(25ページ) (3) 地域生活支援拠点等が有する機能の充実 <現状及びこれまでの取組> ○ 地域生活支援拠点等とは、障がい者の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据えた、居住支援のための機能を持つ場所や体制のことです。  居住支援のための機能は、相談、緊急時の受入れ対応、体験の機会・場、専門的人材の確保・養成、地域の体制づくりの5つを柱としており、これらの機能を地域の実情に応じた創意工夫により整備し、障がい者の生活を地域全体で支えるサービス提供体制を構築することとされています。 ○ 県では、政令市を除く5つの障がい保健福祉圏域において、地域の中核となる相談支援事業所や短期入所事業所等を支援することにより、圏域における相談支援機能や、緊急時の受入れ機能等の強化を図るとともに、個々の機能の連携を促進してきました。  そうした中、1つの圏域においては、緊急時の受入れ機能の確保が市町村において可能となったことから、残る4つの圏域で地域生活支援拠点等の機能を面的に整備しました。 ○ また、市町村に対しては、神奈川県障害者自立支援協議会*16も活用しながら、市町村における整備状況や整備に向けた課題等を把握し、優良事例の紹介や整備に関わる情報の提供等の支援を行ってきました。 ○ なお、重度障がい者の居住支援として、グループホームの体験ができるよう、補助制度を実施してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、実績は伸びませんでした。 <取組による成果> ○ 第5期計画に係る国の基本指針では、各市町村又は各圏域において、地域生活支援拠点等を少なくとも1つ以上整備することが基本とされましたが、圏域ではすでに整備済みであることや、障がい者等に身近な市町村において十分な機能を担う体制の構築が必要であることから、第5期計画では、県内全ての市町村が地域生活支援拠点等を整備することを成果目標としました。 ○ しかし、令和2年度末時点の整備状況(令和3年4月1日付けで整備したものを含む。)は、12市町村に留まり、目標を達成できませんでした。 (26ページ) <課題> ○ 障がい者やその家族等が地域で安心して暮らしていくためには、身近な市町村において、相談や緊急時の受入れなどに対応できる体制の整備が求められることから、引き続き市町村における地域生活支援拠点等の早期整備を目指していく必要があります。   ○ 市町村での整備促進に向けて、未整備の市町村における具体的な課題等を踏まえた個別の支援を実施する必要があります。 ○ また、地域生活支援拠点等を整備済みの市町村についても、その機能の充実及び適切な運用のため、地域のニーズや課題に応えられているか、必要な機能の水準を満たしているかという観点で、継続して運用状況を確認するための取組が必要です。   <成果目標>  国の基本指針及び本県の現状、課題等を踏まえ、次のとおり成果目標を設定します。 ア 地域生活支援拠点等の整備の表 成果目標 地域生活支援拠点等を整備した市町村の数、(令和2年度実績)12市町村、令和5年度の目標の順で記載 33市町村(全市町村) イ 地域生活支援拠点等の運用状況の検証及び検討の表 成果目標 地域生活支援拠点等の運用状況の検証及び検討を行う市町村の数、(令和2年度実績)5市町村、令和5年度の目標 33市町村(全市町村) <目標達成のための方策>  成果目標の達成に向けて、次のような方策を実施します。 (整備促進に向けた市町村支援) ○ 各市町村の地域生活支援拠点等の整備状況を把握するとともに、他都道府県を含めた整備済み市町村の情報など整備に有効な情報の提供等を引き続き行 (27ページ) います。 ○ 未整備市町村の課題等に応じたオーダーメードの支援を検討していきます。 ○ 単独での機能整備が困難な市町村に対しては、市町村間での必要な調整の支援を行うための協議の場の設置等を支援します。 (専門人材の育成) ○ 未整備の市町村の多くが整備が難しいと考えている「専門人材の確保・養成」の機能を担うことができる障害福祉サービス事業所等を増やすため、強度行動障がい*5を有する者や医療的ケアが必要な者に対して適切な支援を行う職員の育成を強化します。 (基幹相談支援センター等の設置促進) ○ また、地域の様々なニーズに対応できるサービス提供体制の確保や、地域の社会資源の連携体制の構築等を行う「地域の体制づくり」の機能を担うことが想定される基幹相談支援センター*17等の設置を促進していきます。 (運用状況の検証及び検討に向けた支援) ○ 運用状況の検証及び検討についても、各市町村の実施状況を把握するとともに、実施済み市町村のノウハウを他の市町村へ情報提供することなどにより、検証及び検討を行う市町村を増やしていきます。