かながわ障害者計画 平成26年3月 目次 T かながわ障害者計画について 1 策定の背景 3ページ 2 障害者数の推移 6ページ 3 かながわ障害者計画の位置付け 8ページ 4 計画の対象期間 8ページ U 基本的な考え方 1 基本理念と基本方針 10ページ 2 8つの分野別施策の考え方 12ページ (1) 生活の支援 12ページ (2) 保健と医療 12ページ (3) 住まいとまちづくり 13ページ (4) 教育とスポーツ・文化活動 13ページ (5) 働くための支援 14ページ (6) 暮らしの安全と安心 14ページ (7) わかりやすい情報の提供 15ページ (8) 権利擁護と差別の解消 15ページ 3 8つの分野に共通する考え方 16ページ (1) 障害者の自己決定の尊重及び意思決定の支援 16ページ (2) 当事者本位の総合的な支援 16ページ (3) 障害特性等に配慮した支援 16ページ (4) アクセシビリティの向上 17ページ V 分野別施策の基本的方向 1 施策の体系図 20ページ 2 分野別施策の基本的方向 22ページ (1)生活の支援 22ページ @ 相談支援体制の構築 22ページ A 在宅サービス等の充実 26ページ B 障害児支援の充実 29ページ C サービスの質の向上等 30ページ D 人材の育成・確保 32ページ E 福祉用具の研究開発及び身体障害者補助犬の育成等 33ページ (2)保健と医療 34ページ @ 保健・医療の充実等 34ページ A 精神保健・医療の提供等 35ページ B 研究開発の推進 37ページ C 人材の育成・確保 37ページ D 疾病等の早期発見・早期治療等 37ページ (3)住まいとまちづくり 38ページ @ 住宅の確保 38ページ A 公共交通機関のバリアフリー化の推進等 39ページ B 誰もが使う施設等のバリアフリー化の推進 39ページ C 障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進 39ページ (4)教育とスポーツ・文化活動 41ページ @ インクルーシブ教育システムの構築 41ページ A 教育環境の整備 42ページ B 高等教育における支援の推進 43ページ C 文化活動・スポーツ等の振興 43ページ (5)働くための支援 45ページ @ 障害者雇用の促進 45ページ A 総合的な就労支援 46ページ B 障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保 47ページ C 福祉的就労の底上げ 48ページ D 経済的自立の支援等 48ページ (6)暮らしの安全と安心 49ページ @ 防災対策の推進 49ページ A 防犯対策の推進 50ページ B 消費者被害の未然防止と救済 50ページ (7)わかりやすい情報の提供 52ページ @ 情報通信における情報アクセシビリティの向上 52ページ A 情報提供の充実等 52ページ B 意思疎通支援の充実 53ページ C 行政情報のバリアフリー化 54ページ (8)権利擁護と差別の解消 55ページ @ 障害を理由とする差別の解消の推進 55ページ A 権利擁護の推進 55ページ B 障害者理解の促進等 57ページ C 選挙等における配慮等 57ページ W 推進体制 1 連携・協力の確保 60ページ 2 障害者理解の促進 60ページ 3 進行管理 61ページ (1ページ) T かながわ障害者計画について (2ページ) 挿絵 (3ページ) 1 策定の背景 本県では、障害の有無にかかわらず、すべての人が住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる「ともに生きる福祉社会かながわ」の実現を目指し、昭和59年3月に策定した「障害福祉長期行動計画」以降、福祉、保健・医療、教育、雇用など様々な分野における障害者に関する施策の基本となる計画を策定し、障害者施策を総合的かつ計画的に推進してまいりました。 平成16年3月に策定した「かながわ障害者計画」は、平成16年度から平成25年度までの10年間を対象に、障害者の自立と社会参加の推進及び生活力を高めるための新たな支援等を重点的施策として取り組んでまいりました。  この間、平成17年に発達障害者支援法が、平成18年には障害者自立支援法(現在の障害者総合支援法)、改正教育基本法、バリアフリー法が施行され、障害児者の福祉や教育、建築物等のバリアフリー化の総合的な施策の推進が図られました。 県は、こうした障害福祉の施策環境の変化を踏まえ、「ひとりひとりを大切にする」ことを基本的な考え方として、かながわらしい施策を展開するため、平成18年7月に「かながわの障害福祉グランドデザイン」を策定しました。 また、国では、平成18年に国際連合が採択した障害者権利条約の批准に向けた国内法の整備が進められ、平成23年に改正された障害者基本法において、障害者の定義(※1)が見直されるとともに、障害者権利条約の障害者に対する合理的配慮(※2)の概念が盛り込まれました。 さらに平成25年には、障害者基本法の基本原則を具体化した障害者差別解消法が制定され、障害者権利条約は、平成26年1月に批准されました。 その他にも障害者虐待防止法や障害者優先調達推進法、成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律等が施行されるなど、この10年の間に、障害者施策に関係する数多くの法律が制定されています。 県は、これら新たな法制度やこれまでの取組状況等を踏まえ「かながわ障害者計画」を改定し、障害者の自立と社会参加の支援等に向けた施策の一層の推進を図り、障害の有無にかかわらず、住み慣れた地域で安心して暮らすことができる「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指します。 (4ページ) ※1障害者の定義:身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」といいます。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいいます。 ※2合理的配慮:障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいいます。(障害者権利条約第2条) 【障害福祉施策に関する主な法律の施行等】 平成17年4月「発達障害者支援法」の施行 ・発達障害の定義の明確化、保健、医療、福祉、教育、雇用の分野を超えて一体的な支援を行う体制の整備など。 平成18年4月「障害者自立支援法」の施行 ・ 身体障害、知的障害、精神障害の一元化、地域生活移行の推進、就労支援、障害福祉サービス体系の再編など。 平成18年12月「バリアフリー法」の施行(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律) ・ 公共交通機関、道路、建築物、都市公園、路外駐車場を含め、障害者が利用する施設や経路を一体的にとらえた総合的なバリアフリー化の推進など。 平成18年12月「教育基本法」の全部改正 ・「教育の機会均等」に関する規定に、障害のある者が十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講ずべきことを新たに明記など。 (5ページ) 平成19年9月「障害者権利条約」に署名(障害者の権利に関する条約) ・ 障害者の人権、基本的自由の享有の確保、障害者の固有の尊厳の尊重を促進するため、障害者の権利を実現するための措置等を規定など。【平成26年1月批准】 平成23年8月「障害者基本法の一部を改正する法律」の施行  ・ 障害者権利条約の理念に沿った所要の改正。目的規定や障害者の定義の見直し、基本的施策に防災、防犯、消費者としての障害者の保護を追加など。 平成24年10月「障害者虐待防止法」の施行(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律) ・ 障害者虐待とその類型を定義。虐待を受けた障害者の保護、養護者に対する支援の措置など。 平成25年4月「障害者総合支援法」の施行(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律) ・ 障害者自立支援法を障害者総合支援法とし、障害者の範囲に難病患者等を追加。重度訪問介護の対象拡大、ケアホームのグループホームへの一元化など。【一部平成26年4月施行】 平成25年4月「障害者優先調達推進法」の施行(国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律) ・ 国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関し、障害者就労施設等の受注の機会を確保するために必要な事項等を定め、障害者就労施設等が供給する物品等に対する需要の増進を図るなど。 平成25年6月「障害者差別解消法」の成立 (障害を理由とした差別の解消の推進に関する法律) ・ 障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関事業者等における措置等を定め、障害を理由とする差別の解消を推進するなど【平成28年4月施行】 (6ページ) 2 障害者数の推移 平成25年3月31日現在で、本県における身体障害者手帳交付者数、知的障害児者把握数及び精神障害者保健福祉手帳交付者数の合計(以下「障害者数」といいます。) は、約37万4千人です。 10年前の平成16年3月31日現在の障害者数(約26万8千人)との比較では、約10万6千人増えて、1.4倍になりました。 平成25年3月31日現在の身体障害者手帳交付者数は261,835人、知的障害児者把握数は56,010人、精神障害者保健福祉手帳交付者数は56,392人で、平成25年1月1日現在の県内人口千人当たりでみると、身体障害者手帳交付者は29人、知的障害児者は6人、精神障害者保健福祉手帳交付者は6人となり、複数の手帳を併せ持つ人もいますが、県民の4.1%が何らかの障害を有していることになります。 平成30年には、平成25年3月31日現在の障害者数の約1.2倍の約45万2千人になると見込んでいます。 なお、障害者基本法における障害者の定義は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものとされています。 (県内人口を表で現しています。単位は人です。) 県内人口(※3) 平成16年1月1日8,697,720 平成20年1月1日8,910,256 平成25年1月1日(倍数は、H16.1.1との比較)9,072,533 1.0倍 平成30年(推計値)(※4)9,029,000 (身体障害者手帳交付者数、知的障害児者把握数、精神障害者保健福祉手帳交付者数を表で現しています。単位は人です。) 身体障害者手帳交付者数(※5) 平成16年3月31日213,021  平成20年3月31日235,620  平成25年3月31日(倍数は、H16.3.31との比較)261,835 1.2倍  平成30年3月31日(推計値)(※6)290,967 知的障害児者把握数(※5)  平成16年3月31日35,395 平成20年3月31日43,815 平成25年3月31日(倍数は、H16.3.31との比較)56,010 1.6倍  平成30年3月31日(推計値)(※6)71,599 精神障害者保健福祉手帳交付者数(※5) 平成16年3月31日19,982 平成20年3月31日35,490 平成25年3月31日(倍数は、H16.3.31との比較)56,392 2.8倍  平成30年3月31日(推計値)(※6)89,604  合計 平成16年3月31日268,398 平成20年3月31日314,925 平成25年3月31日(倍数は、H16.3.31との比較)374,237 1.4倍 平成30年3月31日(推計値)452,170 (7ページ) (障害者数の推移を棒グラフで現しています) 精神障害者保健福祉手帳交付者、知的障害児者、身体障害者手帳交付者の合計は、平成16年3月31日約26万人 平成20年3月31日約31万人 平成25年3月31日約37万人 平成30年3月31日(推計)45万人 ※3県内人口:神奈川県人口統計調査結果「神奈川県の人口と世帯」から抜粋しています。 ※4平成30年(推計値):県総合計画「かながわグランドデザイン」における平成30年10月1日時点の推計人口を記載しています。 ※5身体障害者手帳交付者数、知的障害児者把握数、精神障害者保健福祉手帳交付者数: ・ 平成16年3月31日現在の身体障害者手帳交付者数、知的障害児者把握数は、「平成15年度神奈川県福祉統計」から抜粋しています。 ・ 平成16年3月31日現在の精神障害者保健福祉手帳交付者数は、「精神保健福祉の現状 平成15年度版」から抜粋しています。 ・ 平成20年3月31日現在及び平成25年3月31日現在の身体障害者手帳交付者数 知的障害児者把握数、精神障害者保健福祉手帳交付者数は、「保健福祉行政の概要」から抜粋しています。 ※6平成30年3月31日(推計値):平成20年3月31日から平成25年3月31日までの伸率を、平成25年3月31日現在の人数に乗じて算出しました。 (8ページ) 3 かながわ障害者計画の位置づけ かながわ障害者計画は、障害者基本法(昭和45年 法律第84号)第11条第2項に基づき、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進するために策定するものであり、本県が講ずる障害者施策に関する基本的な計画として位置付けています。    (障害者基本法第11条第2項) 都道府県は、障害者基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における障害者の状況等を踏まえ、当該都道府県における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「都道府県障害者計画」という。)を策定しなければならない。 ※ なお、この計画は、本県の総合計画である「かながわグランドデザイン」を補完する個別計画として策定します。 4 計画の対象期間 平成26年度から平成30年度までの5年間 これまでの計画の対象期間は、国の障害者基本計画に合わせて、10年間としてきましたが、制度や経済社会情勢の変化が激しいこと、平成25年9月に策定された国の障害者基本計画(第3次)が、平成25年度から平成29年度までの概ね5年間を対象としていることから、この計画の対象期間を、平成26年度から平成30年度までの5年間としています。 (9ページ) U 基本的な考え方 (10ページ) 1基本理念と基本方針 基本理念  ひとりひとりを大切にする 障害者施策は、障害者基本法第1条に基づき、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」ことを目指して講じられる必要があります。 県が策定する「かながわ障害者計画」は、この考え方に沿って、全ての県民を対象に「ひとりひとりを大切にする」ことを基本理念として、障害者の自立及び社会参加を促進するため、障害者が自らの能力を最大限発揮できるよう支援するとともに、障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁(※7)を除去するために、県が取り組むべき施策の基本的な方向を定めています。  この基本理念は、障害者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるよう条件を整え、共に生きる社会こそノーマルな社会であるとした「ノーマライゼーション」の思想を根底にして、平成18年7月に策定した「かながわの障害福祉グランドデザイン」の基本的な考え方を継承しています。 なお、「かながわの障害福祉グランドデザイン」は、平成18年の障害者自立支援法の施行など、障害福祉の施策環境の変化を踏まえ、これまで以上に障害者の地域生活支援に焦点をあて、「かながわ障害者計画」を具体化する施策の方向性を明確にし、かながわらしい施策を展開するために策定したものです。  ※7社会的障壁:障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における様々な事柄や物、制度、慣行、観念その他一切のものをいいます。 (11ページ) 基本方針 障害の有無に関わらず、住み慣れた地域で安心して暮らすことができる「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指す。 (図の説明) 四角く囲んだ基本方針に向かって矢印が「8つの分野別施策を推進」から伸びています。 「8つの分野別施策を推進」の下には、生活の支援、保健と医療、住まいとまちづくり、教育とスポーツ・文化活動、働くための支援、暮らしの安全と安心、わかりやすい情報の提供、権利擁護と差別の解消という8つの項目があります。 県は、障害者の自立を「障害者が、自らの考えと判断により、地域社会の中で主体的に生き、自己実現を図ってゆくこと」と考えています。 かながわ障害者計画は、この考え方を踏まえ、乳幼児期から成人・高齢期にいたるまで、障害者のライフステージに応じた切れ目のない支援を実現するということを大切に、一生涯を通じて、障害の有無に関わらず、住み慣れた地域で安心して暮らすことができる「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指すことを基本方針とします。 そして、8つの分野から施策を構築し、各分野に共通する4つの考え方を基に、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を推進していきます。  (12ページ) 2 8つの分野別施策の考え方 (1)生活の支援 障害者の自立と社会参加を促進するため、ライフステージに沿った様々な生活上の課題やニーズに対応した支援体制の整備に加え、障害者の自己選択や自己決定が尊重される利用者本位の支援の促進に取り組みます。 (2)保健と医療 障害者が身近な地域において、保健・医療サービス、医学的リハビリテーション等を受けることができるよう努めます。 特に、入院中の精神障害者の退院、地域生活移行を推進するため、精神障害者が地域で暮らせる環境の整備に取り組みます。 (13ページ) (3)住まいとまちづくり 障害者の自立と社会参加を支援し、誰もが快適で暮らしやすい生活環境の整備を推進するため、障害者のための住宅の確保、建築物、公共交通機関等のバリアフリー化を推進するとともに、障害者等に配慮したまちづくりを推進します。  (4)教育とスポーツ・文化活動 障害児が、住み慣れた地域の中で必要な支援のもと、年齢や能力、障害の特性を踏まえた十分な教育を、可能な限り障害のない児童生徒と共に受けることのできるしくみを構築します。 また、障害者が文化活動、スポーツ又はレクリエーションを行うことができるような環境の整備等を推進します。 (14ページ) (5)働くための支援 働く意欲のある障害者が、その適性に応じて、能力を十分に発揮することができるよう、一般就労(※8)を希望する者にはできる限り一般就労ができるよう支援するとともに、就労継続支援B型事業(※9)等の工賃の水準が向上するような総合的な支援等を通じて、一般の企業等への就職が難しい障害者の福祉的就労の底上げを促進します。   ※8一般就労:一般の企業等に就職することや、在宅で就労することをいいます。 ※9就労継続支援B型事業:障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、企業等の事業所に雇用されることが難しい障害者に対して、働く場を提供し、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練等を行います。 (6)暮らしの安全と安心 障害者が地域社会において、安全に、安心して暮らすことができるよう、防災対策の推進、防犯対策の推進、消費者被害の未然防止と救済を図ります。 (15ページ) (7)わかりやすい情報の提供 可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段について選択の機会が確保され、意思表示やコミュニケーションを行うことができるように、情報通信における情報の利用のしやすさの向上や情報提供の充実、意思疎通支援の充実等を図ります。 (8)権利擁護と差別の解消 障害者差別解消法に基づく障害を理由とする差別の解消に取り組むとともに、障害者虐待防止法に基づく障害者虐待の防止等、障害者の権利擁護のための取組を進めます。 また、障害者が適切な配慮を受けることができるよう、障害者理解の促進に努めるとともに、障害者がその権利を円滑に行使することができるように、障害者に対して選挙等における配慮等を行います。 (16ページ) 3 8つの分野に共通する考え方 (1)障害者の自己決定の尊重及び意思決定の支援 障害者施策の策定に当たっては、障害者及び障害者の家族等の関係者の意見を聴き、その意見を尊重します。 そして、その実施に当たっては、障害者本人が自分の考えで意思決定を行うことができるよう支援します。 (2)当事者本意の総合的な支援 障害者の自己選択・自己決定が尊重され、ライフステージに応じた適切な支援を受けられるよう、福祉、保健・医療、教育、雇用等の各分野の有機的な連携のもと、施策を総合的に展開し、切れ目のない支援を行います。 (3)障害者特性等に配慮した支援 障害者施策は、性別、年齢、障害の状態、生活の実態等に応じた障害者の個別的な支援の必要性を踏まえて策定、実施します。 (17ページ) (4)アクセシビリティの向上 障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している様々な事柄や物、制度、慣行観念等の社会的障壁の除去を進め、ハード、ソフトの両面にわたる社会のバリアフリー化を推進し、施設・設備、サービス、情報、制度などの利用のしやすさの向上を図ります。 (18ページ) 挿絵です。 (19ページ) V分野別施策の基本的方向 (20ページ) 1 施策の体系図 【分野】(1)生活の支援 【分野別施策】@相談支援体制の構築 A在宅サービス等の充実 B障害児支援の充実 Cサービスの質の向上等 D人材の育成・確保 E福祉用具の研究開発及び身体障害者補助犬の育成等 【分野】(2)保健と医療 【分野別施策】@保健・医療の充実等 A精神保健・医療の提供等 B研究開発の推進 C人材の育成・確保 D疾病等の早期発見・早期治療等 【分野】(3)住まいとまちづくり 【分野別施策】@住宅の確保 A公共交通機関のバリアフリー化の推進等 B誰もが使う施設等のバリアフリー化の推進 C障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進 (21ページ)    【分野】(4)教育とスポーツ・文化活動  【分野別施策】@インクルーシブ教育システムの構築(※24)参照 A教育環境の整備 B高等教育における支援の推進 C文化活動、スポーツ等の振興 【分野】(5)働くための支援 【分野別施策】@障害者雇用の促進 A総合的な就労支援 B障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保 C福祉的就労の底上げ D経済的自立の支援等   【分野】(6)暮らしの安全と安心   【分野別施策】@防災対策の推進 A防犯対策の推進 B消費者被害の未然防止と救済 【分野】(7)わかりやすい情報の提供 【分野別施策】@情報通信における情報アクセシビリティの向上 A情報提供の充実等 B意思疎通支援の充実 C行政情報のバリアフリー化 【分野】(8)権利擁護と差別の解消 【分野別施策】@障害を理由とする差別の解消の推進 A権利擁護の推進 B障害者理解の促進等 C選挙等における配慮等 (22ページ) 2分野別施策の基本的方向 (1) 生活の支援 @ 相談支援体制の構築 ア 障害者が身近な地域で様々な相談を受けることができるよう、相談支援体制の整備を促進します。 イ 相談支援専門員が、一人ひとりの心身の状況やサービス利用の意向、家族の状況等を踏まえ、利用するサービスの種類と内容等を定めたサービス等利用計画を適切に作成できるよう支援します。 ウ 障害者が自ら選択して決定を行うことができるように、わかりやすい情報提供に努めるとともに、その意思を表明しやすいよう、意思決定のための支援を行います。 エ 障害福祉サービス等の利用を希望する障害者が、サービスの選択ができるようサービスの内容や提供事業者の情報提供の充実を図ります。 オ 障害者総合支援法に基づき、市町村が設置する基幹相談支援センター(※10)が、さらに専門的な相談に対応できるよう支援します。 ※10基幹相談支援センター:障害者の相談等を総合的に行い、地域で相談支援の中心的な役割を担う機関です。平成25年4月1日現在で、県内に12か所設置されています。 (23ページ) カ 関係機関が緊密に連携し、地域の実情に応じた障害者等への支援体制の整備について話し合いを行う場として、神奈川県障害者自立支援協議会を設置し、相談支援従事者の人材育成の方向性や、 障害者虐待の未然防止などについて検討を行います。 また、複数の市町村にまたがる5つの障害保健福祉圏域(※11)にも圏域自立支援協議会を設置し、神奈川県障害者自立支援協議会や市町村の協議会と連携して、隙間のない相談支援の体制を確保していきます。 ※11障害保健福祉圏域:保健・医療・福祉における広域的な連携を図る観点から設定した、8つの圏域をいいます。なお、横浜市、川崎市及び相模原市については、市の区域全体を1つの圏域としています。 (24ページ) (図表の説明)神奈川県の障害保健福祉圏域を地図で表しています。 上部には、神奈川県の市区町村と8つの圏域が、線で囲まれています。 その下部には、圏域ごとに、その圏域を構成する市町村名が書いてあります。 ○横浜:横浜市 ○川崎:川崎市 ○相模原:相模原市 ○横須賀・三浦:横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町 ○湘南東部:藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町 ○湘南西部:平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町 ○県央:厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村 ○県西:小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町 (25ページ) キ 相談支援の質の向上を図るため、相談支援専門員が必ず受けなければならない相談支援従事者研修の実施に加えて、相談支援従事者のスキルアップ、地域の関係機関が連携して障害者等を支援するための技術の向上、相談担当職員等の支援を行う人材の養成を図ります。 ク 成年後見制度の適正な利用を促進するため、かながわ成年後見推進センター(※12)を設置し、市町村社会福祉協議会の法人後見受任等の促進や市町村職員等研修会の実施など、利用しやすい成年後見のしくみづくりに取り組みます。 また、市町村が地域生活支援事業として実施する成年後見制度利用支援事業や成年後見制度法人後見支援事業に対して補助を行います。 ※12かながわ成年後見推進センター:身近な地域での成年後見制度の推進を目的とした県内の拠点機関として、神奈川県社会福祉協議会に委託実施しています。 ケ 発達障害児者の支援を専門的に行う発達障害者支援センター(※13)において、福祉、保健、医療、教育、雇用など様々な分野と連携して発達障害児者とその家族を支援します。 また、身近な地域で支援が受けられるよう、発達障害者支援センターを中心にした支援体制の充実を図ります。 ※13発達障害者支援センター:県では、県立中井やまゆり園に「発達障害支援センターかながわA(エース)」を設置して、県所管域(政令市を除いた地域)を対象に支援を行っています。各政令市(横浜市、川崎市、相模原市)においても、発達障害者支援センターを設置しています。 (26ページ) コ  交通事故や病気などによる脳の損傷により、理解力や判断力などの認知機能が低下する高次脳機能障害者に対する支援拠点機関として、神奈川県総合リハビリテーションセンターを位置付け、支援コーディネーターによる専門的な相談支援を行います。 サ  障害者虐待防止法に基づき障害者権利擁護センター(※14)において、職場で虐待を受けた障害者からの相談を受け付けるとともに、通報の窓口を担っている市町村からの相談に応じます。 ※14障害者権利擁護センター:神奈川県障害者権利擁護センターでは、雇用先での使用者による虐待についての相談等を行います。なお、養護者や障害者福祉施設従事者等による虐待についての相談は、各市町村の障害者虐待防止センターで行っています。 シ  同じ障害を抱えた当事者が相談に応じるピアカウンセリングの活動を支援します。 A 在宅サービス等の充実 ア 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス等の実施計画である神奈川県障害福祉計画に定めた障害福祉サービス等の見込量の確保に向け、市町村や関係機関等と連携してサービス提供体制を整備するとともに、市町村と協力して、広く情報提供を行うことなどにより、多様な事業者の参入を促進します。 (27ページ) イ 地域で生活する障害者の一人ひとりのニーズや実態に応じるとともに、介護者のレスパイト(休息)など、必要なときにサービスを利用することができるよう、短期入所の施設や設備の整備を促進します。 また、施設や病院から地域生活へ移行する障害者や、増加する特別支援学校の卒業者などの日中の活動場所の確保を促進します。 ウ 障害の特性などによりサービスを利用することが難しい場合や、急にサービスを利用することが必要になった場合に地域の中で対応できる体制づくりを目指し、市町村と協力して、障害保健福祉圏域ごとに、短期入所や居宅介護(※15)を提供できる拠点事業所を配置します。 ※15居宅介護:障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、居宅において入浴、排せつ、食事等の介護や調理、洗濯、清掃等の家事その他の生活全般にわたる援助を行います。 エ 障害者総合支援法に基づき、県が行うこととされている地域生活支援事業(※16)を推進するとともに、市町村が行う地域生活支援事業に必要な費用の一部を補助します。 また、地域の障害者の最も身近な拠り所となり、地域住民との交流の場となるように取り組んでいる地域活動支援センター(※17)に対し、市町村を通じた支援を行います。 (28ページ) ※16地域生活支援事業:都道府県が行うものと市町村が行うものがあり、都道府県は相談支援専門員の養成や盲ろう者向け通訳・介助員の養成・派遣などの広域的・専門的な事業を、市町村は移動支援や手話通訳者の派遣、日常生活用具の給付など、障害者等の身近な事業を行います。 ※17地域活動支援センター:障害者総合支援法に基づく市町村地域生活支援事業として、社会福祉法人やNPO法人等が、障害者の創作的な活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進を行う通所施設です。平成25年4月末日現在で、政令市及び中核市(横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市)を除く、県域に101か所設置されています。 オ 障害者支援施設(※18)について、質の高い「住まいの場」の支援に努めるとともに、入所者の地域での自立生活に向けた訓練や、グループホームへの入居支援、アパート等で生活するためのコーディネートなど、施設から地域生活への移行を推進するための機能を強化します。 また、施設に従事する医師や看護師による医療的支援や地域住民に対する障害者理解を促進するための地域交流事業の実施、災害時における緊急避難場所としての利用等、地域で生活する障害者を支える施設としてその活用を図ります。 ※18障害者支援施設:障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスで、その施設に入所している障害者に、主として夜間に行う入浴や食事等の介護、その他の必要な日常生活上の支援を行います。 カ 地域生活の重要な役割を担っているグループホームの新たな設置を促すことにより、障害者の地域生活への移行をより一層進めます。 (29ページ) キ 障害者や家族の高齢化、親なき後の後見的支援を要する障害者への支援を充実します。 B 障害児支援の充実 ア 障害児が、身近な地域において、子ども・子育て支援法に基づく教育・保育等を利用できるようにするための必要な支援を行います。 イ 障害児の保育所での受入れを促進するため、保育所のバリアフリー化の促進や、障害児保育を担当する保育士の専門性の向上を図るための研修等を行うとともに、幼稚園における特別支援教育を支援します。 ウ 虐待の影響などから様々な課題を抱えた、情緒障害や発達障害及び知的障害のある子どもに対し、乳幼児期、学齢期から成人にいたるまでの総合的な支援体制を構築するため、心理・医療等の専門的ケアができる入所機能を持った児童自立支援拠点を設置するとともに、児童相談所や発達障害支援センターかながわA(エース)、総合療育相談センター、総合教育センターといった県の専門機関や地域関係機関と連携して、総合的な自立支援ネットワークを構築します。 エ 障害児とその家族の地域生活を支えるため、総合療育相談センターにおいて医療、訓練、相談等に取り組むとともに、地域への巡回支援などを通じて、市町村や支援・療育機関と連携しながら、隙間のない支援を行います。 オ 児童福祉法に基づき、障害児に対して、日常生活に必要な基本的な生活習慣や他の子どもたちとの関わり方等を教える児童発達支援や、障害者総合支援法に基づく居宅介護、短期入所、障害児を一時的に預かって見守る日中一時支援(※19)などの必要な支援を、身近な地域で受けることができる体制づくりを進めます。また、障害児の年齢や成長に応じて、保育所等訪問支援及び放課後等デイサービス等の適切な支援を受けることができる体制づくりを進めます。 (30ページ) ※19日中一時支援:障害者総合支援法に基づき、障害福祉サービス事業所や学校の空き教室などで障害者の日中の活動の場を提供し、社会に適応するための日常的な訓練を行います。 カ 障害児やその家族に対し、療育についての情報提供や相談支援等を行います。 また、在宅で生活する重症心身障害児者が安心して地域で暮らせるように、短期入所や居宅介護、児童発達支援等のサービスの充実を図ります。 キ 障害の重度化・重複化や多様化を踏まえ、児童発達支援センター(※20)及び障害児入所施設の専門的機能の強化を図るとともに、地域における障害児やその家族を支える中心的な施設としての役割が担えるよう、施設の体制づくりを進めます。 また、障害児入所施設に、18歳を超えて入所している障害者が、年齢や特性に応じて必要な障害福祉サービスへの移行が円滑に進められるよう、施設の体制づくりを進めます。 ※20児童発達支援センター:児童福祉法に基づく児童福祉施設です。障害児が日々保護者の下から通い、日常生活の基本的動作の指導や集団生活への適応訓練を行います。 C サービスの質の向上等 ア 障害福祉サービス等が円滑に実施されるよう、グループホームの職員を対象とした支援技術の向上を図るための研修や、介護職員による喀痰吸引等の医療的ケアに関する研修、精神障害者ホームヘルパーの養成研修、相談支援従事者の養成・確保を推進する研修などサービス提供人材の確保と資質の向上を図ります。 (31ページ) イ 障害福祉サービス等の質の向上を図るため、「かながわ福祉サービス運営適正化委員会」の運営支援を通じ、福祉サービスに関する適切な苦情解決を推進するとともに、「かながわ福祉サービス第三者評価推進機構」と協働で福祉サービスの第三者評価の受審の促進に努めます。 (再掲(1)−@−イ) ウ 相談支援専門員が、一人ひとりの心身の状況やサービス利用の意向、家族の状況等を踏まえ、利用するサービスの種類と内容等を定めたサービス等利用計画を適切に作成できるよう支援します。 エ 福祉サービスの利用援助事業や専門相談を行う「かながわ権利擁護相談センター」(愛称「あしすと」)の運営支援を通じ、障害福祉サービス等を適切に利用するための必要な支援等を行います。 オ 必要とされる支援の度合いを示す障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方等、障害者総合支援法の実施主体である市町村が、円滑に事務を実施できるよう適切な助言を行うなどの支援に取り組みます。 カ 難病患者等に対する障害福祉サービス等の提供に当たっては、各市町村において、病状の変化や進行、福祉ニーズ等に配慮して実施されるよう理解と協力の促進を図ります。 キ サービス利用者の保護とサービスを行う事業者等の健全な育成を図るため、事業者等に対して、指定基準等に準じた事業運営を行うよう必要な指導や監査を行います。 (32ページ) D 人材の育成・確保 ア 県立保健福祉大学・大学院において、地域の保健・医療・福祉を支える質の高い人材の養成に取り組むとともに、実践教育センターなどにおける現任者教育・研修を通じて、専門的な技術及び知識を有する人材の確保と資質の向上を図ります。 また、県や関係団体からの修学資金の貸付けを通して、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、社会福祉士の確保・定着を推進します。" (再掲(1)−C−ア) イ 障害福祉サービス等が円滑に実施されるよう、グループホームの職員を対象とした支援技術の向上を図るための研修や、介護職員による喀痰吸引等の医療的ケアに関する研修、精神障害者ホームヘルパーの養成研修、相談支援従事者の養成・確保を推進する研修などサービス提供人材の確保と資質の向上を図ります。 (再掲(1)−@−キ) ウ 相談支援の質の向上を図るため、相談支援専門員が必ず受けなければならない相談支援従事者研修の実施に加えて、相談支援従事者のスキルアップ、地域の関係機関が連携して障害者等を支援するための技術の向上、相談担当職員等の支援を行う人材の養成を図ります。 エ 地域住民等のボランティア活動に対する理解を深め、その活動を支援するよう努めるとともに、人材の養成を図ります。 オ 県立高校生を対象に、福祉・介護に関する理解を深め、関心を高める取組を進めることにより、将来的な福祉・介護人材の育成を図ります。 (33ページ) E 福祉用具の研究開発及び身体障害者補助犬の育成等 ア 神奈川県総合リハビリテーションセンターにおいて福祉用具等の研究や開発を進めます。 なお、介護ロボットの介護・医療現場での円滑な導入に資するため、活用事例の蓄積や発表などを行います。 イ 車椅子や義手などの補装具の購入や修理にかかる費用に対する負担や、市町村が地域生活支援事業として行う特殊寝台などの日常生活用具支給等事業に対して補助を行います。 また、福祉用具に関する情報提供などにより、その普及を促します。 ウ 福祉用具の情報を発信している団体について広く知らせるとともに、研修を行うことによって、福祉用具に関する相談等を行う職員の資質の向上を図ります。 エ 身体障害者の自立及び社会参加の促進を図るため、「ほじょ犬」の訓練事業者に委託し、「ほじょ犬」を給付します。また、「ほじょ犬」を使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図ります。 (34ページ) (2) 保健と医療 @ 保健・医療の充実等 ア 障害者が身近な地域で医療機関にかかったり、自宅で医療がうけられるようにするために、かかりつけ医の役割の理解や定着のための普及啓発等に取り組みます。 また、難治性疾患患者や重症心身障害児者等の医療提供については、年齢や症状に応じた医療提供体制を整備していきます。 イ 市町村と連携して、障害者総合支援法に基づく自立支援医療(※21)に必要な支援等を行います。 ※21自立支援医療:障害者総合支援法に基づく制度で、心身の障害の状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療であって政令で定めたものをいいます。 ウ 県内のリハビリテーション医療の拠点施設として、神奈川リハビリテーション病院と七沢リハビリテーション病院脳血管センターの2つの病院を統合するとともに、福祉施設との連携のもと早期の社会復帰を目指したリハビリテーション医療の充実を図ります。 エ 神奈川県総合リハビリテーションセンターにおいて、骨、関節の疾患などや脊髄損傷や脳卒中による身体の麻痺、高次脳機能障害等の医学的リハビリテーションによる機能の維持、回復が見込める障害について、適切な評価、病院から地域などへの一貫した医学的リハビリテーションの提供を行います。 (35ページ) オ 障害者の家族、介護者に歯科疾患の予防や、食べる・飲み込むなどの口の働きを保ったり高めたりするための情報提供や普及啓発を行います。 また、障害者が安心して歯科医療を受けられる体制づくりを進めます。 カ 難病患者の相談支援や介護者の負担軽減を図るレスパイト事業、難病治療研究センターにおける実態把握や診断・治療法の開発を推進するなど、医療体制の充実を図ります。また、国が定める特定疾患について医療費の給付を行います。  A 精神保健・医療の提供等 ア 入院中の精神障害者の早期退院(入院期間の短縮)や地域における生活への移行を推進し、地域での受入体制がないために退院できないということがないよう、次の a 〜 d の取組を通じて、精神障害者が地域で生活できる社会資源を整備します。 a 保健福祉事務所等の相談や訪問支援を充実させ、様々な地域関係機関との連携を図ります。 b 医師、看護師等の多職種チームによる訪問支援等、地域の医療・保健・福祉等の地域関係機関による支援体制の強化を進めます。 c 入院中から住居の確保や新生活の準備等の支援を行う地域移行支援や、すでに地域生活をしている人に対し、24時間の連絡相談等の支援を行う地域定着支援の提供体制を計画的に整備するとともに、精神障害者が、ライフステージに応じて多様な住まいの場を選択し、地域にある様々なサービスを組み合わせて利用できるよう、グループホームや居宅介護などの障害福祉サービスの基盤整備を図り、地域生活への移行を支援します。 (36ページ) d 精神障害者の地域移行の取組を担う精神科医、看護職員、精神保健福祉士、心理職等について、人材育成や連携体制の構築等を図ります。 イ 精神疾患と身体疾患を合併する救急患者を円滑に受け入れるため、対応できる専門医を養成する等広域的なしくみづくりに取り組みます。 ウ 児童精神科医療については、専門医療を提供できる医療機関の促進を図るとともに、拠点の役割を担う県立こども医療センターと地域の医療機関との診療ネットワークづくりを進めます。 エ 県民一人ひとりの「心の健康づくり」の取組が進むよう、精神疾患全般の普及啓発とともに、統合失調症、うつ病、児童精神疾患、認知症等疾患別の普及啓発活動を進め、精神保健福祉センターや保健福祉事務所において市町村と連携し、こころの健康に関する相談等を継続的に行っていきます。 オ 精神疾患について、患者の状態や特性に応じた精神科病床の機能分化を進めるとともに、適切な医療の提供を確保し、患者・家族による医療機関の選択ができるよう、精神科医療に関する情報提供等の推進を図ります。 カ 医療保護入院や精神科病院に係る精神障害者の意思決定や意思の表明についての支援の在り方等に関する検討を行います。 キ 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対して、身近な地域で適切な医療や福祉のサービスが受けられるよう関係機関の連携体制を推進します。 (37ページ) B 研究開発の推進 ア 神奈川県総合リハビリテーションセンターにおいて、高次脳機能障害などに関する新しい診断方法の開発、医学的リハビリテーションの効率化、訓練プログラムの改善を図るとともに、障害者の生活機能全体の維持・回復のため、リハビリテーション技術の開発を進めます。 C 人材の育成・確保  ア 様々な場面や対象者に対応できる資質の高い看護職員の養成に努めます。 イ 県立保健福祉大学・大学院において、地域の保健・医療・福祉を支える質の高い理学療法士、作業療法士の養成等に取り組みます。また、県や関係団体からの修学資金の貸付けを通して、理学療法士、作業療法士の確保・定着を推進します。 ウ 地域において健康相談等を行う保健福祉事務所等の職員の資質の向上を図るとともに地域の保健・医療・福祉事業従事者間の連携を図ります。 エ 医療や福祉の現場で働く人々が、それぞれの専門性を生かして連携したり、人材を育成して、自宅でも医療が受けられる体制づくりを進めます。また、地域の医療機関が連携し、役割を分担するしくみを構築します。 D 疾病等の早期発見・早期治療等 ア 疾病や障害の早期発見、早期治療のため、乳幼児及び児童に対する健康診査、保健指導の適切な実施とともに、療育に知見と経験を有する医療・保健・福祉の専門職の確保を図ります。 (38ページ) (3) 住まいとまちづくり @ 住宅の確保 ア 公営住宅においては、現在ある住宅にエレベーターを付けたり、団地の中の段差をなくすことやスロープや手すりを付けるといった改良をしたり、建替えにより車椅子に対応するなど、障害者にも利用しやすい住宅への改良を可能な限り進めます。 イ 知的障害者や精神障害者などに対し、県営住宅による適切な入居支援を実施するとともに、市町村や関係機関と連携して、入居後の適切な居住支援を図ります。 ウ 住まいを見つけるのに困っている障害者が民間賃貸住宅に住むことを希望する場合に、借りる人と貸す人両方の不安をなくし、安心して貸し借りできる関係を築いていけるよう支援をします。 エ 重度障害児者の日常生活を支援するため、住宅設備改良や日常生活用具の給付にかかる費用について、市町村を通じて補助を行います。 オ 市町村による公営住宅を活用したグループホームの取組を交付金を使って支援します。 カ グループホームの設置を考える法人等に対して設置・運営に関する助言等を行い、その設置と利用の促進を図ります。 キ グループホームで生活する障害者が安心して生活できるよう、建築基準法、消防法といった法律の決まりにあわせて、防火安全体制の強化を図ります。 (39ページ) A 公共交通機関のバリアフリー化の推進等 ア 障害者が安心して外出できるよう、公共交通機関のバリアフリー化や困っている人を手助けするなど人的対応の充実を図ります。 イ 公共交通機関の旅客施設及び車両内において、障害特性に配慮した案内表示や情報提供の充実を推進します。 ウ 障害者に対する適切な対応を進めるために、交通事業者等が行う障害者理解を促進するための研修等を支援します。 B 誰もが使う施設等のバリアフリー化の推進 ア バリアフリー条例に基づき、学校、福祉施設、商業施設、運動施設など不特定多数の方が利用する公共的施設について、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう、必要な整備基準を定め、適合義務を設けることにより、バリアフリー化を促進します。 イ 県立公園において、障害者等が快適に利用できるよう、出入口や園路の段差解消やバリアフリートイレの整備など、公園施設の改良・整備を推進します。 C 障害者に配慮したまちづくりの総合的な推進 ア 公共交通機関等のバリアフリー化と連携しつつ、幅の広い歩道の整備や無電柱化等を推進します。 (40ページ) イ バリアフリー法に基づき市町村が定める重点整備地区内を中心に、歩行者等と自動車が通行する時間を分離する歩車分離式信号、専用の端末機器を所持する障害者等が交差点を通行する際、必要な情報提供や歩行者青時間の延長を行うPICS(歩行者等支援情報通信システム)(※22)等のバリアフリー対応型信号機、見やすく分かりやすい道路標識等の整備を推進します。 ※22 PICS(歩行者等支援情報通信システム):交差点の状況や安全な歩行ルートなどの情報を、音声、画像、文字などの様々な形で提供します。 ウ 障害者が道路を安全に安心して自動車を運転できるよう、信号灯器のLED 化、道路標識の高輝度化等を推進します。 エ 市街地等の生活道路における障害者等の安全な通行を確保するため、区域(ゾーン)を設定して、最高速度30km/h の区域規制、路側帯の設置・拡幅、物理的デバイス(※23)設置等の対策を効果的に組み合わせ、速度抑制や通過交通の抑制・排除を図ります。 ※23物理的デバイス:車道に凸型路面を設置したり、車道の幅を物理的に狭くするなどして車の走行速度を低減させる道路構造をいいます。 (41ページ) (4) 教育とスポーツ・文化活動 @ インクルーシブ教育システム(※24)の構築 ※24 インクルーシブ教育システム:障害者権利条約第24条において、「インクルーシブ教育システム」とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とする目的のもと、障害のある者と障害のない者が共に学ぶしくみとされています。 ア インクルーシブ教育を推進するため、障害のある児童生徒・保護者(以下「本人等」といいます。)に対する十分な情報提供のもと、本人等の意見を最大限尊重し、本人等と市町村教育委員会、学校等が、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則として、市町村教育委員会が就学先を決定するしくみを構築します。 また、以上のしくみのもと、障害のある児童生徒の発達の程度、適応の状況等に応じて、柔軟に「学びの場」を変更できることについて、関係者への周知を促します。 イ 障害のある児童生徒に対する合理的配慮については、児童生徒一人ひとりの障害の状態や教育的ニーズ等に応じて設置者・学校と本人等との間で可能な限り合意形成を図った上で決定し、提供されることが望ましいことを周知します。 ウ 必要な支援を受けながら、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある子どもに対して、教育的ニーズに最も的確に応えた指導を提供できるよう、小・中学校から高等学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校という「多様な学びの場」のそれぞれの充実を図るとともに、相互の連携を促進していきます。 エ 医療、保健、福祉等との連携のもと、幼児期を含め早期からの教育相談・就学相談を実施します。 (42ページ) オ 障害のある児童生徒に対し、可能な限り早期から成人に至るまで一貫した指導・支援ができるよう、子どもの成長記録や指導内容等に関する情報を、必要に応じて関係機関で共有・活用するとともに、保護者の参画を得つつ、医療、保健、福祉、労働等との連携のもと、個別の教育支援計画の策定・活用を促進します。カ 障害のある児童生徒への支援に関する先進的な事例の収集を行うとともに、関係者に対して情報提供を行います。 キ 障害のある児童生徒の特別支援学校の高等部や高等学校等への就学を促進するため、個別のニーズに応じた入学試験における配慮の充実を図ります。 ク 福祉、労働等との連携のもと、障害のある児童生徒の就労について、支援の充実を図ります。 A 教育環境の整備 ア 障害のある児童生徒の一人ひとりの教育的ニーズに応じた教科書を始めとする教材の提供に努めます。イ 障害のある児童生徒の視点を踏まえ、災害が発生した時に避難所となる学校施設のバリアフリー化を推進します。 ウ 障害のある児童生徒に対する指導方法に関する調査・研究を推進するとともに、研究成果の普及を図ります。 (43ページ) エ 特別支援教育に関する教職員の専門性の確保、指導力の向上を図るため、特別支援学校のセンター的機能の充実を図るとともに、小・中学校等の教員への研修の充実を図ります。 B 高等教育における支援の推進 ア 県立保健福祉大学・大学院において、障害のある学生の能力・適性、学習の成果等を適切に評価するため、大学等の入試おける適切な配慮を実施します。 イ 県立保健福祉大学・大学院において、施設のバリアフリー化の状況等に関する情報を公開します。 C 文化活動、スポーツ等の振興 ア 障害者が、文化芸術に親しみ自ら文化芸術活動を楽しむことができるよう、文化芸術団体と協力しながら、文化芸術機会の提供や自らが文化芸術活動を楽しむための取組を推進するとともに、文化施設のバリアフリー化や利用サービスの向上に努めます。 イ 障害者等が円滑にスポーツ又はレクリエーションを行うことができるよう、また、県立文化施設における文化芸術活動の公演・展示、県立の博物館・美術館における展示等において、障害者のニーズに応じた工夫・配慮が提供されるよう努めます。 ウ スポーツ、レクリエーション活動を通じて、障害者等の体力の強化、交流、自由時間の活用等に役立てるとともに、障害者スポーツを普及させるためスポーツ指導員の養成やスポーツ大会の開催などのスポーツを推進する取組を行います。 (44ページ) エ テレビ番組等の著作権処理を委託して実施することにより、効率的に字幕番組を製作し、聴覚障害者情報提供施設において貸出しを行います。 (45ページ) (5) 働くための支援 @ 障害者雇用の促進 ア 障害者雇用促進法では、事業主は障害者を従業員の一定割合(法定雇用率)に相当する人数を雇用しなければならないとしています。この障害者雇用率制度に基づき、引き続き、障害者雇用の促進を図ります。 イ 平成25年の障害者雇用促進法の改正により、法定雇用率の算定基礎に、従来の身体障害者、知的障害者に加え、新たに精神障害者が加わる(平成30年4月施行)ことも踏まえ、精神障害者の雇用の促進のための取組を進めます。 ウ 法定雇用率を達成していない民間企業等へ障害者雇用の理解促進のため普及啓発を行い、法定雇用率の達成に向けた取組を進めます。 エ 一般企業等への就職につなげることを目的として、精神障害者等のチャレンジ雇用(※25)を実施します。 ※25 チャレンジ雇用:精神障害者等を非常勤職員として雇用し、1から3年の業務の経験を積んだ後、ハローワーク等を通じて一般企業等への就職の実現を図ることを目的としています。 オ 障害者虐待防止法に基づく障害者権利擁護センターにおいて、職場で虐待を受けた障害者からの相談を受け付けます。 また、関係者を対象とした研修会を開催して、障害者への虐待の未然防止、早期発見に努めます。 (46ページ) カ 雇用分野における障害者に対する差別の禁止等の措置(合理的配慮の提供義務)が新たに規定された改正障害者雇用促進法(平成28年4月施行)に基づき、障害者と健常者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者の有する能力の有効な発揮を図ります。" A 総合的な就労支援 ア 福祉、教育、医療等から雇用への一層の推進のため、神奈川県障害者就労相談センターにおいて、ハローワークや神奈川障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターをはじめとする地域の関係機関と密接に連携して、職場実習の推進や雇用前の雇入れ支援から雇用後の職場定着支援までの一貫した支援を実施します。 イ 障害者を雇用するための環境整備等に関する各種助成金制度を紹介し、障害者を雇用する企業に対する支援を行います。あわせて、障害者雇用に関するノウハウの提供等に努めます。 ウ 障害者の身近な地域における雇用、保健福祉、教育等の関係機関の連携拠点である障害者就業・生活支援センターにおいて、就業面及び生活面からの一体的な相談支援を実施します。 エ 神奈川障害者職業能力開発校において、働くことを希望する障害者に対して、障害の特性に応じた職業訓練と就職支援を行うとともに、在職中の方のスキルアップを支援する訓練を実施します。 また、専門学校やNPO法人、企業などに委託することで、障害者の身近な地域で個々の障害の状況に配慮しながら訓練を実施します。 (47ページ) オ 障害者の雇用に取り組む企業、地域の就労支援機関、特別支援学校などと意見や情報の交換を行いながら、障害者の就労につながる職業訓練を推進します。 また、働く能力を導きだし、スキルアップすることの重要性について、事業主や県民の理解が高まるよう、啓発に努めます。 カ 一般就労をより促進するため、就労移行支援事業所等において、積極的な企業での実習や求職活動の支援(施設外支援)等の促進を図ります。 B 障害特性に応じた就労支援及び多様な就業の機会の確保 ア 就労支援に当たっては、精神障害、発達障害等の障害の特性に応じた支援を進めます。 イ 精神障害に関する事業主等の理解を一層促進するとともに、精神障害の特性に応じた支援の充実・強化を通じて、精神障害者の雇用拡大を図ります。 また、精神障害者に対する就労支援に当たっては、就労支援機関が医療機関等と連携を図ります。 ウ 短時間労働や在宅就業など、障害者の多様な働き方の普及啓発を進めます。 エ 障害者優先調達推進法に基づき、市町村や地方独立行政法人等と連携して、障害者就労施設等の提供する物品・サービスの優先購入(調達)を推進します。 (再掲(4)−@−ク) オ 福祉、労働等との連携のもと、障害のある児童生徒の就労について、支援の充実を図ります。 (48ページ) C 福祉的就労の底上げ ア 就労継続支援B型事業所等における工賃の向上を図るため、事業所の経営力強化に向けた支援、共同受注化の推進等、官民一体となった取組を推進します。 (再掲(5)−B−エ) イ 障害者優先調達推進法に基づき、市町村や地方独立行政法人等と連携して、障害者就労施設等の提供する物品・サービスの優先購入(調達)を推進します。 D 経済的自立の支援等 ア 障害者の経済的自立・生活の安定を支援するため、神奈川県心身障害者扶養共済制度条例に基づき、心身障害者に対して年金等を支給します。 また、在宅の重度障害等の福祉の増進を図るため、重度の障害を重複して有する方等に対して手当を支給します。 イ 障害者による県が所有・管理する施設の利用等に当たり、その必要性や利用実態を踏まえながら、利用料等に対する割引・減免等の措置を講じます。 (49ページ) (6) 暮らしの安全と安心 @ 防災対策の推進 ア 障害者や福祉関係者等の参加及び防災関係部局と福祉関係部局の連携のもとでの地域防災計画等の作成、防災訓練の実施等の取組を促進し、災害に強い地域づくりを推進します。 イ 自力避難の困難な高齢者、障害者等が利用する災害時要援護者施設を、がけ崩れ等の土砂災害から守るため、防災対策を積極的に推進します。 ウ 災害発生時、または災害が発生するおそれがある場合に、避難行動要支援者名簿等を活用した障害者に対する適切な避難支援や、その後の安否確認を行うことができるよう、市町村における必要な体制整備を促進します。 エ 県及び市町村は、地震等災害発生時に災害時要援護者の避難誘導、救助を優先して行います。 オ 県及び市町村は、避難誘導、避難所での生活環境の確保、応急仮設住宅への入居にあたっては高齢者、障害者等に十分配慮します。特に福祉避難所の指定、高齢者、障害者等の避難所での健康状態の把握、応急仮設住宅への優先入居、福祉仮設住宅の設置等に努めるとともに、高齢者、障害者等に向けた情報の提供についても十分配慮します。 カ 民間社会福祉施設における防災対策を推進するとともに、県及び市町村は、高齢者、障害者等の生活を確保するため、社会福祉施設や県立特別支援学校等の活用、福祉避難所の指定、病院、診療所、保健所等における高齢者、障害者等の支援システムの整備、応急仮設住宅の優先入居に努めます。 (50ページ) キ 人工透析患者の医療が確保できるように、災害時における医療支援体制の整備に努めます。 A 防犯対策の推進 ア 言語、聴覚に障害のある方などが通報しやすいよう、ファックスやインターネットによる緊急通報について、その利用の促進を図るとともに、事案の内容に応じた迅速・適切な対応を行います。 イ 警察職員に対し障害及び障害者に対する理解を深めるための研修の充実に取り組むとともに、コミュニケーション支援ボードの活用等、障害者のコミュニケーションを支援するための取組に努めます。 ウ 警察と行政等との連携の促進等により、障害者に関わる犯罪の発生と被害の防止、犯罪被害の早期発見に努めます。 エ 犯罪被害者等への総合的な支援体制として、「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を運営し、犯罪被害者等からの相談に対応するとともに、犯罪被害者等の立場に立った適切できめ細かい支援を一元的に提供します。 B 消費者被害の未然防止と救済 ア 障害者団体、消費者団体、福祉関係団体、行政等の連携を図るため、関係機関による「高齢者・障害者等の消費者被害防止対策連絡協議会」を開催し、幅広い取組による障害者等の消費者被害未然防止を図ります。 (51ページ) イ 県の消費生活センターにおけるメール相談の実施や、相談員等の障害者理解のための研修の実施等に取り組むことにより、障害者の特性に配慮した消費生活相談体制の整備を図ります。 ウ 悪質な訪問販売等による消費者への被害を未然に防止するため、啓発リーフレットやホームページなど各種媒体を活用した情報提供及び障害者や障害者を見守る方に対する講座の開催など、わかりやすい内容や手段で、障害者等に対する消費者教育を推進します。 (52ページ) (7) わかりやすい情報の提供 @ 情報通信における情報アクセシビリティの向上 ア 障害者等に対応したIT機器やソフトウェアの情報を提供するとともに、ITに係る相談について、支援者の紹介等により、障害者の社会参加を促進します。また、障害者のパソコン利用を支援するボランティアを養成します。 A 情報提供の充実等 (再掲(1)−@−エ) ア 障害福祉サービス等の利用を希望する障害者が、サービスの選択ができるようサービス内容や提供事業者の情報提供の充実を図ります。 イ 視覚障害者の社会的自立を促進するため、ライトセンターにおいて、点字・録音等による情報の提供、相談指導、訓練及びスポーツの振興並びにボランティア活動の振興、育成を図ります。 ウ 聴覚障害者の社会的自立を促進するため、聴覚障害者福祉センターにおいて、各種の指導、訓練及び日常生活に必要な情報の提供を行うとともに、手話通訳者・要約筆記者の養成・派遣等を行います。 (再掲(4)−C−エ) エ テレビ番組等の著作権処理を委託して実施することにより、効率的に字幕番組を製作し、聴覚障害者情報提供施設において貸出しを行います。 (53ページ) B 意思疎通支援の充実 ア 地域生活支援事業として、市町村が手話通訳者や要約筆記者の派遣等を行うコミュニケーション支援事業のために必要な専門人材を確保するため、一定水準に達した手話通訳経験者を対象とした手話通訳者の養成及び現任研修事業を実施するとともに、要約筆記者の養成を行います。 イ 視覚障害と聴覚障害が重複している盲ろう者の通訳・介助員派遣事業を担う通訳・介助員を養成するとともに、養成した通訳・介助員のスキルアップのための現任研修事業を実施します。 また、盲ろう者に通訳・介助員を派遣してコミュニケーション及び移動等の支援を行うことにより、盲ろう者の自立と社会参加を促進します。 ウ 聴覚障害者等が県庁及びその周辺の県機関に来庁した際のコミュニケーションを円滑に行うために手話通訳者を設置します。 (再掲(7)−@−ア) エ 障害者等に対応したIT機器やソフトウェアの情報を提供するとともに、ITに係る相談について、支援者の紹介等により、障害者の社会参加を促進します。また、障害者のパソコン利用を支援するボランティアを養成します。 オ 意思疎通に困難を抱える人が自分の意思や要求を的確に伝え、正しく理解してもらうことを支援するためのルビ振りやイラスト、絵記号等利用の促進に努めます。 (再掲(1)−@−ウ) カ 障害者が自ら選択して決定を行うことができるように、わかりやすい情報提供に努めるとともに、その意思を表明しやすいよう、意思決定のための支援を行います。 (54ページ) C 行政情報のバリアフリー化 ア 県がホームページなど情報通信技術を使って提供する情報を誰もがどこからでも利用できるように、「神奈川県情報バリアフリーガイドライン」に基づき、情報バリアフリーの取組を進めます。 イ 政見放送への手話通訳・字幕の付与、点字又は音声による候補者情報の提供等、情報通信技術の進展等も踏まえながら、障害特性に応じた選挙等に関する情報の提供に努めます。 (55ページ) (8) 権利擁護と差別の解消 @ 障害を理由とする差別の解消の推進 ア 平成28年4月の障害者差別解消法の円滑な施行に向け、同法に規定される基本方針に基づき、法の趣旨・目的等に関する効果的な広報啓発活動、相談・紛争解決体制の整備等に取り組みます。 また、同法の施行後において、同法に規定される基本方針に基づき、同法の適切な運用及び障害を理由とする差別の解消の推進に取り組みます。 (再掲(5)−@−カ) イ 雇用分野における障害者に対する差別の禁止等の措置(合理的配慮の提供義務)が新たに規定された改正障害者雇用促進法(平成28年4月施行)に基づき、障害者と健常者との均等な機会及び待遇の確保並びに障害者の有する能力の有効な発揮を図ります。 A 権利擁護の推進 (再掲(1)−@−サ) ア 障害者虐待防止法に基づき障害者権利擁護センターにおいて、職場で虐待を受けた障害者からの相談を受け付けるとともに、通報の窓口を担っている市町村からの相談に応じます。 (再掲(1)−@−ク) イ 成年後見制度の適正な利用を促進するため、かながわ成年後見推進センターを設置し、市町村社会福祉協議会の法人後見受任等の促進や市町村職員等研修会の実施など、利用しやすい成年後見のしくみづくりに取り組みます。また、市町村が地域生活支援事業として実施する成年後見制度利用支援事業や成年後見制度法人後見支援事業に対して補助を行います。 (56ページ) ウ 当事者等により実施される障害者の権利擁護のための取組を支援します。 (再掲(6)−A−エ) エ 犯罪被害者等への総合的な支援体制として、「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を運営し、犯罪被害者等からの相談に対応するとともに、犯罪被害者等の立場に立った適切できめ細かい支援を一元的に提供します。 オ 被疑者あるいは被告人となった障害者がその権利を円滑に行使することができるよう、刑事事件における手続の運用において、障害者の意思疎通等に関して適切な配慮を行います。 カ 矯正施設(※26)に入所する累犯障害者(※27)等の円滑な社会復帰を促進するため、地域生活定着支援センターにおいて、保護観察所(※28)等の関係機関と連携のもと、矯正施設に入所する累犯障害者等が出所等後に必要な福祉サービスを受けるための支援を行います。 ※26矯正施設:刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院の総称です。 ※27累犯障害者:犯罪を繰り返す障害者 ※28保護観察所:法務大臣のもとに各地方裁判所の所在地ごとに設置される機関。保護観察や犯罪予防のための世論の啓発指導などを行います。 (57ページ) B 障害者理解の促進等  ア 障害及び障害者に関する県民の理解を促進し、障害者の自立と社会参加を支援します。 イ 県職員等に対する障害者に関する理解を促進するため必要な研修や周知等を実施し、窓口等における障害者への配慮の徹底を図ります。 ウ 事務・事業の実施に当たっては、障害者差別解消法に基づき、障害者が必要とする社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を行います。 (再掲(7)−C−ア) エ 県がホームページなど情報通信技術を使って提供する情報を誰もがどこからでも利用できるように、「神奈川県情報バリアフリーガイドライン」に基づき、情報バリアフリーの取組を進めます。 C 選挙等における配慮等 (再掲(7)−C−イ) ア 政見放送への手話通訳・字幕の付与、点字又は音声による候補者情報の提供等、情報通信技術の進展等も踏まえながら、障害特性に応じた選挙等に関する情報の提供に努めます。 イ 移動に困難を抱える障害者に配慮した投票所のバリアフリー化、障害者の利用に配慮した投票設備の設置等、投票所における投票環境の向上に努めるとともに、成年被後見人の選挙権の回復等を行う公職選挙法の改正を踏まえ、判断能力が不十分な障害者が自らの意思に基づき円滑に投票できるよう、代理投票の適切な実施等の取組を県内市区町村に促します。 (58ページ) ウ 指定病院等における不在者投票、郵便等による不在者投票の適切な実施の促進により、選挙の公正を確保しつつ、投票所での投票が困難な障害者の投票機会の確保に努めます。 (59ページ) W 推進体制 (60ページ) 1 連携・協力の確保 本県の障害者施策を一体的に推進し、総合的な企画立案及び横断的な調整を確保するため、福祉21推進会議のもと、関係部局相互間の緊密な連携・協力を図ります。 また、障害者計画は県の障害者施策の基本的方向を定めるものではあるものの、その着実な実施及び推進には、市町村等との連携・協力が必要不可欠であることから、市町村等との連携・協力体制の一層の強化を図ります。 障害者の自立と社会参加に関する様々な取組の実施に当たっては、障害者団体、施設・事業者等の団体、企業、経済団体等の協力を得るよう努めます。 2 障害者理解の促進 障害者施策は幅広い人々の理解を得ながら進めていくことが重要であり、障害者基本法に定められた障害者週間(毎年12月3日から9日まで)における各種行事を中心に、一般市民、ボランティア団体、障害者団体など幅広い層の参加による啓発活動を推進します。 また、障害者が自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性について県民の理解を深め、誰もが障害者等に自然に手助けすることのできる「心のバリアフリー」を推進するほか、障害及び障害者に対する理解を促進するための取組を進めます。 (61ページ) 3 進行管理 計画の進行管理については、各年度において、神奈川県障害者施策審議会に取組状況を報告し、点検・評価を受けることとします。