検討会等名称当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会（第３回）開催日時令和３年９月３日（金曜日）15時30分～17時50分開催場所県庁　本庁舎３階　大会議場出席者◎蒲原委員長、大川委員、大塚委員（Zoom）、河原委員、小西委員、佐藤委員、冨田委員、奈良﨑委員、野口委員、林委員、福岡委員（Zoom）問合せ先共生推進本部室利用者支援グループ会議記録以下のとおり
（事務局：道躰参事監）
　開会の挨拶

（蒲原委員長）
　それでは、本日の会議を始めたいと思います。よろしくお願いいたします。本日も委員の皆さんのご協力を得ながら、活発なご議論が展開できればというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。最初に、本日の進め方について共有をしたいと思います。資料の一番上に次第があると思いますけれども、本日の議題は三つあります。それぞれ区切って議論したいと思っています。まず、議題の第１、令和５年度からの指定管理開始に向けてについてですけれども、これは前回、議論の時間が十分に取れなかったことから、再度事務局から説明を聴取した上で、15分程度時間を区切りまして、議論したいと思います。これが第１のパートです。次に議事の２番目、これは福岡委員から、長野県西駒郷の取組みについてお話を伺い、委員の皆様からご意見等をいただきたいと思っています。この議事２については、40分程度の意見交換の時間を予定しております。その後、先ほど事務局から説明がありました５分間の休憩を挟みまして、最後の議事の３障がい福祉の将来展望についての議論に入ります。事務局からの説明を聴取した上で、意見交換、自由討議ということで進めていきたいと思っています。この３番目の部分については60分程度の時間を予定しておるところです。なお本日は、河原委員、林委員、小西委員から、事前に意見書が提出されております。議事の３のところで、ご説明をいただければと思っております。私からそのときには指名をしたいと思っていますのでよろしくお願いします。それでは早速最初の議事の１に入りたいと思います。事務局からの資料説明は、前回の委員会でも聴取いたしましたけれども、補足等ございましたら、説明をお願いいたします。
　
（事務局：髙橋障害サービス課長）
　〔資料１に沿って説明〕

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは三浦しらとり園及びさがみ緑風園の当面の対応につきまして、ただいま説明があった検討の視点、それぞれちょっとページは分かれていますけれども、検討の視点を中心に意見交換したいと思います。ご発言いただける方は手を挙げていただければと思います。いかがでしょうか。
　それでは大塚委員から今お声がありましたので、大塚委員よろしくお願いいたします。

（大塚委員）
　大塚です。よろしくお願いします。今回の三浦しらとり園とさがみ緑風園の特出しというか県全体の施設を検討する中において、個別的な施設をどのように検討するかということ、これは大きなものと、個別なものがあるので、実際は多分、全体をどうするかということとそれぞれの施設の事情がありますよね。特に三浦しらとり園やさがみ緑風園については、前回の利用者目線の支援推進検討部会報告においても、身体拘束ゼロなどに取り組むということで、すでに実績を積みながらやっていると、こういうものをどう評価してということがあると思っています。
　それからもう１点は、三浦しらとり園、さがみ緑風園は医療機関が併設されてるわけですよね。こういう医療機関の、今までの評価ですよね。地域における貢献であるとか、あるいは利用者さんに対する貢献だとか、費用対効果も含めてきちんと検証する必要があるので、時間をもってやる必要があると思っております。
　ただ、県全体の施設の考え方としては、県立施設の改革が必要だと思っていますので、まず１番目は地域移行をきちんと推進していくと。どんなに障がいの重い方もこれから地域で生活するということを、全県、全施設共通なこととして行っていくと。それから２番目に、地域移行を行いながら、新たな入所者を受け入れるということは、なかなか困難なので、論理的に矛盾なので、地域移行がある一定のところまでいくまでは、新規の入所は止めると。３番目の視点は、これからの施設は、まさに、地域に貢献する施設ですね。地域の支援拠点としてどんなことをやっていくか、今までもやってきていただいたと思いますけれども、なかなか不十分だということもありますので、地域に貢献する施設のあり方というものをきちんと目標とするということが必要だと思っています。
　もちろん、三浦しらとり園もさがみ緑風園も同じようなこの三つの目標を持つわけですけれども、個別の事情があるということであると、ちょっと違うかなと。そこはよく検討しておく必要があると思っています。先ほど言った医療ということと、それから三浦しらとり園は障がいのある子どもさんを受け入れているわけですよね。障がい児ってまた特別なことで、今後も入所施設、障がい者のための入所施設ってどういうことがあると、国でも検討が行われたようですけども、新たに障がいのある子どもさんの、これから、今後を含めてきちんと整理しておく必要があると思っています。それからもう一つ、県立施設の共通なものとしての地域移行、新規入所停止、それから地域貢献。地域の支援拠点として、このことを行うときに、こういうことを行いながらも実際に入所されてる方はいらっしゃるわけですね。そうすると、今いらっしゃる方の、地域移行も含めてですけども、生活の質を、クオリティオブライフを高めていく必要があると、もう地域移行するんだから、このままでいいかということはないと思いますので、先ほど議論が出ていました日中活動、あるいは夜間も含めて、質の高い生活とは何か、あるいは外部のいろいろな事業所を使うということも含めて、質の高い生活をきちんと担保していく必要があると思っています。
　また、質の高い生活という観点から言うと、やはり、今のすべてでは私は見てないんですけども、今の施設のアメニティ、非常に年月が経った施設というのは、本当に質の高い生活という観点からいくと、課題があると思ってます。私は愛名やまゆり園ですか、そこに視察に行きましたけども、やはり見ただけで、ここでまだ生活するのかということで、非常に落胆しました。地域移行するから、このままでいいということではなくて、今いらっしゃる方の質の高い生活、そのためには老朽化した施設というものも、変える必要があると思います。これは矛盾があります。そこを天国にしてずっといらっしゃるわけではなくて、ともかく今いらっしゃる方の質の高い生活というのも確保する必要があると思ってます。以上が私の見解です。以上です。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。個々の個別の施設に着目する状況に対する考え方の整理と、むしろ全体を含めてあるいはもっと言えば、この二つ以外の県立施設全体を見ながら、考えるべき視点ということで二つ大きく分けてそれぞれについてお話があったというふうに受けとめました。その他、はい。それでは、小西委員、よろしくお願いいたします。

（小西委員）
　ピープルファーストの小西です。前回質問したことです。まだ分からないことがあります。施設で暮らしてる仲間は幸せですか、教えてください。県立施設で暮らしてる仲間の暮らしを見たいです。よろしくお願いします。終わります。

（小西委員の支援者）
　ピープルファースト横浜支援者の石井と申します。事務局の方の回答をお願いいたします。

（蒲原委員長）
　事務局へのご質問ということでありましたけれども。

（事務局：髙橋障害サービス課長）
　施設の方の生活、暮らしている方の生活が幸せか、ということなのですが、すみません、そこの部分は正直、私の方で幸せかということは、今、はっきり明言できません。ただそこは職員は、皆さんが幸せになれるようにというふうに頑張ってくれていると思っています。
　それから、次の２点目の施設の見学というところですが、そこについては、是非ともそういう機会、ただ、いまコロナということがあるので、実態として中に入れないというところがあるかと思うのですが、そういった場も作らせていただければと思います。以上です。

（蒲原委員長）
　個別のところでの問題もありますし、今後、県立全体の議論の中でまた引き続きご意見をいただければというふうに思います。それでは佐藤委員、よろしくお願いいたします。
　
（佐藤委員）
　佐藤でございます。今大塚さんの方からかなり詳細にご意見が出ましたので、付け加えるのもなんですけれども、三浦しらとり園もさがみ緑風園も、医療的ケアが必要な方を受入れるということを前提に作られている施設ですが、医療的ケアが必要なので中に医療施設も置いているし、あまり外に出ないということでこれまで運営をされていたわけですけれども、医療的ケアが必要な方であってもやっぱり外に出る、というチャンスを作っていく。それから医療機関についても、もちろん内部の医療機関を全くなくすということはちょっと無理かと思いますけれども。しかし外部の医療機関を使って、時々外へ出て行くということは、これは可能な話だと思いますし、かなり重度のＡＬＳの方でもですね、外で日中活動するという事態は、これはもう最近は目に見えてあるわけなので、事務局のご提案には基本的には賛同するものですけれども、将来的な方向としては、やっぱりここも、日中活動、外に出て行くと、それから医療機関も外へ出ていくと、そういう方向で物を考えていったらいいのではないか、あるいはそういう方向で考えるべきではないかと考えております。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは、奈良﨑さんから手が挙がりましたので、奈良﨑さんよろしくお願いいたします。

（奈良﨑委員）
　はい、奈良﨑です。すみません、さっき佐藤さんと大塚さんと同じなんですが、地域移行を目指すっていうお２人さんの意見はすごくいいと思うんですけど、現実、地域で暮らすっていうことって結構地域ですごく慣れてる人でも不安だと思うので、入所施設の仲間が本当に地域で不安なことっていっぱいあるのに、地域移行って言っていいのかなっていうのが私は一つ不思議です。それでもしこの先、サービスの両立をいっぱいやってほしいんだったら、私は入所施設に知的障がいのガイドヘルパーをつけてほしいな。当事者同士のガイドヘルパーができると、みんなが外に出てガイドヘルパーを使って、もっとみんなが障がいの方が地域でこんな方だよねっていうのがお互い分かってもらうのかなあと思いました。以上です。
　
（蒲原委員長）
　分かりました。ありがとうございました。おそらく地域移行の時の、地域の不安をなくすためにやるという何が大事かということも、併せてきちっとやるということが大事だということだと思うので、その辺はまた、全体の議論の中でも是非ご意見をいただきたいと思います。では追加で佐藤さんが一言、それから河原委員にお願いします。
　
（佐藤委員）
　すみません。今の奈良﨑さんの発言に触発されて言うんですけれども。地域で安心安全な生活って、障がいのあるなしにかかわらず、難しいですよ。みんなトラブルに合うので、何か困った事態になるということは、みんながあるので。その困った事態になるということを前提にして、それを何とか支えていくという地域社会ができるということが本来の姿なのかなというふうに思っております。地域に移行して、安心安全だっていうふうに、それは言うのはいいんですけれども、そんなことは、障がいのあるなしにかかわらずないので、みんな不安を抱えて生きていくというのが、それが自然な姿だと私は思っております。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。先ほど河原委員から手が挙がってたので河原委員、よろしくお願いいたします。
　
（河原委員）
　星谷会の河原です。何点かご意見を述べさせていただきます。まず１点目の地域移行の議論については後で、私の方でもちょっと意見がありますのでそこで述べさせていただきますが、やはり一定のシステムを構築するということが必要だなと、ざっくりと思っております。
　それからまず三浦しらとり園のこの検討の視点のところの、老築化した施設を小規模ユニット化という部分では、これは、大塚委員が述べたように全施設ともやはりＱＯＬの視点から、小規模ユニット化というふうな形で、見直すというようなことが必要かと思います。ただ、先ほどの地域移行にもつながるんですが定員減をするということは、定員を減らす人たちが地域で暮らす受け皿の問題と並行しなければいけないので、どちらかの議論を一方で行うのでなく、並行してやるべきかなというふうな感想を持っております。
　それからさがみ緑風園についてです。だいぶ利用されてる方が減ってるのですが、ここは旧身障療護からスタートしております。神奈川県の中には旧身障療護系の施設の数というのはそんなに多くないんじゃないかなというふうに認識しております。私自身が相談支援の仕事をしていた時に、確かに在宅でなかなか支援をするのが、難しい意識障がいの方等ですね、そういう方たちをさがみ緑風園で対応していただいているという経緯もありますので、そういった状況を踏まえつつ、今行ってるサービスの質がですね、落ちないような形での、この指定管理の仕組みというようなところに、ご配慮いただけるといいかなということを感じております。それから両施設に関連している診療所の件です。こちらに関してはできるかどうか分からないですが障がいのある方に専門特化をした診療所の必要というのは、医療的ケアも含めて一般病院にはなかなか対応しきれないと、私自身は思っております。そういう部分ではこういった診療所の機能を仮に残すのであれば、中の人だけではなく、地域の障がいのある方たちがこの診療所を使えるような仕組みというところができると、地域の安心につながるのではないかなというふうに思っております。以上です。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは、大川委員よろしくお願いいたします。

（大川委員）
　大川です。よろしくお願いします。やはりこの強度行動障がいというところに関して、本当にシステム論だけで解決するのかといったところは、一度考えた方が良いのではないかというふうに個人的には思ってます。強度行動障がいがなぜ生まれたのか。生まれつき強度行動障がいの人というのは、いないわけですよね。やはり育てにくさがあったりとか、本人の生きがたさや、いろいろなものがうまくできない、いろいろな活動が上手にできないという中で、行動障がいというのが生まれてきます。
　その中で、今、施設で起きているのが、構造化で刺激を排除していくという形での暮らしが、その結果、今の問題に行き着いていると思うんですね。それを考えたときに、やはり仕組みだけではなくて、この発達という部分に関して、どうやって保障していくのか。それは、様々な活動をするしかないんですね。そういった意味で、日中活動ができてない。このことというのが、みんなの生きがたさを作っていっています。そこを、やはり改善していかないと、行動障がいっていうのは、より根深くまた強く出てきます。
　その意味では、やはり日中活動をしっかりと、多様な活動を用意するということと、そこに挑戦していくということが、一人一人の可能性を導いていくことになると思うんですね。なのでシステム論というよりはやはり、行動障がいがなぜできているのかというところ、また、施設の中に、診療所等があるんですけれども、その結果、何が改善されたのかと。結局拘束の数、居室施錠の数、そういった意味で、本当に適切な医療が実施されているのか、冷静にもう一度検証した方が、良いのではないかと思います。
　地域移行の鍵はですね、確実に日中活動なんですね。日中活動があれば、あとは、グループホーム、寝る場所が変わるだけなので、本人も、やはり奈良﨑委員がおっしゃるように、地域での不安というのが先に解消されるんですね。そういった意味で、もう一度、強度行動障がいとは何かというところに立ち返って考える必要があると思っています。以上です。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。まさにこの二つの施設だけの話ではなくて少し所定が広い話だったというふうに受けとめました。それでは、実はこの議論、個別の議論であるとともに大塚委員からあったとおり、少し幅広い議論にも関係すると思いますので、引き続きこの点も頭に置きながら、今後の議論の中でまたお気づきの事がありましたらそれぞれ含めて、ご発言いただければと思います。それでは、一旦ここで議事を区切らせていただきたいと思います。今回の議論も踏まえながら、今後、募集要項の中身等が検討することになっておりますけれども、貴重な意見だったというふうに受けとめております。
　それでは議事の２に進みたいと思います。議事の２は冒頭申しましたとおり、長野県の西駒郷について福岡委員からの事例の報告であります。大変たくさんの資料で、盛りだくさんになっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。資料ですけども、資料の２と資料の３がお手元にあろうかと思います。資料の２は西駒郷の概要を事務局で取りまとめた資料になっております。資料３の方が、福岡委員のご提出の資料ということになってございます。正面のスクリーンにこれから資料が映るということでございます。それでは準備が整いましたので福岡委員よろしくお願いいたします。
　
（福岡委員）
　今日もオンラインの出席で申し訳ないです。うまくお話しできるか自信がないんですけれども、長野県で取り組んだことを思い出しながらと言ったら、ちょっと情けないんですが、話してみようと思います。というのも、私、この分野の現場を退職してもう６年目になるのですが、もう７年目に入るのか、今はほとんど保育園とか放課後等デイサービス出向いて様子を見ていろいろ支援してくという仕事がほとんどです。私はもともと療育拠点のコーディネーターなので、たまたまその仕事の２本柱というのが、一つが地域の支援体制を作っていく仕事、もうひとつが療育等支援というふうになってきた時に、それぞれの課題の整理とかという仕事があったものですから、今日、お話しするのは地域支援のところに熱中してやっていた頃の話です。というのも保育園にはグレーゾーンとか発達特性を持たれた子どもさん、多いなあと感じるようになってきました。一番大切なのは、家庭から始めるというか保育園とか幼稚園で、発達特性のある子どもたちを不適応にしない、適応障がいにしないっていうのが、すごく大事な取組みだと思うようになったからです。やっていてそう思うようになったからです。結果的には、発達障がいという診断を受けちゃったことは適応障がいになったということだと。イコールとは言いませんけれども、私は保育園のクラス活動とか、お友達の集団づくりとか、その中で特性のある子どもたちの支援をいろいろやっていく中で、ずいぶん本人たちは保育園の段階からクラスの中で、お友達と一緒の中で、不適応にならないということの学習を積み重ねつつ、得意なところを伸ばしていくというところの実践が、ずいぶんあるんです。結果的には、学校に上がったときに、特別支援学級とか通級を使っていくことは必要だなと思うんですが、もう上がった段階から放課後等デイサービスというような、サービスを使わなければ生活が送れないという子にしたくないなあというところ。
　地域生活移行の話なのに、これを前段でお話したのは、私は今、障がい福祉に関わって二つの山を両方からトンネル掘ってるような気持ち、皆さんどう思われるか、一つは不本意かどうかわかりませんが、いろんな事情の中で暮らしてきた方たちが１日も早く、昼間頑張れるなあという場所を見つける。夜はほっとできるっていう場所を見つける。それをいつも支援者がどうする、どうする、どう？っていう感じで、伴走者のようについていくという仕事。それで、できれば、入所施設でなくとも、やっていけるような暮らしというのを作っていくというトンネル掘り。
　もう一つが、今生まれた子どもたちが、いわゆる適応障がいとかになることなく、自分の持っている力を伸ばしながら、成長していくという二つのトンネル掘りが大事だと思って、ずいぶん前提の話を長くしちゃってすみませんでした。
　ということで長野県のこの地域生活移行の取組みというのは、私、何かいい資料がないかなと思っていろいろ調べてみたら平成18年頃に県の障害者支援課で作ったパワーポイントがあったので、それから何枚か使わせていただくというのと、あと入所施設ってどういう役割があるかなということは自分の、ずっとこの分野で働いてからのテーマなので、やっぱり、なんていうんだろう、米をね、削って削って削って、純米の米にしたときに、最後に残る専門性って何かなあというところで、私はやっぱり地域生活支援拠点じゃないかなと思うので、その辺もくっつけてみました。その地域生活移行と地域生活支援拠点という二つのテーマで、長野県はこの20年間走ってきた気がするので、そんな中で、まずは地域生活移行の取組みを話させてもらいます。
　平成15年からとなっていますけども、西駒郷については平成13年度に、改築検討委員会という委員会がスタートしたのが、始まりです。このとき自分は副委員長という立場で、その委員会に参加していました。だからそもそも老朽化した西駒郷の建物をどうするかという話し合いが継続していく中で、建て替えるっていうところの中で当時知事さんが替わられたりして、改めてどういう施設がいいのかということで話し合われたのが平成13年度の検討委員会なので、今でも思い出すんですが、７月にこの検討会が始まって、９月に西駒郷に委員の皆さん全員で出向こうじゃないかということで、確か９月の13日なんです。今からちょうど20年前ですが、なぜそんなに詳しく日にち覚えてるかっていうと、２日前にニューヨークでテロがあったのをよく覚えていたので、そんな中で、振り返れば20年前の話なので自分も年代とか時期とか取組み、勘違いしていたり前後している部分もあるかもしれないんですが、そういうことなのでその頃からすでに西駒郷の地域生活移行的な動きというのはでき始めていたので、０箇所だったグループホームが何ヶ所か作られ始めたりしていた時期だったので、それで平成15年の、この時には西駒郷は500人の定員から437人になっていたという状況です。
　この時には長野県としては、このような理念のもとに、このような形で、パワーポイントの資料なんですけど、取り組んでいこうというようなことで、あの頃はすごく長野県中、すごく何か夢中だった気がします。何か変えていけるかもしれないっていう、ムードがすごく高まっていたような気がします。例えばですが知事さんが代わられて、確か平成13年か14年だったと思うんですけれども、長野県の障がい福祉関係の皆さんや手をつなぐ育成会の皆さんとか様々な方たちが、変えていけるかもしれない、なんてみんな思い始めていた時期で、確か長野県の真ん中のあたりで700人定員のホールで、フォーラムっていうのを、知事さんが話すというので、県が主催でやったときに、確かあの時には大塚さんにも来てもらった記憶があります。その時に700人の会場に入りきらなくて、400人ぐらいだったかな、別会場で画像を見たぐらいに熱気があったような感じがします。だから、県も本気だったし、地域でいろいろやっていた人たちも、いろいろな実践者の方たちも、今がチャンスだと、みんな思ってたっていう感じはあります。だからちょうど綿あめがいろいろ飛び始めていた時に、その芯棒になってくれたのが、西駒郷のテーマだったというのが実感です。それで県は結構本気に体制を作ってくれたような気がします。
　次のパワーポイントですけれども、当初計画していた方向性です。５年後の将来像と10年後の将来像となっています。平成25年頃になるわけですけれども、今から８年前ということになりますけど、この時には、西駒郷の入所定員を60人から100人にしようみたいなイメージでスタートしていたなと思います。現実的には、神奈川県の方で作ってくださった資料にあるように、今、西駒郷に入所されてる方たちは100人前後だと思うので、ここに出せた数字ほどまでには取り組めなかったのかもしれません。だけど、この28年のあり方検討も、ここの神奈川県で作ってくださった資料がありますけども、忘れずに検討を続けてるんだっていう、確か、このあり方検討では、やっぱりまた大塚さんが座長をしてくださっていたので、また何か思うところがあればお聞きしたいなと思っていますが、一応、平成15年当時は、西駒郷で作った基本構想では、こういった方向で頑張っていこうという形でスタートしたということです。
　そのためには、どうしてもエンジンが必要で、エンジンになるためにはやっぱり何か、雲散霧消しないような、担当者が変わろうが、いろいろ変わろうが、変わらず悩み続けて取り組み続けるところがないと、いつの間にか何となくってなってしまうので、県庁にその専門の部署を作ったということが一つ。あと、西駒郷の現地にも、そのための専門の部署を作ったという、そういうのは推進体制としては大きかったと思います。県庁には新しく障害者自立支援室というのを作りました。その後、自立支援課という名前に変わっていますが、当初少人数ですから室でしたけれども、この資料を作った当時では10名に増えています。ここに自立支援専門員を設置したとなっています。これは私、福岡のことですけれども、民間で働いてる人間を１人県庁の職員で置こうじゃないかということです。私は非常勤でしたけれども、西駒郷のあり方検討から基本構想までずっと委員をやっていた経過もあって、今は長野県がいろいろ新しく取り組んでいけるチャンスだなあと思って、この話があったときに、県の方にも籍を置いて頑張ってみようかなあと思って、まだ45歳だったので、少しまだ元気もあったので、２足のわらじみたいにやった記憶があります。ただ私は非常勤だから、ずっとそこにいたわけじゃないですけども、県庁に行くたびに、支援室の、県の職員の方たちが、いろいろペーパーを持ってくるんです。こういうふうに作ってみたけど福岡さんどう？って聞くんです。またフーンと言いながらまた机に戻って、また福岡さんどう思うって、聞きに来てくれるんです。またフーンって言って室に戻って、デスクに戻っていくんです。この時に、私がこんな施策があるともっとうまくいくのになあ、こうやればもっといいなあといったものを、県の担当者は聞くんですが、次行くと、次行くとっていうのはちょっと、はしょりすぎですね。しばらくするとね、ペーパーを作ってくるんです。整えて、そこに積算根拠まで入っているんです。私その時に、県職員ってすごいなと思いました。骨格のイメージを共有化すると、施策に持っていっちゃうんだと思って。それを県の方たちは官民協働だというふうに言ってくれていました。県庁で分からない、ここをこういうふうにやってくれればもっと現場は頑張れるのにとか、ここをこんなにフル装備でやらなくても、ここをちょっと変えてくれれば、もっとうまくいくのにという、私が現場的に実感してたアイデアを、県の方たちがいわゆる整えてくださったという意味では、官民協働というふうに言ってもいいのかなと思います。
　一方で相当距離が離れていますが、長野県の南の愛知県にむしろ近い方の西駒郷には、自立支援部という部署を専門に作ってくれました。ここには皆さんご存知だと思いますけど愛知県から来た山田さんという方が、やっぱり官民協働ということで、山田さんは県庁職員ということで、私は非常勤ですけど、正規で勤めるようになりました。だからこの後話す具体的にどう取り組んだかっていうことはむしろ、現地の山田さんの話の方がはるかにリアリティがあるし、私はむしろ西駒郷の利用者さんで、こちらの私どもの地域の方にもともと出身の方で戻ってこられるというときに、現場の方で関わったというか、あとは県庁の方でいろんな施策のここの、いわゆる知事査定とか、そういったこととか、いろいろな検討会議やなにかでやっていったというような立場ですけれども、本当のリアリティは山田さんの方が詳しいなあと思っていますが、この二つのエンジンの他に、地方事務所も頑張ってくれました。長野県は、地方事務所っていう名前で10の場所に10圏域にそれぞれあったところで、そこでは自立支援協議会等の前身になるような圏域調整会議というのを、ほとんどの圏域でやっていたので、自立支援協議会の前身のような話し合いが行われていたし、そこにはいろいろなところが参画していましたし、だから私からすると、西駒郷の地域生活移行の話し合いっていうのは、長野県が取り組んだ長野県自立支援協議会の第１号という感じです。うまく話が伝わっているかちょっと自信がないのですが、私に限らず県の様々な実践の方たち、いや、いろんな分野で、頑張っている方たちが施策化してくれたってことが大きいと思います。
　今ここにあるような施策というのは自立支援法とか様々な施策で、もう義務的経費にもなって、財源的には当時はまだ地域生活支援の事業というのは、裁量的経費だし補助金だし、とてもじゃないが危なくて事業運営できないという法人の方も多かったように思います。補助金がなくなったら、あとはどうなっちゃうのという時代だったですから。そこからいくと長野県が予算をしっかり組むという裏打ちの中で取り組んでくれたというのは大きいと思います。次のパワーポイントはとても細かくて、私も今ここだと虫眼鏡で見ないと分からないような資料でお恥ずかしいのですが、ここには予算を含めた事業もあればゼロ予算の事業もあります。ただこういった事業を、白丸だけで、多分20幾つかあると思うんですが、現場でないと気づかないような施策です。こういう施策を一応、県では財政部局に説明したり、いろいろな、当時は出納長と言ったのかな、なんて言ったかな、説明したり、最後は知事査定というところで説明するわけですけども、同じ社会部の中でも、障がい福祉の分野だけそんなに予算使えるの？とか、みんな持っていってもらっては困るみたいな話があったような記憶があります。その予算折衝の時に、こんなにたくさん施策を用意するんじゃなくて、何か優先順位をつけてくれと言われた記憶があります。その時に確か全部ひっくるめて優先順位１位ですと説明した記憶があります。どれか一つ欠けても駄目なので、全部ひっくるめて、優先順位１位ということで、提案しますというふうに、自立支援室で説明した記憶があります。そういう意味では施策を伴って、官民協働で、県内の様々な圏域調整会議、今の自立支援協議会ですね、そこに参画する方たちの提案なども含めながら、いろいろな施策作りができていったなあという記憶があります。
　その辺がここに書いてあるような、ワーキンググループというのは大きかったと思います。県の様々な実践の方達や、公募した方たちや、いろいろな方たちがワーキンググループの中でいろんな提案をしてくださって。その中で、本当は入所施設一本でやってきた施設長さんとかもこういうワーキングに入っていると、いよいよ取り組むとなると、あれは西駒郷だけの話だから自分たちは知らないとは言えないというか、自分もちゃんとワーキングとか様々な場面で発言した人間なので、いよいよ取り組むというときに、言った以上は知らないとは言えないみたいな形が作れたという気もしてます。なので、そういう意味では私は全県的な検討の下に、さらに、全県のいろいろな方たちが入ったワーキングがあって、それを各圏域が受けていくような、マクロとメゾとミクロ的な、行ったり来たりのつながりを作るということが、体制作りかなあというのは、そのあとの、医療的ケアの話とか、地域生活支援拠点の話とか、計画相談100％の話全部ひっくるめて、全部に通じている話だなあという実感があります。陳情要求型から協働型へみたいに書いてありますけども、一番この取組みに不安を持たれていたのは、家族の皆さんだという気はします。もともと老朽化した入所施設を建て替えていただければもうそれで十分だというふうに思ってくださっていたと思うんです。だけどそれがいつの間にか何か地域生活移行の取組みに変わっていたという意味では、保護者の皆さんたちは、すごく不安だったと思います。だから、この懇談会も随分開かれました。私もそういう懇談会に一応当時は県の専門員という立場だったので、随分その場を、正直言うとドキドキしながら出向いていった記憶が随分あります。
　一番各圏域でエンジンになってくれたのは、こういった10圏域に作った相談支援センターです。こういう総合相談センターが各10圏域に一応在宅で暮らす方たちについて考えるケア会議を開く、支援会議を開くというようなことをやり続けるというエンジンができたとのは大きいということと、あと、グループホームを作るときに県が予算を出しますよというのとか、障がいの重い方たちにも、いわゆる看護師さんを配置するような予算をつけますよみたいなこともひっくるめて、多様なルートとは言ってもやっぱりグループホームがいちばんの、暮らすという意味では重要な資源なんですけれども、増えていったなあという実感があります。それで、こんなふうに、全部の市町村とは言いませんけど、長野県は人口600人ぐらいの村もまだあるので、一番村の多いところでもあったりするので、でも全部広がったなっていう当時の話です。あと西駒郷に限らずこの流れに乗って、50人の入所施設とかいろいろありますよね、80人の入所施設とか、そういったところも、こういった施策に乗りながら、移っていかれたというのもあって、いつの間にか入所施設からの移行の人たちの方が人数を上回るような流れという意味では、全県的な動きになっていったたのかなあという実感があります。
　やり方としてはこれはもうもちろん山田さんの取組みなので、私は本当は実は、自信をもって話せないのですが、私の方に西駒郷からいろいろ、オファーがあるときには、できるだけ出身地に近いグループホームを、ビデオで見てもらったり写真で見てもらったり現地を見てもらったりしながら、まず見てもらうという取組みをして、その中で、ご本人さんがここで動いたなあとか、気に入ったなあとか、なんか表情が変わったなあとか、ここ良いなあみたいな様子をよく掴んで帰って、ここがいいという方もいるし、あとここの中であまり気に入らないとかということを言ってくださる方もいますけど、多くの方は、そんなにはっきりは言わないんだけれども、何かすごく居心地いい顔してるなあとか、喜んでるなあとか、帰るときに後ろ髪を引きずられるように車に乗ったなあとかっていうのを掴みながら、そこにもう１回行ってみましょうかとか、体験してみましょうとか、宿泊体験しましょうっていうことをやりながら、その後でここで暮らすのがどうも一番ご本人さん、今ある中では気に入ってるなあとなると、今度この地域で通える場所をいろいろ見て歩こうみたいな、作業所から通所からと見て歩きながら、昼と夜を決めていくみたいなやり方をしていたような記憶があります。その時にいつも付き添ったり西駒郷から伴ってくる支援者と、こっちの方の支援センターの職員がペアになりながら、一緒に見て歩くみたいなことをしていた記憶があります。そういった取組みの中でやっぱり総合支援センターというのは大きな役割を果たしたと思います。あと県の自立支援協議会というのが、西駒郷の取組みからずっとあって、毎月開かれる運営委員会、各圏域のそれぞれの分野のメゾになる方たちが集まる部会、あと各圏域と県の協議会を上下で結ぶ機能強化会議、これは各圏域から集まってくる方たちです。これをふた月に１回開く形でずっとやってきました。その時に一番中心になったのは、第３幕から第４幕に向けての地域生活支援拠点の整備です。私は平成30年までは県の協議会の会長をずっとやっていたので、そのあとはちょっと、自信がないというか、うまく言えないのですけれども、ここは本気でやってきました。というのも何で入所施設がなければとなるかというと、夜困るからなんです。本音で言えば。夜、支えられないからなんです。でもそれはずーっとということではないんです。そうなると、困ったときには必ず夜受けとめます、だけど、ずっと受けとめるというのは、違ってますよ。受けとめたらすぐに支援会議開いてもらって、１日でも早く、また元の暮らしに戻るという意味で、地域生活支援拠点です。そういう意味では、私は、入所施設というのは、困ったらしっかり夜受けとめますよと。だけど、受けとめっ放しにしないでくださいねと。長野県では48時間ルールとか72時間ルールというのがありますけれども、２日から３日も経てば必ず元の生活に戻れる、そういう意味での地域生活支援拠点の取組みを頑張ってきたというのも、今日に続いている西駒郷の取組みのおかげでいろいろできたと思っています。
　話が伸びてしまって、あと比重を考えずにしゃべってちょっと失敗しました。すみません。
　
（蒲原委員長）
　大丈夫ですか福岡さん。
　
（福岡委員）
　ええ、それでも20分以上しゃべっちゃいました。

（蒲原委員長）
　福岡委員どうもありがとうございました。いくつか大事なポイントがあったと私も思います。圏域単位に支援センターを行っていろいろなことをやっていたというあたり、すごく大事かなと思いましたし、あと、西駒郷から出る時に、かなりエリアが離れてるので、西駒郷の側と受入れる側と丁寧にやったという話が私はちょっと印象深く聞きましたけども、それでは、今のお話を聞きながら、おそらくもう少しこんなことを聞いてみたいとか、いろいろな声があろうかと思いますので、ただいまの福岡委員のご報告につきまして、ご質問、あるいはご意見をいただいて、少しこれを題材にして深めていければと思います。どなたかいかがでしょうか。それでは奈良﨑委員よろしくお願いします。
　
（奈良﨑委員）
　奈良﨑です。できたら質問なのですけれど、答えなられかったら、難しかったらいいです。福岡さんに言っておきます。レジュメの８ページについて二つ質問します。一つ目がピアサポート、ピアカウンセリングとはどんな仕組みなのかを教えてください。

（福岡委員）
　ピアカウンセリング。

（奈良﨑委員）
　はい。誰が誰にやっているんですか。

（福岡委員）
　多分、精神の方の分野の取組みですよね。

（奈良﨑委員）
　精神なんですね。
　
（福岡委員）
　そうですね。この取組みの中には例えば宅老所も使えるなとか、地域共生ホームという長野県でやってたものも使えるなあとか、いろいろな中で出てきた施策なので、ここにあるピアカウンセリングは精神の分野の話です。
　
（奈良﨑委員）
　ありがとうございます。もう一ついいですか。具体的にコーディネーターってどういう意味ですか。
　
（福岡委員）
　この図ですね。このときに、長野県の10圏域にセンターを作った時に、それぞれの障がい分野に応じた、いろいろなことを、どうですかって聞きながら支援会議開いたり、相談に乗ったりするような職種ということで、コーディネーターということで、県の予算とか、足りないところは県の職員が出向くという形で、各圏域に置いたんです。ちょっとうまく説明できていませんね。もともと身体障がい者の分野では、市町村障害者生活支援事業というセンターがありましたし、精神障がいの分野では、精神障害者生活センターという相談の部署もありましたし、知的な分野では療育等支援事業という、センター的な事業があって、それがちょっと制度的な説明なのですが平成15年度に一般財源化ということで、国の方の補助金がなくなった時に合わせて、これがなくなってしまうと地域の相談の核がなくなっちゃうということで、それを一つの組織として集めたっていうことなんですけれどもね。ちょっと奈良﨑さんの説明には答えていないか。
　
（奈良﨑委員）
　大丈夫です。大体分かりました。
　
（福岡委員）
　働くっていうところにも応援できるような、今の就業生活支援センターですけども、この当時は県内で1ヶ所しかついてなかったので、すべての圏域にそういうこととか生活支援ワーカー的な職員をつけよということで、ちょうどここで見ると３障がいの相談支援と就業生活支援センターをつけたっていうようなイメージだと思ってもらえばいいです。
　
（奈良﨑委員）
　それなら分かりました。ごめんなさい。①とか②は何ですか。これ人数ですか。
　
（福岡委員）
　これはこの①、②は、数じゃなくて、①、なになにというやつです。ただ人数はどんどん増えてった記憶があります。
　
（奈良﨑委員）
　これはごめんなさい、具体的に普通の番号と見ればいいのでしょうか。
　
（福岡委員）
　番号です。そうです。

（奈良﨑委員）
　分かりました。ありがとうございました。

（蒲原委員長）
　その他、今のを踏まえまして、それでは、冨田委員、よろしくお願いいたします。どうぞゆっくりしゃべってください。

（冨田委員）
　福岡さんいいですか。冨田と申しますけど、福岡さんにご質問したいんですけど、８ページの就業支援ワーカーってどういう方ですか。
　
（福岡委員）
　就業支援ワーカーは、確か今で言う就業生活支援センターっていう働く時にいろいろ職場に一緒に伴ったり、いろいろとハローワークに一緒に行ったり、必要であれば今だったらジョブコーチさんを出してもらうとかいうのを段取りしますよね。そういうことをやる仕事です。
　
（冨田委員）
　そうなんですか。
　
（福岡委員）
　はい。それで、誰がなったかというと、当時まだ就労移行支援事業とかそういう事業は自立支援法ではなかったので、入れなかったのですが、いろんな企業とかそういうところとのつながりが強くて、いろいろ当時の授産施設とかについても、そういうところにたけていた職員とか、あと、足りないところは県の職員で、そういうところに得意な職員っていったらなんですけれども、そういった方たちがいてくれたということです。
　
（冨田委員）
　それでもう１点なんですけれども、そのジョブコーチっていうのはあんまり役目を果たしてませんね。申し訳ないけど。僕、前の授産施設にいたとき、１回就職したんですけど、その時、全然僕なんかのことはすごく厳しく言って、会社の味方をしてるんですよ。
　
（福岡委員）
　そうなんですか。

（冨田委員）
　それはちょっと僕が困ったんです。辞めてから職員が後で反省してました。

（福岡委員）
　そうですか。

（冨田委員）
　それからあともう１点なんですけど、生活支援ワーカーっていうのはどういう方ですか。
　
（福岡委員）
　例えば就労の方たちというのは、働く方のいろいろな調整とかを応援しますよね。生活支援ワーカーの方は一人暮らしとかアパートに暮らしているとか、グループホームで暮らしているとかいった方たちに、いろいろどうですかどうですかって聞いて歩く職員です。場合によってはヘルパーのようになったり、お金のことをどうしますかってやったり、あと、電球が切れたから買いに来てくださいとか、そんなような生活のことをいろいろ相談する方ですね。
　
（冨田委員）
　相談する方ですね。分かりました。ありがとうございました。

（蒲原委員長）
　福岡委員、ひとつだけ確認したいんですけれども、この障がい者総合支援センターというのを、おそらく神奈川県の中で今後考えるときに一つの参考になると思う気がする観点からですけれども。県の関わりが、分かりやすくいえば県の直接の施設あるいは県の直接の事業なのか、そうじゃなくて県がどこかに委託あるいは指定管理して民間がやっている事業なのか、純粋に民間の事業なのか。論理的にはいくつかあると思うんですけども、少し端的に教えてください。

（福岡委員）
　民間委託です。民間委託で、県が予算を組んで、民間の法人に委託するっていうやつです。そうすると例えばですけども、町の中にセンターを作った時に、精神のコーディネーターの方は、精神障がいに得意な法人から一人来ているとか、療育等支援事業のコーディネーターは、知的な分野とかで働いている職員が出張ってくるっていう形で、ある意味では、地域によっては、六つの法人から６人が出張ってきて１ヶ所のフロアというのもあったりします。

（蒲原委員長）
　はい、分かりました。ありがとうございました。佐藤委員からご質問で、よろしくお願いします。

（佐藤委員）
　感想と質問と一つずつお話をしたいのですが、福岡さんのお話をこれだけまとまって聞いたのは初めてなんですけれども、西駒郷の話でお話をされたんですけれども、西駒郷そのものの話はほとんどなかったですよね。つまり長野県全体の話をされたということで、要するに施設の地域移行ということを考える時には、その施設だけを見ていたのでは駄目で、県域全体、県全体を見なきゃいけないっていうことが、もう福岡委員の今日のお話で、如実に出たというふうに思っております。そういう意味では非常に、いいお話を伺えたかなというふうに思っております。
　と同時に、西駒郷はこれからどうなるの、と。まだ何人かいらっしゃるわけで、今後いま西駒郷にいらっしゃる方々はこの先どういう展望を、長野の中で考えておられるのかなというのが、ちょっと端的にお伺いしたいです。

（福岡委員）
　平成28年に、西駒郷のいわゆる役割とか機能をどうするかっていう話で、依然西駒郷には100人前後の入所される形もいらっしゃるじゃないかということで、この辺はむしろ大塚委員が当時座長でいろいろ私も委員でしたけど、話し合いをしています。やっぱり今回と同じように、西駒郷は地域生活支援拠点の役割を果たすのか、あるいは全県の何か専門的機能を果たすのかって話の他に、今入所されている方たちをさらに地域生活移行で頑張るんだっていうふうな、方向を出してはいますがなかなか進んでいません。
　うまく言えませんけども、私の実感としては、なかなか、いろんないきさつの中で、ご家族とご本人さんの了解の中で進めていく中では、頑張っているけど、さらなる地域生活移行を進めるっていうのは、苦しいところにあるかなあと感じています。
　一方では西駒郷のこの事業団自体が、当時ゼロヶ所だったグループホームが、今たしか、35、6ヶ所くらいやっているのかな。むしろ今は、グループホームに当時20年前から移られた方たちが、そのあとどう支えるかっていうことの方も大きなテーマになってきてるというのもあるなと思っています。
　この辺は大塚委員さんの方が、よくよく全体分かっていると思うんですが、なかなか年を追うごとに、グループホームとかいろいろな形の中で西駒郷から地域生活移行さらに果たしていくっていう方たちの数は、頭打ちになってきてしまったなあという感じはあります。
　この辺はむしろ事業団の職員に、本当の事情は何でしょうかって聞いてくればよかったと思うんですが、現実的にまだ100人前後の方たちが暮らしてらっしゃるということは事実だなと思ってます。

（蒲原委員長）
　はい、分かりました。ありがとうございました。
　大塚さん、どうぞお話しください。

（大塚委員）
　はい。大塚ですが、福岡さんありがとうございました。
　私は西駒郷ということを通して、地域生活移行を通して、長野県が、長野県全体の障がい福祉をアップさせたと。それが非常に全国にまれな例だと思うんですね。
　いち施設、あるいは県立施設や事業団をどうするかということだけではなくて、先ほど佐藤先生もおっしゃったように、一つの施設、県立施設を、あるいは事業団をどうするかということは、全県のことを考えないとやっぱり無理なんだと、これは多分今後の神奈川県の方向性ということでも一致していると。それぞれの県立施設をどうするかだけではやっぱりそれでは済まない。それがまさに私がいつも言う全県のことを考えなければ、県立施設のあり方も決まらないというふうに思っています。
　それから、西駒郷、私最後のあり方をして、私としては不満です。強度行動障がいの方が残っていてなかなか今後、そういう方たちの地域生活が進まないということで、是非そういう方についても取り組んでほしい。
　ただそれはやっぱり県立施設とか、やっぱりあるものをなくすというのは、行政は無理なのだと。やっぱりそれを再びどういうふうに使おうかとか、芸術の村にしようとかという、絶対議論になってしまうということなので、いかにあるものをなくすというのは、行政は下手だなあという、困難を抱えていること思っています。
　ただ、福岡さんから学んだのは、まずは入所定員を少なくするとか、地域に移行させる、ということではないんだと、それを学びました。それは結果なんだと。ご本人に対して失礼ではないかと。本人の意思やあるいはいろんな体験の中で地域移行ということに目覚めたときに初めて可能になるので、行政が最初からこの人たちの施設の定員を減らして、この人たちを移行させるんだということはまさに、ご本人に対する失礼さだと思っています。だったら、どんな意思決定支援も含めて経験をしていただいて地域移行ができるか、ということをやっていかなければならないので、そこは学ばせていただきました。以上です。
　
（蒲原委員長）
　本質的な話だと思いました。ありがとうございました。それではあとちょっと時間の関係がありますので、林さんに最後に少し質問をいただきまして答えて、一旦の休憩に入りたいと思います。よろしくお願いします。

（林委員）
　三浦しらとり園の林です。よろしくお願いいたします。
　レジュメの７ページのところなのですけれども、地域生活移行支援の取組みで県だけでは実現不可能、市町村、社会福祉法人、ＮＰＯ法人等の協力により推進、ということですけれども、私も取り組む側、あとは受ける側もすごく大事だなというふうに思っているんですけれども、この協働をしていく市町村や他の法人を巻き込んでいくコツというんですかね、先ほど自然発生的に気持ちが、みんなで高まってきたというようなお話もあったんですけれども、どういうような市町村とか法人に協力をいただくのか、そのコツみたいなのを教えていただけるとありがたいです。お願いいたします。

（福岡委員）
　例えばですが、すべての法人さんとか、事業所さんとかっていうところは、自分たちだけで何とかしようとするとどうしても、そこで自分たちの中だけでやった瞬間からもうご本人たちの目線から外れちゃうっていうのはあると思うんです。
　そうでなくて、自分たちだけでできないところを、どこどこ法人さんに応援してもらおうとか、ここで暮らしている人たちはせめて昼だけは、たとえ車で５分でもいいから離れたところに昼間行ってもらいたいというときには、どうしても他の法人さんやＮＰＯ法人がやっている事業所なんかも見てもらって、ここ良いってなったらば、相互にやっぱり使わせてくださいとか、ここ体験ってなったりするわけで、最初からここはここだけでやりますからいいですとか、そういうタコツボでなくて、お互い困っているんだからお互いそのいいところを使い合っていくっていう、そういうようなやり方というのは、長野県は多分、平成15年からコーディネーターたち達が何でもとにかくみんなに集まってもらって支援会議をやるんだっていうことを、競争のようにやったっていうことの中で、Ａさん、Ｂさん、Ｃさんに関わっていつも集まる、集まるということをやり続けたっていうことは強みだと思うんです。そういう意味では唐突の出会いじゃないというか、うまく伝わっているかな。
　
（蒲原委員長）
　よろしいでしょうかね。福岡委員、いろいろとありがとうございました。
　いろいろな本質的な話も、いろいろな方から出たというふうに思います。それではこの話も参考に置きながら、次の第３部で全体の話に入りたいと思いますけれども。ここで、５分間のリフレッシュのための休憩に入りたいと思いますので一段落入れたいと思います。

≪休憩≫

（蒲原委員長）
　それでは皆様、よろしいでしょうか。
　５分間の休憩タイムを終えましてこれから、議題の３に入っていきたいと思います。まず、事務局から資料説明を聴取したいと思いますので、事務局、よろしくお願いいたします。

（事務局：鳥井利用者支援担当課長）
［資料４、５に沿って説明］
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは今説明がありました、主として資料５をベースに、これから意見交換を行ってまいりたいと思います。もちろん今日の議題の１、２を踏まえたことも含めて、ご発言いただければというふうに思います。
　今回、３人の委員の方々から、具体的には河原委員、林委員、小西委員から、事前に意見書を提出いただいておりますので、最初にお三方から、それぞれ提出資料に基づきまして、ご意見をいただければと思います。それでは最初に河原委員からよろしくお願いいたします。

（河原委員）
　星谷会の河原です。よろしくお願いいたします。
　前回の委員会で意見書の提案ということでお受けいただきましてありがとうございます。神奈川モデルの創設に向けた諸課題論点整理というようなことで、お時間を作っていただきましてありがとうございます。
　私自身神奈川県で33年間、障がいのある方、高齢者の支援に携わっております。その経験を踏まえつつ、今回の委員会に提案ということで、パワーポイントの資料に沿ってご案内をさせていただきたいと思います。
　まず１点目のテーマとしては県立施設等、民間障害者支援施設のあり方を含む将来構想についてということです。まず一つ目としてはオール神奈川での意思決定支援の推進、これの取組みを推し進めることが必要だろうということで、県立施設全体で行うことをまず提案したいというふうに思います。実際に津久井のモデルで、この意思決定支援に関わったチームの方からですね、やはり当事者の方がこういった場に加わることによって、大分話し合いの形式も変わると。サービスを使う主人公であるというようなことがより意識されるというようなことを伺いましたので、こういった取組みを是非、県立施設全体、中期的には神奈川県全部の民間施設でも、この神奈川モデルというものを構築できるようにできたらいいかなと思っています。その先には前回の委員会で佐藤委員の方からも話がありました、意思決定支援コーディネーター等の配置の検討ということもしていただけたらと思います。
　そして終の棲家論についてです。やはり利用者の方の経験、体験も含めてなんですが、意思決定支援に基づいて、どこで住みたいかというようなところの検証の後にですね、施設を含めた終の棲家論というようなところは検討していくべきではないかというふうに考えております。そういった全体的な意思決定支援を踏まえてこれからの入所施設の機能ということで提案をさせていただきます。
　まず一つ目は高齢化への対応という部分で、わが国では特養が現存しております。障がいのある方の高齢化に対応する点から、障がいの分野においても、特養的な24時間365日型の居住支援の場が必要であるんじゃないかというふうに思います。
　二つ目です。現行の報酬上のやり方としては、昼夜分離が利用できる仕組みであるというふうな、この辺を生かしてですね、議論でも出ておりますが、できるだけ地域の日中活動の場を生かせるようなことの検討が必要かなというふうに思っております。
　そして県立施設を含む民間の施設、これは居住支援の場ということで、定員をできるだけ小規模化、40名前後というのは一つの目安です。ハード面では個室化、ユニット化を図る、地域で利用者が選択をできる居住の場としての位置付けを検討していただけたらと思います。定員を減らして県立施設等々入所施設の機能を残すに当たっては、居住規模を津久井モデル、もしくは横浜市が老朽改築に伴う建て替え予算化した、個室化ユニット化、この部分のところを推奨する必要があるかと思います。
　ただし、県立施設の定員減を行い、地域移行を進めるに当たっては、これは民間施設の協働、それからグループホーム、在宅支援等、地域で支える場の整備に向けて、一定の検討期間を設けて、神奈川県が政令指定都市、中核市と連携し、県単独の予算化、地域資源の整備を進めるというところが、神奈川の一つの特徴じゃないかなというふうに思っております。
　そういった全体的なこれからの入所施設の機能を踏まえてというところで、県立施設の構想について、まとめた資料をご紹介させていただきます。
　先ほど全体的なところで述べました、一定の期間を経ていろんなビジョンを検討する必要があるだろうと。これ前回佐藤先生の方から、袖ケ浦の事業団の検証で５年から10年のスパンを設けての議論が必要であるというようなことがありましたので、県立施設の議論というのも、今回の検討委員会での議論の一つまとめもありますが、継続的な議論の必要性があるんじゃないか、というふうに思っております。
　そうした上で県立施設、これは肌感覚で申し訳ないんですが、民間で実施できない専門的な機能を有する貴重な社会資源であるというふうに、我々民間施設の事業所は感じております。その点では、先ほど福岡委員からもご提案がありましたが、今後の県立施設は、国が示している地域生活支援拠点事業の神奈川版として、多機能地域生活支援拠点の機能を持つことが重要かというふうに思っております。各市町村では今、面的整備ということでこの地域生活支援拠点を進めておりますが、なかなか捗るところが少ない部分はありますのでそういう部分では、一つの大きな起爆剤になっていただけたらというふうに思っております。
　それから県立施設、冒頭で述べました意思決定支援を行った上で、できるだけ定員減をして、ＱＯＬを保障した居住の場として再編成をする。それに当たっては意思決定支援を行った結果、県立に留まらない方がもしいた場合には、第三者の目が入るように、必ず相談支援専門員を作るというのを義務化する必要があるんじゃないかと思います。それから県立施設の機能として一定期間の専門的なトレーニング、これを実施して地域に戻る通過型の機能、トレーニング、体験の場というものも必要かと思います。これは実際過去、民間の事業所の中で、人手との問題であるとかハードの問題を含めて、難しい利用者の方を、県立施設で受けていただいて、３年ぐらい経過して民間施設に戻るというふうなところもありましたので、そういった機能を持つ。
　それから、地域生活支援拠点の中では緊急の受け入れる場が必要ということで、短期入所の定員枠を広げて、さらなる緊急の受け入れの場を作っていただけたらと思います。
　それから、県立施設に配置された専門職、心理職とかＰＴ等が、民間のコンサルテーションを行う施設機能を持つ。ただ、このコンサルは単発の派遣型ではなく、一定期間、民間施設と協働して、継続的伴走型支援を行うことが必要かと思います。そのための人材育成であるとか、民間施設との研修、職員交流の場が必要じゃないかと思います。
　次のスライドになります。こちらは専門相談の場ということで、障がい保健福祉圏域全般の基幹的な相談機能として、いま中井やまゆり園にあるような「かながわＡ（エース）」の機能を県立施設に持っていただいて、地域の拠点施設としての再編が必要かというふうに思います。
　そして利用者目線の支援ができるように、日中支援の場、グループホーム、こういった設立も含めて、県立施設でも柔軟な対応ができるように、一定の権限、裁量権を持たせる必要があるんじゃないかと思います。そのためには現状の県立施設の地域性等を周辺地域に日中活動等を利用できるかも含めた、地域のアセスメントをしっかり行うことが重要だと思っております。
　そして拠点として機能を果たす場合、現行の県立施設は県内の障がい保健福祉圏域ごとの設置ではありません。仮にそういった機能を持たせるのであれば、湘南東部圏域のところに、今こういった機能がありませんのでそういった機能を持たせるのと同時に、これも神奈川の難しいところだと私は思っているんですけれども、いわゆる横浜、川崎、相模原の政令市は、それ単独の圏域というふうな扱いで、それなりにまた違う動きをとっているというところがありますので、その辺の整合性の必要性があるんじゃないかなと思います。
　それから先ほども発言させていただきましたが現行の県立施設は、自立支援法施行前に整備されているということで、昼夜分離を生かした機能であるとか設備を要してない。老朽改築が結構進んでいるということなので、建て替えに向けて将来構想を考えることが重要かと思います。
　そして県立施設の定員を減らすプロセスとして、グループホームという選択肢の他に、入所施設がバックアップをして段階的に地域移行できるような、入所施設のサテライト型居住事業というもの、これを提案させていただきたいと思います。その後にこの事業をグループホームに移行するということが考えられるんじゃないかと思います。
　次の資料は、今お話したものを絵にまとめたものです。利用者の方が真ん中におりまして、県立施設を圏域に１ヶ所配置し、居住支援の場、体験トレーニングの場、緊急受入れの場、専門的支援、人材育成。こういったことを圏域ごとの各事業所と連携を取っていく、そういった多機能型拠点機能というものが求められるんじゃないかと思います。
　次の資料が、先ほどご提案させていただいた障害者支援施設のサテライト型施設のイメージです。図を見ていただいているとおりで障害者支援施設が仮に定員50名の場合、本体の施設に30名、そして地域にサテライト型ということで、この絵ですと３サテライトになっております。こういった形で本体の定員を減らしつつ、地域に移行をする仕掛けを作っていきながら、このサテライト型をゆくゆくはグループホーム、そしてグループホームにはまたグループホームのサテライト型というのがありますので、そういった形で一人暮らしに向けての支援を行うということができればいいかなと思っております。
　以上のところが県立施設等のものです。これからのところは地域を支える機能の強化ということで、まず１点目がグループホーム、こちらは世話人という配置だけではなく生活支援員が中心となって人的配置を検討できたらいいかなと思っております。
　それから、先ほど日中活動の場の保障がありましたが、やはりグループホームに住まれる方が、日中活動と移動の保障が必ず行えるような相談支援体制の取り組みが必要であるかと思います。そして地域でともに取組む仕組みとして、県全体でピアカウンセリング、ピアサポートが実施できる研修体制と、企業等への啓発等を実施すること、そして一人暮らしの方の支援を行う場として現行の自立支援生活援助事業に加えて、居住支援、居住支援協議会を設置する。
　先ほど冨田委員からもありましたが働く方の支援の場として、もう少し人口規模に応じた就労援助センターの設置と、そしてジョブコーチの他に障がいのある方が長期間働けるように、企業等々と障がいのある方をつなぐ役割として、ジョブヘルパーの創出というのも提案をさせていただきます。これがジョブヘルパーのイメージ図になります。見ていただいているとおり、社会福祉法人、ＮＰＯ法人による人的支援ということで、現行の移動支援、身体介護、コミュニケーション等を含めて、企業にヘルパーとして入って支援を行って、企業側とご本人との間をつなぐというふうな仕組みがあると、より働く場の継続ができるんじゃないかなというふうに思っております。
　時間の関係であと二つのスライドで終わらせていただきます。４点目が指定管理の要件です。いくつかの提案をさせていただきましたので、これについては資料の方をお読みいただけたらというふうに思います。身体拘束、虐待防止の事例検討とか、研修の機会が頻回に行われるというようなことと、県立と民間施設との職員の交流の機会というものを積極的に行っていただけたらと思います。
　次のスライドになります。オール神奈川の利用者目線に向けた取組みについて、何度か述べましたがオール神奈川で取り組むに当たっては、やはり横浜、川崎、相模原の３政令指定都市と、横須賀という中核市があって、それぞれで障がい福祉に関する補助金体系があるということ、そして４県市を除く神奈川では、地域生活サポート事業というのがあるんですが、３政令指定都市との補助金体系に大きな格差がある。そういうところの壁をどう乗り越えて制度設計をしていくかというところが、重要な課題であるかと思います。
　最後のスライドになりますが、行政の枠での問題ありますが、私、神奈川で仕事をしていて、行政の枠を超えた神奈川らしいストレングスというものが、神奈川の中にあるんじゃないかと思います。それが先ほど福岡委員からもありましたが、オール神奈川、官民協働で取り組む障がい福祉の関係組織、団体というのは、多くあるかと思います。下の資料は、ＮＰＯ法人かながわ障がいケアマネジメント従事者ネットワークという、人材育成に取り組んでいる団体の目指す方向、そこの中には官民協働というようなところが一つのキーワードであり、神奈川では官民協働で、オール神奈川で働く、行政を超えた人材が多くいるというところ、そういった人材を生かしていただくことが大事かというふうに思います。
　先ほど資料５の４ページのところに、ＰＤＣＡサイクルの資料がありましたが、神奈川は私の実感なんですけども本当に、団体間の協力体制というものが、他の県よりもスムーズじゃないかというふうに思いますので、こういった人材を生かしていく、まさにこの４ページのようなスタイルが、関係団体を含めてこれからの将来構想を作っていくのに可能じゃないかなというふうに思っております。ちょっと時間長くなりましたけど以上です。ありがとうございました。
　
（蒲原委員長）
　はい、ありがとうございました。それでは続きまして林委員、お願いをいたします。

（林委員）
　三浦しらとり園の林です。よろしくお願いいたします。
　私のお話しする内容はいま、河原さんがお話された内容に結構含まれているのかなというふうに思いますけれども、三浦しらとり園を運営させていただいている立場として、感じたことを含めて、お話をさせていただこうと思います。よろしくお願いします。
　資料の６－２ですけれども、１枚目は私が伝えたいことを簡単にまとめていました。これから、２枚目に沿って、お話をさせていただきます。
　まず障がい福祉の将来展望についてですけれども、当事者の皆さんが地域でその人らしい生活を送るためには、サービス基盤の整備が第一に必要と考えます。１枚目の１になりますけれども、当事者の皆さんが利用できる、必要なサービスを増やす、ということです。
　三浦しらとり園では平成30年に、民間のグループホームに移行した方が１名いらっしゃるんですけれども、その時の体験の場は一つしかなく、選択肢は限られていました。意思決定支援の中で、当事者が生活の場や暮らしの場、もっと選択できるようになればいいというふうに考えています。
　そして地域移行を進める上で、市町村との連携が欠かせないと考えています。これは１枚目の２、当事者の皆さんが住んでいる市区町村の職員に協力してもらうということです。
　先ほど福岡さんのお話でも協働という話がありましたけれども、例えば三浦しらとり園のある横須賀市の第６期の障害福祉計画では、毎年20人分のグループホームを増やす計画になっていますけれども、一方で、入所のニーズは高いという理由で、入所施設の入所者の削減目標はプラスマイナスゼロというふうになっています。さらに地域生活の移行者数は３人という目標で、第５期では、12人の目標だったんですけれども、実績が３人ということで、６期は３人というふうに目標を設定したということでした。私たちもここに参画できれば、なぜ12人の目標を達成できなかったのかとか、そこら辺を一緒に考えて進められたのではないかなというふうに考えています。県がこれから示す施策との整合性も、市町村と確認していく必要もあるのかなと思いました。
　次に第１回の委員会では政令市も中核市も含めてオール神奈川というふうに確認しましたけれども、サービス基盤の整備状況や予算面も含めて、地域の実情に応じて、地域ごとに議論していくことも必要というふうに考えています。先ほどの河原さんの言葉をお借りすれば、地域アセスメントということになると思います。
　また地域のニーズを第一線で感じている相談支援事業所との連携も欠かせないと思います。これは１枚目の３番、当事者の皆さんの相談に乗ってくれる人に協力してもらう、ということです。
　２番目の県立施設、指定管理施設のこれからの役割とあります。利用者目線の支援推進検討部会の報告書の中に、障害者支援施設は地域で生活している障がい者の暮らしを支える機能が求められる、とありました。さらに、これ、三浦しらとり園と置き換えてください。その地域での生活支援拠点として、セーフティーネット的な役割もあると考えます。
　これは１枚目の４、当事者の皆さんが困ったときに、必ず助けてくれる施設が必要だと感じます。三浦しらとり園でも緊急短期の入所や行き詰まった支援の再構築のニーズは高いですし、現在はこのコロナ禍で、家族がコロナ陽性になってしまって、家に残された当事者など緊急の受け入れのニーズも増しています。虐待ニーズも存在しています。
　少し飛ばします。重度で行動障がいのある方を一時的に受けることも含めて、地域で困っている方を支える役割を担うべきだと感じています。
　そして１枚目の５になりますけれども、地域の中心となる施設は、なるべく多くの当事者の皆さんが使えるようにする必要があるということで、地域の中で通過型施設として位置付け、地域移行のステップ施設としての役割を担い、さらに、施設の構造は小規模、ユニット、個室とし、地域の暮らしに近づける必要があると考えます。
　入所者のプライベートな空間を保障していくということで、これは１枚目の６番、当事者の皆さんが住む場所は、プライベートが守られるように個室にする、としています。
　３の入所施設の課題、入所施設＝終の棲家という課題は、これは入所施設だけで解決できる問題ではなく、例えば、どんな困り感を持っている方も受け入れるグループホームがあるなど、地域の基盤整備との相対的関係にあると思います。また入所者の高齢化は、入所施設やグループホーム共通の課題であり、その方たちの受け皿としての入所施設の役割も今後ますます必要になってくると感じています。
　私は相談支援専門員としての経験もあり、その時に入所している入所者は、地域とのつながりが少ないということも感じています。そこをどう広げていくかというところが、課題だと認識しています。例えばエコマップを作成すると、ご本人が中心にいるんですけれども、それで関係する機関は、入所施設と医療だけというような、例も少なからず存在していて、地域に出てつながりを持つということも大事と思いますし、一方で、見方を変えて地域の方々にどう施設に来てもらうかという視点も大事だと思います。ここに石川県の佛子園と書いてありますけれども、私も実際に見学をさせてもらったんですけれども、廃寺、お寺に温泉の機能を持たして、そこに食事をできるところとか、駄菓子屋を設置したりして、お年寄りから子どもまでが、自然と福祉サービスを展開している、そこの廃寺に集まるというような地域コミュニティーを作っているというような例もあるので、魅力的な施設づくりというのも大切なのかなと思います。地域の中で、グループホームや入所施設をサービス提供の選択肢と位置付け、多様なニーズを持つ当事者たちが、限られた資源を有効に活用できる当事者主体の地域生活を支えていく、質、仕組みづくりが必要であると思います。
　これは、１枚目の７番、当事者の皆さんが選べるように、入所施設もグループホームもあった方がよい、としています。
　最後に、地域生活移行を進めていく上で、長く入所している当事者の方たちには、丁寧に意思決定支援を進めていく必要があると感じています。そのためには、当事者やご家族の理解を促して、地域生活の良さとメリット、そこを伝える分かりやすい資料というか、実践例というようなものが、全県レベルで必要というふうに考えています。
　昨年度の利用者目線の支援推進検討部会の報告書の中で、野口委員の発言なんですけれども、「今になってあなたの意思はと言われてもなかなかできないという現実がある。今までに意思を出せるような育ちもないし、周りからもそういう支援がされなかった。」というご発言があったんですけれども、だからこそ、今一人ひとりに、丁寧な意思決定支援が必要だというふうに考えます。
　これは１枚目の最後、当事者の皆さん一人ひとりの意見をしっかり聞く、ということになります。
　以上でお話を終わります。どうもありがとうございました。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは続きまして、小西委員、よろしくお願いをいたします。

（小西委員の支援者）
　お手元に、ネットニュースの記事の方をお配りさせていただいております。これまでピープルファーストでは、かながわ憲章のことについて議論をしてきましたが、そちらのネットニュースで、憲章の認知度が低いといった記事がありましたので、ご配布させていただきました。そのことも含めて、小西委員から意見がありますので、よろしくお願いいたします。

（小西委員）
　かながわ憲章はそのまま読むと、言葉の意味が難しいです。８月２日に、黒岩知事と当事者のシンポジウムを行いました。シンポジウムでかながわ憲章は難しいと意見が出ました。そのとき、黒岩知事は、「いのち輝く」という言葉を使って、分かりやすく答えてくれました。
そのときの動画があるので見てください。動画をよろしくお願いします。
　
〔動画を再生〕　
　
（小西委員）
　ありがとうございました。黒岩知事が言う「いのち輝く」は、イメージができました。黒岩知事の言葉で、もっと発信してほしいです。僕のやりたいことを押してくれる人が、気持ちを分かってくれる人がいれば、僕はいのちが輝きます。施設で暮らす仲間たちのいのちも輝いてほしいです。津久井やまゆり園事件が起きて、かながわ憲章ができました。でも、今も虐待はなくなりません。新しい憲章やルールが必要です。そのときは、僕たちの気持ちを聞いてください。よろしくお願いします。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。
　それでは、事務局の説明と、お三方の意見書のご紹介がありましたけども、こうしたことも踏まえまして、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。議論の視点の各項目を念頭に置いていただければ幸いです。ただ全体の時間ですが、大変恐縮ですが、もともと17時45分ぐらいを目処でということで考えておりましたので、少しポイントを絞って、よろしくお願いしたいと思います。
　それでは、どなたかどうぞ。では、まず佐藤委員、よろしくお願いします。

（佐藤委員）
　事務局の資料５の４ページに、図が載っております。ビジュアルに、これからの神奈川を描こうという図であるということは認識できるのですが、この図の真ん中に「地域社会」とあって、「障がい者」と「家族」というのが中に入っています。それが点線で右に行って、さらに移行するわけですけれども、さらなる将来展望というところで、やっぱり同じように「地域社会」「障がい者」と「家族」というのが重ねて書いてありまして、何か展望がないのですね。おそらく考えておられることは、もっと大胆というか広いのだろうと思います。
　参考資料２の20ページに、総合相談の窓口のイメージ図が載っておりますけども、そこのイメージでは、「子ども」「障がい」「高齢」「生活困窮」「生活保護」とみんな入っている。要するに、こういう絵を使うかどうかは別にしまして、この資料５の４ページの一番右端にくるのは、もっとまぜこぜというか、障がい者と家族だけではなくて、もっといろんな人が一緒に生きているという、そういう社会像を描くのが展望としていいのかなというふうに思っております。
　それから二つ目ですが、やっぱり資料５の９ページに「日中活動の場の提供」というようなことが、再生基本構想の中に入っているということで、施設に日中活動の拠点としての機能を持たせるというのは、施設から外へ出るというのとまた逆の発想なのですね。そのときに、日中活動の拠点となる施設はどういう施設なのだろうかということは、さらに議論をする必要があるのではないかなと思っております。これは、これから議論する話だと思います。
　今日、河原委員や林委員からいろいろご意見を伺いまして、さすがに現場の経験を踏まえた詳細なご意見だったのですけども、一つ気になりましたのは、「県立施設の役割というのは、民間では担えない機能というものを担う」ということは、これ、どこでもよく言われる話だったのですけれども、実は千葉県で、やっぱり同じような議論をずっとやりました。やりましたけれど、結局、民間施設でも担えるよねということが、議論の終着点として出てきました。だからこそ、県立施設をやめるという、そういう議論に落ち着いてきたわけです。
　もし神奈川で、民間では担えない機能を県立で担うというふうに位置付けるのであるならば、その機能とは何だということを議論しなければいけないですね。何かあるのかもしれませんし、千葉県みたいに「ない。民間で十分いける」みたいな議論になるかもしれませんし、そこの議論が、これから必要かなというふうに思っております。
　
（蒲原委員長）
　どうもありがとうございました。いろいろなご示唆に富む話だったと思います。それでは、冨田委員お願いします。
　
（冨田委員）
　さっき小西委員から意見があったじゃないですか。「いのち輝く」というのは、自分は思うんですけど、例えば、当事者目線で言うと、本人のやれないことに対して、仲間同士でも協力してあげるといいと思うんですよ。そうすれば仲間同士うまくいくと思うんです。
　実際、今、僕はそれをやっています。実を言いますと、火曜日と金曜日の作業の仕事で、洗濯の仕事があるのですね。それで帽子の数を数えるんですよ。それが、「１、２、３、４、５、６、７，８、９、10」と数えられる方と数えられない方がいらっしゃいます。数えられない方には、自分からまず教えてあげています。まず電卓を使ってみましょうと。例えば、この帽子があるじゃないですか、この帽子を５束ずつたたんで、それで数を数えます。「１、２、３、４、５、６、７、８、９、10」と。僕なんかは、まとめて数えちゃいますけどね。それが難しい方には、足し算で教えています。自分は。例えば、10だったら、５＋５にしておいて、10とか本人に伝えて、あと５＋５プラス６とか電卓で数えるんです。そうすると、だんだんと電卓を使えるようになってきました。
　たとえば自閉症の方が毎日同じことを言っても、ぼくは毎日話を聞いてます。だからそういう中で、やっぱりいのち輝くと思うんです。常に自分はそういうふうにやっています。どんな時でもまず。今日どうするの、やらなくていいの、とか。自分が早く帰ったりすると、彼は不安がってしまうんですよ。でも「あと、お願いね」と言って頼んで行きます。言えることは自分から言っていきましょう、と自分は伝えています。いくら障がいが重くても、言葉で言えない方にも伝えています。それが僕は大切だと思うんです。　
　まず、いのち輝くためには、どうしたらいいかということをやった方がいいと思います。僕は結構実行しています。あと、よく僕のことをくすぐる人がいるんですね。僕がくすぐってやると言ったら、「やだ」と言いました。僕は、結構そういう実行しています。色々な話を聞くと、皆さんとコミュニケーションが取れるのですよね。なので、自分はそういうふうにしています。例えば、職員が忙しいときなんか、彼はすぐ僕の名前を呼ぶんです。僕が行って話を聞くと安心します。それはすごく大事だと思います。だから僕は、常に仲間の話を聞くことにしています。
　あと、地域でもよくお話をしています。今から２週間前ですか、地域で刺身を買ったんです。そのときに、ちょっと優しい店員さんがいたんですよ。同僚の方に「この方親切ですね」と言ったら、その同僚の方も「最高です」と言ってくれたのが、僕はすごく嬉しかったです。
なので、地域で暮らすには、会話をすごく大事にしています。必ず自分は朝、挨拶をして出かけます。常に会話を大事にしています。そうすると、だんだんと明るい未来が開けると僕は思います。いのち輝くようになると思います。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは、続きまして野口委員。少しポイントを絞って、よろしくお願いします。
　
（野口委員）　
　この資料５の中で、津久井やまゆり園の再生基本構想のことが出ていますけれども、私、この再生基本構想の時から委員で参加させていただいていますけれども、それが５年前の事件の後ですから、その翌年からということです。そのときの検討の内容というのが、やはり今この、昨年の検討部会から今回の委員会に変わってきて、名前も「当事者目線」ということになって、施設のあり方をやはり考えなくてはいけないというのが昨年の報告書で出ました。県立施設、あるいは大規模施設の考え方を変えようということで、今回は新しいいろいろな皆さんからのご意見を聞いて、本当に前からの、５年前の私たちの考えもだんだん変わってきているなというふうに思っています。
　それで、この津久井やまゆり園、資料５の９ページでいうと、この中にも「入所施設としての専門性の高い支援」で、民間施設では対応困難な云々と出ています。先ほども佐藤委員からその話が出て、日中活動の場ということも出ましたけれども、これはあの時代、あの時の方向としては、そういう方向の結論にならざるを得なかったということは私も感じています。ですから、これからの議論の中では、民間施設では対応困難ということは、私自身も、これはちょっと、もう今では違うのではないかと思っています。先ほど、佐藤委員もおっしゃった県立施設と民間施設の、県立施設にしかできないということは、本当にないのではないかと思っています。
　それで、前回の袖ケ浦の話とか、あと国立のぞみの園の話で、私は前回とっても感銘を受けたのですけれども、その中で、資料５の７ページでも、「県立施設の今後としては、地域共生社会の実現に向けて、どんなに障がいの重い人も地域生活が可能であることを証明してほしいし、是非、地域移行及び地域生活支援に全力を尽くしていただきたい」ということと、もう一つ佐藤委員の８ページにあります「県立施設が他では受入れられない人を受入れるという役割を担うのではなくて、他の民間施設でも十分担えるのだということを前提に置くべき」ということ。やっぱりこの二つの視点をもとに、是非、今後のことをみんなで考えていくべきだと思います。
　それで昨年から、現場の職員さんにヒアリングをして、その報告書を出して、また今年はその20年後の将来像を作っていくという、本当にこの短い期間で、スピードになかなかついていけないところもありますけれども、もうそういう気持ちというのは、この３回の会議に出席させていただいて、私は本当に共感をもって感激しているので、是非それを進めて、短い時間で、本当に県の方も大変だと思いますけれども、是非その方向でやっていただきたいと思います。
　それでもう一つ、ちょっと長くなってすみません。是非その検討の中で、先ほどもちょっとそういう話が出たと思いますけれども、その福祉の分野だけではなくて、今までそういう話が出たと思いますけど、医療の分野、あるいいは教育の分野ですね。そういう横の連携。
そういう地域社会の中でそういうことも本当に社会を進める中では重要なことなので、その施策も関連して考えていただきたい。
　それともう一つ、息子の話で、大分前の委員会で、インクルーシブな教育が重要だということを私は実感を持っています、という発言をしたことがあるのですが、それを具体的に申し上げると、うちの息子は幼稚園から小学校、中学校。幼稚園は私立でしたけど、小学校・中学校は地域の公立の学校です。でも幸いなことに、本当に今で言うインクルーシブ教育を受けることができました。支援教室もあるのですが、通級ということで、他の生徒さんと一緒に９年間過ごすことができたということで、地域の中での生活ができました。
　それから、うちの息子は末っ子なのですが、その上に娘が２人いまして、その娘たちが保育園に行っていたのですが、その時に、３～４人、重度の障がい者の方と一緒に生活していました。それは1歳のときから、保育園が終わるまで、５歳、６歳までですね。その経験というのは、本当にもう姉たちに身についているというか、本当にそれがうちの子どもたちの原点だなと思っています。姉達にとって、あるいは息子にとって、地域の生活の中で、いろんな人の中で、生活したということが。この前はグループホームの話をしましたけれども、それにつながっている。本当に何て言うのかな。自己肯定感も高いし、本当に明るい性格。性格はあまり関係ないかもしれないけど、その経験が今も身について、その経験があっての彼の今の生活だなと思っています。それが本当に、その施設での支援、大人になってからの支援というものを得る前に、やっぱり子どもの時からの、そういう意味での生活が一番大事なのではないかなと思います。それは、家族支援にもなりますので、そういう視点も是非見ていただきたいなと思います。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。最後の話は、福岡委員が最初に、両方から掘っているという話につながる話かなと思いながら聞いていました。
　大変恐縮ですが、だんだん時間が迫ってまいりました。まだ言い足りない方がおられるような気がしますけども、足りないところはまた次回、あるいは場合によれば、紙で出してもらえればと思っています。
　本日は冒頭から黒岩知事にずっとお話を聞いていただきました。ここで、知事の方から一言、感想をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

（黒岩知事）
　ありがとうございます。この会は、非常に参加しているだけで勉強になります。どんどん自分の中で、頭の中で整理されてきて、新しい発見もあるし、なるほどなと、どんどん進化していると。今、野口委員のお話にもありましたけど、確かにずっと議論している中で、我々はどんどん進化してきているのだなと改めて実感しました。
　その中で今日、西駒郷の事例を非常に興味深く聞かせていただきました。長野県で、その一つの事例を展開すると同時に、県全体でそれをどう展開するかということを、同時に視野に入れながら進んだといったことは、是非、我々もこれを生かさなければいけないなと思いました。
　その時に、先ほどの話の中で非常に印象深かったのは、やっぱり県の本気度だと。これはもう非常に重い言葉として、私、受けとめました。私もこの問題については、本気で取り組んでいるつもりであります。こんなことを言うのはなんですけど、こういった委員会というのは、実は県の中にいっぱいありますけども、大概、その第1回目に私が出てきて、短い挨拶をぱっとして、あとよろしくお願いしますと言って帰って、検討会の報告がまとまったときに、委員長から報告書をもらうというのが、普通のパターンであります。最初から終わりまでずっと出ているという委員会というのは他にないですよね。
　それぐらいやはり、私自身も本気で取り組んでいるといったことでありますので、今後とも、こういった、さらに皆さんと進化を続けながら、後々には、「こういったところでこんな議論をしたから、こんなモデルになった」「当事者目線の福祉というのは、あそこからこうやって始まって、こうやって展開していって、それが日本全国に展開している」というふうに、展開していくように、是非頑張りたいと思います。
　また今後ともよろしくお願いします。本日ありがとうございました。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。本当に知事が最初から最後まで、しかもずっと各回いるという会議は、私もそんなにないというふうに思います。引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
　それでは、本日の議事はすべて終了いたしました。次回は、これまでの意見を踏まえまして、障がい福祉の将来展望についての議論、あるいは中間的な論点整理のたたき台について検討する予定となっております。事務局には、これまでの議論を是非整理いただいて、次回に向けて準備をよろしくお願いします。もし、今日言い足りないところがあった方は、場合によっては紙で事務局に出してもらうような方法も含めて、考えてもらったらというふうに思います。
　皆様、進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。バトンを事務局にお返ししたいと思います。

（事務局：道躰参事監）
　閉会の挨拶