(様式1)                                   バリアフリーの街づくり取組み推進状況モニタリング現地確認結果報告書 対象事例名 学年道徳「福祉を学ぼう」視覚障害者の理解について 対象団体名 座間市立入谷小学校 現地確認日時 2016年1月14日(木曜日)14:00〜16:00 モニタリンググループ 〔リーダー名〕大原一興 〔メンバー名〕酒井英典、吉富多美 検証項目 先進性 ・4年生を中心に10年以上、福祉について考える授業を実施している。 ・児童自らが考えることをモットーに、話し合い→共有→発表→共有のサイクルを経ることにより、さまざまな考え方を取り入れることができる。 ・直接当事者から話を聴き、質問をする機会を得ることによって、実感を得ることができる。理屈や一般論だけではなく、実感から生じた素朴な疑問を投げかけることのできる機会として貴重な場となっている。 共感性 ・視覚障害者の日常や大変さを直接聴くことにより、質問が活発に行われた。 ・福祉用具を実際に手に取って触ることにより、その用具の持つ意味を自分のこととして感じ取っている様子が見られた。視覚の不自由さを補うためのグッズ紹介に、子どもたちは身を乗り出して高い関心を示していた。体験型の授業として優れた学習効果をあげていると思われる。 ・視覚障害者の日常や困っていることを直接聞き、困りごとを理解し共感していた。質疑応答で、児童の「今度、視覚障害者がいたら、助けに動きたい。」といった発言でわかるように、行動の変化を生んだ。担任の先生の発言で、「体験が一番効果がある」という指摘は、同感である。 ・質問内容では「自分だったら」という視点形成が確認され、日常生活で何に戸惑うのか想像することができていた。 ・講師の新井さんが温かな語り口だったので、子どもたちは安心して普段の疑問を口にしていた。視覚障害の方々の不自由さを知り、自分がどう関わればいいのかなど「福祉」を実感として学びとることとなっていた。 利用者の視点と県民ニーズの反映度 ・心のバリアフリーを学年ごとの活動を通じて育んでいる。 ・障害者のみならず、自分以外の人と互いに理解を深める機会は、意識して展開していく必要がある。 ・心のバリアフリーの育成という県民ニーズを、小学校教育の中で実践している。 波及効果 ・カラーバリアフリーの視点から、オレンジ色や黄色のチョークを使用するなど教育現場での実践にも応用している。 ・点字ブロック上の自転車や障害物の除去について、意識・関心の広がりに期待できる。 所見 ・隣接した養護学校との日常的な交流は、障害や加齢に伴う不便さを身近に感じることができる貴重な体験である。 ・学校には、耳が聞こえにくい子、色弱の子、国籍や肌の色が違う子など、様々な子ども達がいる。自分と他人との違いをマイナスに捉えて不安に思うことなく、子ども達が安心して生きていけるように、もっと多くの情報を提供する必要があると感じた。 ・児童の感想のひとつとして「パソコンで調べたことと違う道具や歴史がわかった」との理解は、答えはひとつではなく人それぞれ異なるという「多様性理解」の視点の広がりを感じさせ、この子にとっては世界が広がったことと思う。 ・今回の授業が障害者理解と共に、ブレインマシンインターフェースなどへの興味につながり、障害者支援のシステムづくりに携わる人材を育む可能性が持てた。