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3. 世界や日本の気候変動への取組IPCC 海洋・雪氷圏特別報告書

 気候変動の影響は、陸上だけではありません。地球の表面の多くの部分は海洋に覆われており、膨大な量の熱と二酸化炭素を吸収しているなど海洋は地球の気候システムにおいて重要な役割を果たしています。また、氷河や極地といった寒冷な地域は地球温暖化の影響に非常に敏感な地域です。「海洋・雪氷圏特別報告書」は、気候変動と海洋や雪氷圏の関係性について詳しく論じられたIPCCの特別報告書(2019年9月IPCC第51回総会にて承認・受諾)です。

 この報告書では、観測された変化及び影響として、雪氷圏が広範に縮退し氷床及び氷河の質量が消失するとともに、積雪被覆並びに北極域の海氷の面積及び厚さの減少、永久凍土の温度上昇が見られるとしています。さらに、世界平均海面水位の上昇が20世紀の約2.5倍の速度で進んでおり、これに氷床と氷河の融解が大きく寄与していると指摘しています。

 また、20世紀以降の海洋の温暖化は、海洋生態系にも影響を与え、潜在的な最大漁獲量の全体的な低下に寄与するとともに、人間活動、海面上昇、温暖化、極端な気候イベントの複合影響により、沿岸湿地のほぼ50%が過去100年間で失われたとしています。

海洋に関連する、気候変動影響(サイクロン、大雨、干ばつ、海洋熱波等)の発生個所の図表

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