会保険労務士、中小企業診断士。

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