当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会、第2回 (令和3年8月6日) 、資料6

県立袖ヶ浦福祉センターの経験、2021年8月6日(金)、於:神奈川県庁、委員、佐藤 彰一

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千葉県袖ヶ浦の事件の経緯
・2013年11月26日深夜、千葉県内の総合病院で19歳のA君が死亡。
・重症敗血症による多臓器不全 警察への通報 強制捜査
・千葉県の立入り調査 多数の虐待行為が判明(特に養育園第2寮)。23名の利用者が15名の職員から虐待を受けていた。(全職員個別聞き取り)
・翌2014年1月に第三者検証委員会を設置(資料4)
・緊急提言:パーソナルサポーター
・事件直後から、更生園(成人施設)、養育園(児童施設)とも新規受け入れ停止。現状は定員を大幅に下回る(資料4)
・その移行、死亡などを入れて、R2・8月段階、更生園90(実員67)、養育園40(14)、H30・8月段階、更生園90(実員80)、養育園40(30)

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・2014年8月に検証報告(千葉県のサイトに公表)、閉鎖性(保護者も含めて外部の人が来ない)、孤立性(強度行動障害も含めて他へ移行しない)、県の監査も形式的・虐待防止法が機能していない
■対応
・大規模ケアからきめ細かな支援を可能とする少人数ケアに転換する。
・利用者の民間施設・地域移行により定員規模を縮小する(半分程度を目指す)
・養育園規模縮小に当たって県全体での障害児の受入先を確保する。
・県内各地で民間法人による強度行動障害支援体制を構築する。
・閉鎖性の解消に向けた取組み(障害特性に応じた施設整備等による改善や外部専門職の派遣等によるチェックシステムの構築)を進める。
>>目標達成を見守る進捗管理委員会を設置
・(H30)2018年8月進捗管理委員会の最終報告(千葉県のサイト)
・目標は未達成(改善された点はある)、令和二年度末までに県立施設としての存続の可否を判断を
・2020年8月31(資料4)千葉県袖ケ浦福祉センター見直しの経緯について
・2022年度末の千葉県袖ケ浦福祉センターの廃止を決定

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不適切支援と視野狭窄
●不適切支援、過剰支援、手抜き支援
いずれも第三者的判断優先(本人の保護だとしても)「思わずやっちゃった」「めざせ一日2万歩」「拘束」
●視野狭窄型
障害者の人間性を無視した理解
たとえば、、リブロ(2012):ダーツ遊び 
千葉県袖ヶ浦第二寮(2014)、そして・・・ 
でもなぜそうなるのでしょうか???? 

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対人理解のパラダイム転換
◆「この人は判断能力が不十分であるので、できる限り本人の意思は尊重するが、判断能力が不十分なため、周囲のことは勿論自分のことについても適切な判断をすることができない。その結果、社会生活や日常生活で困難な状況になる。だから福祉関係者らが関わって、その人のことについて判断しなければならない」
⇒能力不存在推定(代行決定)

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対人理解のパラダイム転換
◆「どんなに重い認知症や障害のある人であっても、その人なりの人生を生きてきた経緯があり、その人なりの思い、そして判断がありうる。適切な判断が自分ではできないと周囲から見られていた人々も、支援さえ受ければ、その人なりの決定ができる」
⇒能力存在推定(意思決定支援)

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県立施設の課題
他では受け入れ困難な人を受け入れる?
>>能力不存在推定へ  
>>終の棲家へ しかも一日同じ場所にいる。
>>集団生活が難しい人を集めて集団生活
支援困難(放置?) アセスメントの欠如
功利的安全第一主義の浸透(事故が起きないように)

千葉の廃止決定(資料4)
:他でも受け入れることができる  
:意思決定支援アドバイザー(どうなるか)
:民間施設への整備や補助
:暮らしの場支援会議(どうなるか)