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[2008.8.10掲載]

横巻き: ご存じですか?  マラカイトグリーン!!

マラカイトグリーンとは  
   

   最近、産地を偽装したウナギから食品に使用してはいけないマラカイトグリーンが検出された事例がありました。では、マラカイトグリーンとはどんなものなのでしょう。
   マラカイトグリーンは青緑色の有機色素で、工業用染色に使用されるほか、魚類の殺菌剤、駆虫薬として知られており、観賞魚の水カビ病、白点病、尾腐れ病の治療薬(合成抗菌剤)として用いられています。
  日本では薬事法の規制により、 2005年8月にマラカイトグリーンの養殖魚への使用が全面禁止になりました。また、食品衛生法で「食品は別に基準があるものを除き、抗生物質や合成抗菌剤を含有してはならない」と定められていることにより、マラカイトグリーン及び主な代謝物のロイコマラカイトグリーンが検出された食品は流通、販売等をすることはできません。

食品に使用するマラカイトグリーンの対策は?

 
 

   1970年代半ばから、マラカイトグリーンに対して発がん性が指摘されるようになり、1981年にはアメリカで、2002年にはEU加盟国やノルウェーでも食品等への使用が禁止されました。また、中国では2002年5月に「食用動物への使用を禁止する動物用医薬品及びその化合物リスト」にマラカイトグリーンが組み入れられ、すべての食用動物への使用が禁止されました。
  しかし、 2005年に日本やその他の国で、中国産のうなぎからマラカイトグリーンが検出されたことから、中国産養殖うなぎ及びその加工品の全輸入届出について、輸入時にマラカイトグリーンの検査を実施することとしました。(平成17年8月29日 厚生労働省通知 食安輸発第0829001号)
   また、 2007年には中国産の冷凍さばの切り身からマラカイトグリーンが検出されたため、中国産のさば加工品についても輸入時にマラカイトグリーンの検査を実施することになりました。(平成19年7月30日 厚生労働省通知 食安輸発第0730004号)

マラカイトグリーンの検出は?  
 

   輸入食品に対し検疫所が実施した検査での、最近の マラカイトグリーン検出事例は次表 のとおりです。しかし、これらの事例で検出されたのは、ほとんどがロイコマラカイトグリーンでした。
   マラカイトグリーンは生体内で酵素により還元され、ロイコマラカイトグリーンに変化します。ロイコマラカイトグリーンについても発ガン性が示唆されています。また、マラカイトグリーンが魚等の体内から短期間で消失してしまうのに対し、ロイコマラカイトグリーンは長く残留するということが報告がされています。ロイコマラカイトグリーンが検出されることで、食品にマラカイトグリーンを使用したことが推測されることから、食品の安全性確保のためには、マラカイトグリーンだけでなく、代謝物のロイコマラカイトグリーンも分析対象とされています。

 
 
     神奈川県衛生研究所でも、市場に流通しているうなぎやその加工品について、安全性確保のためマラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーンの検査を 8月から実施します。
 
(理化学部 甲斐茂美)
 
 
     
 

(参考資料)

  中国産養殖鰻のマラカイトグリーン検出について( Q&A)(厚生労働省)
     http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/050804-1.html

  厚生労働省輸入監視業務ホームページ
     http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html

  食品安全委員会「マラカイトグリーンについて」
     http://www.fsc.go.jp/sonota/malachite_green.pdf

  食品安全委員会 動物用医薬品専門調査会
  動物用医薬品評価書 マラカイトグリーン及びロイコマラカイトグリーンの食品健康影響評価について
     http://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-hyouka-malachitegreen.pdf

 

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