「バリアフリーの街づくり」に対する県民意見収集状況一覧 ◎県民意見収集状況177件 ○39名63件(平成22年11月15日から平成23年12月31日まで) ・ハード整備35件 ・ソフト面10件 ・普及啓発13件 ・優良事例4件 ・その他1件 【内訳】 (1) 性別 男性18人、女性12人、不明9人 (2) 年代 20代15人、30代1人、40代3人、50代1人、60代4人、不明15人 (3) 居住地 県内26名(横浜市6人、川崎市10人、相模原市1人、藤沢市1人、秦野市1人厚木市2人、大和市1人、伊勢原市2人、海老名市1人、南足柄市1人) 県外3名(東京都2人、静岡県1人) 不明10名 (4) 収集手段 メール6人、電話3人、郵送2人、FAX6人、フォーラム7人、直渡し15人 ○優良事例13件※神奈川県バリアフリー表彰を含む ○団体との意見交換101件 ・ハード整備40件 ・ソフト面30件 ・普及啓発14件 ・優良事例5件 ・その他12件 主な意見,分類,整理番号,意見(主旨) ハード整備,道路関係 ,1,横断歩道前に設置された点字ブロックにつまずいたり、車椅子の車輪が引っ掛かって転倒したりしないよう、横断歩道の右端又は左端の点字ブロックを付けないようにしてほしい。 ,2,点字ブロックの凹凸が高かったり、ブロック床がデザイン先行でガタガタしていたりと、移動が困難であるので、改善してほしい。 ,3,自動車の出入口など、車道と歩道の段差をなくすべきである。それが無理ならば、歩道を広くしてほしい。 ,4,車椅子利用の方や高齢者の方にとって、歩道の傾斜は、低い方向に寄ってしまったり、歩道に乗り上げるのが困難であったり、横断歩道前で止まったりすることが大変であったりと、移動が困難であるので、フラットな道への改善に取り組んでほしい。 ,5,駅周辺はバリアフリー化されてきたが、生活道路はバリアフリーになっていないところが多い。 ,6,道路がでこぼこしており、ベビーカーを押しにくい。また、斜めになっている歩道では、ベビーカーが流れてしまい、怖い。 ,7,歩道にある電柱は、車椅子利用の方が進むのを妨げる。狭い歩道では電柱のために、歩道を通行できず、車道に出ざるを得ないことがある。歩道に電柱を立てなかったり、地中に埋めたりする改善が必要である。 ,8,雨水を排水するグレーチングに、白杖や車椅子の車輪が挟まったりするので、網に変更するなど、工夫をしてもらいたい。 ,9,工事中道路の低い部分に落ちてしまい、段差で上がることができなくなってしまった。夜間に工事をしていないときは、砂利で傾斜をつけるなどの措置をしてほしい。 ,10,歩行者専用の道路が少ない。聴覚障害者は、後ろから自転車がきてもわからない。自動車、自転車、歩行者をきちんと分けた道路がある。新しく道路を作るときは、そういう道路を作ってほしい。 ,11,歩道のないところは、点字ブロックがないが、白線の内側にブロックを敷設してほしい。 ,12,神奈川県は東京に近いことから車の利用者が非常に多いが、自然環境に優しい、障害者にも優しい街にするために、自動車の利用を減らし、車椅子利用者や自転車利用者が自由に出回れるよう、車道を狭め歩道と自転車道を広めてはいかがか。神奈川県から道路段差をなくす、平坦な道路にする運動を始めるとよい。 ,交差点・横断歩道関係 ,13,車椅子利用の方や高齢者の方は、歩道橋や地下道の階段を利用できないので、少なくとも歩道橋設置場所には横断歩道も設置してほしい。 ,14,歩行者が横断するときに、四方向すべての自動車が止まる交差点は安全なので、普及に努めてもらいたい。 ,15,音響装置付信号灯器は多方向に反響するものが多く、進行方向が分からなくなるので、一方向に響くものか、歌に変えるなどの対応をしてもらいたい。また、「ピヨピヨ」音は、自動車の左折・右折音と間違いやすいので、変えてもらいたい。 ,16,音響信号機の渡れる時間が短い。6車線の道路だと、信号が変わったらすぐに横断しないと渡りきれない。真ん中に安全地帯があっても、車の風圧で怖い。 ,17,東京都ではエスコートゾーンを見かけるようになった。神奈川県内でも設置してほしい。せめて、視覚障害者が頻繁に使用する施設の周りに、エスコートゾーンを設置してほしい。 ,18,押しボタン式や携帯の発信器で操作できる感応型の信号機設置を進めてもらいたい。 ,施設関係 ,19,道路の信号及び駅前に、聴覚障害者用の電光掲示板を設置してほしい。 ,20,視覚障害者が現在地を把握できるICタグ内蔵点字ブロックの普及に努めてほしい。 ,21,障害者優先駐車場と同様に、施設の出口に近いところに、障害者優先駐輪場を設置してもらいたい。また、障害者優先駐輪場の利用と分かるように、同駐輪場を利用するためのステッカーと本人確認用のバッチを発行してもらいたい。 ,22,多目的トイレについて、構造が統一されておらず、ドアの開閉ボタンの位置が高い位置にあったり、ベビーベットの設置場所が悪かったりするなど、困ってもトイレでは誰も呼べないので、トイレ内の配置を考えてもらいたい。 ,23,街に一定の割合でトイレと休み場所を設置して、高齢者にとっても車椅子利用者にとっても外出しやすい環境づくりを進めていくべきである。 ,24,駅のエレベーターのボタンに枠があって、指が動かない者にはボタンが押しにくく、使いにくい。パネル式のボタンが使いやすい。 ,25,駅の電光掲示板は増えているが、情報が分かるように、さらに設置してほしい。 ,26,弱視の方は1人で移動することが多いので、トイレのサイン、バスや駅の時刻表など、表示されるものは、なるべく大きな文字で、目線の高さにもってきてほしい。また、時刻表は白黒反転させてくれると見やすくなる。 ,27,階段の縁が分からない。特にレンガ色の階段は、フラットに見えてしまうので、段鼻が分かるようにコントラストをつけてほしい。 ,28,駅階段の両端に段鼻のシールを貼っているが、階段すべてにシールをつけて、コントラストをつけてほしい。両端では、中途半端でかえって危険だ。 ,29,エレベーターの音声案内は、かごが着いてから「ピンポーン」となるが、上にいくのか、下にいくのか、分からない。三菱製のエレベーターは、上下階の音が違うので、分かりやすい。他社でも分かるようにしてほしい。 ,30,エスカレーターの上下の違いを男女の声で分けてほしい。または、左は上、右は下というようにどこに行っても同じように決めてほしい。時間帯で上下が変わるのも困る。 ,31,エスカレーターの乗降口手前に、方向を示す矢印をつけてほしい。慌てているときは間違うことがある。 ,32,駅や建物にエレベーターは増えてきたが、乗りたいところにはない。少し離れたところにある。 ,33,エレベーターの階数のボタンの脇に点字があるが、ボタンが2列の場合、真ん中に点字がある機種がある。点字を探す際にボタンに触れてしまうと、タッチパネル式だと反応して各階に止まってしまったということを聞いた。ボタンの外側に統一して点字をつけてほしい。 ,公共交通関係 ,34,ホームドアの設置など鉄道駅の転落防止対策を講じるよう働きかけてほしい。 ,35,鉄道はよくなっているが、バスが困る。バスを降りようとして、水溜りがあって降りることができなかったり、道路が傾斜していてスロープを出されても降りることができなかったりすることがある。 ,36,バス正面の行先表示は、高くて見えにくい。また、電光掲示の黒にオレンジの文字も見えにくい。できれば、乗降口の脇にも行先表示をつけてほしい。 ,37,視覚障害者は電車から降りたときに、どちらに階段があるのかわからない。バリアフリー法では、階段のあるところに音響案内装置を設置することとしている。JRは設置しているが、他の民営鉄道はまだだ。 ,38,ホームの階段下に入り込んでしまって、頭をぶつけることがよくある。柵をつけるなど、視覚障害の方が低くなっているところに入り込まないような策を講じてほしい。 ,39,車両番号が入っている場合とない場合があるので、何箇所も車両番号をつけてほしい。 ,40,視覚障害者にとって、到着する車両のドアの位置や優先席が分からない。 ,41,駅のエスカレーターに誘導する点字ブロックを敷設してほしい。 ,42,バスはノンステップバスが増えてきて、乗りやすくはなってきている。ただ、座席が少ない。 ,災害関係 ,43,計画停電の時は、音響信号機も止まってしまうので怖い。 ,44,避難所がどこにあるのか分からない。災害が起きたときに、避難所まで行けるワンルートを確保してほしい。 ,45,災害時に電柱が倒れていると、避難所まで行くことができないので、電柱の地中化を進めてほしい。 ,46,避難所に障害当事者の方のトイレがなかったり、また、そこまで行けなかったりするので、災害時には、トイレも問題である。 ,47,通常時にも情報が足りないのに、災害時は本当に困る。聴覚障害者に対して、見て分かるような掲示板などをつけてほしい。 ,制度整備 ,48,整備基準について、車椅子の者にとって、現行の湯船の深さ、手すりの位置は使用困難な基準なので、整備基準の修正を検討してほしい。 ,49,新しく施設を作る際には、スロープ化や手すりをつけるなど積極的に行うべきだ。 ,50,老人や車椅子利用者のために、スロープはなだらかで長くしてほしい。 ,51,「みんなのトイレ」だと健常者も使用できるので、障害者が本当に使いたいときに使えない。 ,52,「みんなのトイレ」整備例について、旧整備ガイドブックには介護用のベットがあったが、新しい整備ガイドブックには乳幼児用のベットになっている。大人用のおむつをつけている人にとっては、トイレの中にベットが必要なので、整備してもらえるよう、ガイドブックに記載してほしい。 ,その他 ,53,電気自動車は走行音が静か過ぎるために、接近に気が付かないため、音を出すような工夫をしてほしい。 ,54,デザインを重視して、バリアフリーができていないところもあるので、バリアフリーとデザインの妥協点をさがしてほしい。 ,55,バリアフリーの街づくりを考えるにあたり、病気の当事者及び親の声を聴くようにする必要がある。 ソフト面,制度整備 ,56,手話は中途失聴・難聴者には分からないので、県議会、市議会並びに県議会及び市会議員の選挙演説などの放映に、字幕をつけて放映してほしい。 ,57,テレビで県議会の放送があるが、通訳がないときもあるので、必ずつけてほしい。傍聴席にもお願いしたい。 ,58,病院に手話通訳専門の人を設置してほしい。 ,59,施設の設計段階及び点検段階について、関係する全ての当事者又は各層(世代、年齢、性別、職業など)に協力してもらうことが大切だと思う。 ,60,街や施設において、使い勝手の悪いものが多い。今後、「街」及び「施設」を新設する際には、設計・計画段階より障害者の意見を聞く機会を必ず設けてほしい。 ,61,点字ブロックの上に、駐輪又は看板・荷物等の障害物が置かれているので、撤去するようにしてほしい。 ,62,車いすマークの駐車場に、一般の方が停めてしまって、車いすの方が使いたいときに使えないということをよく聞く。 ,63,一人で何でもするのではなくて、周りの人に気兼ねなく、助けを求めることができることが大事だ。 ,64,ためらいなく、周囲に声をかけられる社会にすることが重要だ。 ,65,視覚障害者の中には半身しか使えない方も多く、雨の日は、白杖と傘の両方を使いこなすことができず、通勤できないので、対策を考えてもらいたい。 ,66,風呂が壊れたときなど業者に連絡したいが、そういうときは手話通訳者の派遣の対象にならない。日常生活での適用範囲を広くして、手話通訳派遣を拡大してほしい。 ,67,役所やハローワークには、週1回しか手話通訳者がいない。毎日置いてほしい。行きたいと思ったときに行けない。 ,68,手話通訳者をいつでも、どこでも、24時間お願いできるようにしてほしい。 ,ハード運用 ,69,リモコンで変わる信号機が東京にあると聞いた。設置場所一覧を公開して、入手できるようにしてほしい。 ,70,6時から20時まで音がなるよう、音響信号機の音がなる時間帯の延長をお願いしたい。 ,71,「ドアが開きます。○階です。」という順でアナウンスされるが、この順番だと乗り遅れてしまう。「○階です。ドアが開きます。」と順番を変えてもらうだけで、降りる準備ができる。 ,72,スルー式のエレベーターで、「こちらのドアから降りてください。」とアナウンスされても、「こちら」ではわからない。 ,73,バス停に停車する度に、行先をアナウンスしてほしい。また、バス停に止まるときは、きちんとバス停のあるところで停車してほしい。待っているときに、手前でバスが止まり、バスが止まったことが分からず、乗れないことがあった。 ,災害関係 ,74,節電の関係で、色々なところで消灯しており、弱視の方は困っていると思う。 ,75,計画停電になっても、1か所はエレベーターを稼動させてほしい。車椅子に慣れていない人に、階段を上げてもらうのは怖い。 ,76,節電によって、障害者は社会参加の機会を奪われている。 ,77,計画停電の時には、街灯もつかずに真っ暗になったが、防犯灯はところどころでもいいので、明かりがつくようにしてほしい。大事なところは、蓄電により明かりがつくようにしてほしい。 ,78,弱視の方は、照明が暗いと見えない。節電も大切だが、駅やコンビニが暗く見えないので、配慮してほしい。 ,79,災害時に、障害者が困ったときの窓口ができると心強い。 ,80,災害があったときに、役所の人が広報車でお知らせを放送していたが、分からない。メール等のお知らせもあるが、震災後に聞こえないと困るなと非常に感じた。目に見えるよう情報の保証をしてほしい。 ,81,視覚障害の方は、避難所における施設の場所が分からないので、トイレの近くにしてほしい。 ,82,視覚障害の方は、避難所の張り紙だけでは、情報が伝わらない。例えば、食事時間の変更が、張り紙による案内だけでは、変更を知らずに食べ損なうこともある。 ,83,福祉施設を避難所にしてほしい。 普及啓発,学校教育 ,84,点字ブロックの意味を知らない子供がいたので、周知してほしい。 ,85,小学校の集会で「このような活動をしています」と呼びかけてもらったり、職員が話をしたり、又は授業の一環として実際にバリアフリー点検を行ったりすることにより、子供達の関心を高めてほしい。 ,86,小学生から大学生までに対して、バリアフリー教室を実施し、各世代にバリアフリーの大切さを伝えてほしい。 ,87,小中学生が外に出て自分の目で感じる、そして高齢者等と意見交換をして問題解決するための、「課外活動」の授業を増やすべきである。 ,88,小学生向けに、車椅子又は障害者・高齢者疑似体験を授業の一環として開催してほしい。また、特別養護老人ホームにボランティアとして参加し、高齢者の方と接する機会をもってほしい。 ,89,小さいうちから、どう声をかけたらいいのか、タイミングや立ち位置などを学習することが大切だ。 ,学校教育以外 ,90,地域で「このような取組みをしています」という情報を随時公開していくことにより、機会があれば街づくりに参加したいと考えている方の参加を推進してほしい。 ,91,バリアフリー社会を築いていくためには、市民と障害者との交流が必要だと考える。しかしながら、障害者とワークショップをしている自治体は多くないように感じる。そこで、地域市民でワークショップを多く取り入れるきっかけを作ってほしい。 ,92,自転車利用者のマナー違反が多いので、自転車道の拡充及び整備並びにマナー向上に取り組んでほしい。 ,93,ヨーロッパやアメリカでは、歩行者が渡ろうとすると必ず車は停まり、歩行者優先の印象を受ける。しかしながら、日本では自転車やバイクが我が物顔で歩道を走っている。人々の意識を変えていくなどして、歩行者を優先とする街づくりへの改善が必要である。 ,94,建築士や事業者に対して、聴覚障害者の理解を深めるような研修を実施してほしい。 ,95,白丈を持っているのに、視覚障害者ということが分からない。白丈の意味をみんなにわかってもらいたい。 ,96,建築士の教育段階で、きちんとした形で、障害者への理解やバリアフリーについて、勉強してもらいたい。 ,97,バリアフリー教育の一環として、体験研修をよく実施しているが、アイマスクをして歩くという体験では、「目が見えないこと=怖い」という感想しか残らない。そういう体験ではなくて、一緒に食事でもしてみるといい。 ,優良事例,ハード関連 ,98,川崎地下街アゼリアでは、休憩場所・バス乗り場への階段・駅エレベータを設置したり、受付インフォメーションを低くしたりするなど、ここ数年で改善された。 ,99,歩道のない道路で青や緑など色をつけているところがあるが、いい取組みだと思う。 ,ソフト関連 ,100,車いすの人が乗り降りする時に、運転手の方がテキパキと対応していた。 ,101,バリアフリー整備のされているトイレを検索及び登録できる「Check A Toilet」というサイトがあるので、紹介したい。 ,102,16年前から、まち点検をやっている。その点検のおかげで、道路の陥没したところを優先的に直してもらえた。また、通学路が広くなったり、段差がなくなった。初めは社協が主体的になって取り組んでいたが、そのうち市の道路所管課が参加するようになった。住民サイドが行政に働きかけていくことが必要だ。 ,103,カラーバリアフリーのパンフレットと講演会は、非常にためになった。子どもが色弱なので、どういうことなのかよく理解できた。 ,104,マタニティマークは定着してきて、よく見かけるようになってきた。バックに下げているのを見て、席を譲ったりできる。 ,105,最近は、巻物に「手を貸してください。困っています。」などと書いてあって、それを広げるというサインの出し方があるようだ。