(28ページ) 2 誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み (1)意思決定支援の推進と地域生活移行の支援 基本的な考え方 2017(平成29)年10月に策定した「津久井やまゆり園再生基本構想」に掲げている「利用者の意思決定支援」や「地域生活移行支援」等の再生に向けた取組みを県全体に広げていきます。 意思決定支援については、2017(平成29)年3月に厚生労働省が作成した「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」を参考に、現在、津久井やまゆり園の利用者の意思決定支援に取り組んでおり、今後は、こうした取組みを全県に広めていくために、相談支援体制の構築や意思決定支援ガイドラインの普及を図ります。 また、地域生活移行支援については、重度の障がい者であっても、家族関係を含めた障がい者本人の環境や、これまでの生活史を手がかりとした、本人の意思決定を尊重し、多様な地域生活の場を選択できる社会資源の整備に取り組みます。 @ 意思決定支援の推進    (意思決定支援の推進) 〇 障がい者一人ひとりには、それぞれに尊重されるべき意思があります。自らの意思を決定したり、表明することが困難な障がい者の意思を尊重するため、津久井やまゆり園での取組みを踏まえつつ、県全体において、障がい者一人ひとりの選択に基づく生活を実現していくため、意思決定支援や相談支援体制の充実に取り組みます。 〇 意思決定支援を進めていくためには、ご家族や施設職員など障がい者を支える方々のさらなる理解が必要となるため、意思決定支援の意義や内容について説明する機会を設け、厚生労働省が作成した「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」の普及を図るなど、積極的な啓発活動を行います。 (29ページ)    (成年後見制度の利用促進) 〇 成年後見制度の適正な利用を促進するため、必要な経費について助成を行うとともに、かながわ成年後見推進センターを設置し、市町村社会福祉協議会の法人後見受任等の促進や市町村職員等研修会の実施など、利用しやすい成年後見のしくみづくりに取り組みます。  また、どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるよう、市町村における権利擁護支援の地域連携ネットワーク及び中核機関の整備に対し、必要に応じて支援します。(再掲)    A 相談支援体制の構築    (相談支援体制の整備) 〇 相談支援事業所や相談支援専門員*4の質及び数を充実させ、様々な障がい種別、年齢、性別、状態やサービス利用の意向、ご家族の意向等を踏まえたサービス等利用計画案の作成等、当事者に必要な適切な支援ができるよう各種研修を実施するなど、障がい者が身近な地域で相談支援を受けることができる体制を整備します。    (基幹相談支援センターの設置促進) 〇 相談支援事業者への専門的指導や人材育成、障がい者等の相談等を総合的に行い、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターの必要性を周知することなどにより、設置を促進します。    (障害者自立支援協議会*5の設置促進) 〇 障害者自立支援協議会の設置を促進し、その運営の活性化を図ることにより、当事者参画を促進するとともに、関係機関の連携を緊密化し、地域の実情に応じた相談支援体制を整備します。    (発達障がい児者への支援体制の構築) 〇 地域の医療、保健、福祉、教育、雇用等の様々な関係者による発達障害者支援地域協議会で地域の課題等を協議するとともに、発達障害者支援センター等において、身近な地域で支援が受けられるよう、様々な分野と連携し、発達障がい児者とその家族を支援します。 (30ページ)    (高次脳機能障がい*11児者への支援体制の構築) 〇 高次脳機能障がい児者への支援に関する取組みを普及定着させるため、高次脳機能障害支援拠点機関に支援コーディネーターを配置し、専門的な相談支援、関係機関との支援ネットワークの充実、高次脳機能障がいの正しい理解を促進するための普及・啓発、支援手法等に関する研修等を行い、相談支援体制の確立を図ります。    (難病患者への支援体制の構築) 〇 難病患者の療養上、日常生活上での悩みや不安等の解消を図るとともに、難病患者の様々なニーズに対応したきめ細やかな相談や支援を通じて地域における難病患者支援対策を推進するため、かながわ難病相談支援センターを中心とした様々な関係者間で連携し、地域で生活する難病患者の日常生活における相談・支援や地域交流活動の促進を図ります。(再掲)    (障がい者虐待の防止) 〇 障害者虐待防止法に関する積極的な広報・啓発活動を行うとともに、市町村や神奈川労働局など関係機関と連携した障害者虐待防止法の適切な運用を通じ、障がい者虐待の相談支援専門員*4等による未然防止、相談等の支援に取り組みます。(再掲)    (配偶者暴力及び性犯罪・性暴力被害者への支援) 〇 障がい者を含む女性に対する暴力の予防と根絶に向けた啓発を行うとともに、配偶者暴力相談支援センターにおける相談を実施します。また、障がい者を含む性犯罪・性暴力の被害者に適切な支援を提供するため、かながわ性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センター「かならいん」を運営します。(再掲)    (盲ろう者支援センター(仮称)の設置) 〇 視覚と聴覚の両方に障がいがあるために、コミュニケーションを とることが難しく、自らどのような支援が必要か訴えることが難しい盲ろう者に対し、それぞれの方に適したコミュニケーション方法で的確にニーズを受け止め、必要な支援につなげ、また、盲ろう者の社会参加を推進するため、盲ろう者支援センター(仮称)を設置します。 (31ページ)      (ピアカウンセリング*9等の拡充) 〇 障がい者・家族同士が行う援助としてのピア(当事者)サポーター*9の育成を行うとともに、そのさらなる周知に努めます。また、ピアカウンセリング、ピアサポート*9等の有効かつ重要な手段である当事者等による相談活動のさらなる周知及び拡充を図ります。     B 地域生活移行支援の充実    (地域生活移行支援の充実) 〇 障がい者本人が、自らどこで誰と生活するか決定し、地域生活を希望する方が地域で暮らす環境を整備することは大切です。  県は、重度の障がい者であっても、本人の意思を可能な限り反映した生活の場を選択できるよう、複数の選択肢を用意し、地域生活への移行を支援します。    (グループホームの整備促進等) 〇 障がい者の地域における居住の場の一つとして、多様な形態のグループホームの整備を促進し、重度障がい者にも対応できる支援体制の充実を図ります。また、地域生活への移行や住み慣れた地域での生活の継続に対する障がい当事者やご家族等の不安を解消するため、体験的な利用の促進等により住まいの場の選択肢の拡大に努めます。   ○ 障害者グループホーム等サポートセンター事業やグループホーム等の運営費補助等の支援などを通じ、市町村と協力して、グループホームの設置・利用の促進とサービスの充実を継続して図ります。多様なニーズを持つ障がい者の地域生活移行を支援するとともに、特に、課題である重度の障がい者の受入れが可能なグループホームの整備支援に取り組みます。     ○ 強度行動障がい*13などの手厚い支援が必要な障がい者を受け入れて支援しているグループホームに対して指導・助言を行うしくみづくりに取り組みます。    (地域生活を支えるサービス等の充実) 〇 地域相談支援(地域生活移行支援・地域定着支援)の提供体制の充実を図るとともに、居宅介護など訪問系サービスの充実や、精神障 (32ページ) がい者の特性を理解したホームヘルパーの養成及び質の向上を図ります。    (精神障がい者の地域生活移行の促進) 〇 精神障がい者の地域生活移行の取組みを担う精神科医、看護職員、精神保健福祉士、公認心理師等について、人材育成や連携体制の構築を図ります。(再掲) 〇 長期入院をしている精神障がい者の地域生活移行を促進するため、ピア*9(当事者)による病院訪問等を通じた長期入院患者への退院意欲喚起や、病院職員や支援関係者、地域住民等に向けた地域生活移行や障がい理解の普及啓発を充実させます。    (精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築) 〇 また、精神障がい者が地域の一員として安心して暮らすことができるよう、医療、障がい福祉、介護、住まい、社会参加などが包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」を目指します。 (33ページ) (2)障がい者の地域生活を支える福祉・医療サービスの充実 基本的な考え方 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、在宅サービスの充実や、重度障がい者も受入れが可能なグループホーム等の整備を図ります。また、医療的ケア児*1等に対する支援体制や精神障がいにも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けた、福祉、医療、教育等の各分野の連携促進に努めます。 @ 在宅サービス等の充実    (地域生活支援拠点等*12の整備) 〇 地域で生活する障がい者の支援を進めるために、各市町村の地域生活支援拠点等の整備状況を把握するとともに、整備が進んでいる市町村の情報など、整備に有効な情報提供を行います。また、単独で地域生活支援拠点等の整備が困難な市町村に対しては、市町村間での必要な調整の支援を行うための協議の場の設置等を支援します。    (在宅サービス等の充実) 〇 障がい者の意思に基づき、家族の高齢化や親が亡くなった後も地域で生活できるよう、個々の障がい者のニーズ及び実態に応じて、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護や、新たなサービスである自立生活援助等の支援を行うとともに、短期入所及び日中活動の場の確保等により、在宅サービスの量的・質的充実を図ります。    (医療型短期入所等の整備) 〇 常時介護を必要とする障がい者が、自らが選択する地域で生活できるよう、日中及び夜間における医療的ケアを含む支援の充実を図るとともに、体調の変化・支援者の状況等に応じて一時的に利用することができる医療型短期入所などの整備を進めます。    (自立訓練サービスの充実) 〇 障がい者の身体機能又は生活能力の向上を目的として、利用者の障がい特性に応じた専門職員による自立訓練(機能訓練、生活訓練)を、身近な地域の事業所において受けられるよう、障害福祉サービ (34ページ) ス事業所の量的・質的充実を図ります。    (日常生活支援の充実) 〇 市町村が実施する外出のための移動支援、創作的活動や生産活動の機会を提供するとともに、日常生活に必要な便宜を供与する地域活動支援センターの機能の充実を図り、障がい者の豊かな地域生活を支援します。    (グループホームの整備促進等) 〇 障がい者の地域における居住の場の一つとして、多様な形態のグループホームの整備を促進し、重度障がい者にも対応できる支援体制の充実を図ります。また、地域生活への移行や住み慣れた地域での生活の継続に対する障がい当事者やご家族等の不安を解消するため、体験的な利用の促進等により住まいの場の選択肢の拡大に努めます。(再掲)    (精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築) 〇 精神障がい者が地域の一員として安心して暮らすことができるよう、保健・医療・福祉関係者による協議の場を県の各保健福祉事務所・同センター及び市が設置する保健所等に平成32年度末までに設置し、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を進めます。    (障害者支援施設における地域生活支援機能の充実強化) 〇 障害者支援施設においては、医療的ケアや強度行動障がい*13など、専門性の高い入所支援機能に加え、短期入所や相談支援など、専門的支援力を活かして地域生活を支える拠点機能を充実強化します。     A 障がい児に対する支援の充実    (児童発達支援等の提供) 〇 障がい児に対して指導訓練等の支援を行う児童発達支援等を提供するとともに、居宅介護、短期入所等を提供し、障がい児が身近な地域で必要な支援を受けられる体制の充実を図ります。 (35ページ) 〇 また、障がい児の発達段階に応じて、保育所等訪問支援及び放課後等デイサービス等の適切な支援を提供します。    (障害児入所施設における加齢児のサービス移行) 〇 障害児入所施設に18歳を超えて入所している障がい者が必要な障害福祉サービスへの移行が円滑に進められるよう取り組みます。    (医療的ケア児*2への支援) 〇 医療的ケア児については、地域において包括的な支援が受けられるように、保健・医療・福祉・保育・教育等の関係機関の連携を図ります。    (重症心身障害児の在宅生活支援) 〇 障がい児やその家族に、在宅生活における情報提供や相談支援等を行うとともに、在宅で生活する重症心身障害児について、専門的な支援の体制を備えた短期入所や居宅介護、児童発達支援等、在宅支援の充実を図ります。    (中核的支援施設等の専門的機能の強化と関係機関との連携) 〇 児童発達支援センター及び障害児入所施設について、障がいの重度化・重複化や多様化を踏まえ、その専門的機能の強化を図るとともに、これらの機関を地域における中核的支援施設と位置付け、地域の事業所等との連携を図ります。 〇 県立子ども自立生活支援センター(きらり)において、乳幼児期、学齢期等子どもの発達に合わせた心理・医療等の専門的ケアを行います。 〇 障がい児とその家族の地域生活を支えるため、総合療育相談センターにおいて医療、訓練、相談等に取り組むとともに、地域への巡回支援などを通じて、市町村や支援・療育機関と連携しながら、切れ目なく支援します。    (障がい児保育等を担当する人材の確保・育成) 〇 保育所における障がい児の受入れを促進するために、障がい児保育を担当する職員の確保や専門性向上を図るための研修を実施しま (36ページ) す。 〇 放課後児童クラブにおける障がい児の受入れを促進するために、障がい児の受入れに必要な専門知識等を有する支援員等の確保や施設・設備の整備、修繕等の支援に取り組みます。    (教育機関等との情報共有) 〇 障がい児が成長過程に応じた切れ目のない支援が受けられるよう、発達障害サポートネットワーク推進協議会等の協議の場を活用し、教育機関等との情報共有のあり方等について検討を進めながら障がい児の支援体制の充実を図ります。    (障がい児等への給付) 〇 子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)に基づく子ども・子育て支援給付や、障がい児やその家族を含め、支援を必要とする子育て家庭を対象として、障害児福祉手当、特別児童扶養手当を支給します。 B 障害福祉サービスの質の向上等    (障害福祉サービスの質の向上) 〇 障害福祉サービスが円滑に実施されるよう、サービス提供者や、その指導を行う者を養成し事業所等への配置を促進します。また、相談支援専門員*4の養成のため初任者研修や現任研修等を実施し、相談支援体制を充実強化します。    (障害福祉サービス従事者に対する研修) 〇 障害福祉サービス事業所の職員が、共生社会の理念を理解し、障がい者やその家族の意思を尊重しながら必要な支援を行うことができるよう、差別解消や虐待防止への理解、障がい特性に応じた支援技術などの研修の実施等を進めます。    (意思決定支援の推進と啓発) 〇  障がい者一人ひとりの選択に基づく生活を実現していくため、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」に基づく意思決定支援を進めるとともに、ご家族や施設職員など障がい者を支える方々のさらなる理解を深めるため、意思決定支援の意 (37ページ) 義や内容について説明する機会を設けるなど、積極的な啓発活動を行います。(再掲)    (発達障がいの診療・支援ができる人材の養成) 〇 発達障がいの早期発見、早期支援の重要性に鑑み、発達障がいの診療・支援ができる医師の養成及び地域のかかりつけ医師の発達障がい対応力の向上を図るとともに、県内各地域に発達障害者地域支援マネージャー*10を配置し、関係機関を支援します。(再掲)    (障害福祉サービス等情報公表の促進) 〇 障害福祉サービス等を提供する事業者に対する適切な苦情解決の推進、事業者に対する第三者評価の受審及び評価結果の公表の促進等に努めます。また、障害福祉サービス等情報公表制度の活用により、障害福祉サービス等を利用する障がい者等が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるようにするとともに、事業者によるサービスの質の向上を図ります。    (市町村等への支援と事業者指導) 〇 市町村や事業所等への適切な支援等を通じ、個々の障がい者のニーズ及び実態に応じたサービス提供や地域間のサービス格差の解消を実現します。 〇 サービス利用者の保護とサービスを行う事業者等の健全な育成を図るため、事業者等に対して、指定基準等に準じた事業運営を行うよう必要な指導や監査を実施します。 C 福祉用具その他アクセシビリティの向上に資する機器の普及促進・     研究開発及び身体障害者補助犬の育成等    (補装具の購入等に係る市町村への補助等) 〇 補装具の購入、借受け又は修理に要する費用の一部や、日常生活用具の給付・貸与に関して市町村へ補助を行うとともに、市町村間の連絡調整、市町村に対する情報提供その他必要に応じて援助します。    (福祉用具の相談等に従事する人材の育成等) 〇 情報提供機関や相談機関のネットワーク体制の構築により、福祉 (38ページ) 用具に関する情報の提供や相談窓口の整備を推進するとともに、研修の充実等により、福祉用具の相談等に従事する専門職員の資質向上を図ります。    (ロボット技術等の研究開発と普及促進) 〇 介護職員の負担軽減対策として期待される介護ロボットについて、介護事業者や医療関係者に対し、介護ロボットを使用している介護・医療現場を公開し、視察・見学者の受入れを行うとともに、実用段階にある様々な介護ロボットの展示や、活用事例の発表などにより普及促進を図ります。 〇 生活支援ロボットの実用化を通じた、県民生活の安全・安心の確保のためロボット技術等の研究開発を促進するとともに、ロボット介護機器の介護現場への導入に必要な環境整備等を進めます。 〇 リハビリテーションロボットに関する専門的な相談窓口として神奈川リハビリテーション病院内に設置したかながわリハビリロボットクリニックにおいて、筋電義手*15をはじめリハビリテーションロボット全般の相談や実証実験の調整などを行います。  〇 質の高いサービスの提供や安全、安心、支援の省力化などのニーズに応えるため、AI(人工知能)やICT、ロボット技術の活用を推進するとともに、障がい者の生活や自立を支援する機器の開発を支援します。(再掲) (身体障害者補助犬の給付等) 〇 身体障がい者の自立及び社会参加を促進するため、身体障害者補助 犬の給付を行います。また、身体障害者補助犬法(平成14年法律第49号)に基づき身体障害者補助犬を使用する身体障がい者の施設等の利用の円滑化を図ります。 D 精神保健・医療の適切な提供等    (相談支援及び救急システム等の整備) 〇 精神障がい者及びご家族のニーズに対応した相談体制の構築を図ります。 (39ページ) 〇 多種多様な精神疾患に対応するため、県内の患者の動向、医療資源・連携等の現状把握に努め、県民に分かりやすい精神疾患の医療体制を整備します。 〇 様々な救急ニーズに対応できる精神科救急システムを整備し、適切な精神医療提供体制や相談機能の向上を図ります。 〇 県民が精神的健康を保持できるよう、精神障がい者を対象とした専門医による相談及び訪問指導、福祉職、保健師による随時の訪問指導を関係機関と連携しながら実施します。        (地域生活移行の促進) 〇 精神障がい者の地域生活移行の取組みを担う精神科医、看護職員、精神保健福祉士、公認心理師等について、人材育成や連携体制の構築を図ります。 〇 長期入院をしている精神障がい者の地域生活移行を促進するため、ピア*9(当事者)による病院訪問等を通じた長期入院患者への退院意欲喚起や、病院職員や支援関係者、地域住民等に向けた地域生活移行や障がい理解の普及啓発を充実させます。(再掲)    (精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築) 〇 また、精神障がい者が地域の一員として安心して暮らすことができるよう、医療、障がい福祉、介護、住まい、社会参加などが包括的に確保された「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築」を目指します。(再掲)        (健康づくり対策の推進) 〇 学校におけるこころの健康づくり推進体制の強化や職場におけるメンタルヘルス対策の推進、地域におけるこころの健康づくり体制の整備等により、県民のこころの健康づくり対策を推進します。また、うつ病等の精神疾患の予防及び早期発見・早期治療につなぐ体制整備を図り、適切に支援します。    (精神医療審査会の運営) 〇 精神医療における人権の確保を図るため、国の「精神医療審査会 (40ページ) 運営マニュアル」に基づき、精神医療審査会の適正な運営を行い、迅速に審査します。 E 保健・医療の充実等    (医療費の助成) 〇 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下、「障害者総合支援法」という。)に基づき、障がい者等の心身の障がいの状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療について、医療費(自立支援医療費)を助成します。 〇 重度障がい者等の福祉の増進を図るため、重度障がい者等の医療費の自己負担分を助成する市町村に対し、補助します。    (保健サービスの充実と合併症に対する医療の確保) 〇 障がい者の健康の保持・増進を図るため、福祉サービスと連携した保健サービスの提供体制の充実を図ります。また、障がいに起因して合併しやすい疾患、外傷、感染症等の防止と、これらを合併した際の障がい及び合併症に対して適切な医療を確保します。    (リハビリテーション医療の充実) 〇 神奈川県総合リハビリテーションセンターは、県内のリハビリテーション医療の拠点施設として、医療と福祉との連携のもと早期の社会復帰を目指したリハビリテーション医療の充実を図ります。    (歯科保健支援体制の充実) 〇 歯科疾患の早期発見・早期治療のための口腔管理や歯科検診を受ける機会の提供の必要性について、障がい児者及びその家族へ普及啓発するとともに、保健・医療・福祉関係者の人材育成、連携強化、歯科診療施設の設備等の充実を図り、障がい児者への歯科診療、オーラルフレイル*14対策、歯科保健支援体制の充実を促進します。 (41ページ) F 保健・医療の向上に資する研究開発等の推進    (ロボット技術等の研究開発と普及促進) 〇 質の高いサービスの提供や安全、安心、支援の省力化などのニーズに応えるため、AI(人工知能)やICT、ロボット技術の活用を推進するとともに、障がい者の生活や自立を支援する機器の開発を支援します。 〇 生活支援ロボットの実用化を通じた、県民生活の安全・安心の確保のためロボット技術等の研究開発を促進するとともに、ロボット介護機器の介護現場への導入に必要な環境整備等を進めます。(再掲) 〇 リハビリテーションロボットに関する専門的な相談窓口として神奈川リハビリテーション病院内に設置したかながわリハビリロボットクリニックにおいて、筋電義手*15をはじめリハビリテーションロボット全般の相談や実証実験の調整などを行います。(再掲) G 難病に関する保健・医療施策の推進     (相談、医療、在宅療養支援) 〇 難病患者に対し、総合的な相談・支援や地域における受入れ病院の確保を図るとともに、在宅療養上の適切な支援を行うことにより、安定した療養生活の確保と難病患者及びその家族の生活の質の向上を図ります。 〇 難病患者の療養上、日常生活上での悩みや不安等の解消を図るとともに、難病患者の様々なニーズに対応したきめ細やかな相談や支援を通じて地域における難病患者支援対策を推進するため、かながわ難病相談支援センターを中心とした、様々な関係者間で連携し、地域で生活する難病患者の日常生活における相談・支援や地域交流活動の促進を図ります。 〇 幼少期から慢性疾病に罹患しているため、長期にわたり療養が必要な児童等に対して、地域の実情に応じた相談支援等の充実により社会生活への自立促進を図ります。 (42ページ)    (医療費の助成) 〇 難病患者等の医療費の負担軽減を図るため、医療受給者証所持患者に対し保険適用の医療費の自己負担額の一部を助成します。 〇 児童福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律第63号)に基づく小児慢性特定疾病児童等の健全育成の観点から、その疾病に罹患している患児家庭の医療費の負担軽減を図るため、医療受給者証を所持する保護者等に対し、保険適応の医療費の自己負担額の一部を助成します。 H 障がいや疾病の早期発見等    (障がい・疾病の早期発見と早期療育) 〇 周産期医療・小児医療体制を充実させることにより乳幼児に対する健康診査、保健指導を適切に実施するとともに、これらの機会の活用により、疾病等の早期発見及び治療、早期療養を図ります。また、障がいの早期発見と早期療育を図るとともに、療育に知見と経験を有する医療専門職を育成します。    (未病の改善) 〇 生活習慣病とその合併症の発症や症状の進展等を抑えるため、栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善、医療連携体制の推進、健康診査・保健指導等に取り組むことにより、健康の増進、未病の改善を図ります。       (在宅医療の充実) 〇 専門医療機関、身近な地域における医療機関及び在宅における医療の提供体制の充実と関係機関の連携を促進します。