(56ページ) 4 指定障害福祉サービス等の提供体制の確保   (1) 指定障害福祉サービス等の見通し 主な指定障害福祉サービス等の利用状況をみると、これまで増加傾向で推移しており、今後も利用は増加する見通しです。 (以下棒グラフで推移を掲載)  <訪問系サービスの利用時間の推移> 平成28年度 378,956時間 平成29年度 404,964時間 平成30年度 393,116時間 令和元年度 417,635時間 令和2年度 432,861時間 令和3年度(見込み) 452,750時間 令和4年度(見込み) 475,734時間 令和5年度(見込み) 501,492時間    <訪問系サービスの利用者数の推移> 平成28年度 15,261人 平成29年度 16,049人 平成30年度 16,080人 令和元年度 16,650人 令和2年度 16,580人 令和3年度(見込み) 18,139人 令和4年度(見込み) 19,016人 令和5年度(見込み) 20,007人 (57ページ) <日中活動系サービス(6類型※)の月間延べ利用日数の推移> 平成28年度 538,415人月 平成29年度 559,509人月 平成30年度 633,476人月 令和元年度 634,561人月 令和2年度 677,372人月 令和3年度(見込み) 677,058人月 令和4年度(見込み) 702,206人月 令和5年度(見込み) 727,259人月 <日中活動系サービス(6類型※)の利用者数の推移> 平成28年度 29,620人月 平成29年度 31,340人月 平成30年度 33,958人月 令和元年度 36,346人月 令和2年度 38,117人月 令和3年度(見込み) 38,521人月 令和4年度(見込み) 39,998人月 令和5年度(見込み) 41,506人月 ※生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援(A型、B型) (58ページ) <共同生活援助の利用者数の推移> 平成28年度 7,968人 平成29年度 8,148人 平成30年度 8,747人 令和元年度 9,442人 令和2年度 10,538人 令和3年度(見込み) 10,641人 令和4年度(見込み) 11,296人 令和5年度(見込み) 11,955人 <指定計画相談支援の利用者数の推移> 平成28年度 11,193人 平成29年度 12,764人 平成30年度 16,873人 令和元年度 16,864人 令和2年度 20,076人 令和3年度(見込み) 22,304人 令和4年度(見込み) 25,332人 令和5年度(見込み) 28,513人   (59ページ) <児童発達支援の利用者数の推移> 平成28年度 7,084人 平成29年度 7,780人 平成30年度 7,716人 令和元年度 8,032人 令和2年度 9,575人 令和3年度(見込み) 9,357人 令和4年度(見込み) 9,794人 令和5年度(見込み) 9,995人   <放課後等デイサービスの利用者数の推移> 平成28年度 13,363人 平成29年度 14,491人 平成30年度 15,287人 令和元年度 19,487人 令和2年度 18,644人 令和3年度(見込み) 20,354人 令和4年度(見込み) 22,068人 令和5年度(見込み) 23,849人   (60ページ) <保育所等訪問支援の利用者数の推移> 平成28年度 73人 平成29年度 111人 平成30年度 248人 令和元年度 373人 令和2年度 544人 令和3年度(見込み) 798人 令和4年度(見込み) 879人 令和5年度(見込み) 964人 (参考)サービスの利用拡大に伴う給付費の動向 障害福祉サービス費等負担金(当初予算ベース) 平成22年度 約133億円 平成23年度 約156億円 平成24年度 約198億円 平成25年度 約248億円 平成26年度 約245億円 平成27年度 約253億円 平成28年度 約274億円 平成29年度 約290億円 平成30年度 約314億円 令和元年度 約326億円 令和2年度 約358億円   (61ページ) (2) 指定障害福祉サービス等の見込量の確保のための方策  第6期計画において設定した指定障害福祉サービス等の見込量の確保に向けて、次のような方策を実施し、サービス提供体制の整備を図ります。 ア 多様な事業者の参入とサービスの質の確保  障害者総合支援法及び児童福祉法では、障がい者の選択の幅を広げるため、多様なサービス提供主体が参入することが期待されていますが、単にサービスの供給量が増えるだけでなく、質の高いサービスをニーズに応じて組み合わせて使えることが大切です。  このため、障害福祉サービス等の利用者が個々のニーズに応じてサービスを選択でき、また、事業者によるサービスの質の向上が図られるよう、障害福祉サービス等情報公表制度*31を適切に運用します。  また、市町村と協力し、地域の実情に応じた質の高いサービスが多様な事業者の参入によって確保され、事業者の切磋琢磨によりサービス水準が向上していくという好循環が形成されるよう、人材育成や事業所の指導等に取り組みます。 イ 地域生活支援のための施設機能の活用  障害者支援施設については、重度障がい者等に住まいの場を提供するだけでなく、本人の意思に応じて地域生活への移行に向けた支援を一層進めるとともに、専門的なノウハウや人材を生かし、地域で暮らす障がい者に対する支援や、地域福祉の拠点としての機能強化及び障がい者一人ひとりのニーズに応じた多様な事業展開を行うことなどが期待されています。  こうした施設機能は、障がい者の地域での暮らしを支えるための重要な社会資源になると考えられることから、市町村とも連携し、施設の積極的な取組を促進します。   ウ 重度障がい者に対応したグループホームの確保等  地域における重要な住まいの場であるグループホームの設置は進んでいますが、重度障がい者が安心して生活できるグループホームの確保が必要です。そのため、「障害者グループホーム等サポートセンター」においては、グループホームの設置を検討する法人等に対し、グループホームの設置・運営に関する助言等を行うとともに、職員の支援技術向上のための研修を実施しています。また、県は、より多くの人員配置や、エレベーター、スロープの設置といったバリアフリー化を図るグループホームを市町村と協調して支援 (62ページ) します。  さらに、精神障がい者に対応するグループホームについても、精神障がい者を支援する人材の養成等により、設置を支援します。   エ 医療的ケアや精神障がいに対応できる人材の養成  施設と在宅の両面で、障がい者が安心して医療的ケアを受けられるための人材養成を進めます。  また、障がい特性から対応に専門性が求められる精神障がい者へのホームヘルプサービス等についても、全ての障がい保健福祉圏域を対象に、精神障害者ホームヘルパー研修を実施し、必要な知識や技術を習得したホームヘルパーの養成と支援技術の向上を図ります。 オ 在宅サービス等の充実  医療的ケアや、行動障がいのある障がい者に対する在宅サービスが十分にいきわたっていない現状があることから、県は、居宅介護事業者には、重度訪問介護の指定も受け、実際にサービス提供も行うよう働きかけていきます。また、障がいの程度や、特性にとらわれず、本人の意思に基づき、地域での生活を継続できるようにするため、医療型短期入所事業所の開設の支援や、重度障がい者を受け入れる通所事業所等の整備について補助を行っていきます。  このように、障がい者のニーズに応じて、訪問系サービス、短期入所や日中活動の場の確保等により、在宅サービスの充実を図ります。    カ 日中活動の場の確保  施設・病院から地域生活への移行や、増加する特別支援学校の卒業者などの受け皿となる日中活動の場を確保するため、在宅の重度障がい者等の生活介護事業所などの整備を促進するとともに、障がい者の福祉的就労*18に係る支援を行います。   キ 短期入所の充実  短期入所事業所が、在宅の重度障がい者等の障がい特性に応じたサービスを提供するために必要な施設・設備の整備を促進するとともに、障がい者の地域生活への移行に対応するため、市町村に対し、介護者のレスパイト(休息)の拡大を図る事業を支援します。   (63ページ) ク 相談支援従事者の養成・確保と相談支援体制の充実  相談支援専門員*12の養成に必須とされている相談支援従事者研修に加え、相談支援従事者のスキルアップのための研修や主任相談支援専門員の養成のための研修を実施するほか、地域の中核となる基幹相談支援センター*17の機能強化・設置促進など、相談支援体制の充実強化に取り組みます。 ケ 児童発達支援等の提供  障がい児に対して指導訓練等の支援を行う児童発達支援等を提供するとともに、居宅介護、短期入所等を提供し、障がい児が身近な地域で必要な支援を受けられる体制の充実を図ります。また、障がい児の発達段階に応じて、保育所等訪問支援及び放課後等デイサービス等の適切な支援を提供します。 コ その他の方策  「障がい者地域生活サポート事業」等を活用し、重度障がい者等の障害福祉サービス等の利用促進や、サービス提供体制の整備促進を市町村と連携して支援します。 地域で生活する障がい者が、日中活動の場への移動がしやすいような環境等の整備を行うとともに、医療費の助成や、地域活動支援センターへの支援を行う市町村への助成、民間企業等への障がい理解促進の研修、障がい者の芸術文化活動の振興など、地域で障害福祉サービス等を利用する障がい者への支援を行います。 サ 持続可能な障害福祉サービス等の提供   新型コロナウイルス感染症などの新たな感染症等のまん延や、災害等の発生時においても、障害福祉サービス等が継続して提供されるよう、事業所等における業務継続計画*7の策定等を支援していきます。  また、新型コロナウイルス感染症への対応として、事業所等からの感染防止対策に関する相談へ対応するとともに、国の補助制度の活用等により、事業所等における感染防止対策の継続を支援していきます。  さらに、陽性者や濃厚接触者が発生した事業所等については、感染拡大防止の措置を講じた上でのサービス継続に必要となる経費を補助するとともに、法人・事業所間の応援職員の派遣等により、サービスの継続を支援していきます。   (64ページ) (3) 指定障害福祉サービス等の従事者の確保及び資質向上のための方策   指定障害福祉サービス等の見込量を確保するためには、サービスに従事する人材が安定的に確保され、また、サービスの提供が適切に行われる必要があります。そのため、次のような方策を実施し、従事者の確保及び資質の向上を図ります。 ア 指定障害福祉サービス等の従事者に対する「当事者目線の支援」の普及 県立施設において、「当事者目線」の観点からより良い支援の方法を作り上げるとともに、「当事者目線の支援」の考え方を県内の指定障害福祉サービス等の従事者に普及させていくことにより、資質の向上を図ります。   イ サービス提供に係る人材の確保・育成    障がい福祉を担う人材を確保するため、「かながわ福祉人材センター」を設置し、若い世代を含むあらゆる層に対して福祉の仕事の魅力や現場の様子などを伝えるとともに、福祉施設等への就労を支援します。  また、指定障害福祉サービス等が円滑に実施されるよう、相談支援専門員*12、サービス管理責任者*29や児童発達支援管理責任者*30等に対する研修を実施し、指定障害福祉サービス等に係る人材の確保と資質の向上を計画的に図ります。  また、グループホーム等の職員の支援技術の向上のための研修、介護職員等によるたんの吸引等の医療的ケアに関する研修、精神障害者ホームヘルパーの養成等を行う研修、強度行動障がい*5のある方の支援者養成研修等を実施し、サービス提供人材の確保と資質の向上を図っていきます。  研修等の実施に当たっては、「当事者目線の支援」を実践するため、支援を行う側と受ける側との共通理解を図り、実際の支援の場での適切な対応に生かしていけるよう「当事者目線」の考え方等を踏まえた講義を盛り込むなど、カリキュラムの充実を図ります。   ウ 指定障害福祉サービス事業者等に対する指導・監査  障がい者が安心して質の高い障害福祉サービス等を利用できるよう、また、サービスを提供する事業者等の健全な経営を確保するため、指定障害福祉サービス事業者等に対して、指定基準等の遵守に係る指導や監査を実施します。 (65ページ) エ 障がい者の権利擁護の推進 (ア) 成年後見制度*32の利用促進  成年後見制度の適正な利用を促進するため、必要な経費について助成を行うとともに、かながわ成年後見推進センター*33を設置し、市町村社会福祉協議会の法人後見受任等の促進や市町村職員等研修会の実施など、利用しやすい成年後見の仕組みづくりに取り組みます。  また、どの地域においても必要な方が成年後見制度を利用できるよう、市町村における権利擁護支援の地域連携ネットワーク及び中核機関の整備に対し、必要に応じて支援します。 (イ) 権利擁護相談体制づくりの推進  神奈川県社会福祉協議会が行う福祉サービスの利用援助事業や福祉サービスに関する苦情相談に対応する「かながわ福祉サービス運営適正化委員会」の運営等を支援します。 (ウ) 障がい保健福祉圏域における取組  政令市を除く5つの障がい保健福祉圏域に設置した圏域自立支援協議会における機能の一環として、各障がい保健福祉圏域における権利擁護の推進を図っていきます。 オ 障がい者虐待の防止  障害者虐待防止法を踏まえて、神奈川県障害者自立支援協議会*16に権利擁護部会を設置し、障がい者虐待の未然防止及び虐待を受けた障がい者への支援等について検討を行うとともに、神奈川県障害者権利擁護センター*34を設置し、虐待防止に向けた仕組みづくりを推進します。  また、グループホームの職員等を対象とした研修において、支援技術の向上と併せ、通報義務や通報者の保護に関する周知、人権意識の啓発に努め、相談支援専門員*12に対して、訪問による相談支援の機会等を通じた虐待の早期発見について周知を図ります。  さらに、当事者に対しても虐待に関する周知を推進していきます。 カ 指定障害福祉サービス等の事業者に対する第三者の評価  評価機関の認証、評価調査者の養成、評価結果の公表等を担う「かながわ福祉サービス第三者評価推進機構」の運営を支援することにより、福祉サービスの第三者評価を推進します。 (66ページ)  また、事業者に対する第三者評価の受審及び評価結果の公表の促進等に努めるとともに、障害福祉サービス等情報公表制度*31の活用により、事業者によるサービスの質の向上を図っていきます。