(2)歯垢と歯石の観察       授業のポイント   歯垢、歯石は歯周疾患の原因となります。歯垢は歯と歯肉の境目や歯と歯の間に付きやすく、白色のぬるぬるした細菌の塊で自分で取ることができます。   歯石は下の前歯の裏側や上の第1大臼歯のおもて側に付きやすいのですが、固くて自分で取ることはできません。その違いを知らせ、鏡を見ながらセルフチェックさせましょう。   効力感へのメッセージ    「隠れた」汚れを知ることが、つるつる、ピッカピカへの第一歩なんだ!       ○ 用意するもの      歯垢と歯石の写真、記録用紙(資料編)、手鏡      ○ 実習の手順      ステップ1       内容  歯垢と歯石の違いと付着しやすい部位の理解       手順  写真で歯垢と歯石の色や形について、見分け方を説明。      ステップ2       内容  セルフチェックと記録       手順  (1) 舌で付着部位の感触を確かめさせる。(ぬるぬる感・ザラザラ感)           (2) 手鏡を持たせ、歯垢や歯石の付着部位を観察させる。           (3)記録用紙に、歯垢や歯石の付着部位を赤鉛筆で記入させる。        (3)歯肉出血の観察  授業のポイント   糸ようじや*唾液の潜血検査紙を使って、歯肉からの出血の部位や程度を観察させます。   フロスが歯肉(正確には歯肉の溝)に当たった時の感じ方は、健康な歯肉と、出血など炎症のある歯肉では異なった感じがします。炎症のある歯肉は痛がゆいような感覚があり、その違いを聞き出しながら、体の変化を意識させます。自覚症状がないまま進行する歯周疾患を自覚させるための一つの方法として糸ようじは効果的です。   効力感へのメッセージ    「痛がゆい」、「出血する」は大事なからだの訴え!これに正しく応えると、体も正直に反応するんだ。       ○ 用意するもの     顎模型又は説明写真、手鏡、糸ようじ、記録用紙(資料編)  ○ 実習の手順     ステップ1      内容  糸ようじの使い方の理解      手順  糸ようじの使い方について模型で説明(歯の側面をこするようにゆっくりと歯頚部まで動かし、そこで側面に糸を当て、左右側面に対し汚れを落とすように前後に数回動かす。)     ステップ2      内容  糸ようじ実習       手順  (1) 手鏡を持たせ、歯肉の様子を観察させる。          (2) 手鏡を見ながら、上下の65 321 123 56歯間部に糸ようじを通させる。(臼歯部は糸ようじの首を曲げるとやりやすい事をアドバイス)             糸に付いた汚れは一回ずつティッシュで拭かせる。出血した部位を手鏡を見ながら確認させ、結果票に赤鉛筆で記入させる。上顎臼歯部で見にくい部位は糸に血がついたかどうかを確認させる。      *唾液の潜血用検査紙で出血の有無を知ることもできます。(問い合わせは、保健福祉事務所まで)               (4)舌の観察      授業のポイント    舌の表面を自己観察させてください。中央部に白色や淡黄色の物がついている生徒はいませんか。    これは「舌苔(ぜったい)」(舌のこけ)といい、口の中の粘膜がはがれ落ちたり、白血球、食べ物の残りなどの汚れが堆積したものです。口臭の原因となる物です。    体調の変化により舌苔の付着状態や舌の色に変化が出ることを知らせます。        効力感へのメッセージ     舌苔が付いている君!夜更かししていないかな?早寝早起き!舌も回復するよ。  ○ 用意する物     説明写真、手鏡、歯ブラシ    ○ 実習の手順     ステップ1      内容  舌苔の理解      手順  写真で付着部位や状態等の説明     ステップ2      内容  セルフチェックと記録      手順  舌を前方に出し、手鏡で舌奥から中央部を観察させ、舌苔の付着があれば記録用紙に記入させる。 3 歯科疾患予防の知識普及編  全員が参加して楽しみながら知識を習得し、さらに口腔内を観察してセルフチェックの技法を学ぶ場にしましょう。  (1)クイズで進めるワンポイント教育    全員が参加して、楽しくクイズを解きながら知識を習得する場にしましょう。         授業のポイント    歯科疾患予防や口腔と全身との関係について、全員参加型〇×クイズ形式で行います。一問ずつ正解を発表し、解説書に基づき説明を加えます。     *全問正解者がいた場合は賞品を渡す等で雰囲気を盛り上げることも出来ます。   効力感へのメッセージ    とにかく、興味を持つことが、健康づくりの基本なんだ!         ○ クイズ項目    ・8020運動 ・歯周疾患(初期症状・痛みの有無・有病者の年齢・口臭・歯みがき・喫煙)    ・歯垢 ・スポーツドリンク ・フッ化物 ・歯周疾患と全身   ○ 用意するもの     〇と×を書いた軍手、団扇又は厚紙等、解説書、説明用媒体     *クイズ冊子 (資料編) 参照      ○ 手順     (1) クイズの説明(2「思春期の歯ぐき健康づくりプログラム」の実際を参照)      (2)生徒に〇と×を書いた軍手又は厚紙等を全員に渡す。    (3)出題者は、問題を書いた用紙を掲げ、読み上げる。    (4)生徒には、〇×で回答させる。    (5)正解を伝え、解説をする。    (6)(3)〜(5)を繰り返す       *クイズは12問あります。時間配分により出題数を調整します。       *クイズ内容は、クイズ冊子 (資料編) 参照    (2)歯肉模型を用いた教育     媒体の歯肉模型や顎模型は、最寄りの保健福祉事務所で貸し出しができます。   授業のポイント    大きな歯肉模型(最初から出しておかずに、アッと手品のように出して見せることは、きっと、生徒の関心を引くことでしょう。    健康な歯肉と心配な歯肉の、それぞれ外面と内面がわかる模型になっています。これで、歯肉炎の状況や歯周疾患の進行について、体験をもとに考えてもらいましょう。   効力感へのメッセージ    君のからだに生じた歯肉の腫れや出欠のわけを知ったら、歯ブラシや歯間清掃具(糸ようじ等)の工夫が見えてこないかな〜?!