検討会等名称当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会（第10回）開催日時令和４年３月29日（火曜日）15時30分～17時40分開催場所県庁　本庁舎３階　大会議場出席者◎蒲原委員長、大川委員、大塚委員、河原委員、小西委員、佐藤委員、冨田委員、奈良﨑委員、野口委員、林委員、福岡委員問合せ先共生推進本部室利用者支援グループ会議記録以下のとおり
（事務局：道躰参事監）
開会のあいさつ
出欠状況の確認
（蒲原委員長）
それでは、ただいまから議事に入りたいと思います。本日も委員の皆様のご協力のもと、円滑にかつ活発な議論ができるように、よろしくお願いしたいと思います。
今日は、先ほどお話がありましたとおり11名、皆さん参加ということでございますので、またよろしくお願いします。
それでは、最初に本日の議事の進め方について皆さんと共有したいと思います。議事次第が手元にあると思いますけれども、本日の議事については三つのパートがあります。
まず最初に、第１でございますけれども、これは報告事項ということであります。当事者目線の障がい福祉実現宣言の修正、当事者目線の障がい福祉を推進するための条例の制定、さらには、中井やまゆり園の利用者支援の三つについて、事務局からの報告を聞きたいと思います。
その後、条例につきまして、冨田委員、奈良﨑委員の連名で意見の提出がありましたのでご発言をいただければと思います。この１の部分は全体で10分程度を予定いたしております。
次に、議事の第２でございます。２につきましては、取組みの紹介ということで、小西委員、冨田委員、奈良﨑委員からそれぞれ、本人活動の取組みについてというテーマでお話を伺いたいと思っております。この議事の２の部分は、全体で30分程度を予定いたしております。
最後に、議事の３についてです。この部分が報告書案について、でございます。今回、後程説明があると思いますけれども資料の４として、報告書案が用意されております。これは、これまでの各委員からのご意見等を、しっかり反映したものになっていると伺っております。事務局からの説明を聴取した上で、各委員、ご異議がなければ、できますれば、今回の委員会で取りまとめができればというふうに考えております。
なお報告書の取りまとめができましたら、そのあと、ご感想あるいは今後期待すること等につきまして、委員お一人ずつ、またご発言をいただく機会を作っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。議事の３については全体で60分程度を予定をいたしております。
以上三つということでございます。それでは早速議事の１に入りたいと思います。事務局から説明をお願いします。
　
（事務局：臼井意思決定支援担当課長）
［参考資料４、５、６に基づいて説明］

（蒲原委員長）
ありがとうございました。この件の中の、特に条例の制定に関連して、資料の提出がございます。これは代表して冨田委員からということでよろしいでしょうか。冨田委員からご発言をよろしくお願いいたします。

（冨田委員）
当事者目線の障がい福祉を推進するための条例について、を今からお話します。
１、この条例は誰に向けた誰のためのものですか。それをはっきりさせてください。
２、この条例を作るための委員会には、当事者を是非入れてください。
３、分かりやすい版を条例の本物にしてください。普通は難しい条例を作って、それが分かりやすい版を作りますが、それを逆にしてください。分かりやすい条例が本物で、難しいものを付録にしてください。
４、条例ができたら、当事者に広めるために、YouTubeなどの映像を使った解説を作ってください。
そのあとは奈良﨑さんに説明していただきます。お願いします。

（奈良﨑委員）
奈良﨑です。すいません。まず、１番については皆さんが多分、私がこの条例を見たときに、誰向けなんだろうっていうのが、素直に分からないので、この先、多分皆さんが条例を読んだときに、自分で読む本人向けなのか、関係者なのか、障がいがない一般向けなのかを、実はちゃんと書いてほしいなっていうのが一つです。１番目の説明です。
２番目が、この条例についてっていうのは今まで多分専門家がいっぱい集まったことが、過去に条例を作った都道府県の方が多かったんです。そのあと本人にアンケートを聞くというのはやめてほしいので、是非本人を入れてほしいなと。そのときにできたら全種類の障がいの方を入れてほしいなっていうのが、希望です。というのは、今は、ただ皆さんが知的だけとか身体だけじゃなく、全種類の障がいだから、多分日本は何個だ？８？９？内部障がいとか、いろんな障がいの方とか発達障がいの方にも委員になってもらいたいなっていうのがお願いしたいです。
それでさっき、３番が結構皆さん、「えっ」と思うかもしれませんが、今まで私たち当事者ってすぐ、分かりやすい版っていうのが一番最初にできたんですけど、それを新たに本当に自分たちが、分かりやすい版を最初から作るよりは、もうもともとは分かりやすい版で作ってもらった方が、訳さなくて済む。手間もかかんない、時間もかからないっていうものを、作ってほしいなと、最初から。それをお願いしたいと思います。
それに４。条例を広めるときにYouTubeっていうのは、多分今、世の中テレビとか映像が、私たち知的障がいの仲間は意外に見ているんです。それを広めると、みんなも自分の神奈川に住んでいてこの条例を番組として見てもらうと、多分みんなの中の情報交換になるのかなと思いました。以上です。
　
（蒲原委員長）
ありがとうございました。ただいま冨田委員と奈良﨑委員からの提出があった意見は、現在、県が検討しております条例に関するものだったというふうに思います。
それでは、事務局の方から、今のご意見に対する回答、よろしくお願いします。

（事務局：臼井意思決定支援担当課長）
どうもご意見、本当にありがとうございました。伺っていて非常に重い、真髄をついたというか、そういうふうな形で受けとめさせていただきました。
今、４つご質問いただきましたけども、まず１つ目の、この条例は誰に向けた、誰のためのものかはっきりさせてくださいという話ですが、我々としては、この条例は当事者目線の考え方を、障がい当事者を初めとした県民の皆さん、事業者、市町村等、皆さんに知っていただいて、一緒に取り組んでいきたいと、こんなふうに考えて作りたいと思っておりまして、県のすべての人に向けた、みんなの、皆さんのための条例と、このように考えているところです。また障がい者の対象についてどこまで考えているかということについては、知的障がいの方、身体障がい者の方、精神障がいの方のほか、難病等、心身の機能障がいがある方も対象になると、このように考えております。
続いて２つ目の、この条例を作るための委員会には、当事者を是非入れてくださいということですが、まず条例を作るための委員会を設置することは今のところ特に考えておりませんが、条例の検討作業には、是非これはお願いになるんですけれども、ここにいらっしゃる、小西委員と冨田委員、奈良﨑委員の皆様のお力を、我々担当課としてはお借りしたいと考えております。今後もできる限り様々な障がい当事者の方たちから条例についてご意見をいただきながら、県民の代表である県議会議員の方たちと、議会でよく話し合いをして、条例を作っていきたいと考えております。
また３つ目の分かりやすい版を条例の本物にしてくださいという非常に難しいお話がありましたけれども、実は私たちこの条例を担当する職員も、この法律の言葉とっても難しいと実は感じております。やはりいろいろと我々も調べていく中で、法律の言葉がやっぱり難しいのは、使われる言葉や表現に一定のルールがあるということで、それに従って作らなければいけないっていうのを、取り組む中で分かってきたところで、ある程度難しい言葉になるというのはやむを得ないのかなとは、我々担当者としても、ちょっと困りながらもそのように思っているところです。このため、先ほどお話がありました、分かりやすい版を条例の本物にするということが、なかなかちょっと難しくてできないんですが、ただ、我々としては決められたそのルールの中で、できるだけ分かりやすい言葉を使った条例を作るように努力していきたいと思っておりますし、また障がい当事者の方のお力もお借りしながら、分かりやすい内容のガイド版を作って、多くの方に条例の内容を理解していただきたいと、このように考えております。
あと最後、条例ができたら、当事者に広めるためにYouTube等の映像を使った解説を作ってくださいという話ですが、条例の内容が決まりましたら、障がい当事者の方等にも理解しやすいように、分かりやすい、先ほど申し上げましたけれど、ガイド版を作成したいと考えております。また今いただいたご意見も参考にさせていただきながら、多くの障がい当事者の方たちに伝わりやすい方法で条例を広めていきたいなと思っておりますので、また、繰り返しなりますが、その際には、是非ともお力添えをいただければと思います。
この度はどうもありがとうございました。事務局からは以上です。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。
今の説明で大体よろしいでしょうかね。せっかくの機会でございますので、今の説明も含めて、もし何か委員の方から何かございましたらお願いします。
はい。それでは河原委員お願いします。

（河原委員）
星谷会の河原です。
今回のこの当事者目線の委員会、展望委員会の中では、条例というものが一つ形としてスタートするということは、非常に良いことだというふうに思っております。この条例はまだ、家で言うと柱が何となくできただけでこれからいろんなものを作っていかなきゃいかんじゃないかなというふうに感じておりますので、是非、推進に当たっては、引き続き、県当局のご努力をお願いしたいと思います。
その中で参考資料５の４ページから、要するに、当事者目線の障がい福祉を推進するための施策ということで、全部で12ほど５ページにわたって挙げられております。それから５ページには、総合的計画的な施策の推進体制の整備ということで、この辺の部分のところが実際動くことになると思います。これは委員会が始まった当初からですね、私もご意見として、ご検討いただけたらということなのですが、神奈川県というのは横浜、川崎、相模原という３政令指定都市、それから横須賀の中核市、そういった自治体があります。障がい福祉に関する単独の補助金というのが、いわゆる３政令市と中核市が10分の10の補助率で事業を展開しています。一方県所管域は、サポート事業等、障がい施策を進めていく事業があるんですが、これが要するに県と市町村との補助率の案分で行っております。この辺のところは非常に同じ県の中でもですね、施策を実際に動かす、これは第12のところの財政上の措置のところになりますけども、非常に大きなハードルだなというふうに感じておりますので、是非、このできたての条例の卵が孵化するためには、このような、予算上の壁もあるというところですので、是非、市町村との調整をお願いしたいというふうに思っております。私から以上です。
　
（蒲原委員長）
是非今のご意見も踏まえて、ちょっとこの検討委員会の権限ではありませんけれど進めてもらえればと思いますし、幅広くいろいろな意見を聞いてということだというふうに認識いたしております。
ありがとうございました。それでは時間の関係もございますので、この話題につきましてはここでいったん終えたいと思います。
それでは議題の２に進みたいと思います。本人活動の取組みについてということで、奈良﨑委員、小西委員、冨田委員の順でご発表をお願いしたいと思います。それでは、奈良﨑委員から、よろしくお願いいたします。
　
（奈良﨑委員）
今回、ありがとうございました。私たち３人から、本人活動って何だろうねっていうテーマで皆さんに、ちょっとお時間をいただいて、本人活動を知ってもらいたいなっていう、今回お時間ありがとうございました。
一応私、自分の活動も紹介しながら本人活動を、私奈良﨑がピープルファーストと育成会の本人活動を両方やっていたので、それについてちょっと、今までどんな活動を本人がやっていたんだろうっていうのを、皆さんとちょっと共有できたらいいなと思って意見を出しました。
私たち本人活動は障がいがある本人が関係する支援者が集まっています。休みの日や仕事が終わった後に集まっている活動です。話し合いをしたり自分たちの関係する制度など、特にレクレーション、食事、カラオケ、バーベキュー等、その他、他の仲間と交流や意見交換等をしています。
本人活動の歴史について。知的障がいはまず、本人活動の歴史は、多分もう今から20年もっと20年前の話なんですが、当事者の本人が日本から海外に行って世界に、イギリスかどこかの海外に行ってその活動の仲間と出会って、そういうリーダーの当事者がいろんな発言をしたことを、影響しただろうという過去の話が出ています。その中に、日本から代表として、北海道、徳島、長崎、東京の本人たちと合わせて、支援者合わせて10名の方がこういう研修に行って、すごく、何か衝撃だったっていう話が過去にありました。私は、ごめんなさい、その時は活動はまだ高校生だったので、していません。ちなみにこの時は皆さんが多分、海外に行くっていう本人さんもあんまり珍しくて、何かパスポートを取るっていう自信がないっていう、後から話を聞きました。そのぐらい多分、本人の中で新鮮。そのあと今度本人活動を経って、10年経ってから日本に戻ってから、各地方のその４人がいろんなところで本人活動のすばらしさ、自分たちの仲間のサポートについて、支援者に対しての活動に対してのお金がないとか、親に向けて本人が発信しようよって言ってできています。今、日本には、多分ピープルファーストと合わせて本人活動は今、約100個以上あるそうです。
私が2003年に、私は、もともと全日本育成会で本人活動のリーダーで、全日本育成あり方検討委員会っていう委員会がありました。そこでは何をしていたんですかって、みんなからよく突っ込まれるんですが、私は2003年に、本人活動、育成会を通してあり方検討委員会という、そこは日本から、全国の日本の上は北海道から本人活動を広めましょうと。あと、私達当事者がいろいろ出張して相談窓口になって訪問していました。
その間に私たち当事者は、リーダー研修も育てようって言って、全国のリーダーが集まって、いろんなところで研修を本人中心で、やっていました。
世界大会の本人活動について。多分皆さんが、初めてかもしれないけど、私たち世界の仲間たちと交流していることが多いです。今は４年に１回の世界大会、それは多分ピープルファーストも育成会も一緒で、自分でお金を払って、世界で４年に１回、全部の国を、各国に回って、いろんなセミナーをしたりリーダーを育てたり、自分たちの障がいについて、制度や暮らしについて、障害者権利条約など、お互いの情報交換をしています。その間一週間、海外に外出しているのでいろんな国がいろいろなワークショップを一日通してしています。中にはやっぱり本人にとって、つまらない人は一週間ずっと観光している人もいました。
2011年に、私が、急遽育成会連盟から呼ばれて国際インターナショナルって、アジアの一番貧しい国ネパールに飛ばされた年です。2011年、10日間滞在していました。ここで、ネパールで何をしていたのって、世界大会のアジア中心の中で一番貧しい国の方と、情報交換をしてくれと言って、そこに発表者としてお邪魔しました。写真お願いします。これは皆さんネパールの街の様子です。私は現地の人と現地の町に行くのが好きで、ここは面白かったのは、ここで洗濯をしてお風呂に入るっていう、日中365日、彼たちの行動を見る。それで、そこで本人たちが「ここで生活するの、真弓どう」と言われて、私もなんか３日間生活しろと言われて住みました。
皆さんは多分ご存知かもしれないですが、２年に１回知的障がいのアジア会議っていう、日本発達障害連盟が企画をしてくれる大会があります。それで２年に１回、アジアの24か国を２年に１回ずつ大会をやっています。今まではこの大会は発達障がいは研究者が多かったんですが10年前から、当事者と、親と支援者が中心になって各国が発表しています。それで今は、日本はすごいアジア会議の出席率がすごいいいだろうと言って、去年は皆さんコロナ禍なので、皆さんがZoomで参加をして、会議ができます。去年は、ちなみにバングラデシュでした。バングラデシュのときはZoomで、その前はネパールで、会議の様子でした。
私は2007年、初めて日本から初めて海外に飛び出した年です2007年、上海で知的障がいのアジア会議の大会に参加させてもらいました。このときの大会は障害者権利条約っていうのをアジアの皆が共通した会話をしようというテーマで一週間お邪魔しました。多分皆さんここにいる人は、ピープルファーストや育成会の関係なく、自分たちの障害者権利条約を自分たちの力で広めたいっていう仲間がリーダーとして参加させてもらいました。私はそこで何を発表したのかまだ覚えてないんですが、多分自分自身で語ろうとか、あとは、この時は社会コミュニケーション事業だ。社会ってコミュニケーションが大事だよねって。その時に英語、現地語、何語を使っても絵とか写真を使ってやりましょうよという発表しました。多分皆さんが今までに、知的障がいの方が、当事者として、日本で初めて国際協力機構、ＪＩＣＡの専門家と行かせてもらったのが私が、１期生から、私は、タイ、マレーシア、ミャンマーに飛ばされました。それは何で飛ばされたのか分からないけれど、１週間、１か月、２か月半飛ばされてその間何ができるんですかと言ったときに、アジアで一番貧しい12か国の、メコン川って皆さんご存知ですか。
さて質問です。皆さん頭使ってください。メコン川どこの国でしょうと言っても答えが書いてありますね。こうやって書いてしまうといけないんだけれども、メコン川でこの中で一番貧しい国はどこだと思いますか。皆さん、知っている方は教えてください。ちなみにテレビ、電話、パソコン使えない国はこの中に一つあります、どこでしょう。今も使われていません。ご存知な方、知っていますか。皆さんアジアよくお邪魔している人は、ちなみにご存知ですか。指してしまおうかな。大川さんどこだと思いますか。一番貧しい国はどこでしょう。

（大川委員）
どこか、分からないですね。

（奈良﨑委員）
社会に出ている、社会の問題。
　
（大川委員）
教えてください。
　
（奈良﨑委員）
はい。ありがとうございます。そしたら福岡さん、一番福祉に長く携わった。この中で一番貧しい国はどこでしょう。
　
（福岡委員）
分からないです。

（奈良﨑委員）
ちなみに、一番貧しい国はミャンマーです。ミャンマーは今まだ電気の発信ができていません。それで、笑い話かもしれませんが、やっとマスクという発掘が、去年、ＪＩＣＡの専門家が持って行ってくれたので、そういう発掘ができました。
次は私が2008年、タイとマレーシアにお邪魔した訪問先です。この時は一番大変だったのは、いろんな国の人が、14カ国の国の人が来て、現地語を延々としゃべって私も大変でした。それで、皆さん宗教の問題で朝昼晩、関係なくお祈りに行ってしまうとか、そこでセミナーも間に合わないという方もいました。はい。私と同じ歳の、国がみんな違うが、全部同じ歳がそろいました。それで、ちなみに白いワイシャツの男の人は目が見えません。それで彼はタイ人で、ラオス、ミャンマー語、ベトナム語がしゃべれるから、彼が全部の通訳入っています。本人が支援をしてくれました。
私が、当事者活動をしていて何が大切なのかと。ピープルファースト、育成会に参加して分かったこと、ピープルファーストもその育成会も、やっぱり仲間がいることが大事だし、ピープルファーストと育成会の共通点、全国大会とおんなじ参加します。それ今まで知的障がいの方がどんなところが日本で使っているのかというと、ピープルファースト、育成会など参加しています。グループホーム学会にも特別参加をしています。それで地元のブロック大会にも参加をしている人が多いです。
私は、神奈川県の皆さんにお願いをしたいことは、本人活動に参加して、そしてお金がないことが本当、現実です。例えば皆さんが世界大会に参加したいがお金がなくて自己負担なので、そういうカンパもありません。私たち自己負担で、自分で年金を１年分ためて、活動に、研究をいかせてもらっています。
２番、よくピアサポートが大事ですと言いながら、私達当事者はピアサポートをしながら、お金をもらうことが全然ありませんので、できたらお金がほしいなというのが本音です。
３番自立支援協議会には知的障がいの本人が参加して、できたら男女一人ひとり参加できるといいのかなと思いました。
４番、本人活動と支援者は、本当言って私はこういう委員会に皆さん、是非お願いしたいです。私達当事者は、ちゃんと謝金も交通費も保障されているが支援者の人には１個も、謝金が出ないというのはどうなんだろうというのが、私はそれが差別だと思っています。逆に知的障がいは、本人がいて支援者がいないと、できることもできないことがいっぱいあるので、この先考えてほしいなと思います。
それでよく皆さん親が本人が専門家は、支援者が言った方がいいと思うんですが、なるべく本人に中心に聞いてほしいなと。親と本人の感覚が違うので。
まとめ。知的障がいの人は一人では何もできません。というのは皆さん自覚をしてほしいなと。本人さんにも。それで私がよく、本人×支援者で一対一でちゃんと見てほしいなと。その分ちゃんとお金をくれっていうふうに言いたいです。２番で、私たち抜きで私たちのことを決めないでほしいっていうのは、多分そこは、皆さん多分、日本の、世界の共通言葉なので、それは第１を覚えておいてほしいし、あとよく皆さん一人の人間として見てほしいっていうのが大事です。私たちよく知的障がいはロボットだと思われている世の中の人がいるみたいで、ロボットだったら何でもできるのかと。私たちはちゃんと人間だからできることもあります、できないことも多いです。
私の「にじいろでＧＯ！」の活動紹介を軽くします。はい。私は「にじいろでＧＯ！」で今年５年たちます。
私は2016年に相模原事件を通して、この活動ができました。「にじいろでＧＯ！」ってどんな活動っていうと、ちょっと映像を見てください。
　
［動画を再生］

（奈良﨑委員）
私はこの活動通してもうすぐ５年目です。もう５年経つのだな。「にじいろでＧＯ！」は毎月１か月に１回、メンバーさんと本人さんと支援者で集まって、いろいろワークショップをやろうと。コロナ禍も、何かワークショップをやるかやらないかって今議論中です。それで過去に知事もいらっしゃってくれましたよね。知事、覚えていますか。「にじいろでＧＯ！」に、知事のこれからの暮らしっていうのを覚えていますか。知事は、何か海のそばで暮らしたいという、あと知事の家に私が今度訪問するという約束は叶えますからね、知事。いつか知事のみなとみらいの家に、私、ちょっと「隣の晩御飯」のようにお茶碗持っていきますので、その時はよろしくお願いします。以上です。

（蒲原委員長）
はい、ありがとうございました。それでは続いて小西委員よろしくお願いします。

（小西委員）
ピープルファーストの小西です、よろしくお願いします。動画からいきます。
ちょっとまとめました。
ピープルファーストとは、1974年、アメリカで初めて当事者集会がオレゴン州で開催されました。どうやって地域で暮らすのか、障がい者と呼ばれたときどうするという話し合いの中で、私たちは障がい者である前に人間だという発言があり、ピープルファーストという言葉が生まれました。
一方、1981年、国際障害者年にアメリカの当事者が来日し、当事者中心に運営している組織が紹介され、学ぶ人が増えてきました。1995年、アメリカのカリフォルニア州の自立生活センター会議に横浜から当事者が参加し学びあい、ピープルファースト横浜が発足しました。今年で27年目になる活動です。
ピープルファーストはどのような取組みをしているのか、仲間の声を聞いてください。
　
［動画を再生］

（小西委員）
2016年7月26日に津久井やまゆり園で痛ましい事件が起きました。事件が起きてから、９月に予定していたピープルファーストの全国大会の内容を追悼に切り換えました。その時、その大会は知事も参加していただきました。このとき参加者が折鶴で迎えました。
ピープルファースト横浜は、この事件のことについて話し合い、取組みを続けてきました。その取組みの中で、虐待に関係する誓約書ができたり、職員面接を活発に取り組むようになりました。毎年の事件の日には、津久井やまゆり園で献花に行っています。コロナになる前には、毎年ピープルファースト横浜主催で、追悼の集いを行っていました。
2020年２月の会場で、知事に要望書を提出しました。この会場です、ここです。
そして、2021年８月、2022年２月には、オンラインで知事と対話集会を行いました。知事には、いろいろと意見を聞いてもらい、うれしかったです。これからも、私たちとの対話を継続してほしいです。ピープルファースト横浜は、津久井やまゆり園の事件のことを追い続けていました。ここ最近、事件のことが薄まっているように感じます。あのような事件が、二度と起きないように、これからも活動を続けていきます。
以上、ピープルファースト横浜の報告を終わります。ありがとうございました。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。それでは、続きまして冨田委員からお願いします。

（冨田委員）
「当事者活動ブルースカイクラブ19年の歩み　仲間と一緒に」ブルースカイクラブ会長冨田祐。このブルースカイクラブが発足したのは、2003年６月です。実を言いますと、その前に長いこと、藤沢市の青年学級として活動していましたが、藤沢市の資金援助が打ち切りになり、１回解散しました。障がいのある仲間で話し合って、今までの支援者と話合いをして、新しい当事者の会、ブルースカイクラブを作ることにしました。
2003年６月総会で30人が参加しました。役員全員が障がい当事者で、総会で役員を決めました。手伝っていただけるボランティアさんを、役員が面接して選びました。総会の当日は、わざわざ藤沢市長が総会に来てくださいました。それで、青年学級のときの職員さんと、今の藤沢市の職員さんが来てくださいました。この写真に載っているのは、総会の時に食事をしているところです。余暇活動について、最初の行事、社会見学を兼ねてＮＨＫ放送センターと横浜中華街に行きました。その時から、行き先を決める話し合い、グループのメンバーなどは、ボランティアさんは入らず役員だけで話し合って決めてきました。年会費は一人1,000円を払っています。
「ブルースカイクラブが取組んできたこと」。勉強会１年に１回、皆で話し合って内容を決めています。大学の先生や施設の人を呼んで話を聞き、話し合って勉強しました。主な内容は計画相談、障害年金、差別解消法などです。あともう一つ、小遣い帳のつけ方もやりました。大事なことなので、最初に。
それで、今度は自分のことですけど、これは（スライドの家の写真は）僕のうちではありませんから。19年間会長を務めてきました。両親がいなくなった家で、今も一人暮らしをしています。１週間に１回ヘルパーさんが来ていただけます。掃除と自分で作らないものをリクエストして作っていただいています。掃除は、自分は前に働いている時に腰を痛めたので、掃除機がいま使えないのでヘルパーさんに頼んでいます。あと玉ねぎがまだ切れないので、玉ねぎを切って、じゃがいもの味噌汁を作っていただいています。
自分のことで一番大事にしていることですね。いま大好きなものは朝６時から、おはよう日本に出ている桑子真帆アナウンサーが大好きです。励みになって、いつも元気をもらっています。今度は残念ながら、朝は出なくなって、来週の月曜日から夜の７時半に出ます。そのための準備をして、必ずビデオを撮るようにこれから心がけます。今のビデオはチューナーを変えるだけで、全部録画できるので、今日もしてきました。今日録画してきたのは、首都圏ネットワークです。そのアナウンサーも４月から夜７時に変わります。桑子アナウンサーとの共通点は、ブラタモリで一緒にやっていました。ブラタモリに出ているアナウンサーは有名になります。今度４月からブラタモリのアナウンサーがまた変わります。今までのアナウンサーもよかったんですけど、今の浅野アナウンサーも必ず出る番組は録画しています。桑子アナウンサーはいろいろな面で思いやりがあります。今日の気象予報士に対してのやり取りも、すごくよかったです。それも録画しています。あともう１つあるんですけど、アイドルが僕は大好きです。毎朝聞いています。乃木坂46と日向坂46を必ず聞いています。理由もあります。日向坂46のメンバーの渡邉美穂さんという人が、自分と誕生日が一緒なので、応援しています。２月24日です。もう少し、あと１番聞いているのは野球が始まったので中日ドラゴンズの応援歌を必ず朝聞いています。それから今年の選抜に出ている高校の出場校の校歌を毎朝聞いています。それから、あと地域の方を大切にしています。煮物屋さん、魚屋さんを大事にしています。今日も朝言ってきました「昨日の魚おいしかったですよ」と。それで、昨日うれしかったことが１件ありました。夕方そこを通りましたら「これ持っていかない」と言われました。僕も刺身を買いました。そういう感じです。あと煮物屋さんともよくお話をしています。野球のこととかいろいろ。それで、挨拶を必ずしています。そうすると、だんだん話しかけられるようになります。挨拶は大事だと思います。例えば自分は野球が好きで、ナゴヤドームに行ったときも、挨拶をして、「すいません、実を言うと僕は障がいを持っています」と言うと、かえって皆さん優しくしてくれます。明後日から、また僕は名古屋に行きます。大好きなので。この前は東京ドームに行ってきました。
「ブルースカイクラブの今」。2003年から会長を務めてきました。皆さんの意見を大事にしてきました。24人会員がいます。皆さん、障がいのある方で就労している方、施設で働く人、自宅で生活する人がほとんどです。実を言いますと僕のいま通っている施設の仲間も４人ブルースカイクラブに入っています。あと親御さんの参加は慎んでもらっています。これはあくまでも本人の会なので、親御さんの参加はちょっとやめてくださいと言っています。送り迎えはいいですけど。それ以外は、親御さんは参加していません。中には入りたい方がいらっしゃるかもしれませんけど、やはり本人の会というのは自分たちの会なんで。それから、新しくメンバーになりたい人は、役員会で話し合って決めています。本人の会として、今からもう５，６年ぐらい前ですね。育成会の全国大会にも参加しました。先ほど「にじいろでＧＯ！」のスライドを見ましたら、ブルースカイクラブの仲間も入っていました。今も入っています。
集まりのあるときは、１か月ほど前に何をやるか、役員とボランティアさんで話し合って決めています。それからブルースカイクラブでは、日常にあったことなどをお互いに話したり聞いたりしています。話合いの後は、みんなでお昼ご飯を食べています。最近ちょっと感じたことは、今まで一緒に食事に行かなかった仲間が、去年の12月から役員会が終わった後、黙っていてもついてくるようになりました。それが僕はうれしかったです。あと、その彼から年賀状ももらいました。主な会場は藤沢市の労働会館です。場所は役員が予約しています。今はコロナで残念ながらお休みしていますが、２か月に１回集まっていました。
「ブルースカイクラブのこれから」。若い人にも参加してほしいと思っています。そのためには県や藤沢市の支援がほしいです。是非知事にも、もしやるようになったら参加してほしいと思っています。以上です。ありがとうございました。

（蒲原委員長）
お三方の本当に元気を逆にもらうような話だったと思います。それぞれの方が話し合う中で自信を持つだとか、自分の意見を言うだとか、いきいきと楽しく暮らすという話が伝わってきた気がしました。せっかくの機会でございます。それぞれ感想なり、もし一言ありましたら、どなたかいかがでしょうか。是非、今日の話を基に報告書の中にも本人活動の話が出てきているというふうに伺っておりますので、そうしたことを含めていろいろな支援。冨田委員どうぞ。

（冨田委員）
実を言いますと、僕はブルースカイクラブの前身の青年学級の時に、会社で嫌なことがたくさんあったんですね。その時にも青年学級があって、すごく救われました。みんなと会えてお話ができたり、市の職員とかとお話ができたり、学校の先生とかなので良いと思います。そういう話合いをする場所は大切だと僕は思っています。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。この議題についてはよろしいでしょうか。また次の報告書のところで、いろいろな意見がいただければと思います。それでは佐藤委員よろしくお願いします。　
　
（佐藤委員）
いまお三方のご報告を聞いていて、いろいろなことをやってらっしゃるなというふうに思ったんですけれども、私もブラタモリ好きなので、ちょくちょく見ています。最近マンネリかなと思っていて、ちょっと見るのをやめようかなあと思っていますが。
それはともかくとして、障がい当事者、今回の条例の制定過程で委員会が設置されていないですね。委員会を設置して、そこに障がい当事者の方々にご参加いただくということは当然必要なことだというふうに私も思います。ただ、その時の障がい当事者なのですが、障がい当事者といっても一括りにできるほど、一様ではなくて、いろいろな方がいらっしゃるんですね。千葉県でもう10数年前に、日本で最初の障がい者条例を作りましたけれども、その時にも様々な分野の障がい当事者の方にご参加をいただきました。その時の経験で言いますと、実は障がい当事者の方々は、ちょっと分野が違うと他の障がい当事者の方を全然知らないんですね。この会議は知的障がいの方たちが主に参加されていますけれども、身体障がいの方って知的障がいの方がよく分からない。知的障がいの方も聴覚障がいとか視覚障がいとか、もういろいろな方がいらっしゃって、全然相手のことが分からないみたいという話になってくるので、もし本当に本格的に条例を作るんだったら、いろいろな障がい種別の方に参加してもらう必要があると、いまお話を伺っていて、過去の記憶、思い出も含めて、思いました。これも感想でございます。

（蒲原委員長）
はい、ありがとうございました。確かに幅広い人たちの意見を聞くということが大事だと私も思います。それではいったん休憩を入れたいと思います。
　
＜10分間休憩＞

（蒲原委員長）	
それではただいまから議事を再開します。本日の議事の３番目、報告書案について入りたいと思います。中身につきましては、これまでの各委員からのご意見を漏れなく反映した上で事務局から事前に説明がされていると伺っております。念のため確認いたしますと、今回の報告書の構成は、前回の報告書骨子案で示されたものと同様でございます。その構成に沿って、昨年10月に取りまとめました中間報告までの議論や、団体ヒアリングでのご意見を踏まえて、中間報告以降のこの委員会でのご意見、さらに前回の委員会以降寄せられた意見を各委員とよく相談しながら、事務局の方で盛り込んだと伺っております。それではお手元の案について、事務局から説明をよろしくお願いします。
　
（事務局：臼井意思決定支援担当課長）
［資料３、資料４、参考資料１、参考資料２に基づいて説明］

（蒲原委員長）
ありがとうございました。確かに報告書自体は非常に厚いものができておりますけども、その総論のところに、基本的な整理がされているということで、資料３で今ご説明をいただいたということであります。柱が三つあって、その中に幾つかの各論が入るという形でございます。今、説明がございましたけれども、今回示された報告書については各委員のご意見をしっかり反映したものとなっていると私は伺っております。もし可能でございましたら、こうした原案のとおり報告書の取りまとめをしていきたいと思っておりますけれども、皆様方、いかがでございましょうか。何かご感想でも。どうぞ一言、河原委員よろしくお願いします。

（河原委員）
大変膨大な議論の中で報告書の取りまとめを、事務局で行っていただきまして本当にありがとうございます。報告書の中身については特に質問はないのですが、先ほど佐藤委員から条例の件でもありました。今回の委員会でこのような報告書があって、ちょうど報告書資料４の42ページから、今後の施策の進め方ということでいくつかの方向性が示されております。43ページのところでは効果検証を行うということで、ＰＤＣＡサイクルの部分がうたわれておりますが、是非報告書の中身とそれから概要版でお示しをされた方向性について、議論をこの場だけで終わらせるのではなく、今後また何らかの形で発展的に議論をする機会というのを、是非設けて、俗に言うこの報告と実行の評価の部分、モニタリングのことが重要だと思いますので、その部分のところでは、是非ご検討いただけたらというのは私の意見になります。以上です。

（蒲原委員長）
中身については大丈夫だということですけれど、きちっと検証していくということでございますけれども。では奈良﨑委員、よろしくお願いします。

（奈良﨑委員）
すいません奈良﨑です。質問します。中井やまゆり園の利用者支援外部調査委員会ができましたよね。それって報告書にも載るのですか、というのが確認です。

（事務局：臼井意思決定支援担当課長）
今、中井やまゆり園については議論、検討進行中ですので、今回の報告書には、載せないことになります。以上でございます。

（蒲原委員長）
それでは、佐藤委員よろしくお願いします。

（佐藤委員）
中井やまゆり園の利用者支援外部調査委員会の委員長をしておりますので、一言だけコメントをいたしますけれども、この委員会ができたのは、津久井やまゆり園の事件対応というものがきっかけだと思いますけれども、その背景にはいろいろな支援の不適切さというものがあったということは、中間検証で出したわけです。そのうち公表されると思いますけれども、中井やまゆり園で起きていることって、何というかなあ、小学校のいたずら事件みたいな。小学生が何かいたずらをやっているみたいな。そんな虐待ですよ。それが場合によったら、命に関わるような、そんな話にもつながっていくというようなことが、平気で行われていて、これ将来展望なので、施設を改革していくんだというようなことをうたわれていますけれども、このままで改革ができるのっていうことを真剣に議論しないといけないということを外部調査委員会としては思っています。そこまでまだ調査が進んでいませんので、公表はできませんけれども、おそらくそういう方向で事務局の方も調査をされるだろうし、我々もそのように考えているということでございます。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。これは検討会の場できちっと対応するということで是非、事務局でお願いしたいと思います。そういうことを前提にした上で、報告書自体についてはむしろこれはこれで良くて、実行をきちっとやんなければいけないという話もいま出ましたので、そういうことを前提に考えていきたいと思いますけれども、それでは他に。大川委員よろしくお願いします。

（大川委員）
いま佐藤委員より、入所施設のあり方をご指摘受けているんですけれども、今回の委員会でも入所施設のあり方というのが、論点の中心だったかと思っています。そういった意味で、この場に入所施設の立場として参加させていただいている以上、どのようにこう実践していくのかということを、ここにいる林委員、河原委員とも今後も切磋琢磨しながら、これを絵にかいた餅にせず、実践していきたいと、私は強く、誓いたいと思います。
先ほど、当事者の皆さんの活動、非常に楽しそうでいきいきとしていたんですけれども、入所施設に入ってしまうと、ああいった活動から遠ざかるんですね。そういった部分も虐待とつながっていると思っています。入所施設、やはり関われる人を増やしていく、活動していく場所を増やしていく、そんな実践を地域に作っていく。地域というと、やはり雲を掴むような話なんですけれども、一人ひとりにとっての地域というのは、必ず作れるんですね。そういったものを入所施設として、大切にしながら、またいろいろなところで、可能性が広がっていくような暮らしを作ることを、我々入所施設、私は民間なんですけれども、例えば、林委員の県立施設とも切磋琢磨して実行していきますので、是非よろしくお願いいたします。

（蒲原委員長）
それではですね、報告書本体につきましては、ご議論が恐らく異論はないという、むしろ今の話に象徴されるように、きちっとこれを踏まえて対応していくということを前提にして、まず案としては、この報告書の形で取りまとめていきたいと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。
それではですね、せっかくの機会でございます。これまでも皆さんからは貴重な意見をいただいておりますけども、報告書につきまして、一言ずつ各委員から、今後の県に対する期待、要望、あるいはこういうふうにやっていきたいという話。いま、ちょっと大川委員から出ましたけれども、各委員から１人２分ずつぐらいで、お願いできればと思いますけれど。その前に、奈良﨑委員。

（奈良﨑委員）
すいません。ちょっとわがままなんですが、この中井やまゆり園の委員の名簿で私がちょっと不思議なのは、大川委員と小西委員は職場も一緒で、委員会も一緒だし、施設職員として、同じピープルファーストとして、どうなのかなと私は思うんです。多分ここにいると。なんで、ここは同愛会が一緒にいるのかなっていうのが、私は凄く不思議で仕方ありません。以上です。

（蒲原委員長）
各委員の意見を伺う前に、ちょっと今の件だけ、事務局から少しご説明いただけますか。その上で、各委員にまわしたいと思います。

（事務局：髙橋障害サービス課長）
奈良﨑委員からご質問ですけれども、このメンバーにつきましては元々中井やまゆり園の支援改革プロジェクトチームということで、関わりを持っていただいていまして、中井やまゆり園のことをよくご存知であるということから、今回の調査委員会の方も引き続きお引き受けいただいたという経過でございます。以上でございます。

（大川委員）
確かに親しいんですけれども、我々入所施設なのでピープルファーストから非常に突き上げを受けている関係ではあるんですね。そこはご理解いただければと思います。

（蒲原委員長）
奈良﨑委員、よろしゅうございましょうか。
それでは、各委員から１人２分程度、少しずつお話をいただきたいと思いますけれども、では大川委員から順番によろしくお願いします。

（大川委員）
やはりですね、これを実効性あるものにしていきたいと思っていますので、入所施設のあり方であるとか、強度行動障がいの方に対する支援の仕方を、部会のようなものを作って、これが実行できるよう、年間通して、しっかりと議論できる場を我々も作りたいと思いますし、県の方でも用意をしていただければと思っています。よろしくお願いいたします。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。それでは、小西委員。

（小西委員）
展望委員会に参加したのは、まず津久井やまゆり園の殺人事件から呼ばれたと思います。その中で、だんだんとさっき言ったように中井の方に中心に回っちゃっているので、中井もちょっと本当に佐藤先生が言うように、いたずらみたいなことは本当にあるので、そこも話したいんだけど、やっぱり中心的には津久井やまゆりの施設、施設の中の人たちはどうやって暮らしているのか、また再確認をしたいと思います。僕は、津久井やまゆり園からの誘いできましたので、すいません。それだけです。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。それでは続きまして冨田委員よろしくお願いいたします。

（冨田委員）
どうもこの１年間ありがとうございました。この当事者目線に参加して一番やっぱり感じたことは、その本人に合わせることですよ、当事者目線というのは。例えば自閉症の人には、「こうだったね」と言ったら、「こうだったよ」とか、こういうふうに返した方が、かなり彼らも凄く分かりやすい、動きやすいと思います。だから自分は常々施設でも、そういうふうにやっています。
例えば今日彼に言ったんですよ。そしたら、なかなか職員と一緒にいなきゃいけない方が、つかなきゃいけない方に声かけたら、僕は必ずそうすると彼も喜んでくれました。あと、今日昼休み散歩で野球に行ったんです。その時に言ったんです、「何とかさん、向こうで待っているから」と言ったら、もう喜んでいました。だからそういう会話というのが、大切だと思います。なかなか言葉が発せない人には、常々僕はそういうふうにやっています。この１年間本当に勉強なりました。ありがとうございました。また、こういう会があったら是非また参加したいと思います。どうもありがとうございました。
（蒲原委員長）
ありがとうございました。野口委員、よろしくお願いいたします。

（野口委員）
今回、私はたまたま津久井やまゆり園事件があったときに、障害者施策審議会の委員をやっていたということで、その後いろいろなことがあって、この５年間、ずっと参加させていただきましたけれども、今回のこの１年間の委員会ではいろいろな実践、私たちなど知らなかったいろいろな実践のお話を伺いまして、とても勇気をいただいたという感じです。それと、今回のこの報告書と将来展望のことにつきましては、先ほど佐藤先生もおっしゃいましたけれども、今回は知的障がい者、そして入所者への虐待ということがきっかけで、ずっと議論をしてきましたけれども、これから目指すその共生社会、皆で生きる社会ということの面では、障がい者の方も一緒に私たちと同じように、生きていくということを実現するためには、やっぱり当事者の参加。そして先ほど出ました、もうあらゆる障がいを持っている方の参加というのが、もう本当に是非実践していただきたいなと思います。最近では、ともに生きる社会という面で見ますと、本当に悲しい事件というか、事象がいろいろ報道されていまして、例えば強制不妊であるとか、あと一番私たちが関心を持っているのが出生前診断のことです。それでダウン症のことなど、報道などで出ますと、本当に胸が締め付けられる気がします。多分当事者の方も同じじゃないかと想像しています。それって私たち障がい児を育てる、そして一緒に生活するということは、本当に普通のことでとても楽しいことで豊かな親子関係も経験していますし、それが分からないで、悲しい結果が今出ているというのは本当に、無関心ではいられないっていうことですね。
それなので、それは皆さんが、皆さんにこの共生の社会を、関心を持っていただくためには、やはりもうかなり生半可なことではないと、いま思っています。是非、いろいろな皆さんにいろいろなことを知っていただきたい。本当に同じ仲間なんだということを知っていただきたいというのは、もう切に思っています。そういう面で、子どもの時から一緒に生活するというのを、是非実現させていってもらいたいなと思っています。以上です。

（蒲原委員長）
分かりました。それでは、福岡委員お願いいたします。

（福岡委員）
やっと最後に同じ空気を吸えてほっとしています。ああよかったと思って、でもこれだけのそれぞれの発言をよくまとめられたなと思って、県の担当者の方の筆力とか文章力だけじゃないはずで、さあこれどうやって実現してくかっていうのが次の楽しみですよね。私のやってきた実感としては、イメージが見えている人間は実現にたどり着けるので、当面の私のイメージとしては、今なお神奈川県内で暮らしてらっしゃるお一人おひとりに、相談支援専門員がついていて、日常的に支援会議が開かれる風景。このイメージをとにかく実現してもらいたい。そういう意味では、県庁で実行部隊としてのチームがある。そこに馳せ参じる民間のキーパーソンがいる。その実行部隊が各エリアに出向いて、オルグ活動と言ったら失礼かもしれないけど、オルガナイズしていくっていうのを、普段の務めとしてやっていただけたらいいなあと思って。長野県の人間なので神奈川のすごいダイナミックな取組み、あとすごい秀でた事業所。たくさんいらっしゃるので、その気になったらもう一瀉千里かなと思っているんです。そんな意味で頑張ってほしいなと思って、この場所に来れてほっとしました。どうもありがとうございました。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。それでは林委員よろしくお願いいたします。

（林委員）
委員会全体の感想になりますけれども、今日も３人の方の発表がありましたけれども、この委員会で、とても印象的だったのか、第２回の時だったと思うんですけれども、奈良﨑さんから地域移行に向けたロールプレイ形式で、順番に質問を受けたことです。正直すごいところに来てしまったなというふうに感じたんですけれども、私は奈良﨑さんの優しさもあって、青いカードをいただくことができました。ただその認めていただいたことが、とてもうれしくて、今日この当事者目線の障がい福祉実現宣言にも書かれているんですけれども、これが支援者の喜びなんだっていうふうに、疑似体験ですけれども、体感することができました。あれ以来、私は自分の施設にいる利用者さんも、常に赤いカード、黄色いカード、青いカードを持っていて、私たちの支援をジャッジしているんだなというふうに、より考えるようになりました。いずれにしても、私たちは現場の人間ですから、先ほど大川さんからもお話ありましたけれども、報告書は取りまとめられましたけれども、ここで学ばせていただいたことを、是非実践していくことが何よりも大事だと思いました。以上になります。どうもありがとうございました。

（蒲原委員長）
分かりました。それでは続きまして奈良﨑委員、よろしくお願いいたします。

（奈良﨑委員）
ありがとうございました。本当にこの委員会を通して、もっともっと神奈川の当事者に情報を分かりやすいものを作ることが私の最後の完成図なのかなと思っています。是非、皆さんが当事者と一緒になって、できる分かりやすいシートができて、一緒にできるワークができるといいのかなあと思いました。
それで是非神奈川は、いっぱいいろいろな委員会があるが、いっぱいいろいろな担当者がいるが、そういう方も分かりやすい版を私は、今年作ってほしいなと思います。そうしないと私みたいにどこの誰ってなっちゃうので、先週平野さんという方が、神奈川県に２人いるよって言われた時に若い平野です、年取った平野です、と言われても分からないので、そういう意味でもちゃんとそういう部署の担当者も分かりやすいもので、ちゃんと資料ができると私達当事者が役所に遊びに行っても、知事の部屋はどこかなあって言いながら、遊びに行っても、部屋を訪ねてブザーをしても、みんなが笑顔になる場所になってほしいなと思いました。以上です。ありがとうございました。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。それでは続きまして佐藤委員、よろしくお願いいたします。

（佐藤委員）
これだけの報告案を事務局の方でまとめられたというのは、大変な苦労があったと思います。いろいろな意見が出ましたので、これをこのようにまとめるというのは、相当な作業をされたんだなと思い、まずは事務局にお礼を申し上げたいと思います。ただ１つ不満なのは分厚すぎるということです。これＡ４判で100数ページ、これを印刷したら１冊の本になるっていうような報告書案で、そのうち県庁のホームページに掲載されると思いますけども、率直に言って誰が読むんだというような感想を持ちます。概要版がつくられていますので、内容はぱっと、こう見ることができるという状態になっているんで、それはそれで結構だったと思います。内容的には、我々委員会の意見をいろいろと汲んでいただいて、あちこちにそれを散りばめていただいているということで感謝申し上げます。
この委員会につきましては、私はこういうものをまとめたというのは、やっぱり蒲原委員長の努力もあったんだろうと思いますけれども、同時に、私初めて知事が毎回出席しているという委員会に出席しまして、もう緊張しているから欠席できないですよね。こんな公式の委員会は初めてですよ。大体あいさつだけして帰っていくというのが普通のパターンなんですけれども、最初から最後までずっと出席をされていて、ずっと聞いておられるというのは、神奈川県の本気度を示すんだとおっしゃっていますけれども、実際にそれは十分示されていると思いました。あとは今後なんですね。
今日の事務局の説明にもありましたけれども、中井やまゆり園の話もありますけども、県立４施設の指定管理については、さらに数年先まで見通した話をされています。参考資料３の７ページ、令和10年、2028年というようなところまでの見通しを持っておられますけれども、その間に神奈川県の県立施設をどうするかということを検討しないといけないですね。一応、今、将来展望ということで、今日報告案が出ていますけれども、この報告案が実際にどのような形で具体化していくのかということをやっぱり議論しないといけないと思います。なので、今日のこの委員会でいったんこの委員会を閉じるんだと思いますけれども、しかし、引き続きこういう検討を続けていくという委員会が神奈川県にとって必要だと私は思っております。是非議論を継続していただきたいと思います。時間がかかります。2028年まで私は生きているかどうか分かりませんけれども、私の協力できるところは協力しますので、是非継続していただきたいと思っております。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。それでは続きまして河原委員、よろしくお願いします。

（河原委員）
今日いろいろ発言をさせていただきました。ありがとうございます。佐藤委員と全く同じでして事務局の方で、いろいろな委員のいろいろな意見をこういう形で取りまとめていただいて本当に感謝申し上げたいと思います。そういった中で私は２点ほど、まず事業所の立場というところで、今回のこの展望委員会の報告書の柱の３つのポイントですね。これは事業所もしっかり襟を正して、やっぱりやってかなければいけないだろうということを改めて確認をさせていただきました。特に入所施設の役割については日本知的障害者福祉協会の方でも、まだまだ議論が尽くせないところがあります。そういった点では今回かなり入所施設の機能構造を含めて、いろいろなご提案が出されております。是非知事も社会保障審議会に参画されているというふうに聞いておりますので、神奈川のこういった議論を発信していただいて、引き続き協会の中でも、真剣に議論していきたいというふうに思いました。
それからもう１点がよく協会で要望を出しときに、枕詞でかつて福祉先進県であった神奈川という、ちょっとかつてという意地悪な文言を入れていたんですけども、確かに神奈川はグループホームに先立って生活ホームを作るとかですね。いろいろな施策を、官民もしくは青い芝の会に代表されるような当事者の活動も含めて、官民、当事者も含めて、いろいろな福祉の施策を推進してきたという歴史があると思います。是非今日の報告書、これは終わりではなく、これからスタートということで、本来の意味でのこの先進県神奈川というものになるように、私も微力ですが力を尽くしたいと思います。そういうふうに感じました。本当に委員会に参加させていただきまして、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。

（蒲原委員長）
それでは大塚委員よろしくお願いします。

（大塚委員）
今日は横浜から、ここまで歩いて来たんです。時々時間がある時は歩くんですけど桜が綺麗で、桜が綺麗な中で報告書がまとまったのは、非常に喜ばしいことだと皆さんのご協力と、事務局も含めて、副知事も含めて、努力の賜物だと思っています。
感想なんですけれども、謝りたいことがいくつかあってですね、１つはですね、やはりこの会もそうなんですけども、やまゆりの支援検証委員会あるいは利用者目線と、いろいろなことを調べてみて、こうだったんではないかということで、ですね。お前が勝手に暴れただけではないかと。じゃあ、どんな責任を持ってこれからということも、そういうことができなかったということは非常に謝りたいと思っております。そういう中で、組織であるとか行政、組織は社会福祉法人もいろいろあります。団体もそうですけども、いろいろなまずいことがあるとやっぱり隠蔽するんですよね。やっぱり組織を守るということかもしれません。しょうがないかもしれません。行政組織も。だけれども日本中いま蔓延しているこの隠蔽。もし、これから神奈川がいろいろなことを変革しなきゃ駄目ですよね。変えていくときの視点で隠蔽しているような組織は、多分改革はできないと思います。情報公開して、まずいこともちゃんと言っていくと。そして責任をとると。こういうことがないと変革というのはなかなか困難だと思っていますので、是非そこはと思っております。
それから、入所施設のことも非常にすいません。いろいろなことを申して、やってみろと、強度行動障がいの方の支援をしてみろと言えばちょっとねということで、これは謝らなければならないんですけど、地域と入所は二者択一ではないとか、あるいは多様な選択肢を用意してやればいいとか、あるいは意思決定支援が大切だと。こういう言葉は非常に大切で、大学の先生や研究者は好きなんですよね、いかにも分かったような。私は今までの10年、15年見てきて二者択一、あるいは多様な選択肢を持ったとしても地域移行は進まないと思っています。これからも進みません。むしろそういう言葉は地域移行を遅らせるし、反対に断絶するような考え方だと思っています、責任であると思っています。私はだからあえて地域と施設は、対立させるべきだというか、それだと地域移行は絶対進まないと思います。どんな対立かというと、私はいろいろな仕組みを作るべきだと思っています。まずは予算ですよね。地域にたくさんお金を投入すると。入所施設から取れとは言えませんけれども、そうでなければ、そういう仕組みを変えない限り多分無理だと思います。言葉だけで、二者択一にはしないと。大学の教員が言っているようなことは、非常に私は疑います。
最後に申し訳ないのは施設の職員です。私も21年間施設の職員をしてきたので、入所施設の職員の方も含めて、勝手なことを言って、力を失わせたと。もしそういうことであれば大変申し訳なく思っております。現場で働いている人は行政、運営管理者あるいは県行政、いろいろありますけど、一番丁寧に仕事している人はまさに純粋に、目の前の利用者さんと向き合っているわけですので、そういう方たちに対して、どうしているかということを、この力を信じたいと思います。
私、一昨日が息子と同じように誕生日で息子が35歳になりました。重度の知的障がいなんですけど、７年前ですかね。グループホームを追い出されて出ました。家でずっと生活しています。全く問題ありません。グループホームの時は非常に状態が悪くなりました。そんな時の７年前、まだグループホームにいる時ですけども、これからどうしようねということで、妻と話したんですけども、長野県のある施設に行きました。入所施設でした。50名を30名にしていました。10名ずつのユニットでした。みんな個室でした。入所施設でした。妻はその時に、この施設に入れようと言いました。７年経った今でも、あの施設が良いと言います。入所施設です。あんまりもうグループホームとか入所とか関係ないかもしれません。でも私は対立すべきだと思っていますけれども。何がよかったと言えば、職員です。ちょっと言葉はよくないんですけど、若い職員のいきいきとして働く利用者さんや家族に対する言葉がけ、一つ一つの丁寧なこれが、障がい者の家族にとっては非常に大切なものだと思っています。これからは人材の養成です。どんな現場で働く職員が作れるか。是非神奈川県で人材の養成も含めて、頑張っていただきたいと思います。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。各委員からいろいろな思い、あるいは意見が多く出されました。是非県当局もしっかり受け止めて、やってほしいというふうに思います。本日は最後に知事からごあいさつをいただく予定になっておりますけれども、今後の県の取組方針について大枠は恐らく知事から出ると思いますけれども、いまの各委員の話を受けてですね。実務的なところで、もし事務局の方で幾つかありましたら、是非この機会にコメントをお願いしたいと思います。

（事務局：水谷共生推進本部室長）
１点だけ、委員会のことについてお話させていただければと思います。今日もいろいろご示唆いただいておりますけれども、もう本当に大きな節目をここで迎えておりますが、委員会としては、ここで閉じてしまうということなく、引き続きご協力いただければありがたいなと思っております。具体につきましては、本日のご意見もいろいろいただきましたので、新年度改めて委員の皆様にご相談をさせていただければ、ありがたいというふうに考えております。

（蒲原委員長）
ありがとうございました。本日予定しております議事については以上でございます。報告書の取りまとめ、皆さんの協力を得て、できることになりました。この機会でありますので、私も一言だけ、しゃべってよろしいでしょうか。
私の感想を言うと、まずは昨年７月から本日まで計10回ということで、しかも今日は全員集まることができたということで、皆さん真剣なご議論いただきまして、本当にありがとうございました。また当事者委員のお三方からは、本当に生活の実態を踏まえた、本当に真摯な意見をいただきまして、そうしたものがすごくこの審議に生かされたと思っております。また今日は本人活動の話も出まして、やっぱりこうした活動というのは何ていうか、自分たちの意見を言う機会あるいは考える機会、そういうふうになりましたというところにつながるんだと思いましたし、こうしたことをこれからも県としてサポートしていってほしいと思います。
報告書がまとまりましたので、もう皆さんと私も同じで、これをどう実行するかということが一番のポイントだと思います。県の方では先ほど説明がありましたとおり、条例という形で、まずは普遍的な仕組みとしてやっていこうということでございますので、是非この委員会のいろいろな議論あるいは報告書を踏まえて、条例の策定を是非やってほしいと思いますし、その過程ではまたいろいろな皆さんの意見を聞いてもらえればと思います。
もう一つは条例にも関係しますけれども、やはり関係者みんなが取り組むということが大事。でも関係者が何か取り組むというと、ちょっとフワッと抽象度が高いので、私のイメージは、関係者がどういう役割かということを、共通認識を持ってやることが大事かなと思っています。今回の検討委員会は、利用者目線から当事者目線となっています。これ結構、私的には何か大事なポイントと思っていて、元々利用者目線になったという意味は、支援者側ではなくて、利用する側という意味で利用者目線となると思いますけれども、当事者目線ということになると、何か利用者というと何となくイメージは公的なサービスを利用するという側面がちょっと強いようなニュアンスがあるんですね。報告書でも書いたとおり、入所者はそれでいいと思うんですけれども、でも地域で暮らすとなったらやっぱりその公的サービスを利用するだけではなくて、本人の暮らしをどう作っていくかというのがポイントで、その意味では意思決定のサポートも、本人の暮らし全体。本人の暮らし全体ということは公的サービスもあるし、地域の助け合いもあるし、先ほど言った当事者活動もあるし、あと今日出ましたけれどもやっぱり商店街の人がちょっと声をかけてくれるだとか、印象的だったのは第１回委員会での野球場の話、ああいうお金を払って行くところもちゃんと配慮してもらうということが大事。そういう何か幅広いところに、たどり着くのが当事者ということで、そういうような構造で当事者、それを支える意思決定支援、相談支援で幅広いいろいろなサポートをする場という、何かそういう構造のもとで、関係者が一生懸命やっていく。それを市町村が支えていって、さらに都道府県がサポートするというような。そういう役割分担という意味での関係者みんなというようなことを、みんなで考えることが大事かなと思った次第であります。
これからどういう形になるのか分かりませんけど、是非県内の各圏域とかですね、この報告書をベースにして、シンポジウムとか、勉強会とか、そのようなことをやってもらって、みんな分担して、委員の人は出かけていって、当該県域の市町村とかも参加してもらってとか、そうやってこの考え方を広めていって、最終的には生活する現場が変わるといったことを、是非目指していってもらえればと思います。私自身も、この７月以降、20年後の神奈川県の障がい者福祉に向けて取り組んで議論を行ったことに、大変意義深く感じています。皆さんに改めて感謝申し上げまして、お礼したいと思います。どうもありがとうございました。

（事務局：道躰参事監）
委員長、委員の皆様、報告書の取りまとめをいただきまして、誠にありがとうございました。それでは、「案」の取れたものが今、準備できましたので、蒲原委員長から知事へ直接手渡しをしていただければと思います。
　
＜報告書手交＞

（黒岩知事）
当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会の報告書、本当にご苦労様でございまして、ありがとうございました。重い、本当に重いのですけれども、この重みをしっかりと受け止めながら、これを形にしていくべく、これからしっかりと取り組んでいきたいと思います。
この当事者目線の障がい福祉という流れの中で、今日の、最終回のこの検討会。まさに、そのタイトルに相応しい展開だったと思いました。３人の当事者の皆さんが、自分の活動をしっかりと説明してくださって、私も割と知っているつもりではいましたけれども、すごいなと改めて驚いたところでありました。
その中で、私の中で様々な思いが去来をしておりました。あの衝撃的な津久井やまゆり園事件が発生したときのこと。現場に直ちに駆けつけていって、そして、血だらけの現場を見たとき、19人もの命が奪われてしまったという、歴史に残るような、衝撃的な事件がこの神奈川で起きてしまったと。
その時に、私は今から振り返ると大きな誤解をいたしました。その血だらけの現場の中であっても、ひた向きに働く職員の皆さん、すごいなと思いました。そこで、この血だらけの現場からどう立ち直っていくのかなといったときに言われました。「この160人の規模の施設を建て替えてほしい」と。それはそうだろうなと。家族会の皆さんからもそういう要望を受けました。そこで私は、即座に160人の大施設の建替えといった方針を打ち出しました。
それから何か月かしてから、その方針はおかしいんじゃないかという声が、福祉の当事者の皆さんから起きてまいりました。私は、その当時は理解できませんでした。しかし、いろいろな意見があるのであれば、もう１回ゼロに戻そうと。知事として、一回口に出して動き始めたことを撤回するということは、とてもみっともないことであります。しかし、そんなにいろいろな意見があるのだったら、もう一回見直そうじゃないか。原点に立ち戻って、どんな形がいいのかと議論したときに、今はあんな大規模施設の時代じゃないと。小規模で、そして通過型で、地域移行型、そういった施設なら小規模でという話でした。
それによって、検討委員会をやっていただいて、芹が谷と津久井に、小規模で、非常にプライバシーを守った形で、しかも地域移行型の施設を二つ作ることになりました。そのプロセスの中でも、この指定管理の共同会。ここは、引き続きやっていただくという流れが進んでおりました。その時に、いよいよ裁判が始まるぞといったときに、私の耳に様々な声が入ってまいりました。「津久井やまゆり園でどんな支援が行われていたのか。そのことに一切目を向けないで何やっているんだ」という話になって、そして、そこでどんな支援が行われているのかといったことを調べるために、佐藤委員にお願いをして、調べていただいたところ、今もなお、虐待といわれているような、そういった支援が引き続き行われていると、そういった現状が浮かび上がってまいりました。
そういうことに目をつぶったまま、この共同会に任せるわけにはいかない、どうやったら流れを止められるのか。自分が体を張って止めるしかないと思って、県議会でいきなり、「その指定管理を見直す」と言いました。県議会からは激しく叱られました。「横暴だ、県議会皆で決めたことをなんで勝手にやめるのだ」と叱られました。そして、共同会に説明に行きました。障がい者の皆さん、そして家族の皆さん、そして職員の皆さんに怒鳴られました。罵声を浴びせかけられました。「うちの息子はよくやってもらっているんだ。そんなことも分からないで、何で一部のことを聞いて、いきなりこの共同会を切ろうとするんだ」と。「ちょっと待ってください。あなたのところはいいかもしれないけど、そういうふうな虐待という事実があった、そのまま通り過ごして行くわけにいかないんです」と、幾ら言っても怒鳴られ続けられました。
そして、非常に孤立無援の状態に陥ったときに、先ほどの写真に出ておりました当事者の皆さんが全国から450人、この大会議場に集まってくれました。小西さんが「ピープルファーストのメンバー、全国のメンバーがここに集結をした。知事頑張れ」と言って、その声が私を変えました。それから流れが変わってきました。
私が当事者目線と言っているのは、当事者のそういった思いというものが、どれだけ大きなことかということを、その時に痛切に感じたからであります。それと同時に、これまで自分は家族会の声は聞いた。そして、職員の声は聞いた。でも、当事者の皆さんの生の声は聞いてなかった、そういったことに気づきました。そして、当事者の皆さんの声に耳を傾けることが、何よりも大事だと。そんな思いで、ここから新しい障がい福祉は変わっていくんだと思った。そして作ったのがこの検討委員会であります。
そして、まさに、当事者の皆さん３人。自由に、もうどんどん活発な発言をしていただきました。私もこの会議に全部出たというのは、出なければいけないと思ったわけではなくて、出ることによって、自分がすごく勉強できるな、学習できるな、どんどん目から鱗が落ちていくという。そしてその先にあるのはきっと、本来あるべき障がい福祉の姿なのだろうなと、確信をしたからであります。
その中で、今日、2040年に施設というものがどんな形になっているのだろうと。今の形とは違うぞ、そして、その施設が小さくなればいいというものではなくて、それを受けるための地域の社会資源、そういったものをしっかりやっていかなければならないと。これから先、我々は何をやっていかなければいけないのか、そういった大きな課題をしっかりと整理をしていただいたというふうに思っています。
しかし、この過程の中でも、その中井やまゆり園、県が直営でやっている施設で、今も、虐待と言わざるを得ないようなことが続いているという、この現状を目の当たりにして、これを乗り越えていく作業というものは、とっても大変なことだなと思いました。でも、今回このまとめていただいた報告書で、大きな方向性、そして我々がやらなきゃいけないこと、大きな筋は示していただいたというふうに思っています。これをしっかり追い求める中で、今もまだ続く、そういった不適切な支援、これを克服しながら、向かっていかなければいけないなと。そう簡単ではないけれども、これは我々がやるべき価値のある仕事だと、歴史的な仕事だと、私は確信をしました。
そういった意味で、今日いただいたこの報告書、これは一つの通過点に過ぎないと思います。これをしっかりと受け止めながら、皆さんとともに、神奈川から障がい福祉は変わったんだ。当事者目線の障がい福祉は、あそこから変わったんだ、生まれたんだと言われるように、これからも全力を尽くして参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。本当にありがとうございました。

（事務局：道躰参事監）
ありがとうございました。委員の皆様には改めて心からお礼を申し上げます。事務連絡の前に一言申し上げます。事務局として、会議を運営させていただいておりますけれども、これまで室温がちょっと低かったり、あるいはなかなかネットがつながらなかったりと、皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしました。引き続き研さんを積んで参りたいと思っております。

閉会のあいさつ