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映像と資料で学ぶ気候変動②ボトルからボトルをつくるリサイクルによる二酸化炭素の削減効果

ライフサイクルアセスメント(LCA)

 リサイクルする際にも、エネルギーが必要であり、各工程からは、温室効果ガスが排出されます。そのため、リサイクルによる二酸化炭素の削減効果を評価するには、 原料となる資源の採取~製品の生産~廃棄までのすべての工程で発生する二酸化炭素を算出して、リサイクルする場合としない場合とで比較する必要があります。

 このように、ある製品やサービスのライフサイクル全体(資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル)における環境への負荷を評価する方法を ライフサイクルアセスメント(LCA)と呼びます。

 例えば、使用済みの古くなったプラスチック製品を新しく買い替える場合を考えてみます。 リサイクルされた再生品を購入する場合には、使用済みのプラスチック製品の運搬や再製品化の工程で二酸化炭素が発生します。 一方で、リサイクルをせずに、新品を購入する場合は、原料となる石油などの採取や新しいプラスチック製品の製造工程で二酸化炭素が発生するだけでなく、 使用済みのプラスチック製品を処分するためにも二酸化炭素が発生します。

 このように、全ての工程を考慮し、比較することで、リサイクルによる二酸化炭素削減効果が正しく評価できます。

使用済みの古くなったプラスチック製品を新しく買い替える場合のLCA

引用・出典・リンク

ペットボトルのリサイクル効果

 日本国内では、年間593千トン(2019年度)のペットボトルが販売されており、ボトル本数にすると252億本にのぼります。 そのうちの86%が、容器やフィルム、化学繊維(衣料)、ペットボトル等にリサイクルされています。

 ペットボトルのリサイクルによる年間の二酸化炭素削減効果をライフサイクルアセスメント(LCA)により、比較してみます。 リサイクルをした場合では、920千トンの二酸化炭素が発生するのに対して、リサイクルを全くしないと仮定した場合では、 ごみとして廃棄するために1,150千トン、新しくプラスチック製品を作るのに1,239千トンの二酸化炭素が発生します。

 その結果、リサイクルする場合としない場合の差し引きで、年間1,469千トン(2019年)の二酸化炭素が、 リサイクルすることで削減できたと推計されています。

ペットボトルリサイクル全体でのLCA

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