当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会 第7回(令和3年12月22日) 資料3-2 (2)「当事者目線の障がい福祉」の実現を目指す普遍的な仕組みづくり ア当事者目線の障がい福祉とは ・「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会」では、「利用者(当事者)目線の支援」とは、どんなに重い障がいがあっても、利用者本人には必ず意思があるという理解に立ち、本人を中心に、本人の望みや願いを第一に考え、本人の可能性を最大限に引き出す支援を行うこととしている。 ・将来展望検討委員会中間報告では、本県が目指す障がい福祉の将来像を、「ともに生きる社会かながわ憲章」が当たり前になるほど、その理念が浸透し、本人の意思決定を踏まえた、その人らしい生活を支える当事者目線のサービス基盤の整備が進んだ、いのち輝く共生社会としている。 ・11月30日の知事答弁では、「当事者目線の障がい福祉」とは、当事者一人ひとりの心の声に耳を傾け、工夫をしながらサポートすることが、当事者の幸せとなり、これにより、支援者や周りの仲間の喜びにもつながる、お互いの心が輝くことを目指すものとしている。 イ普遍的な仕組みの手法 ・将来展望検討委員会の議論では、「長期ビジョンの実現を着実に進めるには、指針、計画、条例といった仕組みが必要」との意見や、「条例を作って障がい者の居場所を作っていく決意を示すべき」などの意見が示されている。 ・県議会からは、計画の策定、憲章、宣言、条例も大きな取組の一つであり、あらゆる可能性、選択肢を排除することなく検討するよう意見をいただいた。 ・これらの意見を受け止め、「当事者目線の障がい福祉」を実現するための、必要な施策を確実に実行する普遍的な仕組みとして、計画の策定や宣言など、様々な観点から検討を行った。 ・その結果、理念や目的、責務などを市町村や事業者、県民等と共有することが必要であり、県議会の議決を得て制定する「条例」が最も効果的と考えた。 ウ条例制定に向けた論点 (ア)制定に向けての基本的な考え方  ・県議会、当事者や県民、市町村、関係団体、事業者、審議会等と、幅広く丁寧に意見交換を行いながら検討を行う。 (イ)条例の名称(仮称) 当事者目線の障がい福祉推進条例 (ウ)条例の構成 ・「前文」「目的」「定義」「基本理念」「県・市町村・県民・事業者の責務・役割・連携」「財政上の措置」など  <構成に盛り込む内容のイメージ> 【前文】 ・津久井やまゆり園での事件を契機に「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定した。 ・その後、津久井やまゆり園の再生を進める中で、意思決定支援の取組に力を入れ、当事者目線の障がい福祉の重要性を認識するに至った。 ・オール神奈川で当事者目線の障がい福祉を実現するには、県、市町村、県民及び事業者が、理念や目的、責務などを共有して、取組を推進する必要があり、条例を制定する。 【目的】 ・当事者目線の障がい福祉を、県、市町村、県民、事業者と共有して、取組を推進することにより、地域共生社会の実現を目指す。 【基本理念】 ・将来展望検討委員会で取りまとめようとしている長期的な障がい福祉のあるべき姿の実現を目指す。 〜みんなのいのちが輝く「ともに生きる社会かながわ」の実現〜 〜障がい当事者が希望する場所で、尊厳をもって、その人らしく暮らすことが当たり前となる社会〜 ・当事者と支援者や周りの仲間など、双方の喜びや幸せにつながる「当事者目線の障がい福祉」の実現を目指す。 〜その第一歩である意思決定支援の全県展開〜 【県・市町村・県民・事業者の責務・役割・連携】 ・県は、市町村及び事業者と連携して、「当事者目線の障がい福祉」の実現を目指した施策を策定し、総合的かつ計画的に実施する。 ・障害福祉サービス提供事業者は、基本理念に基づき、利用者に対する意思決定支援の取組を進めるよう努める。 ・県民は、「当事者目線の障がい福祉」の理解を深め、地域共生社会の実現に努める。 (エ)論点 ・地域共生社会の実現、当事者目線の徹底と権利擁護、障がい福祉施策の充実強化、地域の福祉資源の充実(今後、将来展望検討委員会で議論される事項)など ・「当事者目線の障がい福祉」を実現するための政令市を含めたオール神奈川での進め方 (オ) ともに生きる社会かながわ憲章について ・憲章は「ともに生きる社会かながわ」を目指す、県政の基本的な理念として、引き続き普及に努めていく。 ・条例の中にも、憲章が策定された経過や理念について、明確に盛り込む。 エ今後のスケジュール 令和4年1月〜 関係者等との意見交換(継続的に実施)※障がい当事者、関係団体、市町村、事業者等 2月 第1回県議会定例会厚生常任委員会に条例骨子案を報告 4月〜 県民意見の聴取(パブリックコメント) 関係者等との意見交換 6月 第2回県議会定例会厚生常任委員会に条例素案を報告 7月〜 関係者等との意見交換 9月 第3回県議会定例会に条例案の提出 令和5年4月 条例の施行 (参考)北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例 第1章 総則  目的:障がい者、障がい児の権利擁護の目的を定める。 定義:「障がい者」「障がい児」「暮らしやすい地域づくり」等を定義する。 基本理念:施策の推進にあたって基本とする事項を定める。 道の責務:基本理念に施策を総合的かつ計画的に策定、実施する旨を定める。 道と市町村の連携:道は、市町村との連携、情報の提供、技術的な助言その他必要な措置に努める。 道民等の役割:障がい者に対する理解を深め、地域づくり推進の施策に協力するよう努める。 情報提供:道及び障がい者に係る情報を有する者は、情報の保護や必要な情報提供に努める。 財政上の措置:道は、施策の推進のために必要な財政上の措置を講ずるよう努める。 第2章 障がい者を支える基本的施策等 第3章 障がい者の権利擁護 第4章 障がい者が暮らしやすい地域づくり 第5章 障がい者に対する就労の支援 第6章 北海道障がい者就労支援委員会 第7章 障がい者が暮らしやすい地域づくり委員会 第8章 北海道障がい者が暮らしやすい地域づくり推進本部 第9章 雑則 附則