かながわ障がい者計画 点検評価シート 2 誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み (2)障がい者の地域生活を支える福祉・医療サービスの充実 ―基本的な考え方― 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、在宅サービスの充実や、重度障害者も受入れが可能なグループホーム等の整備を図ります。 また、医療的ケア児等に対する支援体制や精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けた、福祉、医療、教育等の各分野の連携促進に努めます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ 地域生活支援拠点等の整備 成果目標 各市町村における地域生活支援拠点等の整備状況(自治体数) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、8、/ R1、-、8、- R2、-、12、- R3、-、21、- R4、-、24、 R5、33、26、78.8%、 主な取組による成果 ○未整備の市町村の把握及び各市町村が抱える課題整理を行った。 (成果目標の状況) ○ 地域生活支援拠点等が整備された自治体数は、最終目標33自治体(県内全市町村)に対し、実績は26自治体で達成率は78.8%だった。 把握すべき状況A 在宅サービス等の充実 成果目標 県内のホームヘルプサービスの利用人数(人日) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、16,088、/ R1、17,775、16,650、93.6% R2、18,969、16,580、87.4% R3、18,139、17,412、96.0% R4、19,016、18,903、99.4% R5、20,007、18,855、94.2%、 主な取組による成果 ○在宅の重度障害者等であって障害特性により支援が困難な者や緊急的な支援が必要な者の円滑なサービス利用を実現するために、地域のネットワーク強化を図った。 ・重度障害者の登録簿作成【104名】 ・圏域事業所間の連携【209回】 成果目標 短期入所のサービス見込量(人日) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、22,160、/ R1、25,619、20,744、80.9% R2、26,944、16,978、63.0% R3、23,408、15,748、67.3% R4、24,410、19,537、80.0% R5、25,441、21,267、83.6%、 主な取組による成果 ○単独で体制整備ができない市町村が障害保健福祉圏域ごとに拠点事業所を配置し、在宅支援困難ケースの緊急時の受入体制整備及びサービス提供を行う場合、加盟市町村に対してその費用の半分を補助している。 (成果目標の状況) ○ 県内のホームヘルプサービスの利用人数は、最終目標20,007人日に対し実績は18,855人日で、達成率は94.2%だった。 ○ 圏域事業所間の連携により、障害程度が重度で、これまでは本県独自の取り組みとしての「拠点事業所」以外での受け入れが困難だった登録者が、拠点事業所以外の事業所でも受け入れ可能となった。 ○ 短期入所のサービス見込量は、最終目標25,441人日に対し実績は21,267人日で、達成率は83.6%だった。 把握すべき状況B 医療型短期入所等の整備 成果目標 医療型短期入所のサービス見込量(人日) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、2,912、/ R1、3,064、2,427、79.2% R2、3,125、2,051、65.6% R3、3,107、2,222、71.5% R4、3,240、2,255、69.6% R5、3,386、2,147、63.4%、 主な取組による成果 ○医療機関や介護老人保健施設による医療型短期入所事業所の開設支援を実施した。 ・法人開拓提案【30回】 ・新規開設講習【3回】 ・職員向け研修【5回】 ・フォローアップ事業【14回】 ・他施設視察支援【2回】 (成果目標の状況) ○ 医療型短期入所のサービス見込量は、最終目標3,386人日に対し実績は2,147人日で、達成率は63.4%だった。 把握すべき状況C 自立訓練サービスの充実 成果目標 自立訓練(機能訓練・生活訓練)のサービス見込量(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、685、/ R1、710、525、73.9% R2、746、865、115.9% R3、997、999、100.2% R4、1,058、1,157、109.4% R5、1,121、1,236、110.3% 主な取組による成果 ○事業者の指定基準に適合する自立訓練事業者の指定を実施した。 ・新規指定事業所数【3事業所】 (成果目標の状況) ○ 自立訓練(機能訓練・生活訓練)のサービス見込量は、最終目標1,121人に対し実績は1,236人で、達成率は110.3%だった。 把握すべき状況D 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築 成果目標 市町村における精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築にかかる協議の場の設置数(市町村) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、15、/ R1、-、15、- R2、-、22、- R3、-、26、- R4、-、30、- R5、33、30、90.9% 主な取組による成果 ○「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」に向けた保健・医療・福祉関係者による協議の場を県の各保健福祉事務所・同センター及び市(政令市を除く)が設置する8カ所の各保健所に設置した。【8か所】 ○地域包括ケアシステムの構築に資する取組みに補助した。【5市】 (成果目標の状況) ○ 市町村における精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築にかかる協議の場の設置数は、最終目標33自治体(全市町村)に対し、実績が30自治体で、達成率は90.9%だった。 把握すべき状況E 児童発達支援等の提供 成果目標 児童発達支援事業等を行う事業所数<児童発達支援>(事業所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、394、/ R1、442、462、104.5% R2、448、533、118.9% R3、452、614、135.8% R4、458、733、160.0% R5、465、852、183.2%、 成果目標 児童発達支援事業等を行う事業所数<放課後等デイサービス>(事業所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、814、/ R1、842、870、103.3% R2、935、958、102.4% R3、1,020、1,071、105.0% R4、1,113、1,175、105.6% R5、1,228、1,263、102.9%、 成果目標 児童発達支援事業等を行う事業所数<保育所等訪問支援>(事業所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、64、/ R1、60、73、121.6% R2、63、85、134.9% R3、75、98、130.6% R4、91、117、128.6% R5、110、142、129.1% 主な取組による成果 ○事業者の指定基準に適合する障害児通所支援提供事業者を指定した。 ・児童発達支援(センター以外)【46事業所(県指定)】 (成果目標の状況) ○ 児童発達支援事業等を行う事業所数のうち、<児童発達支援>は、最終目標465事業所に対し実績は852事業所で、達成率は183.2%だった。<放課後等デイサービス>は、最終目標1,228事業所に対し実績は1,263事業所で、達成率は102.9%だった。<保育所等訪問支援>は、最終目標110事業所に対し、実績は142事業所で、達成率は129.1%だった。 把握すべき状況F 障害児保育等を担当する人材の確保・育成 成果目標 保育士等キャリアアップ研修に係る障害児保育に関する研修の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,435、/ R1、3,564、2,612、73.2% R2、4,806、4,036、83.9% R3、6,048、5,794、95.8% R4、-、7,635、- R5、-、9,869、 主な取組による成果 ○保育士等キャリアアップ研修のほか、一定の経験を積んだ保育士等を対象に、保育の質の向上等を図ることを目的に階層別、年齢別など多様な研修を実施した。 ・研修実施日数:51日 ・延べ参加人数:11,622名 (成果目標の状況) ○ 保育士等キャリアアップ研修に係る障害児保育に関する研修の累計修了者数の実績は9,869人だった。 把握すべき状況G 障害福祉サービスの質の向上 成果目標 サービス管理責任者研修の修了者及び児童発達支援管理責任者研修の修了者数(再掲)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,689、/ R1、2,000、2,205、110.2% R2、2,000、1,044、52.2% R3、2,000、3,621、181.0% R4、2,000、3,408、170.4% R5、2,000、3,388、169.4%、 主な取組による成果 ○指定障害福祉サービス事業所等に係る人材の育成と質の向上を図るため、令和元年度から段階的な研修体系、現任者研修を導入した。 ・補足研修【修了者数1,535人】 ・基礎研修【修了者数1,612人】 ・実践研修【修了者数796人】 ・更新研修【修了者数849人】 ・意思決定支援研修【修了者数131人】 (成果目標の状況) ○ サービス管理責任者研修の修了者及び児童発達支援管理責任者研修の修了者数は、令和5年度の目標2,000人に対し実績は3,388人で、達成率は169.4%だった。 把握すべき状況H 障害福祉サービス従事者に対する研修 成果目標 障害者虐待防止・権利擁護研修の累計修了者数(再掲)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、568、/ R1、677、674、99.5% R2、777、882、113.5% R3、877、1,008、114.9% R4、977、1,130、115.7% R5、1,077、1,248、115.9%、、 主な取組による成果 ○障害者虐待防止・権利擁護研修を実施した。 ・市町村担当職員コース【修了者26人】 ・施設従事者等研修コース【修了者92人】 (成果目標の状況) ○ 障害者虐待防止・権利擁護研修の累計修了者数は、最終目標1,077人に対し1,248人で、達成率は115.9%だった。 ○ 「市町村担当職員コース」は、新任者を中心に受講を希望する全ての職員が受講・修了した。障害福祉サービス事業所職員を対象とする「施設従事者等研修コース」は、定員を上回る申込みがあったため、市町村の推薦により受講者を決定しており、修了者が自所属での伝達研修も実施している。 把握すべき状況I 地域生活移行の促進 成果目標 精神科病院長期入院患者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、6,521、/ R1、-、6,417、- R2、-、6,439、- R3、-、6,708、- R4、-、6,593、 R5、5,197、6,419、80.7%、 成果目標 地域移行・地域生活支援事業の実施によるピアサポーター実活動者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、47、/ R1、前年度比増、49、増 R2、前年度比増、51、増 R3、前年度比増、51、同 R4、前年度比増、52、増 R5、前年度比増、57、増、 主な取組による成果 ○精神障害者に対する居宅介護のサービス提供体制を構築するため、研修を実施した。 ・養成研修【4回、受講者:55名】 ・現任者研修【3回、受講者:32名】 ○ピア登録者数【57名】 ○精神障害者の身近な相談相手となる相談員を育成した。 ・家族相談員研修・講習会【2回】 ・面接相談【35件】 ・電話相談【101件】 ・メール相談【9件】 (成果目標の状況) ○ 精神科病院長期入院患者数は、最終目標5,197人に対し、令和5年度の実績は6,419人で、達成率は80.7%だった。 ○ 地域移行・地域生活支援事業の実施によるピアサポーター実活動者数は、前年度以上の実活動者数とすることを目標としているが、令和5年度の実績は57人で、前年度より5名増だった。 把握すべき状況J 歯科保健支援体制の充実 成果目標 障害児入所施設における定期的な歯科検診の実施率(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H28、/、94.7、/ R1、/、/、/ R2、-、77.5、- R3、-、-、- R4、100、-、- R5、-、-、- 主な取組による成果 保健福祉事務所にて検診・保健指導等を実施した。【310回、受診人数:568人】(実施主体:8保健福祉事務所・センター) (成果目標の状況) ○ 障害児入所施設における定期的な歯科検診の実施率は、令和4年度の最終目標100%に対し、令和2年度の実績は77.5%で、最終目標に対する達成率は77.5%だった。なお、令和2年度実績以降の調査は行っていない。 ○ 障害児者及びその家族等への歯科検診・保健指導の実施により、歯科疾患予防や口腔機能の維持・改善等に関する知識やセルフケア技術の習得につながり、障がい児者の歯及び口腔の健康づくりに寄与した。 把握すべき状況K 相談、医療、在宅療養支援 成果目標 難病医療協力病院の設置数(箇所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、0、/ R1、18、26、144.4% R2、18、26、144.4% R3、18、26、144.4% R4、18、26、144.4% R5、18、29、161.1% 主な取組による成果 ○難病相談・支援センターを運営した。 ・相談件数【1,239件】 ・講演会【4回、701名】 ○在宅難病患者等の緊急一時入院(レスパイト)のための入院施設確保事業を実施した。  ・事業利用者数【38名】 ・総利用日数【377日】 (成果目標の状況) ○ 難病医療協力病院の設置数は、令和5年度の目標18箇所に対し、実績は29箇所で、達成率は161.1%だった。 把握すべき状況L 未病の改善 成果目標 脳血管疾患の年齢調整死亡率(人口10万人対)<男性>(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H27、/、(36.6)107.5、/ R1、(39.9)、/、/ R2、(39.3)、82.1、- R3、(38.7)、-、- R4、(38.0)、-、- R5、-、-、- 脳血管疾患の年齢調整死亡率(人口10万人対)<女性>(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H27、/、(19.0)64.6、/、 R1、(24.4)/、/、 R2、(24.2)、49.6、- R3、(24.0)、-、- R4、(23.8)、-、- R5、-、-、- ※目標値、実績値のカッコ内は計画策定時に設定した、人口動態特殊報告(昭和60年人口モデル)による数値。 主な取組による成果 ○二次医療圏ごとに地域・職域連携推進協議会を開催した。【5回64人】 ○生活習慣病予防指導者育成のための講習会を開催した。【5回206人】 ○かながわ健康プラン21推進会議を実施した。【2回】 〇かながわ健康プラン21目標評価部会を開催した。【3回】 〇かながわ健康プラン21目標評価部会ワーキングを開催した。【2回】 (成果目標の状況) ○ 本指標は、計画策定時には人口動態特殊報告(昭和60年人口モデル)をもとに実績値・現状値を算出していたが、令和2年からは平成27年人口モデルに基づく年齢調整死亡率が示された。そのため、当初の目標値に対する達成率の算定は困難となったが、遡及して計算された平成27年人口モデルに基づく、平成27年の死亡率が男性107.5、女性64.6であることに対し、令和2年の死亡率がそれぞれ82.1、49.6となり、いずれも減少している。 把握すべき状況M 在宅医療の充実 成果目標 訪問診療を実施している診療所・病院数(機関) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,400、/ R1、1,683、1,433以上、85.1% R2、1,797、1,467以上、81.6% R3、1,911、1,452以上、75.9% R4、2,025、1,462以上、72.2%、 R5、2,139、-、- 成果目標 訪問歯科診療を実施している歯科診療所数(機関) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H26、/、725、/ R1、810、-、- R2、854、1,416、165.8% R3、896、1,420、158.5% R4、939、-、- R5、982、-、- 主な取組による成果 ○在宅医養成研修等を開催した。【21回】 ○グリーフケア(遺族の複雑で深刻な心の状態を理解して寄り添うことで回復をサポートする取組)のモデル事業を横浜市内の16区で実施した。 ○地域協議会の総括や県全域を対象とした協議会及び医療的ケア児の支援に関する市町村意見交換会等を開催した。 (成果目標の状況) ○ 訪問診療を実施している診療所・病院数は、令和4年度目標2,025機関に対し、令和4年度実績は1,462機関以上で、達成率は72.2%だった。また、訪問歯科診療を実施している歯科診療所数についても、令和3年度目標896機関に対し、令和5年度に把握した令和3年度実績は1,420機関で、達成率は158.4%だった。 <その他の取組による成果> 在宅サービス等の充実 〇 在宅の重度障害者等に対し手当を支給することで、障害者の福祉を増進させた。【支給額:年額60,000円、支給対象者:10,099人】  ○ オストメイトに対して、ストマ用装具に関することや社会生活に関することを講習する相談会・講演会を実施した。【回数:16回、参加人数:388人】  ○ 音声障害者発声訓練を県内3箇所で開催した。【開催数:218回、参加者数:1,316人】  障害児に対する支援の充実 ○ 医療的ケア児等に対する支援が適切に行える人材や、支援を総合的に調整できる人材を養成するための研修を実施した。【研修修了者:10人】 ○ 保護者に代わり看護師等を同行させて医療的ケア児の通学支援を行った。【3市町】  障害福祉サービスの質の向上等 ○ 県所管域の障害者グループホームを訪問し、運営上の困りごとや支援困難な利用者の支援ノウハウ等のコンサルテーションを実施した。【10回】 福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・研究開発及び身体障害者補助犬の助成等 ○ 障害者総合支援法による補聴器支給の対象とならない軽度・中等度難聴児に対し、補聴器購入費用を助成する市町村(指定都市、中核市を除く22市町村)に補助した。 精神保健・医療の適切な提供等 ○ 精神障害者の病状悪化の防止、自立及び社会復帰を図った。【相談延べ件数:16,569件、訪問延べ件数:1,824件、専門医による相談件数:290件、専門医による訪問件数:49件】  保健・医療の充実等 ○ 障害者歯科に従事する歯科医師・歯科衛生士の拡充及び地域における障害者歯科診療体制の整備、充実を図った。【一次医療担当者育成事業(研修):33名、現任研修:87名、県障害者歯科医療推進協議会:1回、地域歯科医師会障害者歯科医療推進協議会・推進委員会:13か所、99回】  保健・医療の向上に資する研究開発等の推進 ○ これまでの実証実験支援の成果として、令和5年度に4件の生活支援ロボットが実用化された。実証実験において取得したロボットの動作精度等のデータや、被験者アンケートの回答内容等が、ロボットの開発や改良に役立てられた。【病院、介護施設等での7件の実証実験を支援】  難病に関する保健・医療施策の推進 ○ 在宅難病患者等の緊急一時入院(レスパイト)のための入院施設確保事業を実施した。【事業利用者数:38名、総利用日数:377日】  2 一次評価 <点検・評価の結果>やや遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、20項目のうち、令和5年度の目標値を設定していないもの等を除いた14項目中8項目で目標を達成した。 ○ 本分野では、主に障害者の地域生活を支える福祉サービスの充実と、医療サービスの充実に取り組むこととしている。 ○ 福祉サービスの充実については、関連する成果目標のうち、ホームヘルプサービスや短期入所サービスの目標を達成できていないが、市町村への補助や地域のネットワーク強化を図るための事業所間の連携が209回実施されるなど、取り組みは推進している。 ○ 自立訓練サービスや児童発達支援を実施する事業所数、各種研修については目標を達成している。 ○ 医療サービスの充実については、関連する成果目標のうち、「難病医療協力病院の設置数」は、令和5年度の目標を達成したほか、保健・医療の向上に資する研究開発等の推進により、令和5年度に4件の生活支援ロボットが実用化されるなど、一定の成果が出ている。 ○ これらを総合的に判断し、令和5年度については「やや遅れている」と評価した。 <今後の課題と対応> 地域生活支援拠点等の整備 ○ 地域生活支援拠点等の整備については、市町村により取組状況に差があるため、整備済みの市町村から整備までの取組等を聴取し、未整備の市町村へ協議の場等を通じて情報提供や助言をし、整備を進める。 在宅サービス等の充実 ○ 重度訪問介護等の訪問系サービスについては、国が定めた基準額があり、これを超過した額は市町村が負担する仕組みとなっているため、超過負担が発生している市町村がある。訪問系サービスについても、他のサービスと同様、市町村に超過負担が生じない制度とするよう、国に見直しを要望するとともに、重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援事業を実施し、超過負担が発生している市町村の財政負担を軽減する。なお、この市町村支援事業が、潜在的なニーズの掘り起こしとなり、サービス利用につながる可能性もあると考えられる。 障害児に対する支援の充実 ○ 医療機関や介護老人保健施設による医療型短期入所事業所が少ない地域がある課題があるため、その地域を重点的に開設促進し、医療的ケア児者や介護者のニーズに応じたサービスを提供できるよう取り組む。  障害福祉サービスの質の向上等 ○ 障害者虐待防止法が広く認知されてきたこともあり、虐待通報は全体として増加し、認定件数も増加していることから、今後も市町村や福祉施設職員等に対し、継続的な支援や研修の実施が必要である。例えば事例等を通じて、障害者虐待防止法や障害者虐待の未然防止等について、理解を深められるようなより実践に即した研修方法を検討する。 ○ 障害福祉サービス事業所数が、引き続き増加傾向にあるため、実施指導等の頻度の向上に向けた新たな取組を実施する。 福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・研究開発及び身体障害者補助犬の助成等 ○ 軽度・中等度難聴児は障害者総合支援法の対象とならないことから、補装具制度の対象外となっている。国に対し、障害者総合支援法による補聴器支給の対象とならない軽度・中等度難聴児に対する補助制度の創設を要望する。 精神保健・医療の適切な提供等 ○ ピアサポーターの積極的な養成及び活動の支援を行い、入院者訪問支援事業との連携のもと、地域移行への意欲を喚起していく。 ○ 精神障害者が地域の一員として安心して自分らしく暮らせるよう、医療、障害福祉、介護、社会参加などが包括的に確保された地域包括ケアシステムの構築に向け、地域ごとの課題の抽出と、関係機関の役割分担が課題となっている。引き続き、協議の場における重点課題や目標の設定について、共有していく。 保健・医療の充実等 ○ 多職種連携の促進のためにそれぞれが持つニーズを適切に把握する必要があるため、実態調査の実施及び関係団体が顔の見える場を創出し、地域リハビリテーションの体制構築と推進を図る。 保健・医療の向上に資する研究開発等の推進 ○ 筋電義手をはじめとするリハビリロボットの認知度向上を図る必要があるため、窓口となるKRRC(かながわリハビリロボットクリニック)の取組の充実・強化を図り、リハビリロボットの更なる開発支援・普及に努める。 障害や疾病の早期発見等 ○ きょうだい児支援のイベント、ピアサポート、各所の講演会等を実施しているが、さらなる周知を進めていく必要がある。 3 最終評価 <最終評価>やや遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、20項目のうち、令和5年度の目標値を設定していないもの等を除いた14項目中8項目で目標を達成した。 ○ 本分野では、主に障害者の地域生活を支える福祉サービスの充実と、医療サービスの充実に取り組むこととしている。 ○ 福祉サービスの充実については、関連する成果目標のうち、ホームヘルプサービスや短期入所サービスの目標を達成できていないが、市町村への補助や地域のネットワーク強化を図るための事業所間の連携が209回実施されるなど、取り組みは推進している。 ○ 自立訓練サービスや児童発達支援を実施する事業所数、各種研修については目標を達成している。 ○ 医療サービスの充実については、関連する成果目標のうち、「難病医療協力病院の設置数」は、令和5年度の目標を達成したほか、保健・医療の向上に資する研究開発等の推進により、令和5年度に4件の生活支援ロボットが実用化されるなど、一定の成果が出ている。 ○ これらを総合的に判断し、令和5年度については「やや遅れている」と評価した。 以上