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更新日:2025年1月30日

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定例会見(2025年1月28日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表項目

ウクライナ支援の機運を高めるイベントを開催します!

 はじめに、「ウクライナ支援の機運を高めるイベントを開催します!」についてです。
 本日は、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使と、ウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラの首席客演指揮者であり、このたびのオーケストラ公演の指揮者でもある吉田裕史さんにお越しいただきましたので、コルスンスキー大使と吉田さんとともに、イベントの概要等について発表させていただきます。
 本県と友好関係にある、ウクライナ・オデーサ州から、ウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラが来日し、3月2日(日曜日)に神奈川県民ホールで公演を行います。
 ロシアによる軍事侵攻から間もなく3年を迎えますが、今回の公演を契機にウクライナへの支援の機運を高めるため、イベントを開催します。
 まず、3月1日(土曜日)、3月2日(日曜日)の2日間、ウクライナ企画展「写真と映像で見るウクライナ」を開催します。会場は、そごう横浜店地下2階正面入口前にある新都市プラザです。主な内容としては、東京大学大学院の渡邉教授にご協力いただき、先端技術を活用し、破壊された街の様子など、ウクライナの現地の様子を3Dで再現した映像の展示を行うとともに、共催いただく駐日ウクライナ大使館から現地の写真をお借りして、ウクライナの現状をお伝えする写真パネルの展示等を行います。入場は無料ですので、ぜひお越しください。
 次の「ウクライナ国立オデーサ歌劇場オーケストラ公演」については、吉田さんからお願いします。

吉田氏: 皆さん、こんにちは。指揮者の吉田裕史です。オデーサの歌劇場はとても美しくてヨーロッパでも屈指の歌劇場と言われていますが、私は港からすぐ近くに建つ歌劇場の首席客演指揮者に2021年ですので、パンデミックの最中に就任いたしました。パンデミックの期間でしたので、なかなか指揮する機会がなかったのですが、その中でも少し落ち着いた時を狙って指揮をしに行って、その時、まさか戦争が始まるとは思っていなかったです。そうしましたら、翌年2月でしたか、戦争が始まりまして大変なことになったなと思って胸を痛めておりました。その後、1週間もしないでオデーサ歌劇場の方から連絡がありまして、日本人の指揮者としてマエストロはウクライナ側に立っているということを表明してほしいというリクエストがありまして、非常に深く考えさせられる瞬間でしたけれども、喜んでメッセージを送りまして、「私は私の同僚であるオデーサの音楽家たちと共におります」というメッセージを送りまして、その時からこのオーケストラとこの街の歌劇場と何が一緒にできるか、何をサポートできるか、どんなことを特に私の祖国である日本の皆さんに伝えられるかということを考えてきました。そんな中でオペラハウスにとってはシーズン最初のコンサートというのはすごく大切なコンサートなのですが、幕開けコンサートです。それの指揮の依頼がなぜか私のところに来まして、首席客演指揮者というのは劇場の中で№3もしくは№2のポジションなのですが、ベラルーシ人だった指揮者の方がお辞めになって暫定的に芸術面のトップに立ったので指揮に来てくださいということで、その時戦争が始まっていましたから非常に迷ったのですが、音楽が一番求められている市民に勇気と希望をオーケストラが届け続けている。そのオーケストラからあなたと一緒に音楽がしたいと言われまして、本当に迷いましたけれどもモルドバから陸路でオデーサに入りまして、コンサートを指揮いたしました。オーケストラは、戦争が始まって近くの教会などが爆撃されていて、歌劇場もいつ狙われるかわからないという中で演奏を5月には再開していたのです。確か2月に進行が始まったと思うのですが、5月には歌劇場を再開しまして、このエネルギーというか、このモチベーションはどこから来るのだろうと一緒に演奏しながら自問自答する日々、それからオーケストラのメンバーと話をしたりして、そうしたら「今、市民は音楽を求めている。そして音楽が勇気や希望や安らぎを与えてくれているのです。だから、私たちは戦場に行くのと同じように私たちはここで演奏を続けます」という言葉を聞いた時に私はこのオーケストラの演奏を日本の皆さんにも聴いていただきたいと思いましたし、オーケストラもそれを強く、ぜひ日本に行きたいと言ってくれましたので、そこからこの横浜の公演が実現できるように動いてきたわけですが、そんな中、これは偶然だったのですが、神奈川県とオデーサ州が友好関係にあるということがわかりましたので、黒岩知事にお会いして、ぜひ、この神奈川県でコンサートがやりたいのですがということを提案させていただきましたところ、喜んで一緒にやりましょうと言ってくださって今に至っております。

司会: セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使から、こうした取組みに対する所感等、ご発言をお願いいたします。

大使: 皆さんこんにちは。駐日ウクライナ大使です。よろしくお願いします。まずは、この一連のコンサート、その他のイベントの開催につきまして、黒岩知事及び吉田先生に心から感謝を申し上げたいと思います。ウクライナにとって極めて重要な案件になります。実は、神奈川県民ホールでのウクライナサポートのコンサートはこれが初めてではありません。最初は、実はもう、ほぼ3年前に全面的な戦争が始まって間もなくのうちに、同じように神奈川県の黒岩知事の開催による日本国内でおそらく初めての非常に大きなウクライナのサポートイベントとして、非常に素晴らしいコンサートが開催されました。あのとき、実は私も、日本の国民の皆様がこれだけウクライナを支持していらっしゃるということを、初めて自分の目で見て、実感いたしました。そして、日本の皆様はこれだけウクライナで起きている悲劇を自分のものとして受け止めていらっしゃるということに本当に感銘を受けました。実は、黒岩知事とは、その前から非常に緊密な関係にありました。侵略が始まって即時に、おそらく日本の地方自治体の中で、もしかしたら最初のことだったと思いますけれども、大使館へお越しいただき、知事からウクライナに対する支持の表明、そして、ウクライナからの避難者の受入れの申し出をいただきました。
 その後、吉田マエストロと知り合って、オデーサでの活躍のことを知りました。それからも、吉田先生からさまざまなオデーサの楽団への支援プロジェクトの具体的なイニシアティブの話をいただきましたけれども、その中で、ヤマハ様のスポンサーシップによって非常に貴重な楽器をオデーサの楽団に寄贈するというプロジェクトも実現されています。そして、プロジェクトのサポートとして、日本でのツアーも実現されることについても非常に嬉しく思っています。ぜひとも皆様にもお越しいただければと思います。とても美しいクラシックの音楽を、ウクライナの音楽を聴く機会になります。最後に申し上げたいのは、世界的な規模でウクライナにおける戦争に対して関心が落ちつつあるという発言をよく聞くことがあるのですが、皆様のおかげで日本ではこのような傾向を私は全く実感しておりません。その理由は、黒岩知事のような地方自治体によるサポートと関心、そして、吉田さんのプロジェクトのような、さまざまな民間レベルでのサポートもあるのですけれども、その他に重要な理由というのは、報道関係者の皆様による毎日のような非常に客観的で質の高い報道でございます。この機会を借りて心から感謝を申し上げたいと思います。どうもありがとうございます。

質疑

「ウクライナ支援の機運を高めるイベントを開催します!」について

記者: まずコルスンスキー大使にお伺いします。オデーサ市と横浜市は姉妹都市にあり、これまでも横浜市などがウクライナ国内での支援など、3年間かけてあったかと思います。神奈川県及び横浜市の支援をどのように感じてらっしゃるかということ、また、今回のイベントで期待していることを改めてお伺いさせてください。

大使: 幸いなことに横浜市とオデーサ市、また神奈川県とオデーサ州という2つのレベルでの友好関係及び協力関係がございまして、この3年間にわたって、両方のレベルでは多くのご支援をいただいております。特に感謝の意を表したいのは、神奈川県による非常に多くのウクライナの避難者の受入れでございます。それは受入れだけではなくて、彼らにとっての生活環境をつくっていただいて、また、さまざまな日頃のご支援もいただいています。そして、今回のコンサートでも前回と同様にホールが満席になることを期待しております。日本の皆様、神奈川県、横浜市の皆様にも、このコンサートにお越しいただきまして、再度ウクライナに対するサポートを示していただきたいと思います。このようなサポートによって、日本の皆様は、ウクライナで起きているこの戦争が公正なものではなく、また罪のない民間人を犠牲にするものであるという深い理解を示すことになると確信しています。また、ウクライナで起きていることをさらに深く理解したいという方は、ぜひとも、知事から先程お話のありました2日間にわたる展示会にもお越しいただければと思います。

記者: 知事にお伺いします。今回のイベントの中で特に県民ホールでオーケストラ公演が行われるということで、3月に休館を迎えるというところもあり、どのように感じていらっしゃるか、お伺いさせてください。

知事: 本県ではウクライナへの侵攻が始まってすぐに、ウクライナ避難民支援のために全庁横断的な支援チームをいち早く設置するとともに、民間企業や市町村等と連携して、オール神奈川で避難民に寄り添った支援に取り組んできました。具体的には、ウクライナ避難民の支援を申し出ていただいた企業等と連携し、住居や生活用品、食料品等の支援を行ったほか、ウクライナ避難民支援相談窓口を設置し、避難民やそのご家族からの相談に対応してまいりました。また、ロシアによる軍事侵攻が長期化する中、支援の機運を高めていくため、これまでもチャリティコンサートなどイベントも実施しました。あれは確か、先程吉田さんもおっしゃったように、侵攻が2月の末だったと思いますけども、5月8日に神奈川県民ホール、これは神奈川フィルハーモニーと一緒になっての支援コンサートを行いました。ウクライナからのオペラ歌手、そしてポーランドからのピアニストが合体して、そして各国の大使もお招きして、コルスンスキー大使にも当然お越しいただきましたけれども、そしてその時点で避難されている皆さんもお招きしてコンサートを行いました。その時のコンサートというのは、私も忘れられない非常に感動的なコンサートになりました。演奏が終わって、即座に全員がスタンディングオベーションという、クラシックコンサートで見たことがないような光景でありました。今、163人の避難民の方が神奈川県内に来られているのですが、これだけ戦争が長期化するということは当時想定もしていなかったのですが、我々侵攻が始まったときにすぐ、そういう支援のコンサートをしたのですが、それ以降なかなかチャンスを掴めずにいました。そのような中で今回たまたま、オデーサの歌劇場のオーケストラ、しかも日本人指揮者によって来日されるという話を聞いて、これは良いタイミングだということで、このコンサートだけではなくて、先程申し上げたように幅広い形での支援のイベント、そしてウクライナのことを、皆で忘れないようにしようと、そしてさらに支援の輪を広げていこうということを呼びかける良いきっかけになったと思っております。

記者: まず、吉田さんに伺いたいと思います。先程、日本の皆さんにも聴いてもらいたいというところで、背景と今回の講演のきっかけ、動機づけの部分をお聞きしました。改めて今回どのような思いで、この講演に臨まれるかというところ、もう少し詳しくお聞かせください。

吉田氏: まずオーケストラをサポートする、そしてオーケストラを通して、歌劇場、ウクライナの文化というものが今大変な困難な状況にある中で、それをできるだけサポートできたらという思いは黒岩知事とも共有しています。それがまずあります。そしてそれだけではなく、ウクライナに初めて指揮をしに行ったときに驚いたのですが、オデーサという街は地中海に面していて、明るくて美しい。今、ちょうど渡り廊下を歩いたときに港が見えたのですけれども、オデーサの街の景色に似ているのです。なので、神奈川県の皆さんを中心に、ぜひ文化大国ウクライナの誇る、音楽家、作品、これは例えばリセンコですとか、ジルヴェストロフという、ウクライナが誇る作曲家の曲をこの神奈川の地で演奏できることは喜びですし、芸術大国ウクライナの誇る作品というものを皆さんに聴いていただきたい。これが2つ目です。あとはやはり今回、神奈川県に避難しているウクライナの避難民の方たちをお招きして、ウクライナの祖国のオーケストラが文化大使として来ますから、そこで交流というか、音楽には力がありますので、祖国の曲、作曲家の曲を聴くというのは本当に、外の国にいると、私普段イタリアにいるのですけど、本当にかけがえのない経験なのです。ですので、そこで音楽を楽しんでいただけたらと、この3つのことを考えております。

記者: 知事、大使、吉田さんそれぞれにお聞きしたいのですけども、この意義深い公演がこの神奈川の地で行われるということを通じて、日本とウクライナにどのようなつながりを生めるとお考えかということをお聞かせください。

知事: 私は、先程申し上げた3年前の5月8日のコンサートの時です。我々にとってはウクライナに頑張って欲しいという自然な気持ちでいましたけれども、大使の先程の言葉を聞いて逆に驚いたというか、日本人がウクライナのことをこうやって支援してくれているのだということを確認できたということです。そういう見方なのかという逆に驚いたわけです。そして、これだけ長く時間も経ってしまったという中で、我々の気持ちは変わっていませんということをしっかり発信するということで大変意義があると感じています。

大使: オデーサのオーケストラが日本ツアーを行うことは初めてになります。侵略の開始、また22年の5月のコンサートからの3年間にわたって、日本でウクライナを支持する、サポートするという文脈で非常に多くのさまざまなイベント及び動きがありました。そして、その動きのほとんどには、「初めて」という言葉が付いています。この「初めて」から始まる、日本によるウクライナに対する支持の件数、実は私には数え切れません。そして、今回は初めてオデーサのオーケストラの日本ツアー神奈川コンサートが開催されるのですけれども、ぜひともこのような初めてから始まることが、これから継続的に実現されることを期待したいです。つまり、数年後にはオデーサのオーケストラの何回目の日本ツアーが行われる際には、皆様が本当に仲良し、お友達としてそのツアーをお待ちになられることを期待しております。それはオデーサ劇団だけではなく、そのほかにバレエ、その他のウクライナの音楽、その他の文化の様々なイベントを皆様が本当に心待ちにしていただけたらと思います。これからこそ、ウクライナと日本との関係がこのような文化のつながりに基づいたものになりますように、人と人とのつながりに基づいたものになりますように心から願っております。

吉田氏: 私は音楽家ですので、本当に最高の演奏をお届けして皆さんに楽しんでいただきたいと思いますし、それから数々の珍しい曲を演奏しますので、なかなかめったに聴けることがない曲だと思いますので、その点もかなり重要なエポックメイキング的な出来事になるのではないかなと思っています。オーケストラもやる気満々で準備していますし、私は2月中旬にオデーサに入りまして、異例のことですが10日間もリハーサルが取られています。普通、オーケストラのリハーサルは3日間とか2日間なのですが、10日間。これは実は、今、停電しているのです。1日に数時間しか電気が使えないということも関係はしているのですが、いずれにしても10日間もリハーサルをして、それくらいオーケストラにしてみたら誉であり、日本に来て、日本の皆さんに聴いていただきたいという思いが強いということです。私も日本人の音楽家ですので、海外で日本の曲を演奏するときは、喜びと誇りとアイデンティティ全開で演奏するわけですけど、同じことが、今、オデーサのオーケストラの皆は自分の祖国の曲を演奏するわけですから、本当に日本にやってきて、文化大使的な誇りを持って、熱い演奏をしてくれることは間違いないので、ぜひ多くの方に聴きに来ていただきたいと思います。

記者: 吉田さんにお尋ねしたいと思います。お話しになられていたら恐縮なのですけど、オデーサ歌劇場首席客演指揮者に就任されたのは何年何月になりますでしょうか。

吉田氏: 2021年です。侵攻が始まる前の年です。

記者: 侵攻後もオデーサに通われたということで、吉田さんが感じられた戦争の爪痕ですとか、今、停電というお話もしていただきましたけれども、戦争感じられたというのはどういったところになるのでしょうか。

吉田氏: 私は本当にショックというか驚きでした。今ウクライナの上空は飛行機が飛べないので、イタリアから行ったのですが、隣のモルドバという国に飛行機で飛びまして、そこからキシナウという首都からウクライナとの国境までは車で行くしかないのです。車で行きまして、国境を越えるときには降りなければいけない。国境を越えるのにも本当に入念なチェックとそれからたくさんの逃れたいろんな人たちが列をなしていましたから、国境を越えるだけで4時間ぐらいかかりまして、4時間かかって国境を越えた先に歌劇場の車が迎えに来てくれたときは、本当にほっとしまして、そしてその夜、初めて空襲警報というものを聞いたわけですけれども、今、ウクライナに入国する者は全員、アラーム、アプリケーションのインストールが義務付けられていまして、それが夜中2時ぐらいにけたたましい音でなったわけです。日本語で言うと肝を冷やしてというか、平和な国で生まれ育ちましたから、それを聞いて本当に飛び起きて、一目散に地下のシェルターに逃げたというのが、私の初めての体験でした。

記者: お三方にお伺いしたいのですけれども、今回のイベントを通して、特に日本にいる方々にどういう思いを感じて欲しいかとか、どういった考え方を持っていただきたいかみたいな部分を教えていただきたいです。

知事: 日本人に向けて、ウクライナなことを忘れないようにしよう、もう一度思い出そう、全然戦争は終わっていないということを思い出してさらに支援を続けていこうというメッセージを皆さんとともに共有したいと思います。

大使: 実はこのような非常に大きなオーケストラが来日するという企画とか、また去年のようにウクライナの国立民俗舞踊団が日本全国ツアーをやったときとか、それと今年1月に終わったばかりですけれども、キーウバレエ団が日本ツアーを行ったときに一番思っていることは、どれだけこの人たちが自分たちのやっている仕事、アート、そして自分たちが生まれ育った国、ウクライナを愛しているかということの象徴的な証拠になっているのではないかと思います。つまり普通の仕事をしている人たちと違って、芸術の人たちは毎日のようにリハーサルとかお稽古とかをしないと、お仕事を続けられないじゃないですか。そして、彼らが警報の中、空襲の中、シェルターにいながら自分の芸術に力を入れて、スキルとかを失わないように頑張っているということがこれだけウクライナの人たちにとって、ウクライナの文化が重要であることの証拠になっています。そして、今回の企画のようにウクライナの文化を外国の方、日本の方に紹介するということも絶対にその人たちが負けない、絶対にその人たちが諦めないということの証拠にもなっています。そして、ウクライナの国歌の歌詞なのですが、「ウクライナは滅びず」という歌詞になっているのですが、そういうコンサートとかそういうイベントを見ていると確かにまだまだです。ウクライナはちゃんと生き残って、ちゃんと勝つということを実感しています。確信しています。

吉田氏: 今回のコンサートは、ウクライナではタラス・ブーリバ。大使に正しい発音をお伺いしてみたいと思うのですが。

大使: タラス・ブーリバ。

吉田氏: これはウクライナの人たちにとっては建国の叙事詩というかコサック魂のお話なのです。そのオペラの序曲で開幕します。私が例えばオデーサに通って、オデーサのオーケストラのメンバーとかと話した中で学んだことは、コサック魂というのは、マエストロの国のサムライ魂に近いのだよということとか、それから自主自立というものを、ものすごく尊重するのだそうです。その曲で幕を開けますので、どれだけオーケストラが真剣に熱い演奏をするか想像がつくと思うのです。なので、音楽の力で皆さんに楽しんでいただき、感動していただき、日本人はやっぱり困っているときは助けるとか、困っているときはお互い様というすばらしい民族だと思いますので、その音楽を聴いていただいて、「良いな」「こういう音楽なくなっちゃ困るな」「存続して欲しいな」という思いから自然にサポートしたいなというか、それは、我々日本人は普通に出てくることだと思うので、音楽家としてとにかく良い演奏するということが使命だと思っています。ぜひ多くの方に来ていただきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします。

発表項目

かながわこどもまんなかアクションを紹介します

 次に、「かながわこどもまんなかアクションを紹介します」についてです。
 県では、全ての人がこどもや子育て中の方々を応援する「こどもまんなかアクション」の取組みを推進しています。この度、県内企業や団体が取り組むかながわこどもまんなかアクションを紹介する事例集と、事例集の中からいくつかの取組みを紹介する動画を県のホームページで公開しました。
 公開する動画は9本ありますが、本日はその動画のうちの1本をご覧いただきます。 こどもまんなかアクションに取り組む、株式会社フィード・ワンの「こども参観日」の動画です。それではご覧ください。
 こうした企業の好事例をより多くの方に知っていただくため、県内の主要公共交通機関の車内ビジョンやインターネット広告を通じた広告展開を実施します。
 さらに、2月3日(月曜日)に発売されるビジネス系の雑誌「週刊東洋経済」にも、こどもまんなかアクションに取り組む企業・団体を紹介する記事を掲載します。
 県内企業・団体が取り組むこどもまんなかアクションを、より多くの方に知っていただき、こどもの目線に立ってこどもまんなかアクションに取り組む方が増えることを期待しています。

ベンチャーと大企業等が連携して取り組むプロジェクトの実証事業を行います

 次に、「ベンチャーと大企業等が連携して取り組むプロジェクトの実証事業を行います」についてです。
 「SHINみなとみらい」では、ベンチャー企業と大企業等の連携によるオープンイノベーションを促進する取組み「ビジネスアクセラレーターかながわ BAK」を実施しています。今年度は、17件のプロジェクトを採択していますが、今回、そのうち2つのプロジェクトが実証事業を行いますので、お知らせします。
 1つ目は「株式会社Nobest」と「株式会社サンエー」の2社が連携し、太陽光発電設備の管理の効率化に取り組むプロジェクトです。太陽光発電設備が故障等により停止した際、その原因を特定するためには、設置場所に人が出向いて確認する必要があり、迅速な対応が困難となっています。そこで、AIやIoT技術に強みを持つベンチャー企業である「Nobest」と、太陽光発電の導入や保守点検を行う「サンエー」が連携し、設備の故障をリアルタイムで検知して、離れた場所からその原因を特定できる自動遠隔監視システムを開発しました。このシステムは、太陽光パネルなど一連の発電設備に電流を測定するセンサーを設置することで、発電が停止した際、どこで故障が起きたのか、AIが判断し、その情報を事業者に送信するものです。このシステムにより、発電停止から復旧までにかかる時間の大幅な短縮が期待されます。今回の実証は、太陽光発電設備が数多く設置されている、藤沢サスティナブルスマートタウンにご協力いただき、街の外周にある太陽光発電設備に、複数のセンサーを設置し、事業者が、遠隔で電流の状態を監視します。この実証結果を踏まえ、システムの販売、社会実装を目指し、太陽光発電の更なる普及と脱炭素の推進につなげていきます。
 2つ目は、「エグゼヴィータ株式会社」と「株式会社グリーンハウス」の2社が連携し、AIを活用して未病改善に取り組むプロジェクトです。「HATSU鎌倉」で支援を受け、起業した「エグゼヴィータ株式会社」は、スマートウオッチなどのウェアラブルデバイスから得られる個人の行動データを、AIにより解析し、食事や睡眠などの生活習慣を自動で可視化するアプリを開発しています。このアプリと、グリーンハウスが実施している管理栄養士による栄養指導のノウハウを組み合わせ、個人の状況にあわせて、AIが食生活や睡眠、運動等の生活習慣の改善に向けたアドバイスを行うサービスを、新たに開発しました。今回、このサービスを、グリーンハウスの従業員が実際に利用し、健康意識の向上や生活習慣の改善効果などを検証します。検証結果を踏まえ、企業向けのサービスとして事業化を目指し、健康経営に取り組む企業の増加と、従業員の未病改善につなげていきます。
 県は、今後も、ベンチャー企業の成長を支援するとともに、ベンチャー企業の斬新な発想や技術を活用して社会課題の解決と県経済の活性化に取り組んでまいります。

カスハラ対策として、ソフトバンク株式会社のAIによる音声変換システムの実証実験を行います!

 次に、「カスハラ対策として、ソフトバンク株式会社のAIによる音声変換システムの実証実験を行います!」についてです。
 現在、暴言や長時間に及ぶ電話等での理不尽な要求といったカスタマーハラスメント、いわゆる「カスハラ」が社会的な課題となっています。そうした中、電話によるカスハラへの対策として、ソフトバンク株式会社では威圧的な電話音声をAIで抑制するシステム「SoftVoice」を開発しており、このたび、県はこの取組みに協力し、SoftVoiceの実証実験に取り組むこととしました。それでは、このSoftVoiceによるAI音声変換について、実際に皆様にお聞きいただきたいと思います。
 このようにSoftVoiceにより、怒り口調の声色がソフトなものに変換されますので、電話応対する職員のストレスの軽減が期待されます。早速本日からこのシステムの実証実験を開始し、その結果を踏まえ、今後、県庁での活用についても検討していきます。なお、このような実証実験に取り組むのは、把握している限りでは、自治体では神奈川県が全国初となります。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
 私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。

質疑

「カスハラ対策として、ソフトバンク株式会社のAIによる音声変換システムの実証実験を行います!」について

記者: カスハラ対策の音声システム実証実験についてお伺いいたします。今、自治体初というお話ありましたが、どのような経緯で県において実施することになったのか。あと、もし防止条例などについて、お考えありましたらお伺いしたいと思います。

知事: カスハラは社会的な課題となっていますが、神奈川県でも同様で、電話対応に職員が苦慮している事例があります。その中でソフトバンク株式会社さんから実証実験の提案があり、県として協力することとしたものです。今、ご指摘のカスハラ防止条例、今のところこの条例をつくるということは、今は考えていませんけれど、何らかの形でカスハラ防止に向けてのアクションというものを考えていきたい、そう思っています。

「かながわこどもまんなかアクションを紹介します」について

記者: こども家庭庁ができてからこどもまんなかアクションを進めている中で、県としても、県内の全自治体集めて会議を開いたりですとか、神奈川独自の取り組みがこれまであったと思うのですけど、今知事の方で、このこどもアクションプランの、県の取り組みの進捗具合といいますか、取り組み具合についての受け止め、どのように思われているのかをお伺いします。

知事: すべての人が子どもや子育て中の方々を応援し、県全体で子ども・子育てに優しい社会をつくっていくということが目的です。そのため、県では昨年7月に子育て不安解消宣言を掲げ、子ども・子育て支援の充実を図るとともに、子どもや子育て当事者との対話を行ってきました。先日、私は県内の高校生と対話してきましたが、例えば、「電車で子連れの方に対する周りの目が冷たいと感じ、将来、子どもを持つことに不安がある」と言われました。今回作成しました、かながわこどもまんなかアクション事例集には、子ども・子育て支援に取り組む交通事業者の他、製造業、発電事業者、プロスポーツチーム、NPO団体など多様な企業・団体の取組みが掲載されています。交通事業者も各社が、子ども連れの方が電車に乗ってお出かけするのが楽しくなるようなさまざまな取組みを行っていますので、そのような取組みを紹介することで、子どもまんなかの取組みがさらに広がっていくことを期待するとともに、神奈川県全体で子ども・子育てに優しい社会づくりを目指していきたいと思います。その進捗状況はどうかということでありますけれども、こういったこどもまんなかといった子ども目線に立った発想、それによって政策を実現していこうというのは、動き始めたところだと思います。これがしっかりと定着、成長、発展をしていくように、しっかりサポートしたいと思っています。

フジテレビについて

記者: きのうのフジテレビさんの話ですけれども、オープンで今回は行われたということでのご感想。また、取締相談役の日枝久さんがきのうの会見には出席されなかったということで、フジテレビの労働組合とかからは、出席を求める声が強かったということがあると思います。事実上のトップといわれている方が出席されなかった部分についてご感想があればお聞かせいただきたいと思います。

知事: きのうの会見は10時間を超えるという、私も12時過ぎまで見ていましたけれども、私にとっては本当に胸が痛くなるような会見でありました。第1回目の社長会見のときにあのようにオープンにしておけば、こんなことにならなかったのかなと。あの会見の後に75社がスポンサーを下りるということになってしまって、大問題に発展しましたけれども、最初からきのうのような形で、オープンで記者会見をしていれば、そんなことにはならなかったのではないのかと思うと、本当に残念でならないなというのが正直なところでした。その中で第三者委員会がいよいよスタートすると。それで事実が明らかになってくるということが期待されるわけです。会長、社長が責任を取って辞任するということにもなりました。今後どのようにしてその真実が明らかになってくるのかといったこと、そして本当に信頼回復につながっていくのかということをしっかりと私も見守りたいと思っています。日枝代表の件について、私はコメントする立場ではないと思います。きのうの会見というのは、今回起きた中居さんを中心とする出来事に対しての話をするというのがメインだったのではないかとは思っていますが、労働組合の方からも、もっと拡大した形でやってほしいという声もあったという中で、それが会社の中でどのような判断が行われてああなったのか、私には分りませんけれども、まだ問題がこれですべて解決だと思っていないので、今後の対応といったものを注視していきたいと思っています。

選択的夫婦別姓制度について

記者: 24日に通常国会が始まりまして、その中での主要テーマの一つとして上がっている選択的夫婦別姓制度について伺えればと思うのですが、報道各社も世論調査などを行ってさまざまな意見が出ているところなのですけれども、内閣府が令和4年3月に公表した調査によると、選択的夫婦別姓制度を「導入したほうがいい」という方が28.9%、「夫婦同姓の維持をしたほうがいい」という方が27%とほぼ同数で、「夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けたほうがいい」という方が42%、これが一番多い状況にあります。これらを踏まえて、現状、選択的夫婦別姓制度について、知事のスタンスと内閣府の調査の受け止めなどを伺えればと思います。

知事: 選択的夫婦別姓制度については、国民にさまざまな意見があることなどから、家族の一体感、子どもへの影響など十分に考慮し、国民各層の意見を踏まえて、国で議論が進められていると承知しています。内閣府調査の結果は、この制度についてさまざまな意見があることを表していると思います。また、この他にもさまざまな機関による世論調査結果が出ていると承知はしています。きのうの国会でも「先延ばしせずに議論の頻度を高める」といった答弁があったようですが、皆さんの関心の高いこの問題について、国会における議論がしっかりとなされるよう、注視してまいります。今この段階では、国民の多くがこっちだと決断するまでは至っていないのではないかと。どうしてこういう制度が必要なのかということをもう少し皆さんで議論をして、どっちがどうなのかということを考えていく。今そんなレベルではないかと私自身は思っています。

記者: 現状でも、例えばパスポートであったり、免許証などは、旧姓の併記というのがほとんどの公文書で認められている状況にあります。また、各企業でも、旧姓の使用を認めている企業もほとんどあるという状況で、日常生活で、それほど煩わしい状況がないのではないかという意見もあるかと思うのですけれども、そのあたりについて、知事はどうご覧になっているのでしょうか。

知事: 旧姓の通称使用について、各企業での旧姓呼称などが進んでいますが、その一方で、税や社会保障などの手続きに際して、戸籍上の姓との照合などの負担があったり、海外では理解されづらいなどの問題があると経済界からも声が上がっていると承知しています。旧姓の通称使用では、現在どういった不都合があるのかなど、当事者や企業の意見を聞きながら、国において議論されるべきものと考えます。

記者: 弊社のアンケートで恐縮ですけれども、小中学生2千人を対象にしたアンケートがありまして、同じ家族で名字が違うことに対して、反対の意見を述べる小中学生が約半数いたという状況があります。現状ですと、子どもに姓を選択する権利がない、親が決めたものをそのまま子どもは受け継ぐという形になるかと思うのですけれども、そういった状況が家族間の火種になるのではないかという意見もありますが、そのあたりはどう考えておりますでしょうか。

知事: 選択的夫婦別姓制度に賛成の方の中にも、子どもの姓の取扱いについてはさまざまな議論があると聞いています。家族の一体感や子どもへの影響などを十分に考慮し、議論の頻度を高めるということなので、国民各層の意見を踏まえ、国会における議論を進めてもらいたいと考えます。まさに子ども目線に立って考えてみれば、途中で変わるということなった場合には、どちらかの姓になるといったら、それは子どももびっくりして、どうしてとなると思います。それは今の段階で考えるとそうでしょうけれど、これが定着していけば、また違うことになるのかもしれない。そういったことを含めながら、総合的に各層で議論を進めていく必要があるのではないかと思います。

「ベンチャーと大企業等が連携して取り組むプロジェクトの実証事業を行います」について

記者: 令和6年度の支援プロジェクトに採択されたうち、今回実証事業される2つのプロジェクトではそれぞれ何番目に実証実験をされるのかっていうところと、あとはその支援プロジェクトに採択されたのは、トータル合計でいくつのプロジェクトかというところと、あとこの2つの実証事業を通じて知事は県政にどうつなげていきたいかという点を伺えればと思います。

ベンチャー支援担当課長: まず順番ですが、17件のプロジェクトは順不同で実証実験を始めておりますので、何番目ということはございません。基本的にはもうすべてのプロジェクトが何らかサービスの開発や、実証実験などに取り組んでいる状態ということで、今回この2つが発表という形になったということでございます。17件、今年は採択をさせていただいています。

知事: 神奈川県では、HATSU鎌倉、SHINみなとみらいという形でベンチャー支援をしています。HATSU鎌倉というのは、まだアイディア段階ぐらいの感じで、何かやってみたいなという、ぼんやりした感じの方々が集まって、そして交流して、そして、こんな形になってくるのかなと思ってイメージが膨らんでくると、SHINみなとみらいに行く。このSHINみなとみらいは、ベンチャーを目指す人たちがいると同時に大企業の人も来て、そして県の職員も常駐しておりまして、そこでお互いに情報交換、共有しながら、そこでさまざまな出会いがあって、マッチングが進んでいる。私もコロナの間は見に行けなかったのですけれど、コロナが終わってから見に行くと、大変な熱気溢れる空間になっておりまして、神奈川からベンチャーがどんどん生まれようとしているのを感じたところであります。ですから、これでベンチャーと大企業とが一緒になって連携していくという形になっていくということで、これがどんどん進んでいけば、経済活性化にとって非常に大きなエンジンになるのではないかと思います。

フジテレビについて

記者: 遅くまで見てらっしゃったと思うのですけれども、前回の定例会見でフジテレビの1回目の会見のやり方についての意思決定がテレビマンとして理解できないというお話がありましたけれど、その点について、きのうの会見で、いろいろ説明あったと思うのですが、その意思決定のあり方について納得がいったとかそういったところはどうでしょうか。

知事: 社長自らが失敗したと思ったとおっしゃっていましたね。ですから、どうしてその失敗したというような意思決定になったのかといったことを含めて、これからしっかりと検証していく必要があるのではないかと思います。そういったことも、第三者委員会が独立した形で進める中で明らかになってくるのではないのかと思います。

県立中井やまゆり園について

記者: きょう、中井の健康問題の委員会がありまして、知事もご出席されたと思うのですけれども改めて感想を伺いたいです。

知事: 私は締めのコメントいたしましたけれども、やはりなかなか容易じゃない問題だと改めて思いました。やっぱりなぜこういうことが起きたのかということ、そして、じゃあどうすればいいのかということなんだけれども、そもそも私もずっと議論を聞いていましたが、なぜこういうことが起きたか、つまりその医療的な空白といわれるような状態が続いているということですね、そこがやっぱりよく分からないということですね。それと、福祉のサイドから見ている人と、医療のサイドから見ている人との間の溝のようなものが感じられたと思いました。ですから、そのあたりをうまくつないでいくということが非常に大事です。医療のサイドから見れば、なぜもっと医療をちゃんとやらないのか、そのためにはもっと専門家が入ってどうにかしないといけないだろうというけれども、今までずっとそういうのが十分じゃなかった中で、支援している職員さんは急に医療の専門家になれといわれてもそれは無理な話です。その中で前回のときに、家庭的な看護のレベルにも達していないことがありました。今日もそういった具体の話も実はありました。つまり熱が出たら自動的にカロナールを渡すだけ。それもどうも誰かに処方されたものを使い回すという、非常に機械的な対応で、重大な事態に至っていることもあったんじゃないのかなという話もありました。やっぱりその家庭的看護が何かというと、まさに家族の様子を見ている、その気持ちですよね。大丈夫なのかな。熱はあるけれどもこの熱は、もしかしたら大変なことかもしれないな。だとしたらもう早くもう救急車呼んだほうがいいのかな。それぞれの状況に応じてやっぱりみんなで判断をするということが普通です。それが家族看護です。家族は、医療の専門家じゃなくても、そういう愛情、思いがあれば、そういうような対応をするだろうと思うんだけれども。そのレベルに達してないってことは、なぜそうなのかといったことを、もっとこれは突き詰めていかないとなかなか前に進んでいけないと思います。

記者: 前に進んでないということで、先週の厚生常任委員会で、県職員のアンケート。結果、13の欄が開示されまして、ハラスメントなり、不満みたいなところもかなり職員の方が持ってらっしゃるっていうような印象を受けました。今日の委員会でもPDCを回していくことが大事だという話ありましたけれども、そこはなかなか回っていかないというところ。この理由について今知事としてはどうお考えでしょうか。

知事: 今まで医療の空白という問題に対して、しっかりメスが入っていなかったということがあります。外部にアドバイザーが皆さん入って、そういう現実を目の当たりにして、そこで声を荒らげたようなこともあったと。それがパワハラだということを言われているというアンケートでそれが上っていた。パワハラは良いとは言わない。それはもう今、大きな問題ではありますけれども。でもそのパワハラにつながったと言われるその原因がどうですかね。この原因がどうっていう。この命に関わるようなことはあったということならば、パワハラだけを切り離して、そこだけを断罪しなければいけないというのは、ちょっと違うのではないか。やっぱりその大元のところもしっかりと検証していく必要があると改めて思いました。

記者: その委員会の場で、もちろん知事ご自身これまで命の問題ですとか、いろんなこういう問題があるという、ご指摘、ご発言されているのですけれども、県当局の方の答弁で、その命の問題に関して、具体的な内容。我々がこれまでの委員会、委員会で健康問題委員会終わった後に、専門家の方々、ご説明していただいている内容ですとか、知事がご説明している内容にまで答弁がなかったりですとか、ある種医療の問題なので、医療の専門家のご意見を聞きたいというような答弁で。県幹部の皆さんが、そこに対してしっかりと答弁されてないような印象を受けました。そうすると、次回の議論というのも、知事がおっしゃるような命の問題とハラスメントというところは具体的にどういうところがあって、どういう議論。どういうやりとりがあって、どういう問題があるのかという。なかなか解像度が上がっていかないのかと思います。そのあたり、ある種、知事は旗を振っているんだけれども、なかなかそこは答弁に至っていないというところ、それについてはどうお考えでしょうか。

知事: 今の議論は、支援者、職員。職員と、そしてそのアドバイザーとの間の問題とか、県庁職員の間の問題とか。本庁の問題とか。そういう対象者が出てきての問題で、いろいろと議論が行われているのだけども、私は前から言っているのですけれども、当事者目線の障がい福祉を進めようと言っているわけです。本来なら当事者の生の声というのが本当は上がってくると、全然違った形の議論の展開になるのではないかと思っています。ただ残念ながら実際入ってらっしゃる利用者の皆さんは、言葉でどんどん発言できるような感じではない方が多いのだけれども、あの人たちの思いにしっかり耳を傾けるというところから、議論のステージは変わってくるのではないかと思っています。

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