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[2015.2.23更新]

1 苦情検査の状況

(1) 苦情検査の状況 (平成20~25年度)

平成20~25年度に当所で行った苦情検査は合計286件で、年度別でみると、平成20年度が一番多く103件でした。この年は、「冷凍餃子の農薬混入」や「事故米流出」など食品に関する事件や事故が相次いで発生し、消費者の食品に対する不安や不信感が高まり、数多くの苦情が寄せられました。平成21年度は49件と約半数となり、その後は30~40件前後で推移しています(図1)。
苦情検査286件の内訳をみると、食品に関するものは252件(88.1%)で全体の9割近くを占めていました(図2)。残りの約1割は、屋内外で発生した虫など、主に住環境に関する苦情検査となっていました。

図1 年度別苦情検査件数

図2 苦情検査の内訳(H20~25年度)

(2) 食品に関する苦情の理化学検査の状況 (平成20~25年度)

平成20~25年度に当所で行った食品に関する苦情検査252件のうち、理化学検査を実施したものは142件(56.3%)で、年度別にみると、平成20年度は60件でしたが、平成21年度はその半数以下の29件に減少し、その後は10~20件前後で推移しています(図3)。

図3 食品苦情の理化学検査件数(H20~25年度)

図4 食品苦情の内容(H20~25年度)

内容別では、“毛髪様のものが混入している”、“虫が混入している”、“何かわからないが、異物が入っている”等の異物混入を疑う事例(異物)が52.8%と一番多く、全体の半数を占めました。そのほか“体調不良になった”という事例(有症状)が21.1%、“臭いがおかしい”という事例(異臭)が15.5%、“味が変だ”という事例(異味)が6.3%、“食品が変色している”、“容器に穴があいている”等の事例(食品外観)が2.8%でした(図4)。

苦情内容で一番多い「異物」の事例では、混入が認められた異物として、虫、毛、骨、繊維、プラスチック、金属等があり、大きさもさまざまです。異物の検査としては、異物の素材や成分を明らかにすることが原因究明につながります。
「有症状」の事例では、食べてすぐにおう吐や下痢をした、舌がピリピリしたりしびれた、発疹ができた等の症状が訴えられています。症状や喫食状況等の調査から、農薬やヒスタミン、ソラニン等の検査を行います。
「異臭」の事例では、シンナー臭や消毒臭、プラスチック臭等が訴えられています。原因としては、果物が熟しすぎてシンナーのような臭いが発生した、消毒の薬が付着した、耐熱性のないプラスチック容器を加熱したために臭いが移行した等があげられます。異臭の検査では、苦情品から揮発する成分を分析対象としています。
「異味」の事例では、苦い、えぐみがある、何か変な味だ等が訴えられています。原因としては、苦みやえぐみのある物質が混入した、食品の中で苦みやえぐみのある成分が作られた、変敗した等があげられます。異味の検査は、異味となる原因物質を予測して、食品中からその成分を取り出し、取り出した成分が確かに異味の原因となるかどうかを確認することが原因究明につながります。

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