当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会 第3回 (令和3年9月3日) 参考資料1 県立等の障害者支援施設の検討事例(過去の最大定員が400名以上、障害者総合支援法施行以後にあり方等の検討が実施された施設) 令和3年4月時点 左から、府県等、府県人口規模(R2.1.1住基台帳人口)、施設名、運営状況(直営・指定管理・民間移譲等)、運営主体、入所定員(左から、最大時、現状)、内訳(左から、最大時、現状)、あり方等の検討の経緯・状況、取組・支援等(左から、施設整備面、運営面)、備考 左から、宮城県、2,292,385、船形コロニー、指定管理、(社福)宮城県社会福祉協議会、500、300、はちくら園100おおくら園100かまくら園100まつくら園100とがくら園100、おおくら園(新築済)かまくら園(新築済)新居住棟(建設中)とがくら園(改修)※R3.4時点の施設HP記載の利用者現況は230名。建設中の新居住棟を合せて、定員は300名となる予定。 ・一度「解体宣言」が出されたが、県全域のセーフティネット、民間のバックアップ、地域の社会資源のコーディネーターの役割があるとして、定員規模(300人)を維持し、県立施設として存続することとされた。(H26.6〜H27.1 県立障害児者入所施設のあり方検討会) ・H28.6の船形コロニー整備事業基本構想で、現在の場所での建替方針。R6年度に全面供用予定。 ・県の基本構想により建て替えが進む。総事業費は約89億円。 ・おおくら園とかまくら園は老朽化のため取壊して新築(R2.9に新たな居住棟2棟の供用開始)。老朽化で閉鎖中の旧はちくら園と旧セルプふながたを取り壊し、跡地に新たな居住棟を整備。80の個室(1ユニット10室)×3棟、バリアフリー対応。 ・R2.9に開所式を実施し新たな居住棟2棟(新おおくら園とかまくら園)の供用開始。名称も『船形の郷』に改称。今後、居住棟を1棟新築、1棟改修(とがくら園)。" "【基本的役割】 ・県全域のセーフティネットの役割 ・民間をバックアップする役割 ・地域の社会資源をコーディネートする役割 【地域移行等】 ・定員はH17年度末に500人→300人に(地域移行を進めて利用者減のため)。以降定員に変更なし。 施設のHP、船形コロニー整備事業 基本構想(H28.6)等より 左から、山形県、1,082,296、総合コロニー希望が丘、民間移譲、(社福)山形県社会福祉事業団、500、300※人数内訳不明、こだま寮しらさぎ寮ひめゆり寮まつのみ寮あさひ寮、しおり45しらさぎ寮70ひめゆり寮70まつのみ寮70あさひ寮45 ・H28.6に県立障がい者施設見直し方針が出され、その中で県立障がい者6施設について、H28.4から事業団への移譲が提示された。 ・H27.7に県立障がい者施設見直し工程表策定。希望が丘コロニーは寮の再編に伴う大規模改修となった。 ・寮の再編に伴う大規模改修 【施設の役割等】 ・地域移行の推進 ・要介護高齢障がい者の受入対策 ・強度行動障がい者の受入強化 ・重症心身障がい者の短期入所受入強化 施設のHP、社会福祉事業団の広報誌等より 左から、茨城県、2,921,436、あすなろの郷、指定管理、(社福)茨城県社会福祉事業団、590、462、障害者支援施設:590、 障害者支援施設:462、 【建て替え整備計画】 ・セーフティネット棟200 ・医療型障害児入所施設40 ・生活訓練を行う施設(あすなろの郷内)60×3棟程度 ・あすなろの郷外における障害者支援施設40〜60 ・老朽化等の課題につき,建て替えを前提に,今後のあり方の検討のため,県立あすなろの郷検討委員会を設置(H28.9〜H29.8に6回開催)。これからの施設を「セーフティネット棟」「高齢化棟」「地域移行促進センター(仮)」とした。運営主体は引き続き事業団。 ・整備調整会議(H31.2〜R1.7)において建替え整備計画を策定。R6年度完成予定。 ※整備計画では「高齢化棟」は区分せず、生活訓練を行う施設(あすなろの郷内)とあすなろの郷外における障害者支援施設に終の住処の機能も持たせる。 ・老朽化、高齢化、重度化が課題。 ・あすなろの郷の敷地は埋蔵文化包蔵地を含むため土地開発に制約。 ・新たな施設の整備計画では県と民間事業者で役割分担。民間事業者では対応が困難な人を支援する施設(セーフティネット棟)及びあすなろの郷病院については県が対応。生活訓練などを行う施設(あすなろの郷内)やあすなろの郷外における障害者支援施設については、民間活力を導入する。 【県と運営主体の役割等】 ・県は「地域移行等」の促進のため、家族等の不安払拭、運営主体(事業団)への支援とともに、民間施設等との連携のために必要となる新たな支援方策・連携体制の整備等を行う。 ・運営主体は,自立的経営への転換を目指し,県と連携して建て替え後の必要な人材の確保とともに,民間施設及び医療機関等との連携体制の構築方策を検討する。 【地域移行等】 ・全ての入所者本人の意向を尊重。家族の希望にも配慮。丁寧な説明及び聴き取り等を行い理解が得られた方のみ「地域移行等」に取組む。 ・「地域移行等」にはグループホーム(GH)等への地域生活移行のほか,GH移行を前提とした民間施設への入所とともに高齢者福祉施設への入所も含むが「家庭復帰」は原則前提としない。 県立あすなろの郷検討委員会報告書(H29.9)、県立あすなろの郷建替え整備計画等より 左から、千葉県、6,319,772、袖ヶ浦福祉センター、指定管理、(社福)千葉県社会福祉事業団、430 130、更生園280養育園150、更生園90養育園40 ・H25.11の虐待死亡事件を受けた、法人施設運営の見直し状況に対する進捗管理委員会の評価提言を踏まえて袖ヶ浦福祉センター検討会議を設置(H30.12〜R1.7に6回開催)。 ・R2.8、今後、利用者全員の移行を行った上でR4年度末までに廃止とした。 なし(R4年度末までに廃止予定) 【地域移行等】 ・暮らしの場支援会議を設置し、受入候補施設等において、短期での入所等の機会を提供し、アセスメントを通じて本人の意思を汲み取りつつ、保護者の意向も踏まえ、一人ひとりに合った支援が受けられるよう、暮らしの場支援会議において、受入先を調整する。 ・県は民間事業者や市町村と連携した代替の支援システムを構築。受け入れ先の調整を図るほか、民間のGHの整備や人員増強の費用について補助制度を創設。 ・袖ヶ浦福祉センター利用者に対しては意思を汲み取り、保護者からの相談に対応し、民間の事業者への支援につなげるため「意思決定支援アドバイザー」を配置。 千葉県HP、「(参考)千葉県袖ケ浦福祉センター見直しの経緯について」(R2.8.31)等より 左から、新潟県、2,236,042、コロニーにいがた白岩の里、直営、県、500 220、更生棟:100授産3棟300(100×3棟)重度児棟100、児童部:25成人部:75高齢期更生部:40重複更生部:40社会復帰部:40 ・H16「障害者福祉施策検討委員会報告書」において、コロニーについては、民間施設において最重度、強度行動障害児・者の受入れが十分には進んでいないことから、当面は直営を継続していく中で、定員を縮小させながら併せて社会福祉法人への移管等も検討していくべき」とされた。 ・その後、社会状況が変化したことからR1.10、コロニーの役割、機能、運営方法等を検討するため、あり方検討会を設置。R3.3に報告書取りまとめ。地域の民間施設等において支援方法のノウハウとスキルが蓄積されており、今後のコロニーは県立施設として維持しつつ民間による運営を行うことが適当とされた。 <検討会報告書(R3.3)より> ・個別で適切な支援を行うため、施設規模の縮小と併せて居室の個室化が不可欠であり、2人室を解消するまで一定期間新規入所を停止することも必要と思われる。 ・児童部及び成人部は、主に強度行動障害者への支援を行っていることから当面は支援を継続。 ・高齢期更生部及び重複更生部:意思決定支援を行いながら地域生活移行等を進め、将来的には廃止(期限を定めず段階的に)が適当。 ・社会復帰部はH27年度以降利用者がいない状況が続いており、廃止が適当。 <検討会報告書(R3.3)より> 【県・コロニーの役割】 ・セーフティ機能(緊急的な短期入所支援、強度行動障害者への支援、現利用者への適切な支援) ・地域支援機能(強度行動障害等に関する相談支援、強度行動障害者支援の人材育成) 【地域生活支援等】 ・利用者の意思と家族の理解等を前提とし、利用者の意思や利益に反した地域生活移行等は進めない。 コロニーにいがた白岩の里のあり方検討委員会報告書(R3.3)等より。 左から、長野県、2,087,307、西駒郷、指定管理、(社福)長野県社会福祉事業団、500 106、保護部(重度棟)60更生訓練部190(うち児童30)生業部250、ひまわり32さくら60まつば14 ・H16「西駒郷基本構想」に基づき地域生活移行を進め、入所者数は取組前の441名から102名に大きく減少。新規入所者を受け入れていない。 ・基本構想後の施設の役割・機能・運営方法を見直すため、平成28年にあり方検討会を設置(H28.7〜H29.3に4回実施)。 <検討会報告書(H29.3)より> ・老朽化施設の改善 利用者のQOL向上のため、老朽化施設の整備が求められる。 ・支援機能の強化 入所者の高齢化・重度化の一方、地域生活移行を希望する入所者が減少。 ・効率的な運営 広大な土地が、利用者規模縮小に対して過大。維持管理負担も大。施設の再配置、利用停止建物の撤去、不要土地の有効活用等検討が必要。" "<検討会報告書(H29.3)より> 【西駒郷と民間の役割等】 〇県立施設として今後担うべき役割 ・セーフティネットの確保、地域生活支援の推進 〇県立施設として実施する事業 ・施設入所支援、短期入所、生活介護、相談支援 〇民間事業者による実施が適当な事業 ・生活介護(通所者分)、生活訓練、就労移行支援、就労継続支援A型及びB型 【地域生活支援】 ・県全体の地域生活移行の推進役 ・地域生活支援体制のモデル施設 施設HP、H29.3のあり方検討会の報告書等より 左から、大阪府、8,849,635、金剛コロニー、民間移譲、(社福)大阪府障害者福祉事業団、850 180(365)、知的障害者更生施設460知的障害者授産施設290知的障害児施設100障害者支援施設180(60名×3棟、個室・20名ユニット)【参考:種別変更】・重症心身障害児施設100、特別養護老人ホーム80(※全て建替え) ・H15作成「金剛コロニーの今後のあり方について」に基づき、地域移行、利用者の状態に合った支援のできる施設種別への変更(老朽化による建替)の二つを再整備の方針とした。 ・大阪府はH22.10に策定した「大阪府財政構造改革プラン(案)」で金剛コロニーのH29年度の民営化を明記。 (※障害児施設については、府立民営で指定管理者制度を継続。)" ・大阪府社会福祉事業団が実施主体として新施設を整備。府が財政支援。府から財政支援した事業団積立金(H15から積立)のトータルは約55億円。 【府と民間の役割等】 (府)・児施設の運営(指定管理) ・知的障害者授産施設の廃止 (事業団) ・「種別変更」重心施設、特養施設の設置。 ・「老朽化による建替」障害者支援施設(60名×3棟)の設置 ・「地域移行」府内各地域におけるGHの設置 【地域移行等】 ・再編中は新規入所受入れを停止。 ・地域生活移行への移行を着実に進めるために、圏域ごとに「地域移行センター事業」を実施。GHを整備し、府立施設から定員の半分以上を受け入れる場合、人件費や家賃等の補助を実施。(※GHから再入所する例あり)" 茨城県あすなろ郷検討委員会の資料「県立あすなろの郷検討に係る先行事例調査結果」等より 左から、国、−、国立のぞみの園、独立行政法人、(独)国立のぞみの園、550 230、医療的配慮グループ高齢者支援グループ特別支援グループ・強度行動障がい・矯正施設退所(有期での支援)自立支援グループ※1〜3人部屋利用 ・H15.10に組織形態を独立行政法人に移行する際、同年8月の「国立行政法人化検討委員会」報告書より「今後、新たな入所者は受け入れないことを基本とし、現在の入所者については、地域への移行を進めていかなければならない」となった。 ・H29.5、あり方検討会設置(〜H30.2、5回開催)。「今後、事業の効率化を図るため、国として役割を果たすべき事業について具体的なニーズの把握に努めたうえで、本体事業との関連の薄い附帯事業については、国で行うべき事業との関係から縮小、廃止及び移譲を含めて抜本的に検討すべき」との指摘。 入所者の重度化、高齢化。近年、地域移行者数が減少。財政の問題。建物の老朽化。 運営主体について、独立行政法人がよいのか検討する必要がある(検討会報告書より)。 【地域移行等】 ・新規入所の受入れ中止。 ・地域生活支援室を設置。また、独自事業として、地域生活体験ホームを2箇所設置し、宿泊体験等を実施した上で、地域のGHの利用につなげた。 ・再入所を可能とした(※医療的なケアが必要等の理由で再入所あり) ・著しい行動障害を有する者等、矯正施設を退所した知的障がい者については、有期(2年)での入所支援を実施。 最大定員はH15時点。 左から、愛知県、7,575,530、(参考)心身障害者コロニー、廃止(民間施設等へ移行)、(社福)養楽福祉会、380 80、はるひ台学園130養楽荘150春日台授産所100、(社福)養楽福祉会80【参考】・養楽荘40、はるひ荘40(いずれも建替えで一人居室) ・病院から児者施設、研究・訓練施設にいたる多種多様な機関等を一か所に整備する大規模施設であったが、地域医療再生基金を活用し、病院、重心施設、地域療育センター機能に絞った「医療療育センター」に再編、250名の入所施設利用者は、地域移行(154名)を進めるとともに他の民間施設へ移行し、県立の障害者支援施設は廃止されている。 ・H26.10、県有地を活用した民間による施設整備を決定(社会福祉法人養楽福祉会)。 ・H21.4春日台授産所を廃止。H28.7はるひ台学園、養楽荘を廃止。 ・重度35名程度は行先が見つからなかったので、県で受入施設の公募を行い、「養楽福祉会」による施設の建設を認め(80名)、残り全員の受入を行った。 (県有地に養楽福祉会が整備) ・国庫補助は採択され、県も協調で補助を実施(県単独補助はない)。県有地の無償貸与は実施。 【県と民間の役割等】 (県)・病院と重心、研究機能を合わせた医療療育総合センターを設立 ・知的障害者授産施設の廃止(H21) ・障害者支援施設「養楽荘」の廃止(H28.7) (民間)・「養楽福祉会」等による利用者の受入、施設の建設(80名) 【地域移行等】 ・再編中は新規入所受入れを停止。 ・保護者向け説明会の繰り返しの実施。 ・GH見学会、移行訓練・体験の実施。 施設HP、茨城県あすなろ郷検討委員会の資料「県立あすなろの郷検討に係る先行事例調査結果」等より 佐賀県、823,810、(参考)佐賀コロニー、民間移譲、(社福)若楠、320 140、更生200授産120、青葉園140※1ユニット10名の個室 ・地域社会・家族機能の変化、福祉サービスに対する利用者ニーズの増大、多様化・高度化を受け、今後の施設福祉行政における民間と県の役割の明確化を検討。地域移行を進めて利用定員を300人から135人に減少させ、その後、指定管理などの期間を経ずに公募によりH28に民間社会福祉法人に移譲している。 ・建替場所は元の佐賀市ではなく鳥栖市。障害者支援施設「青葉園」として開設(佐賀コロニーと若楠が元来所有の青葉園との合併施設)。 〇新施設整備への支援 ・建替え費用については、国庫補助基準額の範囲内で通常の補助率「4分の3」を「4分の4」に増率して補助 ・施設整備補助金の財源確保 ・合併先の青葉園入所者への代替施設の提供 〇 家族会に対する説明会の開催 〇 充実した業務引継ぎ 〇 定年、任期満了でコロニーを退職する職員の再雇用(7人) ※現職職員については、その他の県立福祉施設へ異動" 施設HP、国立のぞみの園の在り方検討会 事例発表資料等より (表の下の注釈) ※過去の最大定員が400名以上の施設でも、総合支援法施行以前に民間移譲等を終えている施設は対象外(北海道:太陽の園、千葉県:東京都千葉福祉園、宮崎県:向陽の里など) ※愛知県の心身障害者コロニーは、廃止→民間施設等への移行の事例として参考掲載。 ※佐賀県の佐賀コロニーは、指定管理などの期間を経ず、県直営→民間移譲に直接移行し、かつ県内の別の場所で県有地を活用した民間での施設整備を実施した事例として参考掲載。