報告書「情報化社会における子どもとメディアとの関わり」の要旨 はじめに(基本的な考え方) ○ メディア(テレビ、ビデオ等)は生活に不可欠のものとなっている一方で、青少年への悪影響が懸念される問題も顕在化している。(メディアの両面性)。 ○ メディア接触の端緒となる「乳幼児期から小学校低学年の時期」は、基本的な生活習慣・社会生活習慣が形成される極めて重要な時期である。 第1章 社会的背景 ○ 現代社会では、我々は様々な情報をメディアから得ており、メディアなくしては多くのことを知り得ない状態が生まれている。 ○ 子どもの遊びが、外遊び・全身活動から室内での非活動的遊びへと変化している。など 第2章 現状 ○ 子どもとメディアの関わりの現状(接触時期、視聴・接触時間・内容等、保護者の関わり方) ○ 子育て環境の現状とメディア接触の目的(少子化・核家族化の進行、子守り機能等) 第3章 子どものメディア接触に係る課題 ○ 子どものメディア接触に係る課題  (1)低年齢化に伴う課題 (2)接触時間に係る課題 (3)情報内容に係る課題 (4)接触環境に係る課題 ○ 子育て環境を巡る課題  (1)子育て環境の変化に係る課題 (2)保護者の意識の変化に係る課題 第4章 今後の取組みの方向性 ○ 第三章の課題を踏まえ、目指すところ 子どもたちが低年齢期から健全なメディア習慣を身につけていくこと 子どもの健全なメディア習慣の形成を“社会全体の問題”として捉え、全ての関係者が手を携えて取り組んでいくこと ○ そのために、各主体に期待される役割と各主体に向けたメッセージ 1 保護者・家族に期待される役割:子どもとメディアとの関わりについて関心を高めるとともに、子どもの生活全体、成長全体の中で適切にバランスを取りながらメディアとの関わり方を考えること。   保護者・家族に向けたメッセージ:まずは、子どもたちがどんなメディアとどのように関わっているのか、関心を向けてみましょう。   子どもの生活全体、成長全体を見るなかで、メディアの問題を考えることが大切です。   メディアの光と影の両面を正しく理解して、わが家流“メディアとの上手なつき合い方”を見つけませんか。   家族は最も小さくて大切な“コミュニティ”です。家族で多様な経験を共有していますか?   子どもは、親の気づかないうちに親の意識や行動から影響を受けています。大人も、自分のメディアライフを振り返ってみましょう。   2 保育・教育機関に期待される役割:早期からのメディア・リテラシーの育成や、各家庭への啓発の中心的担い手。   保育・教育機関に向けたメッセージ:子どもの遊びや会話の時間を活用して、メディアとの上手な関わり方を取り上げるなど、早期からメディア・リテラシー教育を進めませんか。   補助教材を活用してみたり、放送を利用した保育・教育の再評価を検討してみませんか。   保育・教育機関は保護者にとって身近で頼りになる存在。保育・教育機関から、保護者に“メディアとの上手な関わり方”を発信していきましょう。 3 NPOや地域コミュニティに期待される役割:この問題を社会全体で考え、取り組んでいくための中心的役割。   NPOや地域コミュニティに向けたメッセージ:子どもとメディアの問題は、NPOや地域コミュニティが中心的役割を担うことによって、議論が活性化していくことが期待されています。   NPOや地域コミュニティの「地縁」という利点を生かして、社会的なつながりの少ない家庭や子どもへの啓発や情報提供にも取り組んでみませんか。   子育て全般について、NPOや地域コミュニティならではの行動力と発案力、きめ細やかなサポートで、保護者同士が理解し支え合えるような仕組みづくりを進めませんか。 4 民間事業者等に期待される役割:独自性を生かした情報提供や社会貢献。   民間事業者等に向けたメッセージ:保護者がメディアへの理解を深めるためには、できるだけ多くの、わかりやすい情報、多面的な情報の提供が望まれます。   NPOなど他の主体との意見交換や連携を、さらに積極的に進めていきませんか。   教材の開発や講師の派遣などをはじめとする社会貢献活動をさらに進め、そうした活動についてもっと積極的な広報をしていきませんか。 5 行政に求められる役割:保護者・家族をはじめとした各主体の取組みの支援や、情報提供、啓発活動、各主体間の連携などに関して一定の役割を果たしていくこと。 最後に 全ての方々に向けたメッセージ:大人も子どもも、メディアについて、知ろう。考えよう。学ぼう。   子どもとのコミュニケーションを大切にしよう。   多メディア時代だからこそ、子どもたちに生身の身体を通した遊び体験、自然体験を積極的にすすめよう。