「カラーバリアフリーで創る街づくり事業」におけるカラーバリアフリー化推進計画 平成24年3月 カラーバリアフリーで創る街づくり検討委員会 目次 第1章 カラーバリアフリー化推進計画の概要 1 目的 2 計画策定の流れ 3 モデル地域の選定 (1) 選定の経緯・理由 (2) モデル地域の現況 ア 移動円滑化の視点から見た特徴 イ 案内サインの課題 第2章 カラーバリアフリー化推進計画に当たっての視点 1 重点的に取組む移動経路 2 災害発生時の避難経路 3 誘導対象者 4 景観との調和 5 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 6 その他 第3章 整備提案 1 整備提案の概要 2 各整備提案に対する検討 (1) 路面への案内サイン表示 (2) 位置認識の向上のための路面材使い分け (3) 路面への塗装 (4) 施設の高所部への施設名表示(遠方からの認識向上) (5) 施設壁面への懸垂幕等による施設名表示(近辺からの施設位置認識向上) (6) 案内誘導のための旗やのぼり類の連続設置 (7) 公共的施設への誘導のための電柱等の利用 (8) 公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離の表示 (9) 避難場所の記載など住居表示街区案内図の見直し (10)既存案内サイン等のユニバーサルデザイン化 (11)周辺案内板等の新設 (12)民間の既存案内サインの活用 (13)広報用掲示板の活用 (14)道路上の案内標識への施設名表示 3 整備提案のまとめ 4 整備内容の提案 第4章 色彩計画案策定のための現地検証 1 実施方法 (1) 日時 (2) 天候、照明条件 (3) 参加者 (4) 視距離 (5) 検証の視点 (6) 検証内容 2 現地検証の結果 (1) 検証者の回答 (2) まとめ 第5章 整備内容の仕様 1 路面への塗装(案の1) 2 横断防止柵への着色及び案内プレートの設置 3 矢羽型誘導サイン 4 住居表示街区案内板 【資料(別冊)】 参考資料1 「大和市景観条例」 参考資料2 「大和市屋外広告物条例」 参考資料3 「大和市景観計画に基づく色彩景観形成の手引き」 参考資料4 「カラーバリアフリーで創る街づくりの視点で見た、大和市重点整備地区の現状報告と改善案について」(直井委員作成) 参考資料5 「現地検証の集計結果」 第1章 カラーバリアフリー化推進計画の概要 1 目的  神奈川県では、「みんなのバリアフリー街づくり条例」に基づき、公共的施設の案内板や標識等サインの色使いが誰にでも分かりやすいものになるよう、全国に先駆けて、ガイドラインの作成やアドバイザーの派遣、相談窓口の設置など、「カラーバリアフリー」の取組みを進めている。 カラーバリアフリーについてはユニバーサルデザインの考え方とともに少しずつ県民に普及しつつあるが、街のサインの中には色弱者の方にとって不便と感じるものも少なくない。 そのため、平成22年度に実施された「県民からの政策提案」を受け、「カラーバリアフリーで創る街づくりモデル事業」を実施し、カラーバリアフリーの一層の普及を図ることとした。(なお、当事業は「県民からの政策提案」に応募のあった67件のうち、唯一採択された事業である。) 具体的には、県内からモデル地域を選定し、そこでの公共的施設の案内や標識等を、誰にでも分かりやすい色使いにより作成・設置することで、カラーバリアフリーの街づくりを広く県内外に発信し、より一層の普及を目指そうというものである。 そこで、本事業を進めるに当たり、モデル地域における「カラーバリアフリー化推進計画」(以下、「推進計画」という。)を策定することとした。 2 計画策定の流れ 有識者等で構成する「カラーバリアフリーで創る街づくり検討委員会」(以下、「検討会」という。)を設置し、推進計画の検討・策定を行った。推進計画では、整備内容の提案までをまとめた。 また、本計画策定に当たっては、色弱者などの意見を反映する必要があるので、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構による監修の下、色弱者による検証作業を行った上で、推進計画の原案を作成することとした。 なお、地元住民の意見・ニーズについては、モデル地域となる大和市がこれまで開催してきた、大和市ユニバーサルデザイン推進会議の意見や市民参加のワークショップの結果を基に、推進計画に反映することとした。 3 モデル地域の選定 (1) 選定の経緯・理由 本事業を実施するに当たり、県内市町村に対してモデル地域の募集を行い、選考の結果、大和市の「鶴間駅周辺地区」をモデル地域として選定した。 本地域は、平成16年度に「移動等円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想」(以下、「基本構想」という。)を策定し、平成22年度まで交通バリアフリー化整備を行った地域である。 「基本構想」の策定当時は、カラーバリアフリーの考え方が普及していなかったこともあり、平成22年度までの交通バリアフリー化整備は、視覚障害者や車いす利用者の方の円滑な移動空間を確保することを中心とした整備であったため、カラーバリアフリーの視点が十分でない部分があった。 このことから、交通バリアフリー化整備を行った本地域にカラーバリアフリーの視点を加えることで、多くの視点や立場を含んだ街づくりの先進的モデル事例を目指すこととした。 ※ 「鶴間駅周辺地区」交通バリアフリー化に関する基本方針 @だれもが安全に安心して利用できる交通環境の整備 Aだれもが安全に安心して歩ける歩行空間の整備 B市民、事業者、その他関係機関と協働してバリアフリー化を進める 大和市交通バリアフリー基本構想に基づく重点整備地区(鶴間駅周辺地区) ◎は、主なバリアフリーの整備内容 (2) モデル地域の現況 ア 移動円滑化の視点から見た特徴 移動円滑化の視点から見た大和市及びモデル地域の特徴は、次のような状況である。 (ア) 概要及び交通手段の現状 大和市は、神奈川県のほぼ中央に位置し、横浜、町田、相模原、藤沢、海老名、座間、綾瀬の各市に隣接する、人口約22万人の地方公共団体である。市域は南北に細長く、丘陵起伏はほとんどない。 市内の公共交通機関は、3つの鉄道事業者と2つのバス事業者が乗り入れており、非常に交通の利便性が良い街となっている。 モデル地域内の交通拠点は小田急江ノ島線鶴間駅(以下、「鶴間駅」という。)である。 市役所や市立病院までの主な交通手段は、電車若しくはバスで鶴間駅に到着し、徒歩で向かう方法のほか、大和駅からバスを利用する方法もある。その他、自転車による移動も非常に便利な街となっている。 ※「大和市役所へのアクセス紹介例」(出典:大和市ホームページ) 小田急江ノ島線鶴間駅下車徒歩約10分 小田急江ノ島線大和駅下車バス利用約10分 (イ) 公共的施設の集積 モデル地域内には、数多くの公共的施設が集積している。主なものとしては次のとおりである。 ・官公庁施設 「大和市役所」「大和市保健福祉センター」 ・教育文化施設 「大和市勤労福祉会館」 「コミュニティセンター鶴間会館」 ・医療施設 「大和市立病院」「大和市地域医療センター」「大和クリニックモール」「第2大和クリニックモール」 ・商業施設 「イトーヨーカドー大和鶴間店」「イオン大和ショッピングセンター」「さがみ農協鶴間支店」 ・公共交通機関 「小田急江ノ島線鶴間駅」 (ウ) 高齢者、障害者の現状 平成23年4月1日現在の高齢者人口(65歳以上)の人口は43,528人と年々増加しており、10年前の高齢者人口25,715人と比較すると、約1.6倍の伸びとなっている。同じ期間の大和市の全人口が218,193人から230,055人と約1.05倍の伸びとなっていることから、高齢者人口の増加は、全人口の増加をはるかに上回っている状態である。 また、平成23年3月31日現在の身体障害者手帳所持者は5,364人、療育手帳所持者(知的障害者)は1,237人、精神障害者保健福祉手帳所持者は973人となっている。平成14年度と比較して、身体障害者数は約1.4倍、知的障害者数は約1.8倍、精神障害者数は約4.1倍の伸びとなっている。 なお、障害部位別にみると、平成23年では、肢体不自由者が3,242人で、全体の約6割を占めている。その次に、内部障害、聴覚・平衡機能障害、視覚障害、音声・言語機能障害の順に多くなっている。内部障害は過去10年間で約1.6倍に増加している。 (エ) 特定経路の設定 モデル地域内の道路網としては、下鶴間桜森線が東西に、また、南大和相模原線が南北に配置されている。 平成16年度の基本構想では、鶴間駅と主要な施設(大和市役所、大和市立病院、保健福祉センター、イトーヨーカドー大和鶴間店、イオン大和ショッピングセンターなど)を結ぶ上記2本の幹線道路を特定経路として設定した。 なお、モデル地域内の特定経路の周辺地域は、住宅地が中心となっている。 (オ) モデル地域外における公共的施設への考慮 鶴間駅西口には、南林間までつながる商店街がある。また、モデル地域外には広域避難場所(泉の森及び一ノ関・城ヶ岡)がある。 イ 案内サインの課題 第1回検討会の現地検証及び大和市主催のワークショップの結果で明らかとなったモデル地域における案内サインの課題については次のとおりである。 (ア) 案内サインが少ない 鶴間駅から各公共的施設まで、又は各公共的施設から鶴間駅まで、誘導を行う案内サインがほとんどないため、初めて鶴間駅に降りた人が、案内サインのみを頼りに、目的地までたどり着くのは困難な状況である。 また、目的地の公共的施設前にも、案内サインが設置されていないため、目的地に着いたのかどうかが分かりにくい。 (イ) 案内サインの情報が伝わりにくい 特定経路に設置された数少ない案内サインについても、 ・カラーバリアフリーに配慮されていない ・現在地の表示がされていない ・掲載情報の更新がされておらず、正確な情報でない ・実際の向きと地図の向きが合っていない ・磨耗・劣化しており、情報が見えにくい などの理由により、案内サインの情報が利用者に伝わりにくい。 (ウ) 鶴間駅において目的地への出口が分からない 鶴間駅は、改札から向かって左側が東口、右側が西口という配置となっているが、 ・改札前の案内サインが窓際に設置され見づらい ・出口に向かう階段に案内サインがない ・出口付近に案内サインがないため、間違えて反対の出口から出た利用者に対して、正しい出口に戻すための誘導がされていない などの理由により、利用者にとって、目的地の出口が分かりづらい状況となっている。 (エ) バス停の行き先案内が分かりづらい バス停記載の路線表示が、色の違いだけで表示されており、色弱者にとっては、行き先案内が分かりづらい表記となっている。 第2章 カラーバリアフリー化推進計画に当たっての視点  モデル地域におけるサイン計画上の課題を解決し、円滑な移動を促進する必要があることから、次の視点で整備提案を検討した。 1 重点的に取組む移動経路 モデル地域における交通拠点から公共的施設(市役所、市立病院、商業施設等)までの移動経路は、 ・鶴間駅(交通拠点)→徒歩→公共的施設(目的地) ・バス停(交通拠点)→徒歩→公共的施設(目的地) の2つのパターンが想定された。(それぞれ復路を含む) 整備提案は、大和市での整備構想の特定経路を動線とし、交通拠点から目的地まで、又は公共的施設から交通拠点まで、円滑に誘導できる方法を検討した。 なお、モデル地域外の鶴間駅西口の商店街といった不特定多数の者が集まる場所についても、誘導施設の対象として一定の考慮を行った。 2 災害発生時の避難経路 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、鉄道駅周辺などで、多数の帰宅困難者が発生した。災害時には、公共的施設や広域避難場所への円滑な避難誘導を行う必要がある。 整備提案では、災害発生時における避難経路の案内方法を検討した。 また、災害発生時の避難経路に加え、日常的な防犯対策の視点も考慮した。  (行政と民間企業の協力) ・緊急避難所、給水所、トイレ場所などの確保のため、駅、スーパー、コンビニエンスストア等の民間企業と協力した表示案内 (停電・節電の影響) ・計画停電、長期の節電に備え、電気看板が使えない、夜間の表示が見えないことへの対策を加えた災害時、緊急時の避難場所の標識サイン (気象の影響) ・熱中症などの心肺停止への適切な対応を視野に入れたAEDの設置と設置場所表示の明確化 ・ゲリラ豪雨などの異常気象に備え、路面への案内サイン表示だけではなく、重要度によっては、高さの違う所にも表示 3 誘導対象者 大和市の障害者人口、高齢者人口ともに、大和市の全人口に占める割合は高く、年々増加する傾向となっている。また、モデル地域内には公共的施設が集積しており、障害者又は高齢者等が訪れる機会が多い地域である。 このことから、色弱者の者に加え、高齢者や障害者に対しても配慮し、安心して移動できる情報提供の方法を検討した。 また、ユニバーサルデザインの観点から、外国人に配慮する必要もあり、案内サインの具体的な整備提案時に、外国語の表記についても検討を加えた。 4 景観との調和 カラーバリアフリーの考え方には、「景観との調和」の視点も含まれる。例えば、モデル地域内で案内サインや色による情報提供を行う際には ・「大和市景観計画」 ・「大和市景観条例」・・・参考資料1 ・「大和市屋外広告物条例」・・・参考資料2 ・「大和市景観計画に基づく色彩景観形成の手引き」・・・参考資料3 に留意する必要がある。 これらの法規等を遵守しつつ、目立ちやすく、かつ分かりやすくなる方法を検討した。 5 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 モデル事業として、事業成果をカラーバリアフリーの先進事例として、県内に広く周知・提供し、カラーバリアフリーの一層の促進を図る必要がある。 県内他市町村における先駆的モデル事例となるよう、大和市固有の特性活用を図るとともに、全県的な展開をにらんだ汎用性のある波及効果の高いものとなるよう検討した。 6 その他 案内サインによる適切な情報提供を行うためには、案内サインの新設費用だけではなく、情報更新、清掃などの維持管理や、既存の案内サイン、横断防止柵、電柱など資源の活用による経費抑制も考慮する必要がある。 こうした維持管理費用や既存資源の活用を考慮した経済性の高い整備手法を検討した。 第3章 整備提案 1 整備提案の概要 災害発生時を含む移動経路、景観との調和、費用対効果、他地域への波及効果などの視点で次の14の整備提案を検討した。 (1) 路面への案内サイン表示 (2) 位置認識の向上のための路面材使い分け (3) 路面への塗装 (4) 施設の高所部への施設名表示(遠方からの認識向上) (5) 施設壁面への懸垂幕等による施設名表示(近辺からの施設位置認識向上) (6) 案内誘導のための旗やのぼり類の連続設置 (7) 公共的施設への誘導のための電柱等の利用 (8) 公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離の表示 (9) 避難場所の記載など、住居表示街区案内図の見直し (10)既存案内サイン等のユニバーサルデザイン化 (11)周辺案内板等の新設 (12)民間の既存案内サインの活用 (13)広報用掲示板の活用 (14)道路上の案内標識への施設名表示 2 各整備提案に対する検討 (1) 路面への案内サイン表示 内容 路面上の案内サインをたどっていけば、目的地にたどりつくよう、適切な誘導地点の路面に公共的施設の案内サインを表示する。 整備イメージ 整備候補地 交通拠点から目的地まで又は公共的施設から交通拠点までの経路における路面 重点的に取組む移動経路 ・特定経路上に公共的施設の案内サインを表示することで、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設に対しては、距離の離れた場所から行き先を指し示すだけで、案内施設まで連続して誘導できないため、案内方法としては不適切である。 災害発生時の 避難経路 ・モデル地域外の広域避難場所に対しては、距離の離れた場所から行き先を指し示すこととなるため、案内方法としては不適切である。 ・降雨、降雪時に見えにくい。夜間停電時には発光などの工夫が必要である。 ・自転車等が置かれると、案内サインが見えなくなる。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり有効ではない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ※本報告書では、「ロービジョンの方」とは、視機能が弱く、矯正もできない状態の人、または従来は弱視、または低視力と呼ばれた状態の人を指している。全盲の方ではない。以下も同様とする。 ・知的障害者に対しては、特徴の差をつけられれば理解しやすい案内サインとなり有効。 ※状況の推測が困難な知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、動線の分岐点など効果的なポイントへのサインの設置は、目的地までの経路の情報等を得やすくするために有効である。 状況の把握などが困難な知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、信号の待ち時間、列に並ぶライン、緊急連絡場所などの表示は有効である。 出典:国土交通省『知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集』 景観との調和 ・目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。なお、着色面積が広くなるときは、全体の基調色は中・低彩度色を基本とし、景観に配慮した色彩とする必要がある。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・モデル地域においては、目的地までの動線を特定経路のみと設定しており他の経路に誘導する必要がないため、当該提案は大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・他自治体においても、路面に公共的施設の案内サインを表示することは容易であるため、波及性は高い。 その他注意事項 ・耐用年数が約2年と短く定期的な塗り直しが欠かせない。 ・新設費用は、1u当たり約37,500円 まとめ 凡例 ○:プラス効果 ●:マイナス効果 ※以下同様とする ○一定のエリア内の誘導表示には有効であり、カラーバリアフリーの考え方の反映が容易である。 ●災害発生時の避難サインとしては効果が低い。 ●視覚障害者にとっては気付かない可能性がある。 ●耐用年数が短く、運用コスト面で課題がある。 ○汎用性があり、他地域への波及効果はある。 ●歩道面の限られた空間であり、案内情報が氾濫すると情報提供手段として効果が期待できない。 (2) 位置認識の向上のための路面材使い分け 内容 公共的施設まで誘導するために、地区ごとに路面材を使い分け、路面材自体を目印とする。 整備イメージ   整備候補地 交通拠点から目的地まで又は公共的施設から交通拠点までの経路における路面 重点的に取組む移動経路 ・特定経路の路面材を使い分けることで、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設に対しては、モデル地域内の路面材を整備しただけでは、案内施設まで誘導できないため、案内方法としては不適切である。 災害発生時の 避難経路 ・モデル地域外の広域避難場所に対しては、モデル地域内の路面材を整備しただけでは、案内施設まで誘導できないため、案内方法としては不適切である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者には凹凸面など路面加工の配慮が必要。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、触覚の違いを付けられればわかりやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、触覚の違いを付けられればわかりやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ※知的障害、発達障害、精神障害のある人の中には、複雑な空間を理解できなかったり、表示された情報を理解することが困難な方がいるため、連続した明快で簡潔な動線やわかりやすい空間構成は有効である。 出典:国土交通省『知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集』 景観との調和 ・目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。なお、着色面積が広くなるときは、全体の基調色は中・低彩度色を基本とし、景観に配慮した色彩とする必要がある。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・当該整備提案の主な狙いは、利用者が現在地を把握しやすくすることを目的としている。モデル地域は、南北と東西に走る二本の道路網を特定経路とした単純な構成である上、ランドマークとなる公共的施設も適度に存在し、建て替えも少なく、モデル地域の特性を活用しているとは言えない。また、平成22年度に特定経路の路面整備を終えたばかりなので、再整備は難しい。 ・現在地を把握しづらい他地域では有効な整備提案で、波及性は高い。 その他注意事項 ・歩道面について、通常のアスファルト舗装に加えた色づけや敷石などの加工、改修が必要である。 ・一般的には、街のシンボル的な道路や歴史的な背景のある道路整備に利用されている。 ・整備後のメンテナンスは部材により異なる。色づけ加工のみであると耐用年数は短い。また、路面材が大きな荷重に耐えられないため、自動車が通る場所には整備できない。 ・新設費用は、1u当たり14,800円 ※複数箇所の施設前の路面を想定すると費用は箇所数により変動する。 まとめ ○一定のエリア内の誘導表示には有効である。カラーバリアフリーの考え方の反映が容易である。 ●災害発生時にモデル地域外にある広域避難所への誘導サインとしては効果が低い。 ●路面上の凹凸面などで身体障害のある方への配慮が必要である。 ●他の整備提案に比べ、新設費用は多額である。 ●汎用性があり、他地域への波及効果はあるが、景観条例などの規制を受ける可能性がある。 ●自動車が通る場所には整備できない。 ●特定経路の路面整備を終えたばかりなので、再整備は難しい。 ●案内すべき公共的施設と路面材との関係づけを周知するか、別の案内サインを用いる必要がある。 ●路面材の使い分け数には限りがあるため、多数の案内サインを表示できない。 (3) 路面への塗装 内容 目的地にたどり着いたときに、目的の公共的施設を認識できるよう、公共的施設の前の路面を塗りつぶし、併せて矢印とシンボルマークを表示する。 整備イメージ   整備候補地 目的地となるべき公共的施設の前の路面 ・保健福祉センター ・勤労福祉会館 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内外かかわらず、利用者に対して目的の公共的施設を認識させるだけであり、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導にはつながらない。 災害発生時の避難経路 ・公共的施設を認識させるだけであり、広域避難場所かどうかまでは判断できないため、広域避難場所への避難誘導には寄与できない。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり有効ではない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ※状況の把握などが困難な知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、信号の待ち時間、列に並ぶライン、緊急連絡場所などの表示は有効である。 出典:国土交通省『知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集』 ・歩行者全般に対して、周囲との摩擦係数の差をつけないようにして、滑りにくい仕上げとする必要がある。また、交通安全確保に支障がない色かどうか、交通管理者の許可が必要となる。 景観との調和 ・目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。なお、着色面積が広くなるときは、全体の基調色は中・低彩度色を基本とし、景観に配慮した色彩とする必要がある。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・@モデル地域の公共的施設付近に案内がなく、気付きにくい、A歩道から出入口までの距離も短い、B出入口の数が少ない、以上の特徴の施設に有効な整備提案であり、整備候補地の特徴と一致しているため、当該提案は大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・目的地を分かりやすくするという点では、他地域への波及性も高い。 その他注意事項 ・耐用年数が約2年と短く定期的な塗り直しが欠かせない ・新設費用は、1m×2m当たり約126,000円 まとめ ○公共的施設の認識には有効である。カラーバリアフリーの考え方の反映が容易である。 ●災害発生時の広域避難所への誘導サインとしては効果が低い。 ●路面上の凹凸面などで身体障害のある方への配慮が必要である。 ●路面上の摩擦面などで歩行者への配慮が必要である。 ●交通安全確保に支障がない色かどうか、交通管理者との協議が必要となる。 ○歩道から出入口までの距離も短く、出入口の数が少ない公共的施設に有効である。 ●汎用性があり、他地域への波及効果はあるが、景観条例などの規制を受ける可能性がある。 ●案内すべき公共的施設と路面塗装との関係づけを周知する必要がある。 ○「路面の直接塗装」と「視覚障害者用誘導ブロックの塗装」の2案で検討しているが、「路面の直接塗装」の方が応用が効き普及性が高く、「視覚障害者用誘導ブロックの塗装」は面積が小さく見逃しやすい。「路面の直接塗装」の方を優先的に検討するとよい。 ●劣化等により、滑りやすくなることが懸念され、歩行者や自転車利用者の転倒も心配される。 (4) 施設の高所部への施設名表示(遠方からの認識向上) 内容 目的地にたどり着いたとき又は近づいたときに、目的の公共的施設を認識できるよう、公共的施設の屋上など高所部に施設名を表示する。 整備イメージ   整備候補地 目的地となるべき公共的施設 ・大和市役所 「参考資料4」項番7バリアフリー改善案6参考 ・勤労福祉会館 「参考資料4」項番7バリアフリー改善案8参考 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内の市役所や勤労福祉会館は際立って高い建物というわけではないので高所部に施設名を表示しても移動経路から見える位置は少なく、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導にはつながらない。 ・モデル地域外の施設も高所部に施設名を表示しても移動経路から見えるとはかぎらず適切な方法とはいえない。 災害発生時の 避難経路 ・遠方から確認できないと、広域避難場所への避難誘導には寄与できない。 ・広域避難場所に近接した場合には避難方向が明確となる。 ・夜間停電時などにはサインが見えない可能性がある。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、視点が低いため、高所部のサインは有効とはいえない。 ・車いす利用者に対しては、移動中の視野に入らず案内サインに気付かない可能性があり有効とはいえない。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、文字を認識できないため、有効とはいえない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、視点が低いため、高所部のサインは有効とはいえない。 ・知的障害者に対しては、知的障害者に対しては、平易で大きな文字サインは有効。 ※必要な情報を広い空間の中から読みとることが難しいこともある知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、見やすい位置や高さ、向きに掲示したサインは、情報の得やすさを向上する上で有効である。 出典:国土交通省『知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集』 景観との調和 ・建築物の地色を生かした配色としたりするなど、街並みの雰囲気を阻害しないように配慮しながら、目立ちやすく、かつ分かりやすくすることができ、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・モデル地域においては、一部の商業施設を除いて、公共的施設の高さは周囲の建物と同じ程度であり、街路樹も多く、本整備提案の案内サインが認識できる場所は限られている。モデル地域の特性を活用している整備提案とは言えない。 ・目的地を分かりやすくするという点では、他地域への波及性も高い。 その他注意事項 ・民間施設では企業広告効果を含め実施する施設がある。 ・官公庁では、壁面へのシンボルマークや旗の掲揚などで施設を示していることが多い。 ・照明方法など景観上の規制を受ける可能性がある。 ・新設費用は、約18万円から まとめ ●施設管理者との調整が必要である。 ●高所部にはあるが、案内サインが見える位置までの近接が必要である。文字情報が中心となる。 ●遮蔽物があると災害発生時に誘導サインとしては効果が低い。 ●上部への視点移動や文字認識が必要なため視覚障害者や知的障害者には向かない。 ●広告効果など含め、施設管理者による投資が必要である。 ●当該モデル地域では、電線や街路樹など障害物が多い中でも、動線上から認識できる位置を、掲載場所として確保する必要がある。 (5) 施設壁面への懸垂幕等による施設名表示(近辺からの施設位置認識向上) 内容 目的地にたどり着いたときに、目的の公共的施設を認識できるよう、施設の壁面に懸垂幕などで施設名を表示する 整備イメージ 整備候補地 目的地となるべき公共的施設 ・保健福祉センター 「参考資料4」項番7バリアフリー改善案7参考 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内外かかわらず、利用者に対して目的の公共的施設を認識させるだけであり、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導にはつながらない。 災害発生時の 避難経路 ・遠方から確認できないと、広域避難場所への避難誘導には寄与できない。 ・広域避難場所に近接した場合には避難方向が明確となる。 ・夜間停電時などにはサインが見えない可能性がある。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、視点が低いため、高所部のサインは有効とはいえない。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、文字を認識できないため、有効とはいえない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、視点が低いため、高所部のサインは有効とはいえない。 ・知的障害者に対しては、平易で大きな文字サインは有効。 景観との調和 ・建築物の地色を生かした配色としたりするなど、街並みの雰囲気を阻害しないように配慮しながら、目立ちやすく、かつ分かりやすくすることができ、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・モデル地域においては、一部の商業施設を除いて、公共的施設の高さは周囲の建物と同じ程度であり、街路樹も多く、本整備提案の案内サインが認識できる場所は限られている。また、懸垂幕の懸架スペースは恒常的に利用されており、空いている期間がほとんどない。モデル地域の特性を活用している整備提案とは言えない。なお、病院の横断幕は、医療法において患者等の利用者保護の観点から制限される可能性が高い。 ・目的地を分かりやすくするという点では、他地域への波及性も高い。 その他注意事項 ・企業広告や官公庁のお知らせなどで壁面の懸垂掲示場所が整備されている例は多い。 ・懸垂箇所が整備できていれば、懸垂幕のみの用意で案内可能であるが常設する場合は、懸垂幕の耐用年数は短い。 ・懸垂幕の費用は、1m×9mサイズで約5万円から まとめ ●施設管理者との調整が必要である。文字情報が中心となる。 ●遮蔽物があると災害発生時に誘導サインとしては効果が低い。 ●上部への視点移動や文字認識が必要なため視覚障害者や知的障害者には向かない。 ●常設型の懸垂幕の耐用年数は短く、定期的な作り直しが欠かせない。 ●期間限定で周知が必要な内容を含む懸垂幕と常設型の案内が並存するため、配置、情報内容について工夫が必要である。 (6) 案内誘導のための旗やのぼり類の連続設置 内容 公共的施設まで誘導するために、一定間隔で旗やのぼりなどを設置し、公共的施設の案内サインを表示する。 整備イメージ 整備候補地 交通拠点から目的地まで又は公共的施設から交通拠点までの特定経路 重点的に取組む移動経路 ・ 特定経路上の旗やのぼりなどに、公共的施設の案内サインを表示することで、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 ・ モデル地域外の公共的施設に対しては、距離の離れた場所から方向や距離を指し示す必要がある。 ・ 旗やのぼり類は風の影響を受け、一定の方向を示すことができないため、案内方法としては不適切である。 災害発生時の 避難経路 ・ モデル地域外の広域避難場所に対しては、距離の離れた場所から方向や距離を指し示す必要がある。 ・ 旗やのぼり類は風の影響を受け、一定の方向を示すことができないため、案内方法としては不適切である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、旗やのぼりのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり有効ではない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、連続的なサインは有効。 ※知的障害、発達障害、精神障害のある人の中には、複雑な空間を理解できなかったり、表示された情報を理解することが困難な方がいるため、連続した明快で簡潔な動線やわかりやすい空間構成は有効である。 出典:国土交通省『知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集』 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・誘導すべき経路が1つであるため、当該提案は大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・誘導すべき経路が1つの地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・常設する場合は、支柱や旗の定期的なメンテナンスが必要である。(※学校教育を利用して旗やのぼりの交換をおこなうなど交換の仕組み検討などが必要) ・製作費用は、3色300枚で、25万円から まとめ ○一定のエリア内の誘導表示には有効である。 ○旗やのぼりの「動き」を利用した案内で、固定式の案内との差別化や街の賑わいの演出効果が認められる。 ●災害発生時にモデル地域外にある広域避難所への誘導サインとしては効果が低い。 ●視覚障害者は旗やのぼりに気付かない可能性がある。 ●常設型の旗の耐用年数は短く、定期的な作り直しが欠かせない。 ●旗やのぼりを誘導サインとしていることを知らせる方法が必要となる。また、更新時には表示や内容継続が必要である。 ●旗やのぼりは賑わいや目立つことを演出するために使われる事が多いため、商店街のイベントなどと間違われ、誘導サインと気付かれないおそれがある。 ●他イベントの旗やのぼりが掲示されると、案内サインとしての旗やのぼりが目立たなくなる。 ●案内情報が氾濫するため、多数の公共的施設の案内サインを表示できない。 (7) 公共的施設への誘導のための電柱等の利用 内容 公共的施設まで誘導するために、一定間隔の電柱や街灯の柱部分に連続して、施設名や施設までの距離などを表示し、誘導のための案内サインとする 整備イメージ   整備候補地 交通拠点から目的地まで又は公共的施設から交通拠点までの特定経路における電柱や街灯の柱部分 重点的に取組む移動経路 ・特定経路上の電柱や街灯の柱部分に、公共的施設の案内サインを表示することで、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設に対しても、電柱や街灯の柱部分に方向や距離を示せ、有効な整備提案である。 災害発生時の 避難経路 ・モデル地域外の広域避難場所に対しては電柱や街灯の柱部分に方向や距離を示せ有効な整備提案である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、表示板のカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、視点が低いため、高所部のサインは有効とはいえない。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、文字を認識できないため、有効とはいえない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、視点が低いため、高所部のサインは有効とはいえない。 ・知的障害者に対しては、平易で大きな文字サイン有効。 景観との調和 ・電柱や街灯の表示板について、街並みの雰囲気を阻害しないように配慮しながら、目立ちやすく、かつ分かりやすくすることができ、有効な案内方法である。なお、電柱広告については景観と調和した色使いが定められているため、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・モデル地域内には多数の誘導すべき公共的施設がある上、モデル地域内の特定経路における電柱には、既に広告が掲載されており、公共的施設の案内を掲載する空きがなく、モデル地域の特性を活用している整備提案とは言えない。 ・誘導すべき経路が1つで、かつ電柱広告の未掲載が多い地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・既存の電柱等に穿孔、接着などで表示板を貼ることは、強度面から難しいため、ステンレス板をステンレスバンドで巻く方式がよい。 ・電柱広告については、電柱の管理者への手続きにより整備が可能である。 ・ステンレスバンド1箇所当たりの製作費用は、63,000円 ・電柱広告1箇所当たりの製作費用は、10,000円 ・電柱広告掲載費用は、30,000円(年間)程度 まとめ ○一定間隔で連続した案内サインとするため、多数の公共的施設を案内できないが、当該モデル地域では、市役所や市立病院など公共的施設が特定経路上にあり、こうした施設の案内として有効な誘導手段である。 ○モデル地域外の公共的施設や広域避難所に対しても電柱や街灯の柱部分に方向や距離を示すことで、有効な誘導手段となる。 ●視覚障害者にとっては気づかない可能性がある。 ●電柱広告を利用した場合は、継続的な掲載費用が必要である。 ●モデル地域内の特定経路において表示板を貼れる電柱等が少ないため、公共的施設の案内情報の掲載ができない。 (8) 公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離の表示 内容 公共的施設まで誘導するために、連続して横断防止柵に着色し、併せて一定の間隔で案内表示や距離表示も行い、誘導のための案内サインとする。 整備イメージ 整備候補地 交通拠点から目的地まで又は公共的施設から交通拠点までの特定経路における横断防止柵 重点的に取組む移動経路 ・特定経路上の横断防止柵に、公共的施設の案内サインを表示することで、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設に対しても、横断防止柵に方向や距離を示すことができ有効な整備提案である。 災害発生時の 避難経路 ・モデル地域外の広域避難場所に対しては横断防止柵に方向や距離を示すことができ、有効な案内方法である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり、有効ではない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、柵に付ける案内板は位置が低めで見やすいので有効。 ・知的障害者に対しては、連続的なサインは有効。 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・誘導すべき経路が1つで、かつ経路上に横断防止柵がほぼ整備されているため、当該提案は大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・誘導すべき経路が1つで、かつ横断防止柵が連続して設置されている地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・横断防止策への着色1,197,000円 ※特定経路の片側(約570m)塗装を想定 ・表示板の貼付211,260円 ※6枚(2枚×3箇所)を想定 まとめ ○道路上の連続した案内サインとするため、多数の公共的施設を案内できないが、当該モデル地域では、市役所や市立病院など公共的施設が特定経路上にあり、こうした施設の案内として有効な誘導手段である。 ○モデル地域外の公共的施設や広域避難所に対しても横断防止柵に方向や距離を示すことで、有効な誘導手段となる。 ●視覚障害者にとっては気づかない可能性がある。 ○鶴間駅周辺では、車両の出入り等のために横断防止柵を設置することができないが、当該モデル地域では直線状に横断防止柵を見ることができ、連続性は確保できる。 ●横断防止柵に、距離表示などの文字情報を掲載すると、歩行者を車道側に誘導することとなるため、留意が必要である。 ○情報提供手段として、前例のない提案であり、カラーバリアフリーの視点も取り込めることから、モデル事業として独自性がある。 (9) 避難場所の記載など住居表示街区案内図の見直し 内容 既存の住居表示街区案内図の情報が利用者に伝わりにくい状況となっているので、色使いなどの表示方法を見直し、併せて避難場所の情報も加える。 整備イメージ 整備候補地 既存の住居表示街区案内図 ※住居表示街区は、鶴間駅西口、神奈中バス折返し場付近、鶴間交差点付近に設置 ※広域避難場所案内図は、鶴間駅東口、保健福祉センターに設置 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内の公共的施設については、特定経路を動線とした誘導となるため有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設についても、誘導することができる。 災害発生時の 避難経路 ・避難場所の情報を加えることで、避難場所までの誘導を行うことができるため、有効な整備提案である。 ・夜間停電時にも情報が参照できる工夫がのぞましい。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、点字表記や音声案内などの配慮により理解可能な案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、案内サインのデザインに一定の配慮を行えば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ※漢字標記だけでなく、ピクトグラムの活用や、平仮名併記、字と絵図の併記によって、多様な表示がなされることは、知的障害、発達障害、精神障害のある人にとっても有効である。 ※表示されている内容を読みとることが難しいこともある知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、統一されたデザインによる表示は有効である。 ※表示されている内容を読みとることが難しいこともある知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、重要な情報を優先的に表示する工夫により情報を取得しやすくすることは有効である。 ※表示されている内容を読み取ることが難しいこともある知的障害、発達障害、精神障害のある人にとって、シンプルで統一されたデザインによる表示や空間認知を容易にするための工夫は有効である。 出典:国土交通省『知的障害、発達障害、精神障害のある人のための施設整備のポイント集』 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・当該整備提案は、多数の誘導すべき公共的施設が存在しているときに有効な方法であり、大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・多数の誘導すべき公共的施設が存在している他地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・保守にあたっては、案内図情報の更新が重要であり、管理者の情報更新のルール化と整合を図る必要がある。 ・新設の場合 (A社)810,600円、(B社)572,250円 ・表示板のみ張り替える場合 (B社)420,000円 ・デジタルデータ納品のみの場合 (B社)300,000円 まとめ ○モデル地区を含む周辺地域の情報提供が可能である。 ○モデル地域近辺の公共的施設への案内と、避難場所への案内が連携されることにより、災害発生時の情報提供に効果的である。 ○カラーバリアフリーの考え方などを反映した工夫により高齢者、障害者等への対応が可能である。 ●情報更新など維持管理のルール化が必要である。 ○同様の仕組みを他地域へも波及することが可能である。 (10)既存案内サイン等のユニバーサルデザイン化 内容 案内サイン等の情報が利用者に伝わりやすくするよう、問題点が指摘された案内サインのユニバーサルデザイン化を行う。 整備イメージ 整備候補地 問題点が指摘された案内サイン等 ・保健福祉センターのAED表示 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案1参考 ・勤労福祉会館のAED表示 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案2参考 ・コミュニティセンター鶴間会館駐車場 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案3参考 ・鶴間駅東口の広域避難表示 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案4参考 ・大和市立病院の入口サイン 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案5参考 ・鶴間駅前交番のサイン 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案6参考 ・地域医療センター急患診療所の案内板 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案7参考 ・大和市役所の入口サイン 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案8参考 ・バス停の路線表示 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案9参考 ・ライラック通りの通り名サイン 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案10参考 ・保健福祉センターの広域避難場所案内板 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案11参考 ・保健福祉センターの大和市文化財案内図 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案12参考 ・鶴間駅西口の案内サイン 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案14参考 ・鶴間駅東口の住居表示街区案内図 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案15参考 ・鶴間交差点付近の住居表示街区案内図 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案16参考 ・鶴間交差点付近の商業施設案内図 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案17参考 ・特定経路上の民間広告板 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案18参考 重点的に取組む移動経路 ・案内サインの情報を利用者に伝わりやすくすることで、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 災害発生時の 避難経路 ・広域避難場所案内板の情報を利用者に伝わりやすくすることで、広域避難場所までの誘導を行うことができるため、有効な整備提案である。 ・AEDの設置場所の明確化など緊急時における情報提供に有効である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、点字表記や音声案内などの配慮により理解可能な案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、案内サインのデザインに一定の配慮を行えば、理解しやすい案内サインとなり有効。 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。なお、着色面積が広くなるときは、全体の基調色は中・低彩度色を基本とし、品格と秩序が感じられる色彩とする必要がある。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・当該整備提案は、多数の誘導すべき公共的施設が存在しているときに有効な方法であり、大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・多数の誘導すべき公共的施設が存在している他地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・施設管理者による経費負担が必要な場合が想定されるため、管理者の協力が不可欠である。 ・大和市立病院の入口サイン 46,200円 ・大和市役所の入口サイン  50,925円 まとめ ●一定エリア内のデザインの統一化など施設管理者の協力が不可欠である。 ○個別にきめ細かい対応により災害発生時の情報提供に効果的である。 ○カラーバリアフリーの考え方などを反映した工夫により高齢者、障害者等への対応が可能である。 ○モデルデザインの提案といった啓発方法が想定される。 ●個々の施設状況や設置経緯などが異なるため、個別対応とならざるを得ない部分があり、段階的な対応が想定される。 (11)周辺案内板等の新設 内容 公共的施設まで誘導するために、特定経路から交通拠点、公共的施設の出入口周辺及び特定経路上の一定間隔に、周辺案内板や誘導サインを設置する。 整備イメージ     整備候補地 交通拠点、公共的施設の出入口付近、特定経路 「参考資料4」項番7カラーバリアフリー改善案13参考 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内の公共的施設については、特定経路を動線とした、想定どおりの誘導となるため、有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設についても誘導ができる。 災害発生時の 避難経路 ・広域避難場所の案内をすることで、広域避難場所までの誘導を行うことができるため、有効な整備提案である。 ・夜間停電時にも情報が参照できる工夫が必要である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、点字表記や音声案内などの配慮を行えば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、案内サインのデザインに一定の配慮を行えば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・歩行者の動線上に設置する場合は、建築限界の高さを確保する必要がある。 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・当該整備提案は、多数の誘導すべき公共的施設が存在しているときに有効な方法であり、大和市固有の特性を活用した整備提案である。 ・多数の誘導すべき公共的施設が存在している他地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・一定のデザインの統一化や大量発注により経費の抑制は可能である。 ・施設管理者による経費負担が必要な場合が想定されるため、管理者の協力が不可欠である。 ・矢羽型誘導サイン 1,137,150円(A社 H=3000mm)   879,690円(B社 H=3000mm)   405,700円(C社 H=3000mm)   325,700円(C社 H=1350mm)   220,500円(D社 H=3000mm) まとめ ○個別にきめ細かい対応により災害発生時の情報提供に効果的である。 ○カラーバリアフリーの考え方などを反映した工夫により高齢者、障害者等への対応が可能である。 ○モデルデザインの提案といった啓発方法が想定される。 ●歩行者の通り抜けがある場合は建築限界の高さを確保する必要があるが、視覚障害者(ロービジョンの方)対策のため歩行者の動線を避け、低い位置に表示板を設置するとよい。 ●既設の案内サインと並ぶことにより、案内サインの情報が氾濫し、利用者に情報が伝わりにくくなるおそれがある。 (12)民間の既存案内サインの活用 内容 既存の案内情報の一層の充実を図るために、交通拠点や商業施設などの民間の既存案内サインに市役所等の公共的施設の案内情報を、また市役所等の既存案内サインに民間の公共的施設の案内情報を掲載する。 整備イメージ 整備候補地 交通拠点、特定経路上における民間の既存案内板 ・鶴間駅改札出口の案内サイン 「参考資料4」項番7バリアフリー改善案2参考 ・鶴間交差点付近の案内サイン 「参考資料4」項番7バリアフリー改善案3参考 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内の公共的施設については特定経路上の既存案内サインの情報を充実することで特定経路を動線とした想定どおりの誘導となるため有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設についても案内情報が充実し分かり易い誘導に寄与するため有効な整備提案である。 災害発生時の 避難経路 ・広域避難場所の案内をすることで、広域避難場所までの誘導を行うことができるため、有効な整備提案である。 ・緊急避難所、給水所、トイレ場所などの確保のため、有効な整備提案である。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、平易で大きな文字サインとし、かつ設置位置の高さに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり、有効ではない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、平易で大きな文字サインとし、かつ設置位置の高さに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、案内サインのデザインに一定の配慮を行えば、理解しやすい案内サインとなり有効。 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。なお、着色面積が広くなるときは、全体の基調色は中・低彩度色を基本とし、品格と秩序が感じられる色彩とする必要がある。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・ 当該整備提案は、誘導すべき公共的施設が限られているときに、有効な方法である。 ・モデル地域内には、多数の誘導すべき公共的施設があるため、限られた公共的施設の誘導としない限り、モデル地域の特性を活用している整備提案とは言えない。 ・誘導すべき公共的施設が限られた他地域では、民間の既存案内サインは気づきやすい場所に設置されていることが多いため、有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・施設管理者による経費負担が必要な場合が想定されるため、管理者の協力が不可欠である。 まとめ ●一定エリア内のデザインの統一化など施設管理者の協力が不可欠である。 ○民間施設の協力が得られれば、災害発生時に緊急避難所、給水所、トイレ場所など確保及び表示案内が可能となる。 ○カラーバリアフリーの考え方などを反映した工夫により高齢者、障害者等への対応が可能である。 ●モデル地域内の特定経路における民間の既存案内サインは少ないため、多数の公共的施設を案内できない。 ●鶴間交差点付近の商業施設の案内サインに市役所名を表示すると、商業施設内に市役所があると誤解される可能性がある。 (13)広報用掲示板の活用 内容 公共的施設まで誘導するために、既存の「やまとPRボード」に、周辺案内図を掲示する。 整備イメージ 整備候補地 「やまとPRボード」 ※鶴間駅東口、大和市役所出入口に設置 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内の公共的施設の誘導のための補完手段としては有効な整備提案である。 ・情報量に限定があるため、モデル地域外の公共的施設については、誘導は困難である。 災害発生時の 避難経路 ・情報量の関係で災害時避難経路情報など限定されるため有効な整備提案ではない。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、案内サインのカラーバリアフリーに配慮すれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、平易で大きな文字サインとすれば、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり、有効ではない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、案内サインに気付けないおそれがあり、有効ではない。 ・知的障害者に対しては、案内サインのデザインに一定の配慮を行えば、理解しやすい案内サインとなり有効。 景観との調和 ・景観に配慮し、目立ちやすく、かつ分かりやすい、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・「やまとPRボード」の掲示スペースには公共的施設の案内を掲載する空きがなく、モデル地域の特性を活用している整備提案とは言えない。 ・「やまとPRボード」同様の広報掲示板があれば、同様の活用が可能であり、他地域への波及性は高い。 その他注意事項 ・既存の案内資料を活用すれば、複写代程度で実施できる。 まとめ ○情報量が限られており、多数の情報提供には不向きであるが、補完手段としては有効である。 ○整備経費が不要であり、既存の案内資料を活用すれば直ちに実施が可能である。 ●「やまとPRボード」は、広報・公聴を目的として設置されたものであるので、周辺案内図を掲載することにより、本来の目的を果たせない可能性がある。また、掲示スペースは恒常的に利用されており、開いている期間がほとんどない。 ●広報掲示板機能と地図案内情報機能が混在し、利用者に情報が伝わりにくくなるおそれがある。 (14)道路上の案内標識への施設名表示 内容 公共的施設まで誘導するために、道路上の案内標識に、公共的施設の施設名を表示する。 ※案内標識には、目的地・通過地の方向、距離や道路上の位置を示し目標地までの経路を案内する「経路案内」、現在地を示す「地点案内」、待避所・パ−キングなどの附属施設を案内する「附属施設案内」の3種類がある。 整備イメージ 整備候補地 公共的施設付近の道路 重点的に取組む移動経路 ・モデル地域内の公共的施設の誘導のための補完手段としては有効な整備提案である。 ・モデル地域外の公共的施設についても分かりやすい誘導に寄与するため、有効な整備提案である。 災害発生時の避難経路 ・広域避難場所の誘導のための補完手段としては有効な整備提案である。 ・夜間停電時などにはサインが見えない可能性がある。 誘導対象者 ・色弱者に対しては、道路標識はカラーバリアフリーに配慮された色使いとなっているため、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・高齢者に対しては、道路標識は平易で大きな文字サインであるため、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・車いす利用者に対しては、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・視覚障害者(全盲の方)に対しては、文字を認識できないため、有効とはいえない。 ・視覚障害者(ロービジョンの方)に対しては、道路標識は平易で大きな文字サインであるため、理解しやすい案内サインとなり有効。 ・知的障害者に対しては、道路標識は平易で大きな文字サインであるため、理解しやすい案内サインとなり有効。 景観との調和 ・道路標識は景観と調和した色使いが定められているため、有効な案内方法である。 大和市固有の特性活用と全県的な展開をにらんだ波及効果 ・ 当該整備提案は、誘導すべき公共的施設が少数のときに、有効な方法である。 ・ モデル地域内には、多数の誘導すべき公共的施設があるため、限られた公共的施設の誘導としない限り、モデル地域の特性を活用している整備提案とは言えない。 ・ 誘導すべき公共的施設が限られた他地域では有効な整備提案であり、波及性は高い。 その他注意事項 ・道路管理者等が整備することとなる。 まとめ ●案内標識のうち経路案内は、国道事務所、警察、道路管理者などからなる委員会で表示地名を決定している。本検討会で表示地名の検討ができない。 ●電線や街路樹など障害物が多い中でも、動線上から認識できる位置を、掲載場所として確保する必要がある。 3 整備提案のまとめ 項番2「整備提案に対する検討」では、各整備提案について、「カラーバリアフリー化推進計画に当たっての視点」に基づき、検討してきた。ここでは、項番2の検討結果について、一覧表にまとめる。 4 整備内容の提案 検討会では、14の整備提案の中から、平成24年度にモデル地域で具体的に整備を進めるものについて、 @カラーバリアフリーの視点を取り込む提案 Aこれまであまり取組みの見られない提案 B案内サインの不足というモデル地域の課題を解決する提案 を視点に検討を行い、次のとおり整備予定内容を選定した。 平成24年度に実施する予定の整備内容 【整備箇所】 (1) 項番(3)「路面への塗装」 2箇所 保健福祉センター前 勤労福祉会館前 (2) 項番(7)「公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離表示」のうち、案内プレートの設置 3箇所 クリニックモール前 下鶴間一丁目交差点 勤労福祉会館前 (3) 項番(10)「周辺案内板等の新設」 3箇所 鶴間駅東口先 横断歩道付近 鶴間交差点 大和市役所前交差点 【整備箇所地図】 第4章 色彩計画案策定のための現地検証 1 実施方法 第5章で示す整備内容の仕様、特に色使いを策定するに当たり、色弱者による現地検証を行った。現地検証の方法は次のとおりである。 (1) 日時 平成24年2月23日(木) 14時から16時 (2) 天候、照明条件 くもり 3,000〜25,000LUX ※LUXとは、光源により照らされた面の、明るさの単位のことをいう (3) 参加者 ・色弱者7名(P型強2名、D型強3名、P型弱1名、D型弱1名、) ・視覚障害者(ロービジョンの方)(糖尿病網膜症)1名 (4) 視距離 ア 路面への塗装 1mから3m(色弱者、視覚障害者(ロービジョンの方)共通) イ 公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離表示 5mから10m(色弱者、視覚障害者(ロービジョンの方)共通) ウ 矢羽型誘導サイン 3m程度(視覚障害者(ロービジョンの方))、10m程度(色弱者) (5) 検証の視点 整備内容の仕様を想定し、複数の色使い案を作成。可能な限り色使いを再現したものをモデル地域内に掲出し、誰にとっても分かりやすい色使いや表示方法となっているか、様々なタイプの色弱者により検証した。 検証の視点は、次のとおりである。 ア 検証項目 整備内容の色使い案について、色彩の効果が確保されているかどうか検証した。具体的には、 ・「誘目性」「視認性」… 存在が発見できるかどうか ・「明視性」「可読性」… 図形・文字・数字が読みやすいかどうか ・「識別性」 … 他の対象と区別して認識できるかどうか 以上の3効果が発揮されているか、検証者に質問する形式とした。 イ 回答 アの検証項目に対して、 1 非常によく分かる 2 一応分かるが、満点ではない 3 少し分かりにくいが、許容範囲である 4 非常に分かりにくく、許容できない 以上の4つの選択肢から、検証者に選んでもらう形式とした。 色使い案の選定に当たっては、4つの回答の人数を集計するとともに、「1=1点、2=2点、3=3点、4=5点」とスコア化した点数を比較して判断した。点数が小さいほど評価が高いことを意味する。「4=5点」としているのは、「許容できない」とされた回答人数が多い色使い案を低評価とするための重みづけである。 各検証項目ごとに高いスコア(低評価)の色使い案に印をつけ、すべての検証項目を通して印の少なかった複数の色使い案を選ぶこととした。 (6) 検証内容  ア 路面への塗装(案の1) 検証箇所 ・勤労福祉会館前 (検証環境:灰色、アスファルト路面) ・保健福祉センター前 (検証環境:赤茶、インターロッキング路面) 検証項目 @路面色と背景色の区別がつくか【識別性】 A市章と背景色と区別がつくか【識別性】 B黄色の視覚障害者用誘導ブロックと区別がつくか 【識別性】 C歩いてきて塗装部分に気付けるか【誘目性】 D市章の大きさは適切であったか【視認性】 ※ Dは「大きいほうがよい」、「このままでよい」、「小さいほうがよい」の3択とした デザイン案 ・背景色 サイズ800mm×1100mm ・市章  サイズ700mm× 900mm 色使い案 ・背景色 路面塗装メーカーの標準色(日本塗料工業会・塗料用標準色JPMA番号による指定)の中から選べる色とする。具体的には、標準色9色のうち、整備箇所の背景色である「灰色」「赤茶」を除いた「黄」「赤」「黄土」「暗い緑」「緑」「みずいろ」「白」の7色とした。 ・市章の色 背景色と最大に明度差を確保できる色として、「白」及び「黒」を選んだ。 ※ 本整備提案では、『大和市景観計画に基づく色彩景観形成の手引き』によると「目立たせる色を用いるのは、信号や標識等の重要な情報を伝えるもの」に該当すると判断し、「ひかえめにする色」ではなく、「目立たせる色」とした。後述の項番イ及び項番ウの色使い案についても同様とする。 【イメージ 勤労福祉会館】 案 イメージ 市章の色 背景色 JPMA番号 マンセル値 (参考値) 案1 白マーク 黄 F19-75X 10YR7.5/14 案2 黒マーク 案3 白マーク 赤 F09-40L 10R4/6 案4 黒マーク 案5 白マーク 黄土 F22-50P 2.5Y5/8 案6 黒マーク 案7 白マーク 暗い緑 F39-40L 10GY4/6 案8 黒マーク 案9 白マーク 緑 F42-50L 2.5G5/6 案10 黒マーク 案11 白マーク みずいろ F69-60H 10B6/4 案12 黒マーク 案13 黒マーク 白 FN-93 N9.3 ※ 現地検証に使用した色見本は近似色 【イメージ 保健福祉センター】 案 イメージ 市章の色 背景色 JPMA番号 マンセル値 (参考値) 案1 白マーク 黄 F19-75X 10YR7.5/14 案2 黒マーク 案3 白マーク 赤 F09-40L 10R4/6 案4 黒マーク 案5 白マーク 黄土 F22-50P 2.5Y5/8 案6 黒マーク 案7 白マーク 暗い緑 F39-40L 10GY4/6 案8 黒マーク 案9 白マーク 緑 F42-50L 2.5G5/6 案10 黒マーク 案11 白マーク みずいろ F69-60H 10B6/4 案12 黒マーク 案13 黒マーク 白 FN-93 N9.3 ※ 現地検証に使用した色見本は近似色 ア 路面への塗装(案の2) 検証箇所 ・保健福祉センター前の視覚障害者用誘導ブロック 検証項目 @黄色の視覚障害者用誘導ブロックと区別がつくか 【識別性】 A歩いてきて塗装部分に気付けるか【誘目性】 デザイン案 視覚障害者用誘導ブロックのうち、線上ブロックの突起と突起との間を着色する。 ※メリット ・劣化が少なく、耐久性にすぐれている ・視覚障害者用誘導ブロックをたどって利用している弱使者にとって有効 ・施工費が安価である ・摩擦係数の違いによる滑りやすさが発生しない 色使い案 ・視覚障害者用誘導ブロックと中差以上の色相差のある色のうち心理4原色 ・視覚障害者用誘導ブロックと明度差のある色 ・汚損と間違えにくい高彩度色 以上の条件を満たす色として、「赤」「茶」「ピンク」「緑」「みずいろ」「青」「黒」の7色を選んだ。 【イメージ】 案 イメージ 線上ブロック への塗装色 JPMA番号 マンセル値 (参考値) 案1 赤 F07-40X 7.5R4/14 案2 茶 F19-30D 10YR3/2 案3 ピンク F97-70P 7.5RP7/8 案4 緑 F45-40P 5G4/8 案5 みずいろ F69-70P 10PB7/8 案6 青 F72-40T 2.5PB4/10 案7 黒 FN-20 N2 ※ 現地検証に使用した色見本は近似色 イ 公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離表示 検証箇所 <横断防止柵の着色> ・下鶴間一丁目交差点付近の横断防止柵 <横断防止柵への案内プレート表示> ・鶴間交差点付近の横断防止柵 検証項目 <横断防止柵の着色> @二色の組合せであることが分かるか【識別性】 A矢羽型誘導サインの色使いとの関係に気付けるか 【誘目性】 <横断防止柵への案内プレート表示> @文字が読めるか【可読性】 Aサインがあることに気付けるか【誘目性】 デザイン案 <横断防止柵の着色> ・モデル地域における横断防止柵は、植え込みの陰となり、歩行者から見えなくなる部分もあるため、常に見ることのできる一番上の柵に塗装する。 ・横断防止柵の支柱間の長さが2800mmのものが多いため、1400mmずつの塗装とする。 ※ 目的地Aに近付くと○色が多く、目的地Bに近付くと△色が多いなど、塗装の長さを変えていくことで距離感が分かるようなデザイン案も検討したが、本事業では案内すべき公共的施設が3箇所以上あり、特定の2箇所を設定できないため、今回は同一の長さでの塗装とした。 <横断防止柵への案内プレート表示> ・矢羽型誘導サインの表示板と同一のものとする。項番ウ「矢羽型誘導サイン」で述べる。 色使い案 検討会における協議の結果、項番ウ「矢羽型誘導サイン」と同一の色使いとすることとなったため、横断防止柵の着色と矢羽型誘導サインの色使いを統一的に考えることとした。 まず、色の候補として ・既存の柵の色である「茶」 ・大和市のシンボルカラーである「若みどり」 ・JIS基本色名の10色の中から、「茶」「若みどり」と混同する可能性が低い「黄色」「青」 ・他の色との明度差を確保できる「白」「黒」 ・以上の6色のうち、明度違いとなる「みずいろ」 の7色を選んだ。 次に、色の組合せについては、 ・明度差が確保できない組合せ(「茶」と「青)など) ・特定の印象を与える組合せ(「白」と「黒」など) ・同系色の組合せ(「青」と「みずいろ」) ・中明度の色を文字としない組合せ (「若みどり」と「みずいろ」) 以上を除いた組合せを選んだ。 ※ 色使い案を考えるにあたり、カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットは有効なツールであるが、本整備提案のように、「小面積(文字)と大面積(背景)との組合せ」と、「大面積(柵)同士の組合せ」を同一とするものには適さないと判断し、今回はカラーユニバーサルデザイン推奨配色セットは使用しなかった。 ※ JIS基本色名 (赤、黄赤、黄、黄緑、緑、青緑、青、青紫、紫、赤紫)  【イメージ】<横断防止柵の着色> 案 イメージ 色1 JPMA番号 マンセル値 色2 JPMA番号 マンセル値 (参考値) 案1 白 FN-93 N9.3 茶 F19-30D 10YR3/2 案2 白 FN-93 N9.3 青 F75-30P 5PB3/8 案3 黄 F27-85V 7.5Y8.5/12 青 F75-30P 5PB3/8 案4 黄 F27-85V 7.5Y8.5/12 茶 F19-30D 10YR3/2 案5 若緑 F39-60V 10GY6/12 茶 F19-30D 10YR3/2 案6 みずいろ F69-70P 10B7/8 茶 F19-30D 10YR3/2 案7 若緑 F39-60V 10GY6/12 黒 FN-20 N2 <案内プレート> ※ 現地検証に使用した色見本は近似色 ウ 矢羽型誘導サイン 検証箇所 ・下鶴間一丁目交差点付近の車道側 ・下鶴間一丁目交差点付近の建物側 検証項目 @文字が読めるか【可読性】 Aサインがあることに気付けるか【誘目性】 B下向きにした方が見やすくなるか【可読性】 ※ Bは「見やすくなる」、「変わらない」の2択とした デザイン案 建築限界となる2500mmが最大の設置高さとなることから、見えやすい視認距離を最大15mと設定し、和文の文字高を60mmとした。検討会で意見の出た、矢印、ピクトグラム、距離表示、和文・英文での施設名の表示を考慮し、表示板のサイズは、150mm×600mmとしている。 色使い案 項番イ「公共的施設への誘導のための横断防止柵の着色及び距離表示」のうち、横断防止柵の着色と同一の色使いとした。 ※具体的な色使い案については、項番イを参考 【イメージ】 案 イメージ 色1 (背景色) JPMA番号 マンセル値 色2 (文字色) JPMA番号 マンセル値 (参考値) 案1 白 FN-93 N9.3 茶 F19-30D 10YR3/2 案2 白 FN-93 N9.3 青 F75-30P 5PB3/8 案3 茶 F19-30D 10YR3/2 白 FN-93 N9.3 案4 青 F75-30P 5PB3/8 白 FN-93 N9.3 案5 黄 F27-85V 7.5Y8.5/12 茶 F19-30D 10YR3/2 案6 黄 F27-85V 7.5Y8.5/12 青 F75-30P 5PB3/8 案7 青 F75-30P 5PB3/8 黄 F27-85V 7.5Y8.5/12 案8 若緑 F39-60V 10GY6/12 黒 FN-20 N2 案9 若緑 F39-60V 10GY6/12 茶 F19-30D 10YR3/2 案10 みずいろ F69-70P 10B7/8 茶 F19-30D 10YR3/2 ※ 現地検証に使用した色見本は近似色 2 現地検証の結果 (1) 検証者の回答 回答の集計結果は、「現地検証の集計結果」(参考資料5)のとおりである。 (2) まとめ ア 路面への塗装(案の1) 検証項目 @路面色と背景色の区別がつくか【識別性】 A市章と背景色と区別がつくか【識別性】 B黄色の視覚障害者用誘導ブロックと区別がつくか【識別性】 C歩いてきて塗装部分に気付けるか【誘目性】 D市章の大きさは適切であったか【視認性】 【@〜Cについて】 案 色の 組合せ (背景色、市章) 勤労福祉会館 福祉センター前 結果 検証 @ 検証 A 検証 B 検証 C 検証 @ 検証 A 検証 B 検証 C 1 黄、白 × × × × 2 黄、黒 × × 3 赤、白 × × 4 赤、黒 × × × × × × 5 黄土、白 × × 6 黄土、黒 × × × × 7 暗い緑、白 × × × × 8 暗い緑、黒 × × × × 9 緑、白 × × 10 緑、黒 × × 11 みずいろ、白 ○ 12 みずいろ、黒 ○ 13 白、黒 ○ ※「×」は、評価が低かった色使い案を示している。 「×」がつかなかった色使い案、つまり全体的に評価が高い色使い案として次の3つが挙げられる。 案11 みずいろ背景に白の市章 案12 みずいろ背景に黒の市章 案13 白背景に黒の市章 【Dについて】 評価の高かった3案について、市章の大きさは「このままでよい」との回答が一番多く、現地検証でのデザイン案で問題ないと判断する。 ア 路面への塗装(案の2) 検証項目 @黄色の視覚障害者用誘導ブロックと区別がつくか【識別性】 A歩いてきて塗装部分に気付けるか【誘目性】 【@Aについて】 案 色使い 検証@ 検証A 結果 1 赤 × × 2 茶 × 3 ピンク × × 4 緑 × × 5 みずいろ ○ 6 青 ○ 7 黒 ○ ※「×」は、評価が低かった色使い案を示している 「×」がつかなかった色使い案、つまり全体的に評価が高い色使い案として次の3つが挙げられる。 案5 みずいろ 案6 青 案7 黒 ※ 上記の検証結果は、黄色の視覚障害者用誘導ブロックに対して行ったものである。黄色以外の視覚障害者用誘導ブロックの場合、また、黄色であっても経年変化や製造メーカーにより色の差が出ている場合は、別途検証が必要である。 イ 公共的施設への誘導のための横断防止柵への着色及び距離表示 検証項目 横断防止柵への着色 @2色の組合せであることが分かるか【識別性】 A矢羽型誘導サインの色使いとの関係に気付けるか【誘目性】 案内プレート表示 @文字が読めるか【可読性】 Aサインがあることに気付けるか【誘目性】 ウ 矢羽型誘導サイン 検証項目 @文字が読めるか【可読性】 Aサインがあることに気付けるか【誘目性】 B下向きにした方が見やすくなるか【可読性】 整備提案イとウについては、色使いを合わせることとしているため、評価についても併せて行うこととする。 【イ横断防止柵への着色@A、案内プレート@A、 ウ矢羽型誘導サイン@Aについて】 案 ウ 色の組合せ 背景色、 文字色 案 イ 色の組合せ 横断防止柵 への着色 案内 プレート 矢羽型誘導 サイン 結果 検証 @ 検証 A 検証 @ 検証 A 検証 @ 検証 A 1 白、茶 1 白、茶 × × × 2 白、青 2 白、青 × × 3 茶、白 1 白、茶 × × × 4 青、白 2 白、青 × × 5 黄、茶 4 黄、茶 ○ 6 黄、青 3 黄、青 ○ 7 青、黄 3 黄、青 ○ 8 若緑、黒 7 若緑、黒 × × × 9 若緑、茶 5 若緑、茶 × × × × 10 みずいろ、茶 6 みずいろ、茶 ○ ※「×」は、評価が低かった色使い案を示している。 「×」がつかなかった色使い案、つまり全体的に評価が高い色使い案として次の色使い案が挙げられる。 イ 公共的施設への誘導のための横断防止柵への着色及び距離表示 案3 黄と青 案4 黄と茶 案6 みずいろと茶 ウ 矢羽型誘導サイン 案5 黄背景に茶文字 案6 黄背景に青文字 案7 青背景に黄文字 案10 みずいろ背景に茶文字 【Dについて】 評価の高かった色使い案について、下向きにしたときの見やすさは、「変わらない」の回答が多く、下向きにする必要はないと判断する。 ※ 本検証では、矢羽型誘導サインの高さを2500mmとし実施したが、視覚障害者(ロービジョンの方)から、小さい文字の見づらさを指摘された。矢羽型誘導サインの設置に当たっては、第3章で述べたとおり、目線の高さ、1350mmとすることが望ましい。 補足 @ 検証者から、「路面への塗装が公共的施設を示していること」「横断防止柵と矢羽型誘導サインの色使いが関連していること」といった規則性は、初めて目にした方には分からないので、事前に周知する必要があると意見があった。 A 今回の現地検証は色使いの方向を決めるためのものであったため、視覚障害者(ロービジョンの方)の検証者は1名としていた。視覚障害者(ロービジョンの方)に影響の強い「路面への塗装」については、整備実施後の検証で、改めて複数の視覚障害者(ロービジョンの方)から評価されることが望ましい。 B 本現地検証では、色使いによって横断防止柵と矢羽型誘導サインとの関連付けができるかなど、汎用性の高い色使いの方向性を検証したものである。整備に当たっては、検証結果をもとに、目に優しく、見て美しいデザイン要素を加える必要がある。具体的には、本計画で示す色使い案を元に、景観に合うよう明度・彩度を調整したデザインを考え、色弱者による検証を行った上で最終的な色使いを決めることが望ましい。その際、色の組合せについては、明度差・彩度差を大きくするなど、容易に識別できるよう配慮するものとする。(「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン」参考) 第5章 整備内容の仕様 現地検証の結果を基に、整備内容の仕様を示す。 1 路面への塗装(案の1) 整備イメージ 整備箇所 @保健福祉センター前 A勤労福祉会館前 性能条件 <塗装およびシート材料> 背景色の塗装 速乾水性ロードカラー 市章 住友3M製ネオキャップスシート又は同等品 <塗装面積> 背景色 概ね1000mm×2000mm 市章  概ね700mm×900mm <塗装仕様> 接着剤P-48 住友3M製又は同等品 <注意事項> 塗装部分と周りの路面との摩擦係数を近いものとし、滑りやすくならないようにすること 色彩仕様 ・みずいろ背景に白の市章 ・みずいろ背景に黒の市章 ・白背景に黒の市章 ※ 以上の3パターンからいずれかを選択 <背景色>※色値は参考値 1.みずいろ(JPMA番号F69-60H マンセル値10B6/4) 2.白(JPMA番号FN-93 マンセル値N9.3) <市章>※色値は参考値 1.白(JPMA番号FN-93 マンセル値N9.3) 2.黒(JPMA番号FN-20 マンセル値N2) 見積金額 368,550円(2箇所) 1 路面への塗装(案の2) 整備イメージ 整備箇所 @保健福祉センター前 線上ブロック3枚2箇所 A勤労福祉会館前 線上ブロック6枚1箇所 性能条件 <塗装およびシート材料> 住友3M製スコッチレーンにシルク印刷又は同等品 <塗装面積> 概ね20mm×300mm 色彩仕様 ・みずいろ(JPMA番号F69-70P マンセル値10PB7/8) ・青(JPMA番号F72-40T マンセル値2.5PB4/10) ・黒(JPMA番号FN-20 マンセル値N2) ※ 以上の3色からいずれかを選択 ※ 色値は参考値 見積金額 34,650円(2箇所) 2 横断防止柵への着色及び案内プレートの設置 (1) 横断防止柵への着色 整備イメージ 整備箇所 鶴間駅から大和市役所前交差点までの横断防止柵 約570m 性能条件 <塗装材料> 弱溶剤系ウレタン塗料 <塗装方法>  ・刷毛・ローラー仕様  ・素地調整(研磨) ・プライマー塗布 ・上塗1〜2回(各色とも) ・上塗2〜3回(各色とも) ・上塗2〜3回(各色とも) <塗装間隔> 各色1400mmずつの塗装とする <注意事項> 各部養生、飛散防止の養生を行うこと 色彩仕様 ・黄と青 ・黄と茶 ・みずいろと茶 ※ 以上の3パターンからいずれかを選択 1.黄(JPMA番号F27-85V マンセル値7.5Y8.5/12) 2.青(JPMA番号F75-30P マンセル値5PB3/8) 3.茶(JPMA番号F19-30D マンセル値10YR3/2) 4.みずいろ(JPMA番号F69-70P マンセル値10B7/8) ※ 色値は参考値 見積金額 【横断防止柵への着色】 1,197,000円   特定経路両側(約570m)塗装を想定 【表示板】 211,260円   6枚(2枚×3箇所)を想定 (2) 案内プレートの設置 整備イメージ 整備箇所 @クリニックモール前 A鶴間交差点 B下鶴間一丁目交差点 C市役所西側交差点 性能条件 <言語表記> 日本語、英語 <書体> 和文    角ゴシック 欧文・数字 サンセリフ系書体 <大きさ>  和文文字高 60mm以上 英文文字高 45mm以上 距離表示  25mm以上 <ピクトグラム> JIS Z8210 <表示施設> 大和市役所 大和市立病院 保健福祉センター 勤労福祉会館 地域医療センター 鶴間駅 器具構造 <表示板の材質>  ・サイズ W600mm×H150mm×t3 ・材質 SUS 2B3.0t矢羽プレート平板または同等 ・インクジェット加工及び貼り ・高耐候性出力シート <横断防止柵への設置方法> ・SUS製吊下げ金物(同色焼付塗装)3箇所固定 色彩仕様 ・黄背景に茶文字 ・黄背景に青文字 ・反転青背景に黄文字 ・みずいろ背景に茶文字 ※ 以上の4パターンからいずれかを選択 <背景色>※色値は参考値 1.黄(JPMA番号F27-85V マンセル値7.5Y8.5/12) 2.青(JPMA番号F75-30P マンセル値5PB3/8) 3.みずいろ(JPMA番号F69-70P マンセル値10B7/8) <文字色>※色値は参考値 1.茶(JPMA番号F19-30D マンセル値10YR3/2) 2.青(JPMA番号F75-30P マンセル値5PB3/8) 3.黄(JPMA番号F27-85V マンセル値7.5Y8.5/12) 見積金額 211,260円 (2枚×3箇所) 3 矢羽型誘導サイン 整備イメージ 整備箇所 @鶴間駅東口先横断歩道付近 A鶴間交差点 B大和市役所前交差点 性能条件 <言語表記> 日本語、英語 <書体> 和文    角ゴシック 欧文・数字 サンセリフ系書体 <大きさ> 和文文字高 60mm以上 英文文字高 45mm以上 距離表示  25mm以上 <ピクトグラム> JIS Z8210 <表示施設> 大和市役所 大和市立病院 保健福祉センター 勤労福祉会館 地域医療センター 鶴間駅 器具構造 <材質> 表示板 ・サイズ W600mm×H150mm×t3 ・材質 SUS 2B3.0t矢羽プレート平板または同等 ・インクジェット加工及び貼り ・高耐候性出力シート 支柱 ・太さ φ76.3 ・材質 SUS125 ・指示パイプ L=750 ・サイズ H=1350mm ・焼付塗装 ・色 横断防止柵と表示板の色使いが関連していることを阻害しない色 <基礎> コンクリート基礎 <高さ> 設置箇所の条件により算出 敷地内であれば1350mmが可能。路上に設置する場合は建築限界(地面から矢羽の下部まで2500mm)の遵守が必要だが、視覚障害者(ロービジョンの方)からの視認に配慮し、1350o程度とすることがのぞましい。 色彩仕様 ・黄背景に茶文字 ・黄背景に青文字 ・青背景に黄文字 ・みずいろ背景に茶文字 ※ 以上の4パターンからいずれかを選択 <背景色>※色値は参考値 1.黄(JPMA番号F27-85V マンセル値7.5Y8.5/12) 2.青(JPMA番号F75-30P マンセル値5PB3/8) 3.みずいろ(JPMA番号F69-70P マンセル値10B7/8) <文字色>※色値は参考値 1.茶(JPMA番号F19-30D マンセル値10YR3/2) 2.青(JPMA番号F75-30P マンセル値5PB3/8) 3.黄(JPMA番号F27-85V マンセル値7.5Y8.5/12) 見積金額 H=1350mm 977,100円(3箇所) 4 住居表示街区案内板 整備イメージ 整備箇所 本事業は地図データ作成までしか行わないため、整備箇所は省略とする 性能条件 <言語表記> 日本語、英語 <書体> 和文    角ゴシック 欧文・数字 サンセリフ系書体 <大きさ> ※視距離の想定は1m 和文文字高      9mm以上 英文文字高      7mm以上 やむを得ない場合のみ 4mmまで <ピクトグラム> JIS Z8210 <表示施設> モデル地域内の情報掲載基準を表示 <縮尺> 1/1000 器具構造 ※ 本事業は地図データ作成までしか行わないため、器具構造の諸元は省略とする 色彩仕様 ※ 色彩仕様については、仮出力の地図を検証の上、決めることとする 見積金額 420,000円(表示面張り替えのみ) 300,000円(データ納品のみ) カラーバリアフリーで創る街づくり検討会 開催状況 第1回 平成23年8月11日(木) ・検討会の運営について ・カラーバリアフリーで創る街づくり事業について ・現地検証について 第2回 平成23年11月22日(火) ・カラーバリアフリー化推進計画骨子について ・今後の進め方について 第3回 平成24年2月14日(火) ・カラーバリアフリー化推進計画における整備提案について ・今後の進め方について カラーバリアフリーで創る街づくり検討会 委員名簿 (敬称略・順不同) 座長 伊藤  啓  東京大学分子細胞生物学研究所准教授 萩野 美有紀 アール・イー・アイ株式会社取締役 直井 千佳  県民政策提案者 鳥海 善教  大和市街づくり計画部街づくり総務課長 熱田 辰雄  大和市健康福祉部障がい福祉課長 岩澤 正俊  神奈川県保健福祉局地域保健福祉部地域保健福祉課長 オブザーバー 田中 陽介  NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構事務局長 「カラーバリアフリーで創る街づくり事業」における カラーバリアフリー化推進計画 発行日 平成24年3月 監修 NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 発行 神奈川県 保健福祉局 地域保健福祉部 地域保健福祉課 電話 045-210-4804 FAX 045-210-8857