資料6−2意見書 社会福祉法人清和会三浦しらとり園林雅之 (サービス基盤の整備) 1当事者の皆さんが、利用できる必要なサービスを増やす。 (自治体との連携) 2当事者の皆さんが住んでいる、市・区・町・村の職員に協力してもらう。 (相談支援事業所との連携(れんけい)) 3当事者の皆さんの相談に乗ってくれる人(相談支援専門員)に協力してもらう。 (セーフティネットの構築) 4当事者の皆さんが困ったときに、必ず助けてくれる施設が必要。 (通過型・循環型の施設を目指す) 5地域の中心となる施設は、なるべく多くの当事者の皆さんが使えるようにする必要がある。  (施設の小規模化・ユニット化・個室化) 6当事者の皆さんが住む場所は、プライベートが守られるように個室にする。 (サービスの多様性) 7当事者の皆さんが選べるように、入所施設もグループホームもあったほうが良い。 (意思決定支援) 8当事者の皆さん一人ひとりの意見をしっかりと聞く。 第3回当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会 意見書(詳細) 1障がい福祉の将来展望について ○当事者の皆さんが、地域でその人らしい生活を送るためには、サービス基盤の整備が第一に必要と考える。 ○三浦しらとり園では、平成30年に民間のグループホームに移行した方が1人いる が、その時の体験の場は1つしかなく、選択肢は限られていた。 ○意思決定支援の中で、当事者が生活の場や暮らしの場を選択できるようになればよいと考える。 ○地域移行を進めるうえで、自治体(市町村)との連携が欠かせないと考える。 ○横須賀市の第6期の障害福祉計画では、毎年20人分のグループホームを増やす計画になっているが、一方で入所のニーズは高いという理由で、入所施設の入所者の削減目標は±0人となっている。 ○県がこれから示す施策との整合性も確認する必要がある。 ○第1回の委員会では、政令市も中核市も含めて「オール神奈川」と確認したが、サービス基盤の整備状況や予算面(市独自の補助金)も含めて地域の実情(ニーズ)に応じて地域ごとに議論していくことも必要と考える。 ○地域のニーズを第一線で肌で感じている相談支援事業所との連携も欠かせない。 2県立施設・指定管理施設のこれからの役割 ○「利用者目線の報告書」の中に、「障害者支援施設は地域で生活している障がい者の暮らしを支える機能が求められる」とあり、さらに県立施設(指定管理施設)は、その地域での生活支援拠点として、セーフティネット的な役割もあると考える。 ⇒しらとり園でも緊急短期入所や行き詰った支援の再構築等のニーズは高い。現在のコロナ禍で、家族のコロナ陽性等により緊急受入れのニーズも増している。虐待ケースも存在する。 ⇒複数の短期入所を利用して(つないで)生活していた方を当園で(有期限で)受け止めているケースもある。生活基盤ができたことで(環境を整えたことで)、行動的課題が軽減した事例もある。 ○重度で行動障害のある方を一時的に受けることも含めて、地域で困っている方を支える役割を担うべきと考える。 ○地域の中で通過型施設(循環型施設)として位置づけ、地域移行のステップ施設としての役割を担う。(上手くいかず一度戻ってくるのもあり) ○施設の構造は小規模、ユニット、個室とし、地域の暮らしに近づける必要がある。 ⇒入所者のプライベートな空間を保証していく。 3入所施設の課題 ○入所施設=終の棲家という課題は、入所施設だけで解決できる問題ではない。どんな困り感を持っている方も受入れるグループホームなど地域の基盤整備との相対的関係にある。 ○また、入所者(入居者)の高齢化は入所施設やグループホーム共通の課題であり、その方たちの受け皿としての入所施設の役割も今後ますます必要になると感じる。 ○私は相談支援専門員の経験があり、その時に、入所利用者は地域との繋がりが少ないことを実感し、そこをどう広げていくかが課題だと認識している。 ⇒エコマップを作成すると、「本人・施設・医療」のみという方も少なからず存在し、地域に出てつながりを持つことが大事。一方で見方を変えて地域の方々にどう施設に来てもらうかという視点も大事だと思う。⇒石川県の佛子園の例。 ○地域の中でグループホームや入所施設をサービス提供の選択肢として位置づけ、多様なニーズを持つ当事者たちが、限られた資源(サービス)を有効に活用できる、当事者主体の地域生活を支えていく仕組みづくりが必要である。 4その他  ○地域生活移行を進めていく上で、長く入所している当事者には、丁寧に意思決定支援を進める必要があると感じている。そのためには、当事者やご家族の理解を促し、「地域生活の良さとメリット」を伝える分かりやすい資料やDVD等が全県レベルで必要と考える。 ○利用者目線の報告書での野口委員の発言 『今になって、あなたの意思はと言われてもなかなかできないという現実がある。今までに意思を出せるような育ちもないし、周りからもそういう支援をされなかった』 ⇒だからこそ一人ひとりに丁寧な意思決定支援が必要と考える。 1