第3章の3 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物に係る制限  本県の都市計画区域以外の区域等は、海浜や湖又は山並み等の豊かな自然環境に恵まれた地域であるが、これの地域において、自然環境にそぐわない中高層建築物等の乱開発が発生し、既存住宅等への日照障害が生じる等の自然環境と調和した現在の居住環境への影響や地域との特性を生かした計画的なまちづくりの阻害などの問題が生じてきた。  このことから、法的拘束力のある規制となるよう建築基準法第68条の9の規定により本章の規定を本条例に追加し、平成7年4月1日より施行している。  なお、自然公園法の特別区域等は、すでに自然公園法等により建築物の形態制限を行っていること及び地域そのものが建築行為があまり想定されていない地域であることから、第53条第4項により本章の規定の適用を除外している。  本章の第52条の5から第52条の17の規定は、自然環境と調和した良好な市街地環境を確保するため、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域において、法第68条の9の規定に基づき、敷地と道路との関係、容積率の最高限度、建ぺい率の最高限度、高さの最高限度、日影による中高層の建築物の高さの制限等の建築形態制限等を定めたものである。   (適用区域等) 第52条の5 この章の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内に限り、適用する。 2 町村は、地域の特性を考慮し、計画的な土地利用を図るため必要と認めるときは、条例で、区域を限り、第52条の9第1項、第52条の10第1項及び第52条の11第1項の規定による制限を緩和することができる。 3 前項の規定により町村が条例で制限を緩和する場合は、第52条の9第1項に規定する割合にあっては10分の30、第52条の10第1項に規定する割合にあっては10分の6を超えてはならない。 1 第2項関係  本条例は良好な住環境を確保するため、容積率を100パーセント、建ぺい率を50パーセント、建築物の高さの限度を10メートル、日影時間を4時間・2.5時間等の一律の制限を条例で定めているが、地域の特性を生かすために必要なときには、第2項及び第3項により、町村は、条例で、区域を限って、容積率については300パーセント、建ぺい率については60パーセントを上限として条例の制限を緩和することができる。なお、条例による建築形態制限については政令第136条の2の9により都市計画区域内における用途地域の指定のない区域内の建築物に対する法による制限より厳しいものでないことと規定されている。  県所管区域では、山北町の一部において「神奈川県建築基準条例第52条の5第2項の規定に基づく建築制限の緩和に関する条例」が定められている。 (敷地と道路との関係) 第52条の6 建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない。 2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。 (1) その敷地が幅員4メートル以上の道(道路に該当するものを除き、農道その他これに類する公共の用に供する道又は政令第144条の4第1項各号に掲げる基準及び第52条の17の2の規定による基準に適合する道に限る。)に2メートル以上接する建築物のうち、延べ面積が200平方メートル以内の一戸建ての住宅で、知事が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの (2) 次に掲げる基準のいずれかに適合する建築物で、知事が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの ア その敷地の周囲に公園、緑地、広場等広い空地を有する建築物であること。 イ その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4メートル以上のものに限る。)に2メートル以上接する建築物であること。 ウ その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であつて、道路に通ずるものに有効に接する建築物であること。  本条は、法第43条の規定と同様に敷地と道路との関係について定めたものである。なお、第2項第2号に係る許可をする際には、建築審査会の同意が必要である。  本条における「道路」とは、第4条(P.I-10)に定義されているとおり、法第42条第1項各号に掲げる道路のうち、自動車のみの交通の用に供するものを除いたものである。  また、細則第13条の規定により、本章(第3章の3)の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満1.8メートル以上の道は、法第42条第2項による道とみなされる。  なお、本条第2項第2号に係る許可については、「建築基準法第43条第2項第二号の規定による許可基準」により取扱っている。 細則 (道路とみなされる道の指定) 第13条 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更により法第3章の規定が適用されるに至つた際又は条例第3章の3の規定が適用されるに至った際現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満1.8メートル以上の道は、法第42条第2項の規定による道とする。 (道路内の建築制限) 第52条の7 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。  (1) 地盤面下に設ける建築物 (2) 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で知事が通行上支障がないと認めて許可したもの (3) 公共用歩廊その他知事が別に定める建築物で知事が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの  本条は、法第44条の規定と同様に、道路内の建築制限について定めたものである。なお、第2号及び第3号における許可をする際には、建築審査会の同意が必要である。  第2号の規定による許可については、「建築基準法第44条第1項第2号の規定による許可に係る包括同意基準」により取り扱っている。  第3号中の「知事が別に定める建築物」は細則第14条に規定している。 細則 (道路内に建築することができる建築物に関する基準等) 第14条 条例第52条の7第3号の規定により知事が定める建築物は、道路の上空に設けられる渡り廊下その他の通行又は運搬の用途に供する建築物で、次の各号のいずれかに該当するものであり、かつ、主要構造部が耐火構造であり、又は不燃材料で造られている建築物に設けられるもの、高架の道路の路面下に設けられる建築物並びに自動車のみの交通の用に供する道路に設けられる建築物である休憩所、給油所及び自動車修理所とする。 (1) 学校、病院、老人ホームその他これらに類する用途に供する建築物に設けられるもので、生徒、患者、老人等の通行の危険を防止するために必要なもの  (2) 建築物の5階以上の階に設けられるもので、その建築物の避難施設として必要なもの  (3) 多数人の通行又は多量の物品の運搬の用途に供するもので、道路の交通の緩和に寄与するもの 2 前項の建築物のうち、道路の上空に設けられるものの構造は、次の各号に定めるところによらなければならない。 (1) 構造耐力上主要な部分は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とし、その他の部分は、不燃材料で造ること。 (2) 屋外に面する部分には、ガラス(網入ガラスを除く。)、瓦、タイル、コンクリートブロック、飾石、テラコッタその他これらに類する材料を用いないこと。ただし、これらの材料が道路上に落下するおそれがない部分については、この限りでない。 (3) 道路の上空に設けられる建築物が渡り廊下その他の通行又は運搬の用途に供する建築物である場合においては、その側面には、床面からの高さが1.5メートル以上の壁を設け、その壁の床面からの高さが1.5メートル以下の部分に開口部を設けるときは、これにはめごろし戸を設けること。 (私道の変更又は廃止の制限) 第52条の8 私道の変更又は廃止によって、その道路に接する敷地が第4条、第5条、第26条、第31条、第48条第1項から第3項まで及び第52条の6の規定に抵触することとなる場合においては、知事は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。 2 知事は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対して、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。 3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から3日以内に、知事に対して、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。 4 知事は、前項の規定による意見の聴取の請求があつた場合においては、第1項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。 5 知事は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第1項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の2日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。 6 第4項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。 7 第1項の規定による命令については、神奈川県行政手続条例(平成7年神奈川県条例第1号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。  本条は、法第45条の規定と同様に、私道の変更又は廃止の制限について定めたものである。 (容積率) 第52条の9 建築物の容積率は、10分の10以下でなければならない。 2 第52条の5第2項の規定により町村が条例で前項の規定による制限を緩和した場合で、建築物の敷地が建築物の容積率に関する異なる制限を受ける区域の2以上にわたるときは、当該建築物の容積率は、同項及び当該条例の規定による当該各区域内の建築物の容積率の限度にその敷地の当該区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。 3 次の各号のいずれかに該当する建築物で、知事が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの容積率は、前2項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。 (1) 同一敷地内の建築物の機械室その他これに類する部分の床面積の合計の建築物の延べ面積に対する割合が著しく大きい場合におけるその敷地内の建築物 (2) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号)第24条の規定により、国土交通大臣が定める基準に適合する建築物  (3) その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物 4 前項第1号の延べ面積には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない。 (1) 自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路、操車場所及び乗降場を含む。)の用途に供する部分(次項において「自動車車庫等部分」という。) (2) 専ら防災のために設ける備蓄倉庫の用途に供する部分(次項において「備蓄倉庫部分」という。)  (3) 蓄電池(床に据え付けるものに限る。)を設ける部分(次項において「蓄電池設置部分」という。) (4) 自家発電設備を設ける部分(次項において「自家発電設備設置部分」という。)  (5) 貯水槽を設ける部分(次項において「貯水槽設置部分」という。) (6) 宅配ボックス(配達された物品(荷受人が不在その他の事由により受け取ることができないものに限る。)の一時保管のための荷受箱をいう。)を設ける部分(次項において「宅配ボックス設置部分」という。) 5 前項の規定は、次の各号に掲げる建築物の部分の区分に応じ、当該敷地内の建築物の各階の床面積の合計(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物の各階の床面積の合計の和)に当該各号に定める割合を乗じて得た面積を限度として適用するものとする。  (1) 自動車車庫等部分 5分の1  (2) 備蓄倉庫部分 50分の1  (3) 蓄電池設置部分 50分の1  (4) 自家発電設備設置部分 100分の1  (5) 貯水槽設置部分 100分の1  (6) 宅配ボックス設置部分 100分の1    本条は、法第52条の規定と同様に、容積率について定めたものである。なお、第3項各号における許可をする際には、建築審査会の同意が必要である。 1 第1項関係  本条が適用される地域における建築物の容積率は、原則として100パーセント以下でなければならない。 2 第2項関係  建築物の敷地が第1項の適用を受ける区域と第52条の5第2項の規定により町村が定めた条例により容積率の限度が緩和された区域にまたがっている場合の規定である。 3 第3項関係  第1号による許可については、「建築基準法第52条第14項第1号の規定による許可基準」により取り扱っている。また、第2号による許可については、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)第24条の規定に適合する建築物について、法第52条第14項第1号に規定する建築物とみなす同様の規定を設けたものである。 4 第4項及び第5項関係  容積率の算定の基礎となる「延べ面積」に関して、法第52条と同様の規定となるように、政令第2条第1項第4号ただし書及び同条第3項の規定と同様に定めたものである。 (建蔽率) 第52条の10 建築物の建蔽率は、10分の5を超えてはならない。 2 第52条の5第2項の規定により町村が条例で前項の規定による制限を緩和した場合で、建築物の敷地が建築物の建蔽率に関する異なる制限を受ける区域の2以上にわたるときは、当該建築物の建蔽率は、同項及び当該条例の規定による当該各区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。 3 前2項の規定は、街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で知事が指定するものの内にある建築物については、第1項に定める数値及び第52条の5第2項の規定により町村が条例で第1項の規定による制限を緩和した場合の当該条例で定める数値に、それぞれ10分の1を加えたものをもつて同項及び当該条例に定める数値として適用するものとする。 4 前3項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。  (1) 巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊その他これらに類するもの (2) 公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で知事が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの  本条は、法第53条の規定と同様に、建蔽率について定めたものである。なお、第4項第2号における許可をする際には、建築審査会の同意が必要である。 1 第1項関係  本条が適用される地域における建築物の建蔽率は、原則として50パーセント以下でなければならない。 2 第2項関係  建築物の敷地が、第1項の適用を受ける区域と第52条の5第2項の規定により町村が定めた条例により建蔽率の限度が緩和された区域にまたがっている場合の規定である。 3 第3項関係  角地の敷地における建蔽率の緩和の規定であり、「知事が指定するもの」は、法第53条第3項第2号と同様であり、細則第20条で規定している。 4 第4項関係 法第53条第5項第2号及び第3号と同様に、建蔽率の特例許可等の規定である。 細則 (建蔽率の緩和) 第20条 法第53条第3項第2号又は条例第52条の10第3項の規定により指定する敷地は、幅員がそれぞれ4メートル以上の2以上の道路(法第42条第2項の規定により指定された道と同項の規定により道路境界線とみなされる線との間に存する当該敷地の部分を道路として築造しないものを除く。)に接し、かつ、敷地境界線の10分の3以上がこれらの道路と接するもの(2の道路の角にある敷地で あり、それらの道路の幅員の和が10メートル未満のものにあっては、道路が当該敷地をはさむ角を頂点とする長さ2メートル以上の底辺を有する2等辺三角形(当該敷地をはさむ道路が法第42条第2項の規定により指定された道のときは、同項の規定により道路の境界線とみなされる線による2等辺三角形)のすみ切り部分の敷地を道路状に整備したものに限る。)とする。ただし、これらの道路が交差し、又は折れ曲がる場合において、その部分の内角が120度を超えるときは、その道路は、2以上の道路とみなさない。 2 前項の規定の適用については、敷地が公園、広場、水面その他これらに類するもの(以下この項において「公園等」という。)に接する場合においてはその公園等を前項に規定する道路の一とみなし、前面道路の反対側に公園等がある場合においてはその公園等の反対側の境界線までを当該前面道路の幅員とみなして同項の規定を適用する。 (建築物の高さの限度) 第52条の11 建築物の高さ(階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12メートルまでは、当該建築物の高さに算入しない。次条第1項において同じ。)は、10メートルを超えてはならない。 2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。 (1) その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であって、良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて知事が許可したもの  (2) 学校その他の建築物であって、その用途によってやむを得ないと認めて知事が許可したもの  本条は、法第55条の規定と同様に、建築物の高さの限度について定めたものである。なお、第2項における許可をする際には、建築審査会の同意が必要である。 1 第1項関係  本条が適用される地域における建築物の最高高さは、原則として10メートル以下でなければならない。 2 第2項関係 第1号及び第2号により知事が許可した場合には、第1項の規定を適用しない。 (建築物の各部分の高さ) 第52条の12 建築物の各部分の高さは、前面道路の路面の中心からの高さとし、前面道路の反対側の境界線からの水平距離が20メートル以下の範囲内においては、当該部分から前面道路の反対側の境界線までの水平距離に1.5を乗じて得たもの以下としなければならない。 2 前面道路の境界線から後退した建築物に対する前項の規定の適用については、同項中「前面道路の反対側の境界線」とあるのは、「前面道路の反対側の境界線から当該建築物の後退距離(当該建築物(地盤面下の部分その他知事が別に定める部分を除く。)から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものをいう。)に相当する距離だけ外側の線」とする。 3 建築物の敷地が2以上の道路に接し、又は公園、広場、川若しくは海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する道路若しくは隣地との高低の差が著しい場合その他特別の事情がある場合における前2項の規定の適用の緩和に関する措置は、別に知事が定める。  本条は、法第56条の規定と同様に、建築物の各部分の高さ(道路斜線制限)について定めたものである。 1 第1項関係  法第56条第1項第1号の規定に準じて定めている。なお、本条が適用される地域では、適用距離を20メートル、斜線勾配を1.5としている。 2 第2項及び第3項関係 第1項が適用される斜線制限の緩和規定である。 第2項中の「知事が別に定める」については、細則第15条第2項に規定している。 第3項中の「別に知事が定める」については、細則第16条から第19条に規定している。 細則 (建築物の後退距離の算定の特例) 第15条 (略) 2 条例第52条の12第2項の規定により知事が定める建築物の部分は、次に掲げるものとする。  (1) 物置その他これに類する用途に供する建築物の部分で次に掲げる要件に該当するもの ア 軒の高さが2.3メートル以下で、かつ、床面積の合計が5平方メートル以内であること。 イ 当該部分の水平投影の前面道路に面する長さを敷地の前面道路に接する部分の水平投影の長さで除した数値が5分の1以下であること。 ウ 当該部分から前面道路の境界線までの水平距離のうち最小のものが1メートル以上であること。 (2) ポーチその他これに類する建築物の部分で、前号イ及びウに掲げる要件に該当し、かつ、高さが5メートル以下であるもの (3) 道路に沿って設けられる高さが2メートル以下の門又は塀(高さが1.2メートルを超えるものにあっては、当該1.2メートルを超える部分が網状その他これに類する形状であるものに限る。)  (4) 隣地境界線に沿って設けられる門又は塀 (5) 当該敷地内の建築物の一部で、条例第52条の7第3号の規定による許可を受けた建築物に接続する部分  (6) 前各号に掲げるもののほか、建築物の部分で高さが1.2メートル以下のもの (前面道路等との関係についての建築物の各部分の高さの制限の緩和) 第16条 条例第52条の12第3項の規定による同条第1項及び第2項の規定の適用の緩和に関する措置は、第17条から第19条までに定めるところによる。 (2以上の前面道路がある場合) 第17条 建築物の前面道路が2以上ある場合においては、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルを超える区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。 2 前項の区域外の区域のうち、2以上の前面道路の境界線からの水平距離がそれぞれその前面道路の幅員の2倍(幅員が4メートル未満の前面道路にあっては、10メートルからその幅員の2分の1を減じた数値)以内で、かつ、35メートル以内の区域については、これらの前面道路のみを前面道路とし、これらの前面道路のうち、幅員の小さい前面道路は、幅員の大きい前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。 3 前2項の区域外の区域については、その接する前面道路のみを前面道路とみなす。 (前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合) 第18条 前面道路の反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある場合においては、当該前面道路の反対側の境界線は、当該公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線にあるものとみなす。 2 建築物の前面道路が2以上ある場合において、その反対側に公園、広場、水面その他これらに類するものがある前面道路があるときは、前条第1項の規定によらないで、当該公園、広場、水面その他これらに類するものがある前面道路(2以上あるときは、そのうちの1)の境界線からの水平距離がその公園、広場、水面その他これらに類するものの反対側の境界線から当該前面道路の境界線までの水平距離の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水平距離が10メートルを超える区域については、すべての前面道路を当該公園、広場、水面その他これらに類するものがある前面道路と同じ幅員を有し、かつ、その反対側に同様の公園、広場、水面その他これらに類するものがあるものとみなして、前項の規定によることができる。この場合においては、前条第2項及び第3項の規定を準用する。 (前面道路と敷地の地盤面に高低差がある場合) 第19条 建築物の敷地の地盤面が前面道路より1メートル以上高い場合においては、その前面道路は、敷地の地盤面と前面道路との高低差から1メートルを減じたものの2分の1だけ高い位置にあるものとみなす。 (日影による中高層の建築物の高さの制限) 第52条の13 高さ(階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、5メートルまでは、当該建築物の高さに算入しない。)が10メートルを超える建築物は、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間において、平均地盤面からの高さ(当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さをいう。)が4メートルの水平面(当該建築物の敷地内の部分を除く。)に、敷地境界線からの水平距離が、5メートルを超え10メートル以内の範囲において4時間以上、10メートルを超える範囲において2.5時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。   (1) 知事が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて許可した場合 (2) 前号の許可を受けた建築物を、当該許可を受けた際における敷地の区域において、平均地盤面からの高さが4メートルの水平面に敷地境界線からの水平距離が5メートルを超える範囲において新たに日影となる部分を生じさせることのない規模で増築し、改築し又は移転する場合 2 同一の敷地内に2以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を1の建築物とみなして、前項の規定を適用する。 3 建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第1項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、別に知事が定める。  本条は、法第56条の2の規定と同様に、日影による中高層の建築物の高さの制限について定めたものである。なお、第1項第1号に係る許可をする際には、建築審査会の同意が必要である。 1 第1項関係 対象となる建築物、制限内容、平均地盤面の算定方法に関して定めた規定である。 2 第2項関係 本制限が敷地単位の制限であることに関して定めた規定である。 3 第3項関係  建築物の敷地に特別の事情がある場合についての緩和規定であり、同項中の「別に知事が定める」については、細則第21条に規定している。 細則 (日影による中高層の建築物の高さの制限の緩和) 第21条 条例第52条の13第3項の規定による同条第1項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、次の各号に定めるところによる。 (1) 建築物の敷地が道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する場合においては、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものに接する敷地境界線は、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの幅の2分の1だけ外側にあるものとみなす。ただし、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの幅が10メートルを超えるときは、当該道路、水面、線路敷その他これらに類するものの反対側の境界線から当該敷地の側に水平距離5メートルの線を敷地境界線とみなす。 (2) 建築物の敷地の平均地盤面が隣地又はこれに連接する土地で日影の生ずるものの地盤面(隣地又はこれに連接する土地に建築物がない場合においては、当該隣地又はこれに連接する土地の平均地表面をいう。)より1メートル以上低い場合においては、その建築物の敷地の平均地盤面は、当該高低差から1メートルを減じたものの2分の1だけ高い位置にあるものとみなす。 (高架の工作物内に設ける建築物等に対する高さの制限の緩和) 第52条の14 高架の工作物内に設ける建築物で知事が周囲の状況により交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものについては、前3条の規定は、適用しない。 2 道路内にある建築物(高架の道路の路面下に設けるものを除く。)については、第52条の12第1項及び第2項の規定は、適用しない。    本条は、法第57条の規定と同様に、高架の工作物内に設ける建築物等に対する高さの制限の緩和について定めたものである。 (一定の複数建築物に対する制限の特例) 第52条の15 一団地(その内に第4項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。)内に2以上の構えを成す建築物で総合的設計によって建築されるもののうち、知事が別に定めるところにより、知事がその各建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する第52条の6、第52条の9、第52条の10第1項若しくは第2項、第52条の12又は第52条の13の規定(次項において「特例対象規定」という。)の適用については、これらの建築物は、同一敷地内にあるものとみなす。 2 一定の一団の土地の区域(その内に第4項の規定により現に公告されている他の対象区域があるときは、当該他の対象区域の全部を含むものに限る。)内に現に存する建築物の位置及び構造を前提として、安全上、防火上及び衛生上必要な知事が別に定める基準に従い総合的見地からした設計によって当該区域内に建築物が建築される場合において、知事が別に定めるところにより、知事がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める当該区域内に存することとなる各建築物に対する特例対象規定の適用については、これらの建築物は同一敷地内にあるものとみなす。 3 第1項又は前項の規定による認定を申請しようとする者は、知事が別に定めるところにより、対象区域(第1項の一団地又は前項の一定の一団の土地の区域をいう。以下同じ。)内の各建築物の位置及び構造に関する計画を策定して提出するとともに、その者以外に当該対象区域の内にある土地について所有権又は借地権を有する者があるときは、当該計画について、あらかじめ、これらの者の同意を得なければならない。 4 知事は、第1項又は第2項の規定による認定をしたときは、遅滞なく、当該認定に係る第3項の計画に関して、対象区域その他知事が別に定める事項を公告するとともに、対象区域、各建築物の位置その他知事が別に定める事項を表示した図書を知事が別に定めるところにより、一般の縦覧に供さなければならない。 5 第1項又は第2項の規定による認定は、前項の規定による公告によって、その効力を生ずる。 6 第4項の規定により公告された対象区域(以下「公告対象区域」という。)の全部を含む土地の区域内の各建築物の位置及び構造について第1項又は第2項の規定による認定の申請があった場合において、知事が当該申請に係る第1項又は第2項の規定による認定(以下この項において「新規認定」という。)をしたときは、当該公告対象区域内の各建築物の位置及び構造についての第1項若しくは第2項又は次条第1項の規定による従前の認定は、新規認定に係る第4項の規定による公告があった日から将来に向かって、その効力を失う。    本条は、法第86条第1項及び第2項の規定と同様に、一定の複数建築物に対する制限の特例について定めたものである。 1 第1項及び第2項関係  認定基準については、「一団地の総合的設計制度及び連担建築物設計制度の運用について」により取り扱っている。 第2項中の「知事が別に定める」については、細則第23条の2に規定している。 2 第3項関係  申請手続き等に関して定めている。なお、同項中の「知事が別に定める」については、細則第23条の3に規定している。 3 第4項関係  認定した際の公告、縦覧に関する規定で、同項中の「知事が別に定める事項」については、細則第23条の4に規定している。 4 第5項及び第6項関係 認定の効力に関して規定している。 細則 (一定の一団の土地の区域内の現に存する建築物を前提として総合的見地からする設計の基準) 第23条の2 条例第52条の15第2項の知事が別に定める基準は、次に掲げるものとする。 (1) 対象区域内の各建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、当該各建築物の避難及び通行の安全の目的を達するために十分な幅員を有する通路であって、道路に通ずるものを設けること。 (2) 対象区域内の各建築物の外壁の開口部の位置及び構造は、当該各建築物間の距離に応じ、防火上適切な措置が講じられること。 (3) 対象区域内の各建築物の各部分の高さに応じ、当該対象区域内に採光及び通風上有効な空地等を確保すること。 (4) 対象区域内に建築する建築物の高さは、当該対象区域内の他の各建築物の居住の用に供する部分に対し、当該建築物が存する区域における条例第52条の13の規定による制限を勘案し、これと同程度に日影となる部分を生じさせることのないものとする。 (対象区域内の各建築物の位置及び構造に関する計画) 第23条の3 条例第52条の15第3項の規定による対象区域内の各建築物の位置及び構造に関する計画は、認定計画書(第12号様式)によるものとする。 (一定の複数建築物に対する制限の特例に関する公告事項等) 第23条の4 条例第52条の15第4項の知事が定める公告事項は、公告に係る対象区域等を縦覧に供する場所とする。 2 条例第52条の15第4項の知事が定める縦覧事項は、認定計画書に記載すべき事項とする。 3 条例第52条の15第4項の規定により知事は、同項及び前項に規定する公告事項を表示した図書を建築物の所在地に係る別表の左欄に掲げる区域の別に応じ当該右欄に掲げる事務所に備え置き、一般の縦覧に供するものとする。 (一定の複数建築物に対する制限の特例に係る公告の方法) 第23条の5 条例第52条の15第4項、条例第52条の16第2項及び条例第52条の17第3項の規定による公告は、神奈川県公報への登載により行うものとする。 (公告対象区域内における同一敷地内建築物以外の建築物の位置及び構造の認定) 第52条の16 公告対象区域内において、前条第1項又は第2項の規定により同一敷地内にあるものとみなされる建築物(以下「同一敷地内建築物」という。)以外の建築物を建築しようとする者は、知事が別に定めるところにより、当該建築物の位置及び構造が当該公告対象区域内の他の同一敷地内建築物の位置及び構造との関係において安全上、防火上及び衛生上支障がない旨の知事の認定を受けなければならない。 2 知事は、前項の認定をしたときは、遅滞なく、知事が別に定めるところにより、その旨を公告するとともに、前条第4項の図書の表示する事項について所要の変更をしなければならない。 3 前条第5項の規定は、第1項の認定について準用する。 4 前条第1項又は第2項の規定は、公告対象区域内の第1項の規定による認定を受けた建築物及び当該建築物以外の当該公告対象区域内の建築物について準用する。 5 公告対象区域内に第1項の規定による認定を受けた建築物がある場合における同項の規定の適用については、当該建築物を同一敷地内建築物とみなす。    本条は、法第86条の2第1項の規定と同様に、公告対象区域内における同一敷地内建築物以外の建築物の位置及び構造の認定について定めたものである。 1 第1項関係  認定基準については、「一団地の総合的設計制度及び連担建築物設計制度の運用について」により取り扱っている。 2 第2項関係 認定した際の公告、縦覧に関する図書の変更に関する規定である。 3 第3項関係 申請手続き等に関して定めたもので、前条第5項の規定を準用する。 (一定の複数建築物の認定の取消し) 第52条の17 公告対象区域内の土地について所有権又は借地権を有する者は、その全員の合意により、当該公告対象区域内の建築物に係る第52条の15第1項若しくは第2項又は前条第1項の規定による認定の取消しを知事に申請することができる。 2 前項の規定による申請を受けた知事は、当該申請に係る公告対象区域内の各建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、当該申請に係る認定を取り消すものとする。 3 知事は、前項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、知事が別に定めるところにより、その旨を公告しなければならない。 4 第2項の規定による取消しは、前項の規定による公告によって、その効力を生ずる。 5 前2項に定めるもののほか、第2項の規定による認定の取消しについて必要な事項は、知事が別に定める。    本条は、法第86条の5の規定と同様に、一定の複数建築物の認定の取消しについて定めたものである。 1 第3項関係  取消しをした際の公告に関する規定である。なお、同項中の「知事が別に定める」については、細則第23条の5(P.I-75)に規定している。 神奈川県建築基準条例の解説                                          神奈川県県土整備局建築住宅部建築指導課 I-77