(43ページ) 3 障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組み (1)社会参加への環境づくり 基本的な考え方 障害者権利条約では、「障がい」は、主に、障がい者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁によって作られているというとらえ方をしています。そこで、社会的障壁の排除を進めるため、障がい者に配慮したまちづくり、障がい特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等により、ハード、ソフト両面にわたるバリアフリー化に取り組みます。 ア 安全・安心な生活環境の整備 @ 住宅の確保    (障がい者の入居促進支援) 〇 重度障がい児者の日常生活を支援するため、市町村が行う住宅設備改良費用について、交付金制度の活用を促進するとともに、県営住宅を建て替える際にはバリアフリー対応を原則とします。また、障がい者に対し、優先入居や単身入居を可能とするなど配慮します。 〇 賃貸住宅の家主等から、障がい者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録を受け、当該登録情報を広く県民に提供していくことにより、住宅確保要配慮者の居住の安定確保を図ります。 〇 民間賃貸住宅にかかわる団体と連携し、障がい特性等について、貸主等に周知し、障がい者の入居について、理解と協力を得られるよう普及・啓発を図ります。    (グループホームの整備) ○ 障がい者グループホーム等サポートセンター事業やグループホー (44ページ) ム等の運営支援などを通じ、市町村と協力して、グループホームの設置・利用の促進とサービスの充実を継続して図ります。多様なニーズを持つ障がい者の地域生活移行を支援するとともに、特に、課題である重度の障がい者の受入れが可能なグループホームの整備支援に取り組みます。(再掲)    (住宅改修等への助成) 〇 障がい者や民間賃貸住宅の賃貸人が行うバリアフリー改修等を促進するため、必要な経費について助成するとともに、障がい者の日常生活上の便宜を図るため、日常生活用具の給付又は貸与及び用具の設置に必要な住宅改修に対し支援します。    (精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築) 〇 精神障がい者が地域の一員として安心して暮らすことができるよう、保健・医療・福祉関係者による協議の場を県の各保健福祉事務所・同センター及び市が設置する保健所等に平成32年度末までに設置し、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を進めます。(再掲)その一環として、居住支援の関係者とも連携を図りながら、精神障がい者の住まいの確保に努めます。       A 移動しやすい環境の整備等    (公共交通機関のバリアフリー化) 〇 駅における段差解消、ホームドアの導入の促進と併せて、人的な対応の充実を図ることにより、公共交通機関のバリアフリー化を促進します。    (企業等における障がい理解等の促進) 〇 交通事業者をはじめとする企業等において、障がい理解や障がい者に対する適切な対応を促進するために、取組みの中心的な役割を担う「心のバリアフリー推進員」を養成する研修を実施するとともに、企業等で実施する研修等を支援します。    (福祉タクシー車両導入費用の補助) 〇 障がい者や要介護者など、移動制約者の社会参加に必要な移動手段を確保するため、福祉タクシー車両の導入にかかる費用の一部を補助します。 (45ページ)    (高度自動運転システムの開発等) 〇 移動手段の確保や、ドライバー不足への対応等が喫緊の課題であることを踏まえ、高齢者、障がい者等の安全快適な移動に資するTSPS(信号情報活用運転支援システム)*16、DSSS(安全運転支援システム)*17、ETC2.0*18等のITS(高度道路交通システム)*19の研究開発及びサービス展開を実施するとともに、高度自動運転システムの開発や、高齢者、障がい者等向けの無人自動運転移動サービス実現に取り組みます。    (ヘルプマーク*20の普及) 〇 援助や配慮を必要としている方が、身につけることで、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができる「ヘルプマーク」の普及を進めます。(再掲)    (精神障がい者の社会参加促進) 〇 精神障がい者に対する県内バス運賃等の割引の導入拡大を図るとともに、公共施設等を利用しやすくなるための情報提供等の充実を図り、社会参加しやすい環境整備を進めます。      B アクセシビリティに配慮した施設、製品等の普及促進    (公共施設のバリアフリー化の促進) 〇 学校、福祉施設、商業施設、運動施設など不特定多数の方が利用する公共的施設について、障がい者等が安全かつ快適に利用できるよう、当該施設を設置し又は管理する者に対し、神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例(平成7年県条例第5号)で定める整備基準への適合を求めるなど、バリアフリー化を促進します。    (公園施設の整備) 〇 都市公園の整備に当たっては、安全で安心した利用のため高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。以下、「バリアフリー法」という。)に基づく基準により、出入口や園路の段差解消、高齢者や障がい者等が利用可能なトイレの設置等など、公園施設の改良・整備を進めます。      (46ページ) C 障がい者に配慮したまちづくりの総合的な推進    (バリアフリー街づくりに向けた普及啓発等) 〇 「神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例」に基づく実効性のある取組みを進めるため、神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議を通して、広く県民から意見を伺い、バリアフリーの街づくりの提案・発信や協働に取り組みます。また、バリアフリーの街づくりに向けた普及啓発等を行います。    (歩道等の整備) 〇 公共交通機関等のバリアフリー化と連携しつつ、幅の広い歩道の整備や無電柱化等を進め、よりよい歩行空間を形成します。    (主要道路の信号機の整備等) 〇 バリアフリー法に基づき市町村が定める重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路において、音響により信号表示の状況を知らせる音響式信号機、歩行者等と車両が通行する時間を分離する歩車分離式信号、歩行者青時間の延長を行うPICS(歩行者等支援情報通信システム)等のバリアフリー対応型信号機、見やすく分かりやすい道路標識等の整備を進めます。 〇 障がい者が安全に安心して自動車を運転できるよう、信号灯器のLED(発光ダイオード)化、道路標識の高輝度化等を進めます。 〇 市街地等の生活道路における歩行者等の安全な通行を確保するため、区域(ゾーン)を設定して、最高速度30q/hの区域規制、路側帯の設置・拡幅、物理的デバイス設置等の対策を効果的に組み合わせ、速度抑制や通過交通の抑制・排除を図ります。 イ 情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 @ 情報通信における情報アクセシビリティの向上    (県における情報通信機器等の調達) 〇 県の各所属における情報通信機器等の調達は、情報アクセシビリティの観点に配慮し、国際規格、日本工業規格への準拠・配慮に関する関係法令に基づいて実施します。     (47ページ)    (障がい者のICT活用機会の拡大) 〇 障がい者に対するIT相談等を実施する障がい者ITサポートセンターの設置や障がい者がパソコン機器等を使用できるよう支援するパソコンボランティアの養成・派遣の促進等により、障がい者のICTの利用及び活用の機会の拡大を図ります。    (電話リレーサービス*21の普及促進) 〇 聴覚障がい者が手話や文字により通話を行う電話リレーサービスが新たなコミュニケーション手段として広く普及するよう取り組みます。    (緊急通報システム導入促進) 〇 Net119*22等携帯情報端末を活用した音声によらない緊急通報システムの導入促進へ向け働きかけます。 A 情報提供の充実等    (聴覚障害者福祉センターにおける取組み) 〇 ICTの発展に伴うニーズの変化も踏まえつつ、聴覚障がい者に対して、字幕(手話)付き映像ライブラリー等の制作・貸出し、手話通訳者や要約筆記者の養成・派遣、相談等を行う聴覚障害者福祉センターにおいて、情報提供の充実を図ります。    (ライトセンターにおける取組み) 〇 ライトセンターにおいて、視覚障がい者に対応した図書等を作成し、出版物の普及促進を図ります。    (盲ろう者支援センター(仮称)における取組み) 〇 盲ろう者支援センター(仮称)において、盲ろう者に対するサービスなどの情報提供の充実を図ります。    (障害福祉サービス提供事業者等に関する情報提供) 〇 障害福祉サービス等の利用を希望する障がい者が、サービスの選択ができるようサービス内容や提供事業者の情報提供の充実を図ります。 (48ページ)    (観光施設等に関する情報提供) 〇 誰もが観光を楽しめるよう、ホームページやパンフレットなどを通じて、観光施設等のバリアフリー対応状況を情報発信するなど、ユニバーサルツーリズム*23を促進します。 B 意思疎通支援の充実    (意思疎通支援を行う人材の養成等) 〇 聴覚、言語機能、音声機能、視覚、失語、知的、発達、高次脳機能、重度の身体などの障がいや難病のため意思疎通を図ることに支障がある方に対して、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員、点訳・音声訳を行う者等の養成研修等の実施により人材の育成・確保を図り、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員等の派遣、設置等による支援や点訳、代筆、代読、音声訳等によるコミュニケーション支援の充実を図ります。    (手話の普及) 〇 神奈川県手話言語条例(平成26年県条例第89号)に基づき、神奈川県手話推進計画を策定し、ろう者とろう者以外の者が、相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現に向けて、手話の普及等を進めます。    (日常生活用具の給付等) 〇 情報やコミュニケーションに関する支援機器を必要とする障がい者に対して日常生活用具の給付又は貸与を行う市町村に対し、更生相談所を中心に、必要に応じて支援します。    C 行政情報のアクセシビリティの向上    (障がい特性に応じた配慮) 〇 県の各所属において、特に障がい者や障がい者施策に関する情報提供及び緊急時における情報提供等を行う際には、字幕・音声等の適切な活用や、知的障がい者、精神障がい者等にも分かりやすい情報の提供に努めるなど、多様な障がい特性に応じて配慮します。    (ICTを始めとする新たな技術の利活用) 〇 県の各所属における行政情報の提供等に当たっては、情報アクセシビリティに配慮したICTを始めとする新たな技術の利活用につ (49ページ) いて検討を行い、利活用が可能なものについては積極的な導入を進めるなど、情報アクセシビリティに配慮して情報を提供します。        (ウェブアクセシビリティ*24の向上) 〇 県の各所属において、障がい者を含むすべての人の利用しやすさに配慮した行政情報の電子的提供の充実に取り組むとともに、ウェブサイト等で情報提供を行うに当たっては、キーボードのみで操作可能な仕様の採用、動画への字幕や音声解説の付与など、総務省が作成した「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に即して対応します。  また、庁内の公的機関におけるウェブアクセシビリティの向上等 に向けた取組みを促進します。 〇 県が管理運営するウェブサイトの提供ページにおいて、音声読上げにより認識できる環境及び漢字に読み仮名のルビを表示できる環境を提供し、多様な障がい特性に応じて配慮します。        (「県のたより」の点字版・録音版の発行) 〇 幅広く県政情報を発信するため、広報紙「県のたより」の点字版・録音版(テープ・デイジー)を毎月発行し、視覚障がい者への配慮に努めます。    (県広報テレビ番組における手話付き放送) 〇 県広報テレビ番組において、ろう者の方に県政や生活に役立つ情 報等を提供するため、手話付きの放送を行います。    (知事定例会見における手話通訳) 〇 知事定例会見の動画配信において、積極的に手話普及を推進する 観点から、手話通訳を行います。    (政見放送における情報提供の充実) 〇 政見放送への手話通訳・字幕の付与、点字、音声、拡大文字又はインターネットを通じた候補者情報の提供等、ICTの進展等も踏まえながら、障がい特性に応じた選挙等に関する情報提供の充実に努めます。(再掲) (50ページ)      (災害発生時の情報伝達体制の整備) 〇 災害発生時、又は災害が発生する恐れがある場合に障がい者に対して適切に情報を伝達できるよう、民間事業者、消防機関、都道府県警察等の協力を得つつ、障がい特性に配慮した情報伝達の体制の整備を促進します。(再掲) ウ 暮らしの安全と安心 @ 防災対策の推進    (地域防災計画等の作成) 〇 障がい者や福祉関係者等の参加及び防災部局と福祉部局が連携し、地域防災計画等の作成、防災訓練の実施等の取組みを促進し、災害に強い地域づくりを進めます。 〇 障がい者の女性を含め、防災・復興の取組みでの女性への配慮を促すため、市町村地域防災計画に対して、男女共同参画の視点からの助言や、内閣府が作成した「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組み指針」等の内容を踏まえた情報を提供します。    (災害発生時の情報伝達体制の整備) 〇 災害発生時、又は災害が発生する恐れがある場合に障がい者に対して適切に情報を伝達できるよう、民間事業者、消防機関、都道府県警察等の協力を得つつ、障がい特性に配慮した情報伝達の体制の整備を促進します。    (障がい特性に応じた避難場所の確保) 〇 災害発生時に支援が必要な人を広域的に支援するため、福祉施設関係団体とのネットワークを構築するとともに、支援が必要な人の特性に応じた避難場所を確保するため、設備・体制が整った福祉施設と市町村が災害時の対応に係る協定を締結することを促進します。    (要配慮者への支援) 〇 災害発生時に配慮が必要な障がい者等に対応するため、「災害時における要配慮者支援マニュアル作成指針」を活用して、市町村における避難行動要支援者名簿や個別計画の策定、福祉避難所の指定など、要配慮者への取組みを支援します。 (51ページ) 〇 医療的ケアが必要な要配慮者の医療を確保するための体制の整備に努めます。        (土砂災害対策) 〇 自力避難の困難な障がい者等が利用する要配慮者利用施設が立地する土砂災害の恐れのある箇所において、砂防えん堤等の施設整備等及び危険な区域の明示等のハード・ソフト一体となった土砂災害対策を重点的に進めます。    (消火設備設置費用等の助成) 〇 障がい者が安心して障害福祉サービス等を利用することができるよう、建築基準法(昭和25年法律第201号)、消防法(昭和23年法律第186号)の基準に適合させるための改修費用や消火設備の設置費用の一部を助成すること等により、防火安全体制の強化を図ります。 A 防犯対策の推進    (ファックス110番等の利用促進) 〇 「ファックス110番」や「携帯電話用110番サイトシステム(仮称)」による110番通報について、その利用促進を図るとともに、事案の内容に応じ、迅速・的確に対応します。    (警察職員に対する障がい等の理解の促進) 〇 警察職員に対し障がい及び障がい者に対する理解を深めるための研修の充実に取り組むとともに、障がい者のコミュニケーションを支援するため、手話を行うことのできる警察官等の交番等への配置、コミュニケーション支援ボードの活用等を図ります。    (犯罪被害者等への支援) 〇 障がい者を含む犯罪被害者等への総合的な支援体制として、「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を運営し、犯罪被害者等からの相談に対応するとともに、犯罪被害者等の立場から適切できめ細かい支援を一元的に提供します。     (配偶者暴力及び性犯罪・性暴力被害者への支援) 〇 障がい者を含む女性に対する暴力の予防と根絶に向けた啓発を行 (52ページ) うとともに、配偶者暴力相談支援センターにおける相談を実施します。また、障がい者を含む性犯罪・性暴力の被害者に適切な支援を提供するため、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」を運営します。    (障害者支援施設等における防犯対策) 〇 障害者支援施設等を利用する障がい者が安心して生活できるように防犯に関する知識の向上を図り、対策について助言や指導を行うことで、防犯に係る点検等の取組みを促進します。      B 消費者被害の未然防止と救済    (消費者教育の推進) 〇 消費者被害を未然に防止するため、啓発リーフレットやホームページなど各種媒体を活用した情報提供を行うとともに、障がい者や障がい者を見守る方に対する講座の開催など、分かりやすい内容や手段で、障がい者等に対する消費者教育を進めます。    (見守りネットワークの構築等) 〇 「高齢者、障害者等の消費者被害防止対策連絡協議会」を開催し、障がい者団体、消費者団体、福祉関係団体、行政等、地域の多様な主体の連携した障がい者等の消費者被害未然防止を進めるとともに、市町村における消費者被害防止のための見守りネットワークの構築を支援します。    (相談支援体制等の整備) 〇 消費生活センター等におけるファックスや電子メール等での消費者相談の受付や、相談員等の障がい者理解のための研修の実施等の取組みを促進することにより、障がい者の特性に配慮した消費生活相談体制を整備します。 〇 障がい者の消費者被害の救済や未然防止・拡大防止のため、関係機関と連携した取組みを進めます。 (53ページ) エ 行政等における配慮の充実 @ 刑事事件手続き等における配慮等   (意思疎通等における配慮) 〇 被疑者あるいは被害者・参考人となった障がい者が、意思疎通等を円滑に行うことができるよう、刑事事件における手続の運用において適切に配慮します。 〇 知的障がい等によりコミュニケーションに困難を抱える被疑者等に対する取調べの録音・録画や、心理・福祉関係者の助言等の取組みを継続するとともに、さらなる検討を行います。    (矯正施設退所予定者等への支援) 〇 高齢又は障がいを有することにより、福祉の支援が必要な刑務所等の矯正施設退所予定者が、退所後、円滑に福祉サービスを受けられるよう、「神奈川県地域生活定着支援センター」において、地域における社会生活への移行、自立促進を図るための支援を保護観察所と協働で進めるなど、矯正施設退所予定者等への支援に取り組みます。(再掲) A 選挙等における配慮等    (政見放送における情報提供の充実) 〇 政見放送への手話通訳・字幕の付与、点字、音声、拡大文字又はインターネットを通じた候補者情報の提供等、ICTの進展等も踏まえながら、障がい特性に応じた選挙等に関する情報提供の充実に努めます。    (投票所のバリアフリー化等) 〇 移動に困難を抱える障がい者に配慮した投票所のバリアフリー化、障がい者の利用に配慮した投票設備の設置、投票所における投票環境の向上に努めるとともに、障がい者が自らの意思に基づき円滑に投票できるよう、代理投票の適切な実施等の取組みを県内市町村に促します。    (不在者投票の適切な実施) 〇 指定病院等における不在者投票、郵便等による不在者投票の適切な実施の促進により、選挙の公正を確保しつつ、投票所での投票が (54ページ) 困難な障がい者の投票機会を確保します。  B 行政機関等における配慮及び障がい者理解の促進等    (県における合理的配慮の徹底) 〇 県の各所属における事務・事業の実施や、窓口対応においては、障害者差別解消法、障がいを理由とする差別の解消の推進に関する基本方針に即し定めた職員対応要領に基づき、障がい者が必要とする社会的障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮の徹底を図り、必要な環境の整備を着実に進めます。(再掲) 〇 県の各所属において、特に障がい者や障がい者施策に関する情報提供及び緊急時における情報提供等を行う際には、字幕・音声等の適切な活用や、知的障がい者、精神障がい者等にも分かりやすい情報の提供に努めるなど、多様な障がい特性に応じて配慮します。(再掲) 〇 県の各所属の窓口において、手話や筆談などのコミュニケーション手段を確保するとともに、筆談可能であることを示す統一した筆談マークを掲示します。    (「県のたより」の点字版・録音版の発行) 〇 幅広く県政情報を発信するため、広報紙「県のたより」の点字版・録音版(テープ・デイジー)を毎月発行し、視覚障がい者への配慮に努めます。(再掲)    (知事定例会見における手話通訳) 〇 知事定例会見の動画配信において、積極的に手話普及を推進すべきという観点から、手話通訳を行います。(再掲)    (県職員に対する障がい等の理解の促進) 〇 障害者差別解消法の意義や趣旨について周知するなど、障がい及び障がい者に関する理解を促進するため、県職員を対象とした研修を実施します。    (ICTを始めとする新たな技術の利活用) 〇 県の各所属における行政情報の提供等に当たっては、情報アクセ (55ページ) シビリティに配慮したICTを始めとする新たな技術の利活用について検討を行い、利活用が可能なものについては積極的な導入を進めるなど、情報アクセシビリティに配慮して情報を提供します。(再掲)    (ウェブアクセシビリティ*24の向上) 〇 県の各所属において、障がい者を含むすべての人の利用しやすさに配慮した行政情報の電子的提供の充実に取り組むとともに、ウェブサイト等で情報提供を行うに当たっては、キーボードのみで操作可能な仕様の採用、動画への字幕や音声解説の付与など、総務省が作成した「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に即して対応します。  また、庁内の公的機関におけるウェブアクセシビリティの向上等 に向けた取組みを促進します。(再掲) 〇 県が管理運営するウェブサイトの提供ページにおいて、音声読上げにより認識できる環境及び漢字に読み仮名のルビを表示できる環境を提供し、多様な障がい特性に応じて配慮します。(再掲)     C 資格取得における配慮等    (資格取得における合理的配慮) 〇 資格取得等における試験の実施等に当たり、障がい者に不利が生じないよう、障がい特性に応じた合理的配慮を提供します。 (56ページ) (2)雇用・就業、経済的自立の支援 基本的な考え方 働くことは自立した生活を支える基本のひとつでもあり、一人ひとりの可能性を伸ばすことや生きがいにもつながる活動であることから、障がい者がライフステージに応じて、その人らしい働き方を選択できるよう、福祉的就労とともに、一般就労への支援の充実に取り組みます。 @ 総合的な就労支援    (関係機関との連携による就労支援) 〇 福祉、教育、医療等の場からの就労を一層推進するため、福祉部局だけでなく、労働部局や教育部局との連携の下、取組みを進めます。 〇 また、特別支援学校や障害者就業・生活支援センター、ハローワーク、就労移行支援事業所、就労定着支援事業所、相談支援事業所等の関係機関が密接に連携し、障がい者の就労及び職場定着までの一貫した支援、生活面の相談支援を実施します。また、障害者雇用促進センターが、地域の就労支援機関に対し、利用者の職業能力評価や研修を実施することで、その支援力の向上を図ります。    (事業主の障がい者雇用に対する理解促進) 〇 事業主の障がい者雇用への不安を解消するため、障害者雇用促進センターによる企業個別訪問や出前講座等において、障がい特性やトライアル雇用等の制度説明などを行い、理解促進を図ります。    (障がい者を雇用する企業に対する支援) 〇 障がい者を雇用するための環境整備等に関する国の各種助成金制度に加え、県独自に実施する補助金を活用し、障がい者を雇用する企業に対し支援します。あわせて、障害者雇用促進センターが従業員への出前講座を行うことで周囲の理解を促進するほか、社会保険労務士相談により就業規則や労務管理等に関する助言を行う等、障がい者雇用に関するノウハウの提供等に努めます。 (57ページ)    (障がいの特性に応じた職業訓練等の実施) 〇 神奈川障害者職業能力開発校における受講については、可能な限り障がい者本人の希望を尊重し、障がいの特性に応じた職業訓練や、技術革新の進展等に対応した在職者訓練等を実施します。また、民間教育訓練機関等の訓練委託先を活用し、障がい者の身近な地域において障がい者の態様に応じた多様な委託訓練を実施します。さらに、障がい者の職業能力の開発・向上の重要性に対する事業主や県民の理解を高めるための啓発に努めます。 A 経済的自立の支援    (心身障害者扶養共済制度による年金支給) 〇 障がい者の経済的自立・生活の安定を支援するため、神奈川県心身障害者扶養共済制度条例(昭和45年県条例第31号)に基づき、心身障がい者に対して年金等を支給します。    (県施設の利用料等の割引等) 〇 県が所管する施設を障がい者が利用する際には、その必要性や利用実態を踏まえながら、利用料等に対する割引・減免等の措置を講じます。      B 障がい者雇用の促進    (一般就労及び定着支援の強化) 〇 ニーズの高まる精神障がい者や発達障がい者等の就労及び定着支援体制の充実を図るため、障害者就業・生活支援センターとともに、障がい保健福祉圏域ごとの広域的な就労支援ネットワークを充実させながら、一般就労及び定着支援の強化に取り組みます。    (精神障がい者の雇用拡大と定着促進等) 〇 精神障がい者の雇用に特化した企業支援セミナーや出前講座等により精神・発達障がいに関する事業主等の理解を一層促進するとともに、精神障がい者職場指導員設置に対し補助し、精神障がい者の雇用拡大と定着促進を図ります。また、就労支援機関を対象とする研修において、医療機関との連携をテーマとするなど、就労支援機関と医療機関との連携を促進します。 (58ページ)    (法定雇用率の達成に向けた取組み) 〇 障がい者雇用ゼロ企業を始め、法定雇用率を達成していない民間企業については、障害者雇用促進センターが労働局及びハローワークと連携して個別訪問や出前講座により支援するほか、フォーラムや企業交流会を開催するなど、法定雇用率の達成に向けた取組みを進めます。  また、県においては、法定雇用率に係る事務処理誤りがあったことを踏まえ、民間企業に率先垂範して障がい者雇用を進める立場であることから、すべての機関において法定雇用率達成に向けて取り組むなど、県庁全体で障がい者雇用の促進に取り組みます。    (県における雇用の取組み) 〇 県職員の募集及び採用並びに採用後の各段階において、平等取扱いの原則*25及び合理的配慮指針*26に基づく必要な措置を行います。     〇 民間企業等への就職を目指す知的障がい者及び精神障がい者に就 労経験の機会を提供するための取組みとして、知的障がい者及び精 神障がい者を県の非常勤職員として雇用し、庁内事務の補助等を行う「チャレンジオフィス」を設置します。    (使用者による障がい者虐待の防止) 〇 神奈川労働局と連携して、使用者による障がい者虐待の防止を図ります。   C 障がい特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保    (精神障がい者の雇用拡大と定着促進等) 〇 精神障がい者の雇用に特化した企業支援セミナーや出前講座等により精神・発達障がいに関する事業主等の理解を一層促進するとともに、精神障がい者職場指導員設置に対し補助し、精神障がい者の雇用拡大と定着促進を図ります。また、就労支援機関を対象とする研修において、医療機関との連携をテーマとするなど、就労支援機関と医療機関との連携を促進します。(再掲) (59ページ)    (優先調達の推進) 〇 国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(平成24年法律第50号。以下「障害者優先調達推進法」という。)に基づき、障害者就労施設等の提供する物品・サービスの優先購入(調達)を進めます。    (農業分野での障がい者就労の支援) 〇 農業に取り組む障害者就労施設や企業等に対する情報提供、6次産業化支援等を通じて、農業分野での障がい者の就労を支援するなど農福連携を進めます。    (テレワーク*27の普及) 〇 労働者のワーク・ライフ・バランスの実現に向け、障がい者を含めた誰もが多様な働き方を選択できるよう、企業に対してICTを活用したテレワークの一層の普及を図り、時間や場所を有効活用できる柔軟な働き方を進めます。    (県立特別支援学校高等部生徒の就労機会等の拡大) 〇 県立特別支援学校高等部生徒の卒業後の就労機会等の拡大を図るため、産業現場等における実習や現場実習理解啓発パンフレットの作成とともに、障がい者雇用に精通した企業OB等の人材を社会自立支援員として各地域の拠点となる県立特別支援学校に配置し、企業開拓や面接指導、定着支援等に取り組みます。     D 福祉的就労の底上げ    (就労継続支援A型事業所への指導・支援) 〇 就労継続支援A型事業所における就労の質を向上させるため、指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例(平成25年県条例第9号)に基づき、事業所の生産活動の収支を利用者に支払う賃金の総額以上とすることなどとした取扱いを徹底します。  また、市町村等との情報共有など地域との連携により安易な事業参入の抑制を図るとともに、基準を満たさない事業所に経営改善計画の提出を求めることにより、事業所の経営状況を把握した上で必要な指導・支援を行います。 (60ページ)    (優先調達の推進) 〇 障害者優先調達推進法に基づき、障害者就労施設等の提供する物品・サービスの優先購入(調達)を進めます。(再掲)    (工賃の向上) 〇 一般就労が困難な障がい者の就労や地域で生き生きと「その人らしく暮らす」ことを支える場のひとつとなっている障害福祉サービス事業所の生産活動の充実や販路拡大のため、共同受注窓口組織の運営や共同販売会などにより、工賃の向上を図る取組みを進めます。