引火性溶剤を用いるドライクリーニングを営む工場に係る建築基準法第48条の規定に基づく許可基準 神奈川県県土整備局建築住宅部建築指導課 制定 平成23年12月7日                           第1 趣旨  平成22年1月28日付け国住指第4040号・国住街第93号にて発出された「ドライクリーニング業を営む工場の実態調査について」を参考に、本県所管区域において調査を実施した結果、建築基準法(以下「法」という。)第48条の用途規制違反の疑いのある、引火性溶剤を用いるドライクリーニングを営む工場が多数存在することが判明した。これを受け県では、これらの工場に対し、法第48条ただし書きの規定に基づく許可を受けるよう指導するとともに、各用途地域における同ただし書きの規定に基づく許可基準を定形化することとした。 なお、この基準は、平成22年9月10日付け国住指第2263号・国住街第78号にて発出された「引火性溶剤を用いるドライクリーニングを営む工場に係る建築基準法用途規制違反への対応及び同法第48条の規定に基づく許可の運用について(技術的助言)」(以下「技術的助言」という。)に掲げられた基準等に則したものとするとともに、当該許可に関して必要な事項を定めるものである。 第2 基本的な考え方    技術的助言に従った安全対策措置を行う既存のドライクリーニングを営む工場については、法令に定める「自家販売のために食品製造業(食品加工業を含む。)を営むパン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋その他これらに類するもの」及び「パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋その他これらに類する食品製造業(食品加工業を含む。)」と同等なものとして取り扱うこととする。 第3 適用の範囲    引火性溶剤を用いる既存のドライクリーニングを営む工場(建築行為を伴うものを除く。)で、国が技術的助言を発出した時点において法第48条の規定に適合していないもの。 第4 基準 次の基準に適合するものであること。 (1) 対象建築物の規模等 用途地域 規模等の条件(全てを満たすこと) ・第一種低層 住居専用地域 @取次ぎを行う店舗部分を有する A工場部分※と取次ぎを行う店舗部分の床面積の合計が50u以内 B工場部分※と取次ぎを行う店舗部分が2階以下にある C延べ面積の1/2以上を居住の用に供する ・第二種低層 住居専用地域 @取次ぎを行う店舗部分を有する A工場部分※と取次ぎを行う店舗部分の床面積の合計が150u以内 B工場部分※と取次ぎを行う店舗部分が2階以下にある C作業場の床面積の合計が50u以内 ・第一種中高層 住居専用地域 @取次ぎを行う店舗部分を有する A工場部分※と取次ぎを行う店舗部分の床面積の合計が500u以内 B工場部分※と取次ぎを行う店舗部分が2階以下にある C作業場の床面積の合計が50u以内 ・第二種中高層 住居専用地域 ・第一種住居地域 ・第二種住居地域 ・準住居地域 @作業場の床面積の合計が50u以内 ・近隣商業地域 ・商業地域 @作業場の床面積の合計が150u以内   ※工場部分とは、作業場部分と、作業場以外の工場の用途に供する部分(倉庫等)を含むものとする。 (2) 対象とする洗濯設備の台数(近隣商業地域及び商業地域を除く)    原則としてドライ洗濯機1台及びその他の設備は現に操業している台数以下とするが、ドライ洗濯機について、周辺環境に大きな影響を与えていないと認められる場合は、現に操業している台数を上限とする。 (3) 周辺環境への影響(近隣商業地域及び商業地域を除く) 騒音、交通量、臭気、振動、照明・光に係る周辺環境への影響は、技術的助言別添3の判断基準を満足しているものであり、かつ、近隣住民からの理解が得られていると判断できること。 第5 その他 (1) 許可申請に必要な図書 許可申請に必要な図書は、技術的助言別添2に定める図書及び次のものとする。 ・ 技術的助言別添1に定める「4.併せて講じるべき日常の作業における安全管理対策等」の実施状況がわかる資料 ・ 近隣住民説明状況報告書(近隣商業地域及び商業地域を除く) ・ その他許可手続きに必要となる特定行政庁が指示する図書 (2) 許可申請の時期 次のすべてを満たすこと。 ・ 技術的助言別添1に定める「4.併せて講じるべき日常の作業における安全管理対策等」が実施済であること ・ 違反の是正計画書が提出済で、その内容が適切かつ実現性があると認められること   (3) 許可のための条件 次のすべてを満たすことを条件に許可をするものとする。 ・ 違反是正計画に基づく違反是正の履行がなされ、違反是正完了時の報告がされていること ・ 違反是正計画に基づく違反是正の履行状況について、法第12条第6項の規定に基づく立ち入り調査により、支障がないと確認されていること (4) 法第92条の2に基づき許可に付する条件 次のすべてを常に維持・管理すること。 ・ 技術的助言別添1に定める安全対策に関する技術的基準を遵守すること ・ 設置する設備は、引火性溶剤を用いるドライクリーニング工場安全対策調書に記載の機器又はそれと同等のものとすること 附 則   この基準は、平成24年1月1日から施行する。