当事者と一緒に考えた みんなで読める 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例 〜ともに生きる社会を目指して〜 令和4年10月24日 条例は、都道府県や市町村がつくる大切な決まりです。 ページ 前文 第1条 目的 第2条 定義 第3条 基本理念 第4条 県の責務 第5条 市町村との連携 第6条 県民及び事業者の責務 第7条 障害福祉サービス提供事業者の責務 第8条 基本計画の策定 第9条 基本計画に定める施策 第10条 意思決定支援の推進 第11条 障害者の権利擁護 第12条 障害を理由とする差別、虐待等の禁止 第13条 障害を理由とする差別に関する相談、助言等 第14条 社会的障壁の除去 第15条 虐待等の防止 第16条 虐待の早期発見等 第17条 障害者の家族等に対する支援 第18条 障害福祉に係る政策立案過程への障害者の参加の推進 第19条 障害者主体の活動の促進 第20条 生涯にわたる障害者への支援体制の整備 第21条 高齢者施策等との連携 第22条 支援手法に関する調査研究 第23条 中核的な役割を担う拠点の整備 第24条 地域間の均衡 第25条 自立支援協議会の活動の推進等 第26条 人材の確保、育成等 第27条 財政上の措置 附則 参考資料 障害福祉サービス提供事業所について ともに生きる社会かながわ憲章 当事者目線の障がい福祉実現宣言 一緒に考えたメンバー 前文 当事者目線の障害福祉推進条例をつくった理由 平成28年(2016年)7月26日に、神奈川県立の障害者支援施設津久井やまゆり園で、19名のいのちが奪われる、悲しい事件が起きました。障害のある人や家族だけではなく、みんなが悲しくなり、心配な気持ちになりました。 神奈川県は、津久井やまゆり園事件のような悲しい事件が二度と起きないようにするため、平成28年(2016年)10月に、神奈川県議会と一緒に「ともに生きる社会かながわ憲章」をつくりました。「ともに生きる社会かながわ憲章」は、神奈川県が大切にする考え方です。 神奈川県では、津久井やまゆり園事件のあと、これまでの障害者支援施設(入所施設)の支援のことなどを確認して、障害者支援施設などに入所している人にもっと良い支援ができないか考えてきました。 これまでは、施設側が安全を一番大事にするという理由で、入所している人の部屋に鍵をかけて外へ出られないようにするなどの対応があったことが分かりました。 良い支援の方法を考えたところ、障害のある人の気持ちを大切にして、本人がしてほしいと思っている支援をするためには、本人の立場に立つことが大事だと、改めて気付(きづ)きました。 神奈川県は、障害のある人たちと何度も話し合い、思いや望んでいることなどをよく知ろうとしました。 神奈川県は、障害のある人、一人ひとりの心の声に耳を傾けて思いや望みを聞き、本人の立場に立った支援をすることが、障害のある人だけではなく、周りにいる人たちみんなが幸せに生活できる「当事者目線の障害福祉」になると考えました。 神奈川県は、令和3年(2021年)11月に「当事者目線の障がい福祉実現宣言」を発表して、これからは当事者目線の障害福祉にしていくと約束しました。 日本の障害福祉は、昭和56年(1981年)の国際障害者年から、障害のある人みんなが、自立や社会参加ができる社会を目指してきました。そして、障害者基本法が直され、障害者差別解消法などが作られ、平成26年(2014年)に障害者権利条約を守ると日本は約束しました。しかし、すべての障害のある人が自分らしく暮らせる社会は、まだつくれていません。 神奈川県は、みんなが安心して暮らせる地域共生社会を目標に、県民、事業者と神奈川県が協力して取り組める仕組みをつくる必要があると考えました。 神奈川県は、当事者目線の障害福祉を進めていくことで「ともに生きる社会かながわ憲章」が目標にしている社会をつくることができると考えました。 そのための大切な決まりとして、神奈川県は「当事者目線の障害福祉推進条例」をつくって、当事者目線の障害福祉を進めるための基本的な内容を決めました。 言葉の説明 県民 神奈川県に住んでいる人のことです。 事業者 神奈川県にあるお店や会社のことです。 言葉の説明 障害のある人、一人ひとりの心の声に耳を傾けて思いや望みを聞き、 障害のある人、一人ひとりの気持ちや考えを受け止めることです。 第1条 目的 この条例をつくった目的 「当事者目線の障害福祉推進条例」には、「当事者目線の障害福祉」を進めるための大切な考え方を書いています。 県、県民、事業者がすることを明らかにして、「当事者目線の障害福祉」を進めるために必要なことを書いています。 「当事者目線の障害福祉推進条例」は、障害のある人が障害を理由とするすべての差別や虐待をされずに暮らすことができて、誰もがうれしいと感じられる、地域共生社会にしていくことを目的にしています。 第2条 定義 当事者目線の障害福祉推進条例に出てくる言葉の意味 (1)「障害」とは、「障害のある人」とは 「障害」とは、障害者基本法に書いてある障害のことです。 「障害のある人」とは、障害者基本法に書いてある障害者のことです。 言葉の説明 障害者基本法 障害のある人に関係する日本の大切な決まりのことです。 障害者基本法に書いてある「障害」 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害も含みます)や、難病などその他の障害のことです。 障害者基本法に書いてある「障害者」 障害や社会的障壁があって、生きにくさを感じている人のことです。 社会的障壁 障害のある人の生きにくさの原因となるすべてのことです。 (2)「当事者目線の障害福祉」とは 「当事者目線の障害福祉」とは、次のことです。 ・障害のある人に関係するすべての人が、本人の気持ちになって考えることです。 ・本人の望みと願いを大事にすることです。 ・障害のある人が、自分の気持ちや考えで、自分に必要なサポートを受けながら暮らすことができるような社会をつくることです。 (3)「意思決定支援」とは 「意思決定支援」とは、障害のある人の気持ちや考えを大事にして、生活をしたり、外へ出かけたり、働いたりすることを自分で決められるように周りの人がサポートすることです。 (4)「障害福祉サービス提供事業者」とは 「障害福祉サービス提供事業者」とは、障害のある人が困っていることをサポートする事業所のことです。 障害福祉サービス提供事業者について、参考資料に詳しく説明しています。 第3条 基本理念 当事者目線の障害福祉を進めるための大切な考え方 「当事者目線の障害福祉」を進めるときは、(1)から(6)に書いてあることを大事にします。 (1)すべての県民が、人として大切にされること。 自分の生き方を自分で決められること。 自分が大切にしている考え方を大事にされること。 (2)障害のある人が、自分のことは自分で決められるようにすること。 (3)障害のある人が、住みたいと思う場所で、自分らしく暮らすことができるようにすること。 (4)障害のある人の性別、年齢、障害の様子、生活に合わせて、周りの人たちが協力し、本人が活躍できるようにすること。 (5)障害のある人だけではなく、周りの人たちも、うれしいと感じられること。 (6)すべての県民が、障害や障害のある人のことをよく理解すること。 地域に住んでいる人がお互いに支え合いながら、社会全体で取り組むこと。 第4条 県の責務 神奈川県がすること (1)神奈川県は、「当事者目線の障害福祉を進めるための大切な考え方」を大事にして、「当事者目線の障害福祉」の取組みを行う責任があります。 (2)神奈川県は、市町村や事業者などと協力して、障害や「当事者目線の障害福祉」の内容を知ってもらうための取組みを行います。 (3)神奈川県は、県民や事業者などの意見を聞いて、「当事者目線の障害福祉」をより良いものにしていきます。 第5条 市町村との連携 神奈川県が市町村と協力してすること (1)神奈川県は、「当事者目線の障害福祉」を実現するために、市町村と協力するように努力します。 (2)神奈川県は、市町村が「当事者目線の障害福祉」を進めるための計画を立てたり、取組みをしたりするときに、アドバイスなどをします。 第6条 県民及び事業者の責務 県民や事業者がすること (1)県民や事業者は、「当事者目線の障害福祉を進めるための大切な考え方」を大事にして、「当事者目線の障害福祉」を知って、その取組みに協力するように努力しなければいけません。 (2)県民や事業者は、「当事者目線の障害福祉を進めるための大切な考え方」を大事にして、障害のある人が、社会、経済、文化などのいろいろな活動に参加できるように努力しなければいけません。 第7条 障害福祉サービス提供事業者の責務 障害福祉サービス提供事業者がすること 「障害福祉サービス提供事業者」は、「当事者目線の障害福祉を進めるための大切な考え方」を大事にして、地域に住んでいる人たちと協力して、地域の社会資源を使って、「当事者目線の障害福祉」を進めるように努力しなければいけません。 言葉の説明 地域の社会資源 障害のある人が、地域で暮らすために、使える場所や人を含めたすべてのことです。 第8条 基本計画の策定 基本的な計画をつくること (1)神奈川県知事は、「当事者目線の障害福祉」を進めるために、基本的な計画をつくります。 (2)神奈川県知事は、1年に1回、「当事者目線の障害福祉」を進めるための基本的な計画がどのくらい進んだか、インターネットなどで伝えます。 第9条 基本計画に定める施策 基本的な計画の内容 「当事者目線の障害福祉」を進めるための基本的な計画として、(1)から(12)の施策を決めます。 言葉の説明 施策 計画や取組みをつくって、実際にすることです。 (1)障害のある人が、自分の生活に合わせたサポートを受けられる施策 地域での生活の仕方を選べるようにするための医療(病院)、介護(介助)、福祉などの施策 (2)障害のある人が困ったときに話を聞いてもらえるようにする施策 障害のある人の家族や支援者、地域の人たちなどが、障害のある人をサポートしていて困ったときに話を聞いてもらえるようにする施策 (3)障害のある子どもが学べるようにする施策 障害のある人が、いつでも学びたいと思ったときに学べるようにする施策 (4)障害のある子どもが、家の近くで療育などのサポートを受けられるようにする施策 言葉の説明 療育 一人ひとりの子どもが、自分らしい生活を送れるようにサポートすることです。 (5)障害に合わせて働けるようにする施策 会社が障害のある人を雇うことを進めていくための施策 (6)障害のある人が生活しやすい住宅(住む場所)を用意する施策 (7)障害のある人が公共の施設(学校や駅や道路など)を使いやすくするための施策 障害のある人の移動をしやすくするための施策 (8)障害のある人が情報を伝えるようにする施策 障害のある人に情報を伝えたり、サポートしたりするための施策 (9)障害のある人や障害のある人の生活を支える家族のお金などの心配を減らすための施策 障害のある人がお金などに困らないようにする施策 (10)障害のある人が、文化・芸術(音楽や美術やダンスなど)やスポーツなどの活用に参加しやすくするための施策 (11)障害のある人が地域で安心して暮らせるようにするための施策 ・地震や大雨(水害)、津波などの被害から守ること ・障害のある人を傷つけようとする人から守ること ・障害のある人が騙されてお金を取られないようにすること など (12)障害のある人が神奈川県庁などに来たときに手続きをしやすくする施策 第10条 意思決定支援の推進 意思決定支援に取り組むこと (1)「障害福祉サービス提供事業者」は、「意思決定支援」をするように努力しなければいけません。 (2)神奈川県は、「意思決定支援」を進めるための情報を伝えます。 どこに相談すればよいのか、どんなサポートをしてもらえるのかなど、アドバイスする仕組みをつくります。 (3)神奈川県は、「障害福祉サービス提供事業者」に「意思決定支援」の研修を行います。 第11条 障害者の権利擁護 障害のある人の権利を守ること (1)障害のある人に関わる人は、障害のある人が障害者支援施設やヘルパーやデイサービスなどの福祉サービスを利用するときには、本人の気持ちを大事にしなければいけません。 (2)障害のある人に関わる人は、障害のある人が「意思決定支援」を望んだときには、本人の気持ちを大事にして、意思決定支援ができるように努力しなければいけません。 第12条 障害を理由とする差別、虐待等の禁止 障害を理由とする差別、虐待などの禁止 すべての人は障害のある人に対して、障害を理由とする差別、虐待、大切にしている考え方を傷つけることをしてはいけません。 第13条 障害を理由とする差別に関する相談、助言等 障害を理由とする差別についての相談やアドバイス (1)神奈川県は、障害を理由とする差別についてのトラブルが起きないようにしたり、解決のために相談したりできる仕組みをつくります。 (2)神奈川県は、障害を理由とする差別について相談を受けたときには、相談の内容に合わせて次のことをします。 ・神奈川県は、相談に来た人に、アドバイスなどをします。 ・神奈川県は、相談に来た人の関係者に、必要なときには、差別についての相談の内容を伝えます。 ・神奈川県は、市町村に、必要なときには、差別についての相談の内容を伝えます。 第14条 社会的障壁の除去 障害のある人の生活しづらいことや困ったことをなくすこと (1)障害のある人から、生活しづらいことや困ったことがあると言われなくても、神奈川県は負担が大きすぎないときには、合理的な配慮をする努力をします。 言葉の説明 合理的な配慮 障害のある人が生活しづらいことや困ったことがあるときに、周りの人が工夫をして、生活しやすくすることです。 (2)障害のある人から、生活しづらいことや困ったことがあると言われなくても、事業者は負担が大きすぎないときは、合理的な配慮をする努力をしなければいけません。 第15条 虐待等の防止 虐待が起きないようにすること (1)神奈川県は、市町村や障害のある人に関係する団体と協力して、障害のある人への虐待が起きないようにするために、「障害福祉サービス提供事業者」に研修を行います。 (2)「障害福祉サービス提供事業者」は、障害のある人への虐待が起きないようにするために、働いている人に研修などをする努力をしなければいけません。 第16条 虐待の早期発見等 虐待を早く見つけること (1)神奈川県は、市町村や障害のある人に関係する団体と協力して、障害のある人への虐待を見つけたらすぐに連絡することや、連絡の方法を、県民などにお知らせします。 (2)神奈川県は、市町村や障害のある人に関係する団体と協力して、障害のある人への虐待を早く見つけて、早く対応するための仕組みをつくります。 第17条 障害者の家族等に対する支援 障害のある人の家族などへのサポート 神奈川県は、障害のある人の家族や関係者に、情報を伝えることやアドバイスなどのサポートをして、本人を支える生活の中での心配なことが少なくなるようにします。 第18条 障害福祉に係る政策立案過程への障害者の参加の推進 障害福祉についての県の会議への障害者の参加 神奈川県は、障害福祉についての県の会議に、障害のある人の参加を進めます。 第19条 障害者主体の活動の促進 ピアサポートや当事者活動・本人活動などを進めること (1)神奈川県は、ピアサポートや当事者活動・本人活動などの内容を、県民や事業者などによく知ってもらえるように努力します。 (2)神奈川県は、ピアサポートや当事者活動・本人活動などをしている人たちが、仲間同士で連絡を取ったり、やりとりしたり、一緒に活動ができるようにサポートする努力をします。 (3)神奈川県は、ピアサポートや当事者活動・本人活動などを広げるために、日本や海外の活動の情報を集めて、分かりやすく伝える努力をします。 言葉の説明 ピアサポート 同じような悩みを持っている人同士の支え合いのことです。 当事者活動・本人活動 障害のある人が中心になって、仲間同士で行っている活動のことです。 第20条 生涯にわたる障害者への支援体制の整備 障害のある人の生涯(生きている間のこと)のサポートの仕組みをつくること 神奈川県は、障害のある人が、必要なサポートを生涯途切れることなく受けることができる仕組みをつくる努力をします。 第21条 高齢者施策等との連携 高齢者や子どもの福祉施策と協力して取り組むこと 神奈川県は、高齢者や子どもの福祉施策と協力して、当事者目線の障害福祉を進めます。 第22条 支援手法に関する調査研究 支援の方法の情報を集めたり調べたりすること 神奈川県は、障害のある人へのより良い支援をするために、日本や海外の、より良い支援についての情報を集めたり、調べたりする努力をします。 第23条 中核的な役割を担う拠点の整備 地域生活や社会参加を進めるための場を整備すること 神奈川県は、当事者目線の障害福祉を進めていくために、障害のある人の地域生活をサポートすることや、障害のある人の社会参加を進めるための場をつくる努力をします。 第24条 地域間の均衡 どこに住んでいても、同じサービスを受けられるようにすること 神奈川県は、当事者目線の障害福祉の施策を行うときに、障害のある人がどこに住んでいても同じサービスを受けられるように努力をします。 第25条 自立支援協議会の活動の推進等 自立支援協議会の活動を進めること (1)神奈川県は、障害のある人の支援の仕組みをつくるために、障害保健福祉圏域ごとに自立支援協議会を開きます。 言葉の説明 障害保健福祉圏域 神奈川県内を8つの地域に分けた、障害のある人に必要なサービスを考えるためのグループです。 自立支援協議会 障害のある人の支援のために、みんなで話し合いをする会議のことです。 (2)神奈川県は、障害のある人が生活している地域の状況に合わせた支援の仕組みをつくるために、市町村の自立支援協議会と協力します。 第26条 人材の確保、育成等 障害福祉の仕事をする人を増やして、育てること (1)神奈川県は、障害福祉の仕事をする人を増やします。 また、良い支援ができるようにするために、情報を伝えることや、研修などをします。 (2)神奈川県は、障害福祉の仕事をする人が、仕事を長く続けられるように、次のことをします。 ・障害福祉の仕事についてのアドバイスをすること ・障害福祉の仕事をする人が、心や身体が健康でいられるようにすること ・障害福祉の仕事をする人が、働きやすい場所で仕事ができるようにすること など (3)神奈川県は、障害福祉に関係する活動や仕事に県民などが関心を持ってもらえるように、障害福祉の仕事について伝えたり、実際の活動の見学や参加ができるようにします。 第27条 財政上の措置 施策に予算(お金)を用意すること 神奈川県は、当事者目線の障害福祉を進めるために、必要な予算(お金)を用意する努力をします。 附則 その他の決まり (1)この条例は令和5年4月1日から始まります。 (2)神奈川県知事は、この条例が始まってから5年たったら、この条例で決まった取組みができているかどうかを確認します。 変えた方がよいことや、新しく行った方がよいことについて考えます。 (参考資料) 障害福祉サービス提供事業者について 住まい 施設入所支援、障害児入所支援 入所施設で食事やお風呂などを手助けするサービス 共同生活援助 グループホームで食事やお風呂などを手助けするサービス 療養介護 病院で食事やお風呂などを手助けするサービス 福祉ホーム 安い金額で住む場所を用意して、暮らしの相談を受けるサービス 暮らし 居宅介護 ヘルパーが家に来て、食事やお風呂の手助けや掃除や洗濯をするサービス 重度訪問介護 長い時間使えるヘルパー 短期入所 短い日数を入所施設などで過ごすサービス 自立生活援助 地域で暮らす障害のある人の家に行って見守りするサービス 相談支援 障害のある人の暮らしに関して相談して、一緒に考えてくれるサービス お出かけ 同行援護 目が悪い障害のある人のお出かけをサポートするサービス 行動援護 急に道へ飛び出すなどの危ないことがある障害のある人のお出かけをサポートするサービス 移動支援 一人のお出かけが不安な障害のある人のお出かけをサポートするサービス 働く 自立訓練 自分ができることを増やすことができるようにサポートするサービス 就労移行支援 会社で働き始める前に、働くことができるようにサポートするサービス 就労定着支援 働き始めた後に、長く会社で働くことができるようにサポートするサービス 就労継続支援 手助けを受けながら働くことができるようにサポートするサービス 昼間の活動 生活介護 常に手助けが必要な障害のある人が昼間の時間を過ごせるようにサポートするサービス 地域活動支援センター 障害のある人が地域の人と一緒に活動したり、軽い作業をしたりすることをサポートするサービス 障害児通所支援 障害のある子どもが育つようにサポートするサービス ともに生きる社会かながわ憲章 〜この悲しみを力に、ともに生きる社会を実現します〜 平成28年7月26日、障害者支援施設である県立「津久井やまゆり園」において19人が死亡し、27人が負傷するという、大変痛ましい事件が発生しました。 この事件は、障がい者に対する偏見や差別的思考から引き起こされたと伝えられ、障がい者やそのご家族のみならず、多くの方々に、言いようもない衝撃と不安を与えました。 私たちは、これまでも「ともに生きる社会かながわ」の実現をめざしてきました。 そうした中でこのような事件が発生したことは、大きな悲しみであり、強い怒りを感じています。 このような事件が二度と繰り返されないよう、私たちはこの悲しみを力に、断固とした決意をもって、ともに生きる社会の実現をめざし、ここに「ともに生きる社会かながわ憲章」を定めます。 一 私たちは、あたたかい心をもって、すべての人のいのちを大切にします 一 私たちは、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します 一 私たちは、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します 一 私たちは、この憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組みます 平成28年10月14日 神奈川県 当事者目線の障がい福祉実現宣言 〜あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指します〜 私たちは、津久井やまゆり園事件のような悲惨な事件を二度と起こさないために、これまでの障がい福祉のあり方を根本的に見直し、「当事者目線の障がい福祉」に大転換することを誓います。それは「あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指す障がい福祉」です。 私たちは「虐待」は絶対に認めません。強度の行動障がいの方に対して、周りの人や自分を傷つけるから、音や光などに過敏に反応し過ぎるから、長時間、部屋に閉じ込めておく、車いすに縛り付けておく、安全安心のためにはやむをえないということで、これまではそんな支援が当たり前のように行なわれていました。 しかし、それは明らかに「虐待」です。時代は大きく変わり、法律も変わりました。「虐待」の定義も変わりました。それにも関わらず、現場では同じような支援、すなわち「虐待」が続いていたのです。 それは県立施設においても例外ではありませんでした。県として、障がい者のみなさんに対して、心からお詫びいたします。そんな支援を続けていた事業者は、みんな反省し、支援のあり方を変えなければならないと私たちは思います。 「虐待」は絶対に許されることではありません。あなたは障がい者であるまえに、人間です。人間だからこそ、一人の人間として尊重されるのは当然の権利です。 私たちは部屋に閉じ込められている当事者ご本人の目線に立って考えます。なぜ、あなたは周りの人や自分を傷つけるような行動をしてしまうのでしょうか。もしかしたら、あなたは自分の気持ちをうまく表せないだけかもしれません。自分の気持ちを聞いて欲しいと訴えているに違いないと考えて接すれば、全然違ったサポートができるはずです。私たちはそんなあなたの心の声に一生懸命、耳を傾けます。あなたの思いを受け止め、工夫をしながらサポートします。そうすればきっとあなたは安心してくれるに違いない。それが私たちにとっても大きな喜びにつながるはずです。それがお互いの心が輝く障がい福祉です。 施設はあなたが地域の仲間たちとのつながりの中で暮らしていけるよう、一緒に考え、みんなで支え、準備をする場です。一生そこで過ごしていただく場ではありません。あなたは自分の住む場所を自分で決めることができます。 かつて、周りの人を傷つけるからという理由で、ずっと部屋に閉じ込められていた人が、「当事者目線の支援」を受けることになったことで、生き生きと働けるようになっていました。 支援のあり方によって、こんなに変わるんだ。それは希望の光でした。こういう支援が拡がっていけば、必ずや、「当事者目線の障がい福祉」は実現できるに違いないと、私たちは確信しました。 どんな障がいがあっても、支えあい、愛と思いやりにあふれ、みんなのいのちが輝く、「ともに生きる社会」を実現するべく全力を尽くすことを障がい当事者、福祉関係者、そしてすべての県民の皆様に誓います。 令和3年11月16日 神奈川県知事 黒岩祐治 一緒に考えたメンバー 「みんなで読める 神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」を一緒に考えてつくったメンバーです。 小西勉(ピープルファースト横浜 会長) 猿渡達明(神奈川県障害者自立生活支援センター) 下条章子(ピアサポーター) 冨田祐(ブルースカイクラブ 会長) 内藤則義(神奈川県身体障害者連合会 会長) 奈良ア真弓(にじいろでGO! 会長) 又村あおい(全国手をつなぐ育成会連合会 常務理事兼事務局長) 野元(県共生社会アドバイザー(オブザーバー)) 私たち一人ひとりの行動が、未来につながる。 SDGs未来都市 神奈川県 神奈川県福祉子どもみらい局共生推進本部室 〒231-8588 横浜市中区日本大通1 電話(045)285-0548(直通) Fax(045)210-8588