表紙 「街も、私たちも バリアフリーになろうよ」 1ページ目 はじめに 私たちの街には、さまざまな人が住んでいます。 お年寄りや障害のある人などにとっては、ちょっとした段差などが、ふだんの暮らしをしていくうえでの妨げ(「バリア」)になることがあります。 このパンフレットは、こうしたバリアをなくそうという取り組みや考え方(「バリアフリー」)、バリアフリーの街にするための身近な「街の工夫」や、私たちができる「心づかい」を紹介しています。 だれもが安全に安心して、自由に出かけられるバリアフリーの街にするために、私たちができることは何でしょうか。 学校やご家庭で、お友達やお父さん、お母さんと一緒に考えてみてください。 私たちの街には、さまざまな人が住んでいます(2ページ) 街の中には、こんな工夫があります (4ページ) 私たちにできることがあります(7ページ) さまざまな人と一緒に、街のことを考えよう(11ページ) 神奈川県でがんばっている人たち (13ページ) 2ページ目 私たちの街には、さまざまな人が住んでいます 車いすを使っている人 歩くことが難しい人や、歩く力が弱くなって転びやすくなったお年寄りが、車いすを使って出かけることも多くなりました。電動の車いすもあります。 しかし、段差や階段があると大変です。 視覚に障害のある人 全く見えない人やぼんやりとしか見えない人は、白い杖を使って、黄色い点字ブロック*を頼りに歩いています。 その点字ブロックの上に自転車などがあるとぶつかるので危険です。 一口メモ *「点字ブロック」の説明は、6ページにあります。 3ページ目 聴覚に障害のある人 聞こえない人や、聞こえにくい人は、話し声や放送の内容がわかりません。 外見からわかりにくいため、困っていても、まわりの人に気づいてもらえないことがあります。 紙に書けば、話をすることができるね。手話を使う人もいるよ。 【聞こえません】耳の横で手の平を下にして指先を上下に振る 【書いて】左の手の平に、右手で上から下に書くしぐさをする 【お願いします】右手を顔の中央からおろす 【ありがとう】左手の甲に、右手を直角に乗せ、上に上げる お年寄りやベビーカーを押している人 お年寄りの中には、長く歩くと疲れてしまう人もいます。街の中にベンチなどがあると、助かります。 ベビーカーを押して出かけるときは、少し広い歩道やトイレがあると助かります。 4ページ目 街の中には、こんな工夫があります エレベーターやスロープ エレベーターやスロープを作れば、車いすを使っている人も、ベビーカーを押している人も楽に上下に移動することができます。 「みんなのトイレ」 「みんなのトイレ」は、車いすを使っている人やベビーカーを押している人も利用しやすい、広いトイレです。ベビーチェアやオストメイト*の設備がついています。 一口メモ *オストメイトとは、病気のために手術をして、人工の肛門や膀胱にした人です。トイレを使うときは、専用の流しが必要です。 5ページ目 障害者用駐車区画 車いすを使っている人は、ドアを全開にして自動車へ乗り降りします。そのため、駐車区画の幅を広くとっています。このような駐車区画は、お店などの入口近くにあります。 駅の電光掲示板・文字放送 放送が聞こえない人は、文字の案内を頼りに歩いています。 6ページ目 横断歩道の点字ブロック 横断歩道を渡る場所にも、黄色い点字ブロックがあり、それを踏んだり、白い杖でさわると、横断歩道の場所がわかります。 ホームの点字ブロック ホームの縁の近くにも、黄色の点字ブロックがあり、線路が近くにあることを知らせています。 一口メモ 点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)の説明 ブロックには、2種類あります。点も線も飛び出ていて、踏んだり、白い杖でさわると、その形がわかり、気がつきます。 点状ブロック:立ち止まって安全を確認します。 線状ブロック:線の方向が歩く方向です。 7ページ目 私たちに できることがあります 交差点で視覚に障害がある人に出会ったら 視覚に障害のある人は、信号が赤か青かわかりません。渡るのに困っているようでしたら、「青です」と声をかけましょう。 手引き(ガイドヘルプ)の基本 ・まず「お手伝いすることはありますか」と声をかけます。 ・誘導するときは手引きの人が先を歩き、腕をつかんでもらうのが基本です。 ・手を引っぱったり、後ろから押したりしてはいけません。 8ページ目 お店で視覚に障害のある人に出会ったら まず声をかけて、どのようなお手伝いが必要か聞きましょう。 視覚に障害のある人は、品物をさわって確認します。お店で頼まれたら、品物の説明をして、渡しましょう。 車いすを使っている人に出会ったら 急なスロープや段差があるところでは、声をかけて、車いすを押してお手伝いしましょう。 車いす介助の基本 ・まず「お手伝いすることはありますか」と声をかけます。 ・後ろの足元のバーを踏み込んで、前輪を上げます。 ・前輪を上の段に静かに乗せます。 ・後輪をゆっくり押し上げます。 9ページ目 お店で車いすを使っている人に出会ったら 高い棚にある商品がとれないときにお手伝いしたり、通路が通れるようによけるなどの心づかいをしましょう。 障害者用駐車区画はあけておきましょう 車いすを使っている人が、この駐車区画で乗り降りできるように、必要な人のためにあけておきましょう。 エレベーターはゆずり合って使いましょう エレベーターが必要な人がいます。階段やエスカレーターが使える人は、ゆずり合いましょう。 10ページ目 「みんなのトイレ」はゆずり合いましょう 車いすを使っている人などは、広いトイレが必要です。「みんなのトイレ」が必要な人が、いつでも使えるように、ゆずり合いましょう。 聴覚に障害のある人との会話はメモを使いましょう 商品の説明や質問を紙に書いて話をすれば、伝えあうことができます。 「心のバリアフリー」になるための提案です 提案1 困っている人に出会ったら、声をかけよう。 提案2 お手伝いすることがあるか聞いてみよう。断られても気にしない。別のときにまた声をかけよう。 提案3 自分でお手伝いできないときは、駅員さんや店員さんに伝えよう。 11ページ目 さまざまな人と一緒に、街のことを考えよう 1 さまざまな人のことを知る 障害のある人から、話を聞きます。 ・車いすではどのようなときに困るのか ・白い杖をどのように使って歩いているのか ・筆談の方法 など 2 街の点検の計画をつくる (1)街で「困っていること」をとりあげます。 ・さまざまな人から、困っていることを聞きます。 (2)「どの街」を歩くのか決めます。 ・道や公園、駅やお店などから選びます。 (3)「誰と」歩いて「どんな体験」をするのか決めます。 ・「車いす体験」や「視覚に障害のある人の手引き(ガイドヘルプ)」など、障害のある人と一緒に体験する計画を考えます。 12ページ目 3 街に出て点検や体験をする ・10人ぐらいのグループで行動します。 ・道路の段差や点字の案内図を確認します。 ・障害のある人から街で「困っていること」や「便利なもの」を説明してもらいます。 4 話し合って、提案をまとめる ・こんな街にしたいという提案を出し合います。 ・模造紙にみんなの考えを整理します。 5 発表する ・各グループの提案を発表します。 ・発表を聞いて、気づいたことや良いアイディアを出し合いましょう。 13ページ目 神奈川県でがんばっている人たち 秦野市立本町小学校のバリアフリー活動 子ども達は、障害のある人と一緒に、街の中のバリアを点検して、発見したことや感じたことを発表しました。 大和市立光丘中学校 校舎の建替えのときに、生徒・保護者・先生・市民のみなさんに意見を聞いて、「みんなのトイレ」、授乳スペースなど、だれにでも使いやすい学校づくりをしました。 14ページ目 バリアフリー・まち点検実行委員会(愛川町) 地元の人たちが実行委員会をつくって、学校や福祉関係の人たちといっしょにバリアフリー・まち点検活動をしました。そして、道路などをよりよくすることを提案しました。 オープントイレプロジェクト お店などにあるトイレを、みんなで使えるようにしようという取組みです。トイレを貸してくれるお店には、「貸出サイン」があります。 人にやさしい駅づくり(相模鉄道株式会社) お年寄りや体の不自由な方が安心して駅を使えるよう、駅員さんがお手伝いして、心のバリアフリーに取り組んでいます。 裏表紙 次のマークが、街や建物のどこにあるか探してみよう! 国際シンボルマーク さまざまな障害者が利用できる建物や施設を示すマークです 身体障害者マーク 身体障害者が運転する車に表示するマークです 耳マーク 聞こえが不自由なことを示すマークです ハート・プラスマーク 「身体内部に障害がある人」を示すマークです AEDマーク 心臓がけいれんした時電気ショックを与え、正常に戻す医療機器を設置しているマークです マタニティマーク 妊産婦がカバンなどにつけて周囲が配慮をしやすくするマークです オストメイトマーク オストメイト用の設備を備えていることを示すマークです 視覚障害のマーク 視覚障害を示す国際シンボルマークです 補助犬マーク 補助県の同伴を積極的に受け入れるマークです 聴覚障害者マーク 聴覚障害者が運転する車に表示するマークです マークをつけた場所を探して、書いてみよう。  年 組  名前 発行 神奈川県保健福祉局地域保健福祉部地域保健福祉課 〒231-8588 横浜市中区日本大通1 電話 045-210-4804(ダイヤルイン) FAX 045-210-8857