公園の整備基準解説 1 出入口 ●基本的な考え方 ・公園の出入口は安全かつ円滑な構造とする。 ・出入口付近に設ける車止めは十分な間隔を確保し、視覚障害者や車いす使用者等の円滑 な通行に努める。 ●整備基準  敷地に接する道へ通ずる出入口又は駐車場へ通ずる出入口を設ける場合は、次に定める 構造の出入口をそれぞれ1以上設けること。 ●望ましい水準 ・主要な出入口はもれなく整備すること。 ●整備基準 (1)有効幅員:有効幅員は、120センチメートル以上とすること。 ●解説 ・有効幅員とは、内のりのことである。手すりがある場合は、その内側からの寸法になる。 以下同じ。 ●整備基準 (2)路面仕上げ:路面は、平たんで滑りにくい仕上げとすること。 ●解説 ・路面は、乾いている状態でも濡れた状態でも滑りにくく、平たんな仕上げとすること。 ・れんがやインターロッキング、磁器タイル等では、表面に凹凸がある材料は避け、目地 部にも段差が生じないよう施工すること。 ●整備基準 (3)段:段を設けないこと。ただし、地形の状況等によりやむを得ず段を設ける場合は、 3の項に定める構造とし、4の項に定める構造の傾斜路を併設すること。 ●解説 ・やむを得ない場合の2センチメートル以下の段差は段と見なさない。 ●整備基準 (4)車止めさくの間隔:車止めのさくを設ける場合は、さくとさくの間隔は、90センチ メートルを標準とすること。 ●解説 ・車止めのさくの前後には、150センチメートル以上×150センチメートル以上の水平部分 を設けること。 ●整備基準 (5)出入口からの水平距離:出入口からの水平距離が150センチメートル以上の水平面 を確保すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、こ の限りでない。 ●解説 ・出入口には、車いす使用者等が安全で円滑に出入りができるよう、長さ150センチメー トル以上の水平面を設置すること。 2 園路 ●基本的な考え方 ・園路はできる限り平坦とする。 ・園路の一方又は両端部が河川や池等により車いす等の円滑な通行に支障があるとみられ る場合は、車いす使用者等の眺望を確保しながら、手すり、園路両端部の立ち上がりを適 宜設ける。 ●整備基準 (1)主要な園路は、次に定める構造とすること。 ●解説 「主要な園路」とは、出入口と主要な公園施設とを結ぶ園路等、公園の利用上欠かせない ものをいう。 ●整備基準 ア 有効幅員:有効幅員は、180センチメートル以上とすること。ただし、地形の状況そ の他の特別の理由によりやむを得ない場合は、通路の末端の付近の広さを車いすの転回に 支障のないものとし、かつ、50メートル以内ごとに車いすが転回することができる広さの 場所を設けた上で、幅を120センチメートル以上とすることができる。 ●解説 ・通路の有効幅は、車いす使用者同士が行き違いやすいよう、180センチメートル 以上と する。 ・有効幅を180センチメートル 以上確保できない場合であっても、通路の末端の付近及び 当該通路の50メートル以内ごとに、車いすが転回できる場所を確保する場合は、有効幅を 120センチメートル以上とすることができる。ただし、車いす使用者同士が円滑にすれ違 えるよう、車いすが転回できる場所までの見通しを確保するよう配慮する。 ・車いす使用者が回転及びすれ違いができる寸法として、180センチメートル×180センチ メートル以上の広さを確保する。 ●整備基準 イ 縦断こう配:縦断こう配は、4パーセント以下とすること。ただし、地形の状況等に よりやむを得ない場合は、8パーセント以下とすることができる。 ●整備基準 ウ 水平部分の確保:3パーセント以上の縦断こう配が30メートル以上続く場合は、途中 に長さ150センチメートル以上の水平部分を設けること。ただし、地形の状況等によりや むを得ない場合は、園路際に車いす使用者等の利用に支障のない退避スペースを設置する こと。 ●整備基準 エ 横断こう配:横断こう配は、1パーセント以下とすること。ただし、地形の状況その 他の特別の理由によりやむを得ない場合は、2パーセント以下とすることができる。 ●解説 ・横断こう配は、車いす使用者にとって進行が難しく、危険であるため、1パーセント以 下とし、排水の状況等、特別な理由がある場合のみ2パーセント以下とする。 ●整備基準 オ 段:段を設けないこと。ただし、地形の状況等によりやむを得ず段を設ける場合は、 3の項に定める構造とし、4の項に定める構造の傾斜路を併設すること。 ●解説 ・やむを得ない場合の2センチメートル下の段差は段と見なさない。 ・園路から広場等へ出入りする部分に段が生じる場合も同様の整備を行うこと。 ●整備基準 カ 両側の構造:両側は、転落を防ぐ構造とすること。 ●解説 ・転落の危険性を考慮して、さく、側壁又はつえ等が落ち込まないよう5センチメートル 以上の立ち上がりを設けること。 ●整備基準 キ 手すりの設置:必要に応じて、手すりを設けること。 ●解説 ・連続性に配慮し、にぎりやすい形状とする。 ・1段の手すりとする場合、高さを75〜85センチメートル程度とする。2段手すりとする 場合、床仕上げ面から手すり中心までの高さを上段で85センチメートル程度、下段で65セ ンチメートル程度とする。 ・手すりの端部は、袖や手荷物が引っかかる可能性があるため、階段の外側に向かって巻 き込むなど端部が突出しない構造とする。 ●望ましい水準 ・両側に設置すること。 ・2段手すりとすること。 ●整備基準 ク 路面の仕上げ:路面は、滑りにくい仕上げとすること。 ●解説 ・路面は、乾いている状態でも濡れた状態でも滑りにくく、平たんな仕上げとすること。 ・れんがやインターロッキング、磁器タイル等では、表面に凹凸がある材料は避け、目地 部にも段差が生じないよう施工すること。 ●望ましい水準 ・砂利敷きは用いないこと。 ●整備基準 ケ 縁石の切下げ:縁石を設ける場合は、切下げの有効幅員は180センチメートル以上と し、かつ、段差は2センチメートル以下、すりつけこう配は8パーセント以下とすること。 ●整備基準 コ 溝ぶたの構造:排水溝を設ける場合は、つえ等が落ち込まない構造の溝ぶたを設ける こと。 ●整備基準 (2)障害者等が転落するおそれのある場所には、さく、視覚障害者誘導用ブロックその 他の障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。 ●解説 ・出入口や通路等に近接して崖などがある場合は、転落等の危険があるため、視覚障害者 誘導用点状ブロックやさく等を設置し安全性を確保する。 ●望ましい水準 ・利用者の安全な通行のため、必要に応じ十分な照明を確保すること。 3 階段 ●基本的な考え方 ・公園内の階段は手すりを設ける。 ・階段は来園者の利用しやすい構造とする。 ●整備基準 利用者の利用に供する階段を設ける場合は、次に定める構造とすること。 ●解説 ・主たる階段は回り階段としないこと。主たる階段とは、園内の移動において主に利用さ れる可能性の高いものをいう。 ・らせん階段や踊場部分に段を設けた階段とせず、安全な水平面が確保された直階段又は 折れ階段とすること。 ●整備基準 (1)有効幅員:有効幅員は、120センチメートル以上とすること。 ●整備基準 (2)手すりの設置:手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の 特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。 ●解説 ・手すりは階段の両側に連続して設置する。 ・高齢者や杖使用者等の肢体不自由者、低身長者をはじめとした多様な利用者の円滑な利 用に配慮した手すりを両側に設置する。 ・1段の手すりとする場合、高さを75〜85センチメートル程度とする。2段手すりとする 場合、床仕上げ面から手すり中心までの高さを上段で85センチメートル程度、下段で65セ ンチメートル程度とする。 ・手すりの端部は、袖や手荷物がひっかかる可能性があるため、階段の外側に向かって巻 き込むなど端部が突出しない構造とする。 ・階段の終始点より30センチメートル以上水平に延長する。 ・階段の幅が3メートル以上の場合は、中間にも設ける。 ●整備基準 (3)手すりの点字:手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字をはり付け ること。 ●解説 ・手すりには行き先情報を点字で表示する。点字による表示方法はJIS T0921規格に あわせたものとし、点字内容を文字で併記する。 ・点字ははがれにくいものとする。 ●整備基準 (4)回り段:回り段がないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを 得ない場合は、この限りでない。 ●解説 ・踏面の幅が一定でない回り段やらせん階段は、設置しない。 ●整備基準 (5)路面の仕上げ:踏面は、平たんで滑りにくい仕上げとすること。 ●解説 ・踏面は、乾いている状態でも濡れた状態でも滑りにくく、平たんな仕上げとすること。 ・照明を設ける場合は、高齢者や弱視者等の移動を円滑にするため、十分な明るさを確保 するよう配慮する。 ●整備基準 (6)段鼻の構造:段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものが設けられていな い構造のものであること。 ●解説 ・階段の寸法は、蹴上げ15センチメートル以下、踏面35センチメートル以上、蹴込み2セ ンチメートル以下とし、同一階段では、各寸法は一定とすること。 ・蹴込み板を設け、段鼻は突き出さず、踏面との段差がないものとすること。 ・段鼻は、注意を喚起する観点から、踏面と、明度・色相又は彩度の差を大きくする。 ●整備基準 (7)両側の構造:階段の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面 が壁面である場合は、この限りでない。 ●解説 ・階段の両側は、視覚障害者等が足を踏み外したりしないよう立ち上がり部を設ける。 4 傾斜路 ●基本的な考え方 ・園路内に高低差や段が生じる場合には傾斜路を設け、利用者が安全かつ円滑に利用でき るように整備する。 ・傾斜路の勾配はできる限り緩やかに設ける。また、傾斜路の路面は滑りにくい仕上げ材 を使用する。 ●整備基準 利用者の利用に供する傾斜路を設ける場合は、次に定める構造とすること。 ●整備基準 (1)有効幅員:有効幅員は、120センチメートル以上とすること。 ●整備基準 (2)縦断こう配:縦断こう配は、8パーセント以下とすること。 ●解説 ・車いす使用者が自力で傾斜路を登坂するには相当の体力を必要とする。また、下降する 場合でも腕にかかる負担は大きい。水に濡れる等の条件が加われば困難度はより高まるた め、こう配はできる限り緩くする。 ●望ましい水準 ・4パーセント以下とすること。 ●整備基準 (3)横断こう配:横断こう配は、設けないこと。 ●解説 ・横断こう配があると車いす使用者にとって進行が難しく、危険であるため、1パーセン ト以下とする。排水等により特別な理由がある場合のみ2パーセント以下まで許容する。 ●整備基準 (4)水平部分:高低差が75センチメートルを超える場合は、75センチメートル以内ごと に長さ150センチメートル以上の踊場を設けること。 ●解説 ・始終端部では前方の確認や休憩する等、次の動作に移るために車いすが回転できるス ペースが必要である。 ・斜路行程が長い場合や、傾斜路の方向が途中で変わる箇所では、車いす使用者が途中で 体勢を立て直すことができる水平な踊場が必要となる。 ●整備基準 (5)手すりの設置:手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の 特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。 ●解説 ・手すりは傾斜路の両側に連続して設置する。 ・高齢者や杖使用者等の肢体不自由者、低身長者をはじめとした多様な利用者の円滑な利 用に配慮した手すりを両側に設置する。 ・1段の手すりとする場合、高さを75〜85センチメートル程度とする。2段手すりとする 場合、床仕上げ面から手すり中心までの高さを上段で85センチメートル程度、下段で65セ ンチメートル程度とする。 ・手すりの端部は、階段の外側に向かって巻き込むなど端部が突出しない構造とする。 ●望ましい水準 ・2段手すりとすること。 ●整備基準 (6)両側の構造:傾斜路の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側 面が壁面である場合は、この限りでない。 ●解説 ・傾斜路の両側は、視覚障害者等が足を踏み外したりしないよう立ち上がり部を設ける。 ●整備基準 (7)路面の仕上げ:路面は、平たんで滑りにくい仕上げとすること。 ●解説 ・路面は、乾いている状態でも濡れた状態でも滑りにくく、平たんな仕上げとすること。 ●望ましい水準 ・れんがやインターロッキング、磁器タイル等では、表面に凹凸がある材料は避け、目地 部にも段差が生じないよう施工すること。 5 便所 ●基本的な考え方 ・公園内の便所は、車いす使用者、オストメイト、乳幼児、子ども等だれもが円滑に利用 できるよう配慮する。 ●整備基準 (1)不特定かつ多数の者が利用し、又は主として障害者等が利用する便所は、次に定め る基準に適合した構造とすること。 ●解説 ・公園の規模等を勘案し、適正な数を確保すること。 ●整備基準 ア 床面の仕上げ:床の表面は、滑りにくい仕上げがなされたものであること。 ●解説 ・便所内の床面は、濡れても滑りにくい仕上げとする。 ●整備基準 イ 男子用小便器の構造:男子用小便器を設ける場合は、1以上の床置式小便器、壁掛式 小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小 便器が設けられていること。 ●整備基準 ウ 手すりの設置:イの規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。 ●整備基準 (2)不特定かつ多数の者が利用し、又は主として障害者等が利用する便所を設ける場合 は、そのうち1以上は、(1)に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合す るものとすること。 ●解説 ・公園内に便所を設ける場合、そのうち1以上には、多機能便房(「みんなのトイレ」) として、車いす使用者が円滑に利用できる機能のほか、オストメイト対応や乳幼児連れ対 応機能等、障害者等が利用する機能を付加したもの)を設ける。 ●望ましい水準 ・公園内に複数の便所を設ける場合、全てに多機能便房(みんなのトイレ)を設置するこ と。 ・多機能便房(みんなのトイレ)は、異性介助を考慮して、男女共用のものを1以上設置 すること。 ●整備基準 ア 障害者等が円滑に利用できる便房:便所(男子用及び女子用の区別があるときは、そ れぞれの便所)内に障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられているこ と。 ●整備基準 イ 障害者等が円滑に利用できる便所:障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所 であること。 ●整備基準 (3)(2)アの便房が設けられた便所は、次に掲げる基準に適合するものとすること。 ●整備基準 ア 出入口の構造:出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。 (ア)幅は、80センチメートル以上とすること。 (イ)(ウ)に掲げる場合を除き、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。 (ウ)地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設 すること。 (エ) 障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房が設けられていることを表示す る標識が設けられていること。 ●解説 ・便所の出入口には、障害者、オストメイト、妊産婦、乳幼児を連れた者等の使用に配慮 した便所(だれもが利用できる便所)である旨をわかりやすく表示する。 (オ)戸を設ける場合は、当該戸は、次に掲げる基準に適合するものであること。 a 幅は、80センチメートル以上とすること b 障害者等が容易に開閉して通過できる構造のものであること。 ●整備基準 イ 広さの確保:車いす使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。 ●望ましい水準 ・便所内の多機能便房の手前に、車いす使用者が回転できる150センチメートル×150セン チメートル 以上の広さを設けること。 ●整備基準 (4)(2)アの便房は、次に掲げる基準に適合した構造とすること。 ●整備基準 ア 段:出入口には、車いす使用者が通過する際に支障となる段がないこと。 ●整備基準 イ 出入口を表示する標識:出入口には、当該便房が障害者等の円滑な利用に適した構造 のものであることを表示する標識が設けられていること。 ●解説 ・多機能便房の出入口には、障害者、オストメイト、妊産婦、乳幼児を連れた者等の使用 に配慮した便所(誰もが利用できる便所)である旨を分かりやすく表示する。 ●整備基準 ウ 腰掛便座及び手すりの設置:腰掛便座及び手すりが設けられていること。 ●解説 ・JISに準拠したものを使用する。 ・便座の高さは40〜45センチメートル とする。 ●整備基準 エ 水洗器具の設置:障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられて いること。 ●解説 ・高齢者、障害者、オストメイト等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具を設置す る。 ・車いすでの使用に配慮し、洗面器の下に床上60センチメートル以上の高さを確保し、洗 面器上面の標準的高さを80センチメートル以下とする。よりかかる場合を考慮し、十分な 取付強度を持たせる。 ・蛇口は、上肢不自由者のためにもセンサー式、レバー式などとする。 ・便器洗浄器具のスイッチは、押しボタン式等の操作が容易なものを分かりやすい位置に 設ける。 ・視覚障害者や上肢体の不自由な人等の使用に配慮し、紙巻器、便器洗浄ボタン、呼び出 しボタンの形状、色、配置についてはJIS S0026 にあわせたものとする。 ●望ましい水準 ・多機能便房内におむつ交換シート等を設置すること。 ●整備基準 (5)(3)ア(ア)及び(オ)並びにイの規定は、(4)の便房について準用する。 ●解説 ・多機能便房の広さは、車いす使用者が設備・備品等を使用できる等、車いす使用者の円 滑な利用に適した広さを確保する。 6 駐車場 ●基本的な考え方 ・公園利用者のために設けられる駐車場には、公園の主要な出入口に最も近接した箇所に 適切な数の車いす使用者専用の駐車区画を設ける。 ●整備基準 利用者の利用に供する駐車場を設ける場合は、次に定める構造の車いす使用者用駐車区画 を駐車台数の合計が200台以下のものにあっては、駐車台数の合計に50分の1を乗じて得た 数(ただし、その数に1未満の端数があるときは、これを1に切り上げた数)以上を、駐 車台数の合計が200台を超えるときは、駐車台数の合計に100分の1を乗じて得た数(ただ し、その数に1未満の端数があるときは、これを1に切り上げた数)に2を加えた数以上 を設けること。 ●解説 ・台数計算において小数が生じた場合は、整数に切り上げて得た台数以上を整備するもの とする。 ●備考 表1 車いす使用者用駐車区画の算定表 ・全駐車台数=1〜50台 車いす使用者駐車区画=1区画以上 計算式=全駐車台数×50 分の1以上 ・全駐車台数=51〜100台 車いす使用者駐車区画=2区画以上 計算式=全駐車台数×5 0分の1以上 ・全駐車台数=101〜150台 車いす使用者駐車区画=3区画以上 計算式=全駐車台数× 50分の1以上 ・全駐車台数=151〜200台 車いす使用者駐車区画=4区画以上 計算式=全駐車台数× 50分の1以上 ・全駐車台数=200台を超える 車いす使用者駐車区画=計算式によって得た数以上 計 算式=(全駐車台数×100分の1)+2以上 (注)総駐車台数が200台以下→50分の1を乗して得た数以上 総駐車台数が200台を超える→100分の1を乗して得た数に2を加えた数以上以上 台数計算で少数が生じた場合は、切り上げ ●整備基準 (1)区画の幅:幅は、350センチメートル以上とすること。 ●望ましい水準 ・車いす使用者用駐車区画が1区画の場合は、乗降用スペースを両側に設けること。 ●整備基準 (2)設置位置:2の項に定める構造の園路又は広場に近接した水平な場所に設け、かつ、 車いす使用者用駐車区画へ通ずる園路は、2の項に定める構造とすること。 ●整備基準 (3)表示:車いす使用者用駐車区画である旨を分かりやすい方法で表示すること。 ●解説 ・当該駐車区画には、車いす使用者用駐車区画である旨を分かりやすい方法により表示す ること。 ・表示は、区画内の路面だけでなく、立て看板等により分かりやすい方法で表示すること。 ・道又は空地から駐車場へ通ずる出入口には、原則として、車いす使用者用駐車区画があ る旨を表示し、特に駐車区画が多数あり、複数の場所にわたる大規模な駐車場にあっては、 当該出入口から車いす使用者用駐車区画に至る経路について誘導のための表示を行うこと。 7 案内標示 ●基本的な考え方 ・出入口付近の適切な位置に、公園内の全体の様子が分かる案内板を設ける。 ・公園の案内板は分かりやすく、理解しやすい内容とする。 ●整備基準 (1)案内標示(施設全体の利用に関する情報を提供する案内板、掲示板及び標識)を設 置する場合は、次に定める構造とすること。 ●解説 ・掲示板(一時的な情報提供)、標識(案内板や誘導サイン等)を設ける場合は、車いす 使用者が近づきやすい位置、車いす使用者が見やすい高さ等の構造とする必要がある。 ・標識が園路上に突き出す場合は、視覚障害者等の通行の支障とならないよう、下端が地 上200センチメートル以上の高さに設置する。 ●整備基準 ア 案内板の構造:障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。 ●整備基準 イ 容易な識別:当該案内標示に表示された内容が容易に識別できるものであること。 ●解説 ・標識の表示内容が容易に読み取れるような文字の大きさ、明度、色相又は彩度とする。 ●望ましい水準 ・標識には平仮名、ピクトグラム、ローマ字等による表示を併用すること。 ・標識には点字表示、触知図、音声案内装置等を設けること。 ●整備基準 ウ 明度差等の確保:案内板及び標識は、別表第2の1の表12の項(3)に定める構造と すること。 ●解説 ・表記内容について、色の識別をしにくい者が円滑に利用できるように、見分けやすい色 の組み合わせを用いて表示要素ごとの明度、色相、彩度の差を確保するよう配慮すること。 ●整備基準 (2)案内標示のうち1以上は、1に定める出入口の付近に設けること。 ●解説 ・車いす使用者が近づきやすい位置、車いす使用者が見やすい高さ等の構造とする必要が ある。 ・基準を満たす案内板を移動等円滑化園路の出入口や駐車場の付近に配置する。 ・標識周辺の床面は、平坦で固くしまっていてぬれても滑りにくい仕上げとする。 ・公園全体の案内図には、車いす使用者等が利用可能な施設に、国際シンボルマーク等に より、その旨を表示する。 ●望ましい水準 ・車いす使用者が容易に接近できるよう、表示面の方向に150センチメートル×150センチ メートル以上の水平部分を園路動線に支障のないように設ける。 8 付帯設備 ●基本的な考え方 ・その他の公園施設についても、障害者等の利用に配慮し、だれもが利用できるように整 備を進める。 ●整備基準 ・ベンチ、屋外卓及びその他の設備を設ける場合は、障害者等が円滑に利用できる構造の ものを設けること。 ●解説 ・ベンチを設ける場合は、両端に手すり兼用となるような大きめのひじかけのあるものを 1以上設けること。 ●望ましい水準 ・ベンチ等の付帯設備を園路沿いに設ける場合は、園路の有効幅員を確保し、その外側に 設けること。 ・ベンチの腰掛け板の高さは、40センチメートル〜45センチメートルとすること。 ・杖使用者用のベンチは、標準の高さを55センチメートルとし、前傾させること。 ・車いす使用者等に配慮して、ベンチに隣接して、平坦で堅い表面の85センチメートル以 上×120センチメートル以上のスペースを確保すること。 ●解説 ・野外卓を設ける場合は、天板の下部に高さ65センチメートル以上、幅75センチメートル 以上、奥行45センチメートル以上、使用方向150センチメートル以上の水平部分を確保す ること。 ・車いす使用者が利用できる野外卓を複数設ける場合は、隣接する野外卓とは、220セン チメートル以上の間隔を設けること。 ●解説 ・パーゴラ、四阿(あずまや)を設ける場合は、車いすが回転できるスペース(150セン チメートル以上×150センチメートル以上)及びベンチ横に車いす使用者が近づけるス ペース(85センチメートル以上×120センチメートル以上)を確保すること。 ●解説 ・水飲みを設ける場合は、次の構造とすること。 (1)車いすが接近できるよう使用方向150センチメートル以上、幅90センチメートル以 上の水平部分を設けること。また、水平部分には踏み台等の障害物を置かないこと。 (2)踏み台を設ける場合は、車いすの使用方向を考慮し支障とならない場所に設けるこ と。 (3)飲み口までの高さは70〜80センチメートル程度とし、車いすで利用しやすいように 下部に高さ65センチメートル以上、奥行き45センチメートル以上のスペースを確保するこ と。 (4)給水栓は、レバー式その他障害者等が利用しやすい構造とすること。 (5)水飲みの飲み口は、上向きとすること。 9 視覚障害者の安全かつ円滑な利用に必要な設備 ●基本的な考え方 ・視覚障害者が施設を安全かつ円滑に利用できるように施設を整備する。 ●整備基準 視覚障害者が安全かつ円滑に利用できるように、次のように整備すること。 ●整備基準 (1)視覚障害者誘導用ブロックの敷設:次の場所には、視覚障害者誘導用ブロックを敷 設すること。ただし、駐車場から1の項に定める構造の出入口に至る園路にあっては、こ の限りでない。 ア 敷地に接する道から1の項に定める構造の出入口に至る経路 イ 3の項に定める構造の階段の上端及び下端に近接する園路又は広場並びに踊場の部分 ウ 4の項に定める構造の傾斜路の上端及び下端に近接する園路又は広場 エ 2の項に定める構造の園路の要所や特に視覚障害者の注意を喚起することが必要であ る場所 ●解説 (視覚障害者誘導用ブロックの構造) ・形状については、JIS規格の構造とする。 ・黄色を原則とすること。ただし、周辺の床材との対比を考慮して、明度差あるいは輝度 比などが十分に確保できず、かつ安全で連続的な道すじが明示できない場合は、この限り でない。 ・十分な強度を有し、滑りにくく、耐久性、耐摩耗性に優れたものとすること。 ●整備基準 (2)点字その他の案内設備の設置:7の項(1)に定める構造の案内板には、点字その 他の案内設備を設けること。