HOME映像を視る街中に隠れた防災機能気候変動による自然災害への影響

ここから本文です。

映像と資料で学ぶ気候変動③街中に隠れた防災機能気候変動による自然災害への影響

雨の降り方の変化

 気候変動によって、大雨の増加、台風の強大化、雨が降らない日の増加など、雨の降り方が変わることが予測されています。

 雨は、空気に含まれる水蒸気が雲の中で集まり、地上に落ちてくる現象です。空気には、気温が高くなるほど水蒸気を多く含むことができる性質があります。 そのため、気温が高くなることで、空気中に水蒸気をため込むことができる時間が長くなることから、雨の回数は減るものの、 ため込まれる水蒸気量が多くなるため、一度に降る雨の量は増加します。

 その結果、今までにないような強い雨となったり、猛烈な台風が日本に近づくなどの変化が、気候変動の影響として、すでに起こり始めています。

温暖化による豪雨のメカニズム

引用・出典・リンク

強い雨の頻度やその強さの増加

 近年、滝のように降る強い雨の発生頻度が全国的に、増加する傾向にあります。 このまま、温暖化が進むと、このような強い雨が降る頻度やその強さは、さらに増すことが予測されています。

 例えば、産業革命以前を基準にして、2℃気温が上昇した場合(現在と比べて約1℃上昇した場合)では、 降水量は約1.1倍に、河川の洪水リスクは約2倍になるという予測も示されています。

 また、大量の雨は洪水の危険性を高めるだけでなく、雨が土壌中にしみこむことで、土砂災害の危険性も高まります。

全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数の経年変化

引用・出典・リンク

台風の強大化

 台風は、海から供給される水蒸気をエネルギー源として、強い風や雨をもたらします。 そのため、気候変動によって、気温や海面水温が上昇すると、供給される水蒸気量が増えるため、日本付近の個々の台風の強さは強くなる可能性があります。

 実際に、神奈川県にも大きな被害をもたらした令和元年東日本台風(台風19号)では、 これまでの気候変動の影響による気温や海面水温の上昇によって、総降水量の約1割が増加したと分析されています。

令和元年台風19号の雨量レーダー画像

引用・出典・リンク

高潮・高波

 台風や発達した低気圧が通過するとき、潮位が大きく上昇することがあり、これを「高潮」といいます。 高潮は、主に台風等の中心の気圧が低いことによる吸い上げ効果と強い風が沖から海岸に向かって吹くことによる吹き寄せ効果が原因となって起こります。

 神奈川県にも大きな被害をもたらした令和元年東日本台風(台風19号)では、小田原港において、過去の最高潮位を超える値(172㎝)を観測しています。

高潮・高波のメカニズム

引用・出典・リンク