5章 県庁のしくみと仕事  1 県庁のしくみ 神奈川県議会  神奈川県には105人の県議会議員がいて,県内でのきまりをつくり,県がどのような仕事をするか,どのようにお金を使うかを話し合って決めます。県議会議員は,4年に一度,18さい以上の人の選挙で選ばれます。 神奈川県知事  県を良くする計画をつくり,議会の決めたことにもとづいて,県の仕事を進める責任者です。4年に一度,18さい以上の人の選挙で選ばれます。 行政委員会(委員)  より中立の立場で仕事をするために,何人かの委員が話し合いながら仕事をします。教育委員会や公安委員会など,9つの行政委員会(委員)がおかれています。 神奈川県庁の主なしくみ  神奈川県庁には,知事のもとに副知事,会計管理者がおり,そのほかに,公営企業管理者がいます。副知事のもとには,政策局,総務局,くらし安全防災局,文化スポーツ観光局,環境農政局,福祉子どもみらい局,健康医療局,産業労働局,県土整備局があります。  (局の名前,仕事の順) 政策局 県の計画をつくる仕事。知事や副知事を手伝う仕事。他の都道府県や市町村と連けいする仕事。 総務局 県職員の働き方を見直す仕事。県の予算案を作ったり,税金を集める仕事。県のし設を管理する仕事。 くらし安全防災局 災害をふせぐ仕事。交通安全や安全,安心なくらしを守る仕事。 文化スポーツ観光局 国際交流や文化,芸術をさかんにする仕事。国内や海外からの観光客をふやすための仕事。だれもが,「いつでも」「どこでも」「いつまでも」スポーツに親しめる環境をつくるなどの仕事。 環境農政局 地球温暖化や公害をふせぐための仕事。自然環境を守る仕事。農業,林業,水産業の生産をふやすための仕事。 福祉子どもみらい局 子どもたちや子育てを支える仕事。高れい者や障がい者,くらしにこまっている人を支える仕事。誰でもその人らしくくらせる社会をつくる仕事。 健康医療局 保健,医療,薬品,未病の改善(からだを健康に近づけること),安全な食品,動物を大切にかわいがることなどの仕事。 産業労働局 商業,工業,貿易などをさかんにする仕事。働く人の福し,職業訓練の仕事。 県土整備局 都市計画の仕事・県営住宅,公園,下水道,道路,橋,川などの建設や安全をたもつ仕事。がけくずれ防止の仕事。建物の指導の仕事。  また,会計管理者のもとには会計局があり,県の収入や支出などの会計事務の仕事をしています。公営企業管理者のもとには企業庁があり,水道,発電,ダム管理などの仕事をしています。  このほか,教育委員会のもとには教育局があり,小・中学校や県立の高等学校・特別しえん学校,図書館・博物館・文化財などに関する仕事をし,公安委員会のもとには警察本部があり,犯罪から県民を守ったり,交通の指導や取りしまりの仕事をしています。  県議会のために議会局があり,県議会の会議の運営などをサポートする仕事をしています。  2 県庁の仕事  わたしたちのくらしを良くするために,県と市町村は役割を分担して,仕事をしています。市町村では,ごみの回収や消防などのように,わたしたちの毎日の生活にかかわる身近な仕事をしています。県では,山や川の災害をふせぐなど,一つひとつの市町村ではむずかしい大きな仕事や,広い地域にわたる水道や下水道をつくるなど,いくつもの市町村にまたがるような仕事をしています。  県ではこんな仕事をしています。  みなさんの家にきれいで,安全な水を送っています。  (じょう水場の人の話)  じょう水場では,川の水をきれいにして水道の水をつくっています。台風や,大雨で川の水がにごっても,いつでもきれいな水になるように24時間つねに注意して水道の水をつくり,みなさんが安心して飲めるように送りとどけています。  安全に道路を通れるようパトロールや工事をしています。  (土木事務所の人の話)  みなさんが安心して道路を通れるように歩道を作ったり,高れい者や障がいのある人が通りにくい歩道があれば段差をなくしたりして歩きやすくなるよう工事をしています。また,パトロールをして,道路にあながあいていれば,うめる仕事をしたり,橋が地しんなどでこわれないよう,点検や工事をしたりしています。  みんなの安全を守っています。  (交番の警察官の話)  24時間,まちの安全を守っています。学校へ通うみなさんの安全を守るため交通整理をしたり,落し物の受け付けや道にまよっている人に道案内をしたりします。また,まちの中をパトロールして,困っている人を助けたり,どろぼうをつかまえたりしています。  県の仕事,市町村の仕事  県の仕事  病院や福ししせつを運営して県民の健康や福しを守る  広い地域にわたる水道,下水道をつくる  幹線道路や都市公園をつくる 住宅をたてる  山や川の災害をふせぐ仕事  県民の安全を守るけいさつの仕事  高等学校,中等教育学校や特別しえん学校の建設や運営  農林水産業や商工業をさかんにする  市町村の仕事  戸せきや住民登録の仕事  市町村道をつくる。住宅をたてる。  高れい者や障がい者のお世話や保育所,国民健康保険,かいご保険などの仕事。  ごみのしまつや,下水道をつくる。  駅前をととのえたり児童公園をつくったりする。 小・中学校などの建設や運営。  消防や救急の仕事。  他の都道府県で災害がおきた場合にも,県と市町村は協力することにしています  地しんや大雨などで大きな災害が起こり,ひ害にあった地域だけでは対応しきれなくなった場合に,県は,ひなん所の運営を手伝ったり,水や食べ物を届けたりなど,ひ災地へおうえんに行くことがあります。また,県だけでは人やものが足りないときは,県内の市町村と協力しておうえんをすることもあります。  3 県の財政  県では,県民のみなさんのために,いろいろな仕事をしています。それにはたくさんのお金が必要になります。そのお金のほとんどは,税金として県民のみなさんや会社がおさめています。どのような仕事に,どれくらいのお金を使うかという1年間の計画を県議会で決めます。これを予算といいます。2023年度(令和5年度)当初の予算は2兆2,616億円です。  県に入ってくるお金の内訳を見ると,県の税金が59パーセント,国からのお金が28パーセントで,県の使うお金の約87パーセントは,県の税金と国からのお金でまかなわれています。  また,県のお金の使い方をみると,公立の小学校,中学校,高等学校の先生などの給料や,高等学校の建物を建てかえることなど,学校教育のために多くのお金が使われています。さらに,高れい者や障がいのある人の福しや,安全なくらしのための活動,道路や住宅などの建設,産業をさかんにすることなど,いろいろなところで県民のみなさんのくらしを良くするために使われています。 [県に入るお金(歳入)](2023年度)  (県総務局調)  歳入     2兆2,616億円  (歳入の種類,金額,割合の順)  県税          1兆3,325億円 59%  国庫支出金         6,260億円 28%   県債(県が借りたお金)   1,278億円  6%  その他           1,751億円  8% [県が使うお金(歳出)](2023年度)  (県総務局調)  県が使ったお金を1,000円とすると,このようになります。  より良い行政とするために   189円  教育と文化のために      182円 健康を守るために       172円  社会福しのために       153円  安全なくらしのために      90円  道路や住宅などの建設のために  48円  産業をさかんにするために    14円  農業や水産業をさかんにするために 8円  かんきょうを良くするために    5円  その他            139円  ※歳入と歳出は,2023年(令和5年)4月時点のものです。