神奈川県私立高等学校設置に関する取扱基準 (趣旨) 第1条 私立学校法(昭和24年法律第270号)第4条の規定に基づき神奈川県知事を所轄庁とする私立高等学校(以下「高等学校」という。)の設置については、原則として高等学校設置基準(平成16年文部科学省令第20号。以下「設置基準」という。)によるものとし、その取扱いについてはこの基準に定めるところによる。 (名称) 第2条 高等学校の名称は、高等学校の目的にふさわしいものであり、かつ、県内の他の学校の名称とまぎらわしいものであってはならない。 (教職員) 第3条 高等学校には、校長、教頭、教諭、司書教諭、事務職員のほか、実習助手、養護教諭又は生徒の養護をつかさどる職員を置かなければならない。 2 教頭及び教諭のうち、その半数以上は、他の職を兼ねることができない。 3 設置基準第8条第2項により、助教諭又は講師をもって代えることのできる教諭の数は、当該高等学校に置く教諭の数の3分の1以内とする。 4 高等学校には、養護教諭又は生徒の養護をつかさどる職員1人以上を置き、そのうちの1人は他の職を兼ねることができない。 5 司書教諭については、第1項の規定にかかわらず、法令で定める規模以下の高等学校にあっては、当分の間置かないことができる。 (施設・設備の自己所有等) 第4条 高等学校の施設及び設備は、原則として、設置者の専用かつ自己所有とする。ただし、次の各号のいずれかに該当し、かつ、特別の事情があり、教育上支障がないことが確実と認められる場合には、校地、校舎について自己所有であることを要しない。 (1) 借用部分が賃貸借契約の締結等により、20年以上の長期借用をできることが確実と認められる場合 (2) 借用部分が国又は地方公共団体の所有で、長期借用が困難である場合であって、短期借用しなければならない相当の理由があると認められる場合 2 前項各号に該当する場合において、借用後の各年度における賃借料と他の借入金に係る償還額(元利合計)の合計が当該学校(設置の認可にあっては、修業年限相当年数経過後)の年間事業活動収入の5分の1以内であること。 3 高等学校の教育研究上の目的を達成するうえで、やむを得ない理由があり、長期借用が困難な特別の事情がある場合は、短期借用とすることができる。 4 高等学校の施設及び設備は、原則として、担保に供されたものであってはならない。ただし、次の各号の全てを充たし、教育上及び学校運営上支障がないことが確実と認められる場合には、この限りでない。 (1) 高等学校の施設、設備の取得及び建設のための負債に係る担保であること。 (2) 日本私立学校振興・共済事業団及び確実な金融機関等が行う貸付による担保であること。 (3) 前号の担保に関する適正な償還計画があり、当該担保が設置者の資産状況等からみて施設及び設備を長期にわたり使用するうえで支障がないと認められること。 (校舎及び運動場の面積等) 第5条 高等学校には、校舎及び運動場を備えなければならない。 2 校舎及び運動場の面積は、設置基準第13条本文及び第14条本文に定める面積以上とする。 3 校舎及び運動場は、原則として、同一の敷地内又は隣接する位置に設けるものとする。ただし、次の各号に該当する場合は、この限りでない。 (1) 防災上の事由による建て替えなどにより、今までと比して教育環境が悪化する等のやむを得ない事情があり、同一の敷地内又は隣接する位置に設けることが極めて困難な場合で、教育上支障がないと認められるときは、近接する位置に校舎を設け、校舎面積に算入することができる。 (2) やむを得ない事情があり、主たる運動場を補完する従たる運動場が校舎から通常の交通機関をもって片道1時間以内の地域に所在する場合は、運動場面積に算入することができる。 4 運動場面積に算入できる従たる運動場については、10年以上常時専用することができる権利を有している場合には設置者の自己所有であることを要しない。 (校舎に備えるべき施設) 第6条 校舎には、次に掲げる施設を備えるものとする。ただし、やむを得ない事情がある場合で教育上支障がないときは、第1号及び第2号の施設を除き、一つの施設をもって二つ以上に兼用することができる。 (1) 相当数の普通教室(普通教室と特別教室との合計数は少なくとも同時に授業を行う学級の数を下ってはならない。) (2) 保健室  (3) 地理歴史科・公民科教室及びその標本室  (4) 物理、化学、生物、地学のそれぞれの実験室、標本室及び準備室 (5) 音楽教室、美術教室、工芸教室、技術・家庭科教室及びそれぞれの準備室及び書道教室、情報教室  (6) 図書室  (7) 教員室、事務室  (8) 教員研究室 2 専門教育に必要な施設の基準は、原則として別表第1によるものとする。ただし、やむを得ない事情があり、かつ、教育上支障がない場合はこの限りでない。 3 高等学校には、体育館を備えるものとする。ただし、やむを得ない事情があり、かつ、教育上支障がない場合はこの限りでない。 4 高等学校には、次の施設を備えるよう努めるものとする。 (1) プール (2) 会議室、生徒集会所 (他の学校等の施設の使用) 第7条 前条第1項の施設及び運動場を除き、その他の施設については、やむを得ない事情があり、教育上及び安全上支障がない場合は、他の学校等の施設を使用することができる。 2 高等学校は、同一の設置者が併設する学校がある場合、学級数(単位制高等学校においては、収容定員を40で除した数)に相当する普通教室を除き、併設する学校の施設及び設備を使用することができる。ただし、次に掲げるものは使用することができない。 (1) 幼稚園の園舎及び運動場 (2) 小学校の校舎 3 前項の規定にかかわらず、同一の設置者が小学校、中学校及び高等学校を併設する場合において、併設する中学校が併設する小学校と校舎を共用するときは、高等学校は、併設する中学校の当該校舎を使用することはできない。 4 第2項による使用面積のうち高等学校の面積に算入できるものは、共用する各学校の収容定員により按分して算出する。 (給水施設等) 第8条 高等学校には、学校の規模に従い、保健衛生上必要な給水設備を備え、その水質は、衛生上無害であることが証明されたものでなければならない。 2 高等学校には、学校の規模に応じて、防火及び消火に必要な設備を備えなければならない。 (資金等) 第9条 高等学校の設置に係る資金については、原則として、全額を学校を設置しようとする者の自己資金によるものとする。ただし、第1号から第4号の全てを充たし、学校運営上支障がない場合はこの限りでない。 (1) 学校の施設、設備の取得及び建設のための資金に係る負債額は、その資金の4分の1以内であること。 (2) 日本私立学校振興・共済事業団及び確実な金融機関等が行う貸付による負債であること。 (3) 適正な償還計画があり、学校設置後の各年度の償還額(元利合計)が修業年限相当年数経過後の当該学校に係る年間事業活動収入の5分の1以内であること。 (4) 学校を設置しようとする者の総負債額が、総資産額の3分の1以内であること。 2 高等学校の設置者は、設置認可の申請時において、原則として開設年度の人件費相当額以上の運用資金を保有していなければならない。 3 高等学校の設置者は、第4条第1項ただし書きの場合であって、校地又は校舎どちらか一方を自己所有としない場合には、設置認可の申請時において、原則として当該設置しようとする学校の開設年度の人件費に相当する額に加えて、当該借用とする校地又は校舎の開設年度を含め3年間の賃借料に相当する額を保有していなければならない。 4 高等学校の設置者は、第4条第1項ただし書きの場合であって、校地及び校舎をともに自己所有としない場合には、設置認可の申請時において、原則として当該設置しようとする学校の開設年度を含め3年間の経常経費に相当する額の運用資金を保有していなければならない。 (設置計画書の提出等) 第10条 高等学校を設置しようとする者は、学校設置認可申請書を提出する前に別に定める学校設置計画書を知事に提出し、その承認を得るものとする。 2 知事は、学校設置計画書を承認しようとする場合は、あらかじめ私立学校審議会の意見を聴くものとする。 (広報活動) 第11条 広報活動においての学校名、学科名等の表示は、計画承認又は認可された名称を使用しなければならない。また、教育内容、卒業後の各種資格の取得等に関して誤認のおそれのある表示を行ってはならない。 2 広報活動は、次の各号に掲げるところに従い、学校設置計画承認後に行うことができる。 (1) 新聞、雑誌、ポスター、チラシ、ダイレクトメール、ホームページ等の各種広報媒体による広報を実施する場合は「開校予定年月」及び「認可手続中」の旨の文言を十分に認識できるよう表示すること。 (2) 学校説明会、学校訪問等を実施する場合は「開校予定年月」及び「認可手続中」の旨、相手方へ正確に説明すること。 3 課程を設置する場合の広報活動は「課程設置認可申請(計画)書」を知事に提出し、その承認を得た後に行うことができる。  なお、知事は「課程設置認可申請(計画)書」を承認しようとする場合は、あらかじめ私立学校審議会に報告するものとする。  広報活動を実施するにあたっては、前項第1号及び第2号を準用する。   附 則 1 この取扱基準は平成15年4月1日から施行する。 2 平成15年3月31日以前に設置した高等学校の校地、運動場及び校舎床面積は、当分の間別表のとおりとすることができる。 3 平成15年3月31日以前に設置した高等学校についても、その校地、運動場及び校舎床面積が第5条に定める基準に足りない場合は、これを充足するよう努めなければならない。 4 生徒急減期中である当面の間は、原則として、高等学校の設置認可及び収容定員の増員に係る学則変更認可は見合わせる。ただし、次の場合は、その限りでない。 (1) 1学年当たりの収容定員が、200人未満の高等学校で40人以下学級を導入するに当たり現収容定員にもっとも近い数で、かつ40人学級の実施が可能となる範囲内で収容定員を増員する場合  (2) 現収容定員の合計数を超えない範囲で学科間の収容定員を変更する場合 5 前項による収容定員の増員に係る学則変更認可にあたっては、附則第2項の基準によることができる。ただし、前項第2号においては、現状の教育環境を下げない場合は、当分の間、校地、運動場及び校舎床面積については、その基準を充足しているものとみなす。 6 神奈川県私立高等学校設置基準(平成14年4月1日施行)は平成15年3月31日をもって廃止する。 附 則 1 この取扱基準は平成16年9月1日から施行する。 2 附則(平成15年4月1日施行)第2項中「別表」を「別表第2」と読み替える。 3 附則(平成15年4月1日施行)第3項中「第5条」を「第5条第2項」と読み替える。 4 平成16年8月31日以前に設置した高等学校は、現状の校舎床面積及び運動場面積について、引き続きこれを維持、向上するよう努め、施設全体の再整備など教育環境を向上させる場合を除き、個々の施設について面積減少など現状の教育環境を悪化させないよう努めるものとする。 附 則 1 この取扱基準は平成17年11月1日から施行する。 2 附則(平成15年4月1日施行)第4項に第3号を追加する。 (3) 不登校、LD、AD/HD等又は学習指導要領に依らずに教育課程を弾力化して特徴ある教育を実施している場合において、生徒をめぐる諸課題に対応する社会的必要性が極めて高く、生徒の教育条件が著しく向上することが期待される場合   附 則 1 この取扱基準は平成18年4月1日から施行する。 2 ただし、第11条の規定は施行日以前に学校設置計画の承認を受けた学校にも適用する。 3 当面の間は、原則として、高等学校の設置認可及び収容定員の増員に係る学則変更認可は見合わせる。ただし、次の場合は、その限りでない。 (1) 1学年当たりの収容定員が、200人未満の高等学校で40人以下学級を導入するに当たり現収容定員にもっとも近い数で、かつ40人学級の実施が可能となる範囲内で収容定員を増員する場合 (2) 現収容定員の合計数を超えない範囲で学科間の収容定員を変更する場合 (3) 不登校、LD、AD/HD等又は学習指導要領に依らずに教育課程を弾力化して特徴ある教育を実施している場合において、生徒をめぐる諸課題に対応する社会的必要性が極めて高く、生徒の教育条件が著しく向上することが期待される場合 4 附則(平成15年4月1日施行)第4項及び附則(平成17年11月1日施行)第2項は、平成18年3月31日をもって廃止する。   附 則 1 この取扱基準は平成18年8月1日から施行する。 2 第11条第3項は、学科の設置に準用する。この場合において、「課程」とあるのは「学科」と読み替えるものとする。 3 附則(平成18年4月1日施行)第3項に第4号を追加する。 (4) 社会経済情勢の変化に伴う新たな需要に対応する社会的要請があり、かつ原則として既存の高等学校等の生徒募集計画に著しく影響を及ぼさない場合   附 則 1 この取扱基準は、平成19年10月1日から施行する。 2 第5条第3項第1号は、既設高等学校のみに適用する。   附 則 1 この取扱基準は、平成20年2月1日から施行する。   附 則 1 この取扱基準は、平成20年6月1日から施行する。 2 この取扱基準は、学校の設置と併せて学校法人を新設する場合も適用する。   附 則 1 この取扱基準は、平成21年6月1日から施行する。   附 則 1 この取扱基準は、平成27年8月24日から施行する。 別表第1(第6条第2項関係) (別紙のとおり)     別表第2(附則[平成15年4月1日施行]第2項関係) 生徒1人当たりの基準面積 平成2年7月31日以前に設置又は学校設置計画申請した高等学校 校地 20平方メートル以上。 運動場 10平方メートル以上。 校舎床面積 7平方メートル以上。 平成2年8月1日以後に学校設置計画申請した高等学校 校地 40平方メートル以上。 運動場 20平方メートル以上。 ただし、総面積は15,000平方メートルを下らないこと。 校舎床面積10平方メートル以上。