資料12 令和7年第3回神奈川県議会定例会厚生常任委員会報告資料  令和7年12月10日 新たな地方独立行政法人の設立について 令和5年12月に策定した「県立障害者支援施設の方向性ビジョン」に基づき、令和8年4月に新たな地方独立行政法人(以下「法人」という。)を設立し、同時に中井やまゆり園を同法人による運営に移行することを目指しており、同法人の取組や設立準備の状況等を報告する。 (1)法人の名称 地方独立行政法人神奈川県立福祉機構 (2)設立時期(予定) 令和8年4月1日 (3)設立目的 この法人は、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜」の基本理念に基づき、障害者の地域生活を支援するとともに、科学的な福祉を研究及び実践し、そのために必要な人材を育成する拠点となり、福祉に関する諸課題の解決に広く貢献することにより、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域共生社会を実現することを目的とする。 (4)定款 令和7年第1回定例会で議決 (5)法人の取組 ア 当事者目線による地域生活支援の実践 中井やまゆり園の利用者をはじめ地域における障害者の望む暮らしを実現するため、日中活動や健康管理等に基づく「豊かな暮らしづくり」、地域生活移行や障害者の地域における役割をつくる「連携」、望みに寄り添う「相談」を柱として、当事者目線による地域生活支援を実践する取組を推進する。 イ 科学的な福祉の研究に基づく当事者目線の推進 再現性のある当事者目線に立った支援を確立するため、重度知的障害者をはじめ障害者の心身の状態を定量化し、見える化するための研究や、障害者と支援者双方のウェルビーイングを向上させるための障害者の健康管理や日中活動など、有効な支援のあり方に関する研究を推進する。 ウ 当事者目線の支援を実践する人材の育成 科学的な福祉の研究の成果を踏まえて、再現性のある当事者目線に立った支援を実践する法人職員を育成し、地域共生社会をつくる人材として輩出するとともに、福祉の質的・量的向上を図るため、民間施設・事業所の職員の育成に取り組む。 エ 地域共生社会の実現に向けた普及啓発 地域の住民や事業所、大学、病院等に対して、当事者目線の障害福祉や科学的な福祉の研究及び実践の成果等の普及啓発を行い、障害者に対する理解や地域とのつながりをつくる活動への参加を促進する。 (6)設立準備の状況 ア 組織体制 中井やまゆり園の運営や当事者の地域生活を支援する支援部門、科学的な福祉の研究を行う研究部門、法人内外の人材の育成を行う人材育成部門、法人の運営や経営を担う企画部門を設置する予定である。 イ 人事・給与制度 職員の給与、勤務時間、休暇等の勤務条件は、基本的に県の制度に準拠する方向で検討を進めている。 ウ 財務・会計制度 法人に出資する財産の整理・鑑定評価のほか、諸規程の整備等を進めている。 エ 情報システム 情報システム(人事給与システム、財務会計システム等)の導入に向けて、設計やネットワークの構築を行い、動作確認の準備を進めている。 また、法人ホームページの作成を進め、令和8年3月にプレオープンを予定している。 オ 科学的な福祉の研究及び実践、人材育成の実施に向けた取組 地域資源の活用が利用者の健康・QOL等の向上に与える影響や利用者の健康状態・栄養状態の把握と効果的な支援に関する研究、共感力を用いたより良い支援の検討など法人化に先駆けたプレ研究を実施している。 法人職員のキャリアパスや研修体系等の人材育成計画の検討を進めている。 カ 職員確保に向けた取組 法人設立当初の職員の構成は、県派遣職員とプロパー職員からなる。 (ア)県職員の派遣 法人は、中井やまゆり園を母体とするものであり、法人職員のプロパー化を進める間、プロパー職員の採用状況に応じて、県職員を派遣する。 そのため、個別面談や園職員向けの説明会の実施、庁内ポータルを通して、福祉職に対し法人に関する情報の発信を行っている。 また、法人に派遣する福祉職を確保するためには、法人が目指す新しい福祉への職員の理解を深めることが重要であるため、モデル寮における取組や成果を県の福祉職へ浸透させ、意識の向上を図っていく。 (イ)プロパー職員の確保 採用予定日は令和8年4月1日 募集分野は福祉職。試験、試験ごとの募集人数、募集期間、募集結果者人数、最終合格者人数の順に記載 第1回、40名程度、令和7年3月3日から4月30日、90名、48名 第2回、20名程度、令和7年6月2日から6月30日、51名、20名 第3回、15名程度、令和7年9月1日から9月28日、69名、28名 中核人材(マネージャー職)、7名程度 令和7年11月12日から12月1日、18名、令和8年1月中旬発表の予定 作業療法士免許保有者、10名程度、令和7年11月17日から12月8日、1名、令和8年1月下旬発表の予定 女性、10名程度、令和7年11月17日から12月8日、12名、令和8年1月下旬発表の予定 募集分野は事務職。 一般試験の募集人数は若干名で5名程度、募集期間は令和7年9月1日から9月28日、募集結果人数は3名、最終合格者は1名。 民間企業等の職務経験5年以上の経験者試験。 募集期間は令和7年9月1日〜9月28日、募集結果人数は34名、最終合格者は5名 その他の募集。 中核人材(リーダー職)(事務職又は福祉職)の募集人数は3名程度、募集期間は令和7年11月12日から12月1日、募集結果人数は23名、最終合格者は令和8年1月中旬頃発表の予定 看護師の募集人数は2名程度、募集期間は令和7年11月12日から12月1日、募集結果人数は7名、最終合格者は令和8年1月中旬頃発表の予定 そのほか、今後も、非常勤職員採用試験等を実施予定 キ 施設整備等 法人事務局の執務室や役員室となる事務棟や倉庫の整備を進めている。 法人のシンボルとなるロゴマークについて、デザインコンペを実施した上で、中井やまゆり園の利用者や家族等も含む投票を実施した。今後、諸手続を経て決定する。 秦野駅周辺に職員宿舎として集合住宅を借り上げる等、魅力ある職場づくりに向けた取組を進める。 (7)神奈川県地方独立行政法人神奈川県立福祉機構評価委員会 神奈川県地方独立行政法人評価委員会条例第2条に基づき、神奈川県地方独立行政法人神奈川県立福祉機構評価委員会(以下「評価委員会」という。)を置く。 ア 主な役割 中期目標及び中期計画に対する意見の提示 業務実績評価に対する意見の提示     イ 任期 令和7年6月2日〜令和9年3月31日 ウ 委員名簿 氏名、所属・役職名等の順に記載。 尾崎 雅代、尾崎公認会計士事務所、公認会計士 楠  聖伸、武蔵野大学ウェルビーイング学部、講師 熊谷 晋一郎、東京大学先端科学技術研究センター、教授 鈴木 敏彦、淑徳大学、副学長 名里 晴美、社会福祉法人訪問の家、理事長 吉田 勝明、公益社団法人神奈川県病院協会、会長 (8)中期目標 設立団体の長が指示する中期目標について、今定例会に議案として提出した。 (9)中期計画 ア 中期計画の意義 中期計画は、設立団体の長から指示された中期目標を達成するために地方独立行政法人が作成する具体的な計画であり、法人は自ら定めた計画に従い、自主性・自律性をもって業務を実施する。 イ 中期計画に定める事項(地方独立行政法人法(以下「法」という。第26条第2項) 住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画 短期借入金の限度額 出資等に係る不要財産又は出資等に係る不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画 重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画 剰余金の使途 その他設立団体の規則で定める業務運営に関する事項 ウ 中期計画を定め、又はこれを変更しようとするときの手続(法第26条第1項) 設立団体の長の認可を受けなければならない。 エ 中期計画(素案) 令和7年第3回定例会厚生常任委員会(9月)に報告した中期計画(骨格)を踏まえて、別紙のとおり中期計画(素案)を作成した。 オ 中期計画(素案)の概要 (ア)中期計画の期間 令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間とする。 (イ)住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置 a 当事者目線による地域生活支援の実践 (a) 豊かな暮らしづくりの実践 共感に基づくチームでの利用者支援 共感に基づく支援 利用者の生い立ちを含む人生、日々の困り事や喜びへの理解を促進する。 また、利用者の変化と可能性に触れることにより共感を形成するとともに、利用者の状態や希望に応じた柔軟な判断に基づく寄り添った支援に取り組む。 科学的根拠に基づく当事者目線による支援 支援の現場における課題を科学的な福祉の研究に反映するとともに、その成果を活用することにより、科学的根拠に基づく当事者目線による生活支援の実践に取り組む。 個別支援計画や利用者及び家族等への説明において、その支援の根拠を明確化する。 ウェルビーイングを高める組織体制や働き方等の導入 利用者・職員相互のウェルビーイングを高めるため、利用者の豊かな暮らしづくりと職員の働き方を両立させる組織体制、職員配置、勤務シフトの仕組み、人材育成・評価システムを構築する。 日常的な生活支援に立脚した健康管理の実践 地域における診療体制の充実及び質の向上 県や医療機関等と連携し、地域の医療機関等に知的障害者の健康管理・医療問題や診療方法等に関する情報提供に取り組むとともに、施設と地域の医療機関、調剤薬局などの連携による医療・支援情報の共有化を検討する。 地域の医療機関及び相談支援機関等と連携し、地域の診療体制等の情報提供に取り組む。 役割をつくるための日中活動の充実 地域活動の充実 障害者の可能性と地域における役割を広げるため、生活介護事業所の設置・運営等を通じて、障害者の地域活動の充実に取り組む。 暮らしの場の充実と地域生活移行 地域における暮らしの場の確保 現在の利用者の居場所を必ず確保することを前提に、一人暮らし、自宅や民間グループホーム等への移行に向けた調整に加え、県立グループホームの設置に取り組む。 県立グループホームの運営を通じた望ましい暮らしの場やそのための支援のあり方を検証し、県へ報告する。 地域生活移行の推進 多職種や家族等を含むチームにより意思決定支援を行い、地域生活体験やピアサポートなどを実施しながら利用者の望む暮らしの実現に取り組む。 地域生活移行後のフォローアップ 利用者の地域生活移行後の定期的な移行先への訪問や連絡、そこでの生活状況の家族等への説明を行うほか、必要に応じて短期入所や再び地域で暮らせるようにするため期間を定めて再入所を受け入れるなど、継続的な地域生活移行・定着支援に取り組む。 通過型施設としての役割の確立 一時的に地域での生活が困難となった障害者について、その人が置かれた環境や必要性を踏まえて、短期、長期に関わらず、期間を定めたうえで入所の受入れを行うとともに、家族や地域の関係機関と連携し、再び地域で暮らせるようにするための支援に取り組む。 通過型施設としての支援のスキームを作成するとともに、ホームページ、研修や障害者自立支援協議会等を通じて他施設、自治体等への情報の発信に取り組む。 (b)地域とのつながりをつくる連携の実践 関係をつくる 役割をつくる 地域をつなげて広める 他の施設・事業所等との合同による支援に対する考えの共有や振り返り、スーパービジョンや人材確保・定着・育成等につながる事業に取り組む。 (c)望みに寄り添う相談支援の実践 困り事の把握と橋渡し 地域の支援体制を見える化するとともに、日中活動の場などを活用して地域相談窓口を創設し、地域の障害者の困り事の把握と必要な支援への橋渡しに取り組む。 特定相談支援及び一般相談支援の実施 指定特定相談支援事業所及び指定一般相談支援事業所を設置し、計画相談支援及び地域相談支援を実施する。 発達障害者相談支援の実施 神奈川県発達障害支援センターの相談機能を継続する。 b科学的な福祉の研究に基づく当事者目線の推進 (a)障害者の心身状態の見える化に関する研究 (b)有効な支援のあり方に関する研究 (c)県から指示を受けて実施する研究 (d)当事者が参加する研究の推進と公正性の確保 障害当事者等の提案や現場職員の意見を踏まえて研究テーマを決定するとともに、障害当事者や現場職員等が研究員を兼務して研究に参加するプロジェクトチーム方式による研究の実施に取り組む。 (e)研究成果の社会への還元 研究成果とその実践例の発信に取り組むほか、大学等の教育研究機関、民間施設・事業所等と連携し、将来的な学生や職員に対する研修、助言活動や職員交流等による人材育成に向けた仕組みづくりに取り組む。 c 当事者目線の支援を実践する人材の育成 (a)法人職員の育成 基礎力や専門力を高める研修の実施 当事者目線の支援を実践していくために必要な基礎力、実行力、専門性や意欲等を持った職員を育成する研修体系を構築するとともに、将来的に異業種を含む企業等との職員交流や合同事業等を実施するなど、外部機関と連携しながら効果的な研修に取り組む。 現場における効果的な実践 (b)地域の施設・事業所等職員の育成 研修機関や施設・事業所等との合同による研修、スーパービジョンや職員交流等に取り組む。 d 地域共生社会の実現に向けた普及啓発 科学的な福祉の研究及びその当事者目線による実践の成果について、地域のイベント、ホームページ、SNSや刊行物等による発信に取り組む。 中井やまゆり園を拠点として、地域から共生社会を広めるシンポジウム、学校への出前講座や支援体験授業の実施を検討していくほか、日常的なボランティアの受入れや日中活動の場における交流・共同作業などを通じた普及啓発に取り組む。 (ウ) 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 a 運営体制の確保 (a) 業務の引継ぎ (b) 職員の計画的な確保と定着 (c) 研究や人材育成等の業務実施体制の確保 b 組織及び人事配置の適正な運用 c その他PDCAサイクルによる継続的な改善 (a) 適時適切な報告の仕組みの構築 (b) 利用者及び職員の満足度の把握と反映 (c) 組織マネジメントの強化 (エ) 財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置 a 自己収入の確保 b 経営資源の有効活用 (オ) 予算(人件費の見積もりを含む。)、収支計画及び資金計画 a 予算(令和8年度から令和12年度) b 収支計画(令和8年度から令和12年度) c 資金計画(令和8年度から令和12年度) (カ) 短期借入金の限度額 a 短期借入金の限度額 b 想定される理由 (キ) 出資等に係る不要財産又は出資等に係る不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画 (ク) (キ)に規定する財産以外の重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画 (ケ) 余剰金の使途 (コ) その他業務運営に関する重要事項の目標を達成するためとるべき措置 a 施設設備の維持管理、リノベーションの実施 b 支援や運営の見える化、積極的な情報の公表及び県への報告 (サ) その他設立団体の規則で定める業務運営に関する事項 a 人事に関する計画 b 県からの長期借入金の限度額 c 積立金の処分に関する計画 カ 評価委員会における主な意見 令和7年10月24日に第3回評価委員会を開催し、中期目標(案)及び中期計画(素案)について審議を行った。(中期計画(素案)に対する委員からの主な意見) (ア)当事者目線による地域生活支援の実践について 日常で気になったこと、感じたことを記録して職員間で振り返り、話し合うような機会を作ることが大切である。 課題の反対には同じ分だけのよい変化・成長があるため、その両方の振り返りができることが大事である。 ケアマネジメントなどの支援のプロセスを評価するような指標を考えてもらいたい。 ボランティアの数や利用者が外で地域の方と出会う活動など、目標項目を厚くした方がよい。 (イ)科学的な福祉の研究に基づく当事者目線の推進について 参加型研究における当事者の参画度合いについて、コンサルテーション、コラボレーション、ユーザーレッドのどのレベルにあるかをKPIに入れておくと、先進的に見えるのではないか。・福祉機構の取組の先進性や国際的な比較研究等を考えると、世界の障害統計で使われている指標を入れると発展性がある。 県内外の障害福祉施設や事業所等における活用例の報告があると、職員のモチベーションの向上に繋がるのではないか。 当事者と一緒に作ったプレスリリース件数を目標値に置くことも重要ではないか。 地域向けの実践発表など、定期的に身近な地域の人たちに対して報告する機会があるとよい。 (ウ)当事者目線の支援を実践する人材の育成について 上司や同僚との対話など、よい変化を語り合うことを数字化できると面白いのではないか。 職員個人のウェルビーイング指標として、職員の心の状態も定期的に測るという取組を入れてもよいのではないか。 心理的安全性を指標として示した上で、それを上げるための手立ては、現場にある程度委ねてもよいのではないか。 (エ)財務内容の改善に関する事項について 中井やまゆり園は、短期利用と地元に移行するための中継地点という形の施設に変わる方向性であるため、報酬体系が変わってくることも視野に入れた経営計画の策定が必要ではないか。 (10) 今後のスケジュール 令和8年1月認可申請 3月総務大臣による法人の設立認可 4月法人の登記・設立 別紙 地方独立行政法人神奈川県立福祉機構中期目標(案)及び中期計画(素案)対照表 中期目標(案) 前文 神奈川県(以下「県」という。)は、津久井やまゆり園事件の経験を踏まえて、ともに生きる社会かながわ憲章や「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜」を制定し、地域共生社会の実現に向けて、当事者目線の障害福祉を推進してきた。 こうした中、県立障害者支援施設は、率先して当事者目線の支援の実現に向けて取り組んでいるが、当事者目線の支援を実践するための改革が十分に進まず、いのちに関わる問題も浮き彫りになっている。こうした支援における課題は、県立障害者支援施設だけでなく、障害者支援施設全体に共通する課題である。 このため、当事者目線の障害福祉の一層の推進に向けては、大学や企業等と連携した研究を通じて、福祉の現場に科学の視点を取り入れ、再現性のある当事者目線に立った支援を確立するとともに、それを実践していく必要がある。 一方で、障害者の望む暮らしを実現するためには、障害福祉サービスに従事する職員をはじめ、地域で暮らす一人ひとりが、障害者の思いや望みへの共感を深め、障害者を含めて地域の中でそれぞれの役割を果たすことを通じて、互いに支え合うことのできる地域をつくる必要があり、それを担う人材の育成が不可欠である。 こうした取組の中で得られた知見は、福祉という枠を超えて社会全体へと波及させることにより、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域共生社会へとつなげていくことが期待されている。 そこで、県は、条例の基本理念に基づき、障害者の地域生活を支援するとともに、科学的な福祉を研究及び実践し、そのために必要な人材を育成する拠点となり、福祉に関する諸課題の解決に広く貢献することにより、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域共生社会を実現することを目的に、地方独立行政法人神奈川県立福祉機構(以下「法人」という。)を設立することとした。 この目的を達成するため、次のとおり中期目標を策定し、法人に対して指示するものである。 中期計画(素案) 前文 地方独立行政法人神奈川県立福祉機構(以下「法人」という。)は、地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第25条の規定に基づき、神奈川県知事から指示を受けた令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間における中期目標を達成するための計画を、次のとおり定める。 中期目標(案) 第1 中期目標の期間 令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間とする。 中期目標(案) 第2 住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項 中期計画(素案) 第1 住民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置 1当事者目線による地域生活支援の実践 (1) 豊かな暮らしづくりの実践 「県立中井やまゆり園当事者目線の支援アクションプラン〜一人ひとりの人生を支援する〜」を継承し、中井やまゆり園の利用者(以下「利用者」という。)をはじめとする障害者一人ひとりの豊かな暮らしづくりの実践に取り組むこと。 中期目標(案) ア 共感に基づくチームでの利用者支援 (ア)共感に基づく支援  利用者の人生、日々の困り事や喜びなどに関心を寄せ、共感し、本人の望みに寄り添った支援に取り組むこと。 (イ)チームによる支援  直接支援に関わる職員だけでなく、多職種や家族等も含むチームによる支援を行うこと。 (ウ)科学的根拠に基づく当事者目線による支援  障害者の心身状態の見える化や有効な支援に関する研究等(以下「科学的な福祉の研究」という。)の成果を活用した当事者目線による生活支援を実践すること。     中期計画(素案) 1 当事者目線による地域生活支援の実践 (1) 豊かな暮らしづくりの実践 「県立中井やまゆり園当事者目線の支援アクションプラン〜一人ひとりの人生を支援する〜」を継承し、中井やまゆり園の利用者(以下「利用者」という。)をはじめとする障害者一人ひとりの豊かな暮らしづくりを実践する。 ア 共感に基づくチームでの利用者支援 (ア)共感に基づく支援 利用者一人ひとりの生育歴や人となりシートの作成及び充実、利用者との面談を通じて、利用者の生い立ちを含む人生、日々の困り事や喜びへの理解を促進する。 また、地域における利用者の活動計画・目標の作成、日々の活動とその振り返りを通じて、利用者の変化と可能性に触れることにより共感を形成するとともに、利用者の状態や希望に応じた柔軟な判断に基づく寄り添った支援に取り組む。 (イ)チームによる支援 多職種や家族等のチームによるサービス等利用計画や個別支援計画の作成、カンファレンスやモニタリング会議を通じた支援の充実に取り組む。 (ウ)科学的根拠に基づく当事者目線による支援 直接支援に関わる職員等が研究プロジェクトに参加することを通じて、支援の現場における課題を科学的な福祉の研究に反映するとともに、その成果を活用することにより、科学的根拠に基づく当事者目線による生活支援の実践に取り組む。 個別支援計画や利用者及び家族等への説明において、その支援の根拠を明確化する。 中期目標(案) (エ)ウェルビーイングを高める組織体制や働き方等の導入 利用者だけでなく、そこで働く職員を含むウェルビーイング(個人や社会のよい状態)を高めていくためにふさわしい組織体制や働き方、研修を含めた人材育成・評価の仕組みを導入すること。その際、職員一人ひとりの価値観や支援に対する考え方等も大切にすること。    イ 日常的な生活支援に立脚した健康管理の実践 (ア)利用者の変化と健康への関心の意識付け 中井やまゆり園は利用者の生活空間であるため、日常的な生活支援の場面から、直接支援に関わる職員が利用者の変化と健康に深い関心を持つよう意識付けをすること。 (イ)科学的根拠に基づく当事者目線による健康管理 科学的な福祉の研究の成果の活用や県の未病施策との連携により、当事者目線による利用者の心身機能の維持向上に取り組むこと。 また、利用者一人ひとりの「いのち」を守るための健康管理の指針や判断基準となる健康管理のガイドラインを定めるとともに、健康管理に関わる専門職を適切に配置し、直接支援に関わる職員と専門職の間における適切な認識や情報の共有及び連携に基づく健康管理を実践すること。 さらに、健康管理のガイドラインは、常にアップデートするとともに、県と連携し、医療リソースが異なる他の障害者支援施設等でも利用できるよう検討し、効果的な実践例等とともに発信すること。   中期計画(素案) (エ)ウェルビーイングを高める組織体制や働き方等の導入 利用者・職員相互のウェルビーイングを高めるため、利用者の豊かな暮らしづくりと職員の働き方を両立させる組織体制、職員配置、勤務シフトの仕組み、人材育成・評価システムを構築する。 職員間のコミュニケーションを充実させるためのフラットな体制の構築 日中活動と夜間の生活支援を一貫して行う組織や勤務シフトの構築 寮間を含む組織の横のつながりを生む仕組みづくり 職員一人ひとりの人となり、大切にしている価値観や支援に対する考え方等の把握 イ 日常的な生活支援に立脚した健康管理の実践 (ア)利用者の変化と健康への関心の意識付け 利用者の些細な変化に関心を持てるようにするため、すべての利用者に対して定期的な医療アセスメントを実施する。 (イ)科学的根拠に基づく当事者目線による健康管理 専門職が研究プロジェクトに参加するとともに、県の未病施策などと連携することにより、利用者の心身機能の維持向上を図るため、科学的根拠に基づく当事者目線による健康管理を実践する。 直接支援に関わる職員と専門職が連携して健康管理のガイドラインを作成し、日常的に情報の共有を図りながら実践に取り組むとともに、その成果を見える化することにより、定期的なアップデートを検討する。 県と連携して、他の障害者支援施設等で利用できる健康管理のガイドラインを検討するとともに、日常的な健康管理の実践例等を発信する。 中期目標(案) (ウ)地域における診療体制の充実及び質の向上 県や医療機関等と連携し、地域における知的障害者の診療体制の充実、健康管理・医療の質の向上に取り組むこと。 さらに、地域の障害者の健康支援のため、地域における診療体制等の情報提供に取り組むこと。   ウ 役割をつくるための日中活動の充実 (ア)地域活動の充実 どんな障害があっても施設での暮らしで完結することなく、地域での日中活動など職住分離を前提として、障害者の可能性と地域における役割を広げる活動の充実に取り組むこと。 (イ)地域の施設・事業所等との共同事業の実施 地域の施設・事業所等との共同事業として、世代を超えた交流や障害の有無等にとらわれない交流のほか、高齢者やひとり親の孤立、子どもの遊び場の不足などの地域の課題の解消に資するような日中活動に取り組むこと。 (ウ)科学的根拠に基づく当事者目線による日中活動 日中活動の場を研究と実践のフィールドとして活用し、その成果を生かした日中活動を実践すること。また、他の施設・事業所等に対して科学的根拠に基づく当事者目線による日中活動の普及に取り組むこと。    エ 暮らしの場の充実と地域生活移行 (ア)職住分離を基本とする生活の構築 地域における暮らしをつくるため、職住分離を基本とする生活の構築に取り組むこと。 (イ)地域における暮らしの場の確保 現在の利用者の居場所を必ず確保することを前提に、一人暮らし、自宅や民間グループホーム等への移行に向けた調整に加え、県立グループホームの設置に取り組むこと。 また、医療的ケアや行動障害といった、現在の制度の下で地域における暮らしが難しい状況にある障害者の暮らしの場の充実を図るため、県立グループホームの運営を通じた望ましい暮らしの場やそのための支援のあり方を検証し、県へ報告すること。 中期計画(素案) (ウ)地域における診療体制の充実及び質の向上 県や医療機関等と連携し、地域の医療機関等に知的障害者の健康管理・医療問題や診療方法等に関する情報提供に取り組むとともに、施設と地域の医療機関、調剤薬局などの連携による医療・支援情報の共有化を検討する。 地域の医療機関及び相談支援機関等と連携し、地域の診療体制等の情報提供に取り組む。 中期計画(素案) ウ 役割をつくるための日中活動の充実 (ア)地域活動の充実  障害者の可能性と地域における役割を広げるため、生活介護事業所の設置・運営等を通じて、障害者の地域活動の充実に取り組む。 (イ)地域の施設・事業所等との共同事業の実施  地域の施設・事業所等と連携し、地域課題の解消に資する地域コミュニティの創出や運営等の共同事業を実施することにより、地域の理解や参加の促進に取り組む。 (ウ)科学的根拠に基づく当事者目線による日中活動  科学的な福祉の研究の成果を活用し、日中活動における科学的根拠の明確化を図り、個別支援計画等に反映する。  他の施設・事業所等に対して、科学的根拠に基づく当事者目線による日中活動の実践例等を情報発信するとともに、職員交流等を通じて普及に取り組む。 エ 暮らしの場の充実と地域生活移行 (ア)職住分離を基本とする生活の構築  地域における暮らしをつくるため、職住分離を基本とする生活の実践に取り組む。 (イ)地域における暮らしの場の確保 現在の利用者の居場所を必ず確保することを前提に、一人暮らし、自宅や民間グループホーム等への移行に向けた調整に加え、県立グループホームの設置に取り組む。 県立グループホームの運営を通じた望ましい暮らしの場やそのための支援のあり方を検証し、県へ報告する。 中期目標(案)  (ウ)地域生活移行の推進 多職種や家族等を含むチームによる意思決定支援に基づき、地域生活体験やピアサポートなどを通じて利用者の望む暮らしの実現に向けて、地域の住民、事業所、相談機関、医療機関及び行政機関等との十分な調整を行うとともに、地域の理解や交流を広げながら、地域生活移行に取り組むこと。 なお、どんな障害があっても望む暮らしを実現できるようにすることを目指し、障害の状態などにより特に地域生活移行が困難と考えられる利用者から積極的に取り組むこと。 地域生活移行スキームを整理し、民間法人や自治体等への普及に取り組むこと。 (エ)地域生活移行後のフォローアップ 利用者が地域生活移行した後に安心して暮らしていけるよう、定期的なフォローアップを行い、必要に応じて短期入所の活用や再び地域で暮らせるようにするための期間を定めた再入所の受入れも行いながら継続的な定着支援に取り組むこと。 (オ)施設規模の見直し 大規模施設は、管理的、閉鎖的な支援に陥りやすいという構造的な課題があることから、施設規模の見直しを進めること。 (カ)通過型施設としての役割の確立 通過型施設として、一時的に地域での生活が困難となった障害者について、その人が置かれた環境や必要性を踏まえて、短期、長期に関わらず、期間を定めたうえで入所の受入れを行うとともに、家族や地域の関係機関と連携し、再び地域で暮らせるようにするための支援を行うこと。 なお、入所の受入れに至らなかった場合であっても、その家族や地域の関係機関との調整を行うなど、寄り添った支援を行うこと。 こうした通過型施設としての支援のスキームを確立し、他の施設や自治体等への普及に取り組むこと。 (キ)中井やまゆり園のリノベーションや修繕等の実施 中井やまゆり園が暮らしの場にふさわしい施設であるためのリノベーションや柔軟・迅速な修繕等を実施すること。      中期計画(素案) (ウ)地域生活移行の推進 多職種や家族等を含むチームにより意思決定支援を行い、地域生活体験やピアサポートなどを実施しながら利用者の望む暮らしの実現に取り組む。 地域生活移行計画を作成し、移行先の地域の住民、事業所、相談機関、医療機関及び行政機関等と調整し、地域の理解や参加を広げながら、着実に地域生活移行を進めることができるように、進捗管理に取り組む。 これまで地域生活移行が困難と考えられてきた利用者についても、中井やまゆり園職員と利用者が一緒にグループホームへ移行する伴走型支援の実践などを通じて、地域生活移行につなげることができるように積極的に取り組む。 地域生活移行スキームを整理し、民間法人や自治体等への普及活動に取り組む。 (エ)地域生活移行後のフォローアップ  利用者や家族等の地域における暮らしに対する不安に寄り添い、利用者の地域生活移行後の定期的な移行先への訪問や連絡、そこでの生活状況の家族等への説明を行うほか、必要に応じて短期入所や再び地域で暮らせるようにするため期間を定めて再入所を受け入れるなど、継続的な地域生活移行・定着支援に取り組む。 (オ)施設規模の見直し  通過型施設としての役割を果たしながら、暮らしの場として望ましい施設規模への見直しに取り組む。 (カ)通過型施設としての役割の確立 一時的に地域での生活が困難となった障害者について、その人が置かれた環境や必要性を踏まえて、短期、長期に関わらず、期間を定めたうえで入所の受入れを行うとともに、家族や地域の関係機関と連携し、再び地域で暮らせるようにするための支援に取り組む。 通過型施設としての支援のスキームを作成するとともに、ホームページ、研修や障害者自立支援協議会等を通じて他施設、自治体等への情報の発信に取り組む。 中期目標(案) (2)地域とのつながりをつくる連携の実践 利用者をはじめとする障害者の地域との関係やそこでの役割をつくるとともに、そうした地域をつなげて広めるため、 地域の住民、企業、障害福祉サービス事業所、医療機関、相談機関、教育機関、公共交通機関、行政機関などとの連携を実践すること。 ア 関係をつくる 園周辺及び移行先の地域の住民、商店、病院、学校、公共交通機関、相談機関、市町村役場等と利用者の間で、日々のあいさつ、買い物、通院、困り事の相談などが当たり前にできるような顔の見える関係づくりを進めること。 イ 役割をつくる 障害者の地域における暮らしは、地域とのつながりの中で障害者を支える存在を増やすだけでなく、障害者の可能性を広げて、障害者が地域を支える存在となる必要があるため、地域の課題を把握し、それらの解消に資するような活動や、そのための場の創出に取り組むこと。 環境や必要性を踏まえて、短期、長期に関わらず、期間を定めたうえで入所の受入れを行うとともに、家族や地域の関係機関と連携し、再び地域で暮らせるようにするための支援に取り組む。 通過型施設としての支援のスキームを作成するとともに、ホームページ、研修や障害者自立支援協議会等を通じて他施設、自治体等への情報の発信に取り組む。   中期計画(素案)  (キ)中井やまゆり園のリノベーションや修繕等の実施 中井やまゆり園の利用者のよりよい暮らしの場をつくるため、リノベーションを実施する。 柔軟・迅速な修繕等を実施するため体制及びスキームを構築し、暮らしの場にふさわしい生活環境を維持するために修繕等に取り組む。 (2)地域とのつながりをつくる連携の実践 利用者をはじめとする障害者の地域との関係やそこでの役割をつくるとともに、そうした地域をつなげて広めるため、 地域の住民、企業、障害福祉サービス事業所、医療機関、相談機関、教育機関、公共交通機関、行政機関などとの連携に取り組む。 ア 関係をつくる 移行先地域の見える化や地域における生活体験や交流などを通じて、顔の見える関係づくりに取り組む。 イ 役割をつくる 地域の事業所等と連携するとともに、相談支援等の法人の取組の中で把握した地域課題を共有し、その解消に資する活動や活動場所の創出に取り組む。 ウ 地域をつなげて広める 他の施設・事業所等と連携し、合同で地域との関係づくりや障害者の役割をつくる事業を実施するとともに、支援に対する考えの職員同士の対話や振り返り、スーパービジョン(助言・指摘を受けて行動を修正する取組)や人材確保・定着・育成等に取り組むこと。 また、連携事例を発信するとともに、県への政策提案や市町村への情報共有をすること。 中期目標(案) (3)望みに寄り添う相談支援の実践 (ア)生活支援との連動 直接支援に関わる職員とともに、暮らしに寄り添った相談支援を実践すること。 (イ)科学的根拠に基づく当事者目線による相談支援の実践 科学的な福祉の研究の成果を生かして、意思決定支援を基礎とした当事者目線による相談支援を実践すること。 (ウ)困り事の把握と橋渡し 地域の事業所や行政機関、医療機関等と連携し、地域の日中活動の場なども活用して障害者や家族等の困り事を把握し、適切な支援への橋渡しを行うこと。 (エ)特定相談支援及び一般相談支援の実施 地域の相談支援を充実するため、地域の障害者が最適な障害福祉サービス等を受けられるよう、特定相談支援及び一般相談支援を実施すること。 特に、地域の複数の相談支援事業所と協働し、きめ細やかな相談支援体制の構築や相談支援の質の向上に取り組むこと。 (オ)発達障害者相談支援の実施 神奈川県発達障害支援センターの相談機能を継続すること。 中期計画(素案) ウ 地域をつなげて広める 他の施設・事業所等との合同による支援に対する考えの共有や振り返り、スーパービジョンや人材確保・定着・育成等につながる事業に取り組む。 地域との関係や障害者の役割をつくる取組事例をホームページや障害者自立支援協議会等で発信するほか、県への政策提案や市町村への情報共有に取り組む。 (3)望みに寄り添う相談支援の実践 (ア)生活支援との連動 直接支援に関わる職員と連携し、生活支援と連動した相談支援を実践する。 利用者が外部の計画相談支援を利用できるよう支援する。 (イ)科学的根拠に基づく当事者目線による相談支援の実践 障害者の心身状態の見える化などの科学的な福祉の研究の成果を生かしながら、科学的根拠に基づく意思決定支援に基づく当事者目線による相談支援の実践に取り組む。 (ウ)困り事の把握と橋渡し 地域の支援体制を見える化するとともに、日中活動の場などを活用して地域相談窓口を創設し、地域の障害者の困り事の把握と必要な支援への橋渡しに取り組む。 (エ)特定相談支援及び一般相談支援の実施 指定特定相談支援事業所及び指定一般相談支援事業所を設置し、計画相談支援及び地域相談支援を実施する。 将来的な他の相談支援事業所との協働による相談窓口の創設など、地域の障害者の支援体制の構築を進めるとともに、合同での事例検討やスーパービジョンなどを通じて相談支援の質の向上に取り組む。 (オ)発達障害者相談支援の実施 神奈川県発達障害支援センターの相談機能を継続する。 中期目標(案) (カ)地域生活移行後のフォローアップ(再掲) 利用者が地域生活移行した後に安心して暮らしていけるよう、定期的なフォローアップを行い、必要に応じて短期入所の活用や再び地域で暮らせるようにするための期間を定めた 再入所の受入れも行いながら継続的な定着支援に取り組むこと。 (キ)法人の取組や政策形成への反映  相談支援で把握した障害者等のニーズや地域課題等を法人の取組に反映するとともに、県への政策提案や市町村への情報共有など政策形成等に資する取組を行うこと。  また、地域生活で支援が必要な方に対する相談支援や地域の相談支援事業所への支援などへの発展も検討すること。 2 科学的な福祉の研究に基づく当事者目線の推進 (1)障害者の心身状態の見える化に関する研究 意思の表明が難しい障害者等の思いや身体の状態を理解し、望む暮らしを実現する上で有効な支援のあり方を明らかにするため、障害者の心身の状態を定量化し、見える化するための研究を推進すること。 (2)有効な支援のあり方に関する研究 障害者と支援者双方のウェルビーイングを向上させるため、障害者の健康維持管理や日中活動など、有効な支援のあり方に関する研究を推進すること。 (3)県の施策として実施すべき研究 県の施策として実施すべき研究を推進すること。 中期計画(素案) (カ)地域生活移行後のフォローアップ(再掲) 利用者や家族等の地域における暮らしに対する不安に寄り添い、利用者の地域生活移行後の定期的な移行先への訪問や連絡、そこでの生活状況の家族等への説明を行うほか、必要に応じて短期入所や再び地域で暮らせるようにするため期間を定めて再入所を受け入れるなど、継続的な地域生活移行・定着支援に取り組む。 (キ)法人の取組や政策形成への反映 相談員の研究プロジェクトへの参加を通じて、相談支援の中で把握した課題等を科学的な福祉の研究へ反映するとともに、その現場における実践例を障害者自立支援協議会等を通じて共有し、連携による支援の充実に取り組む。 相談事例等を踏まえて、県への政策提案や市町村への情報共有に取り組むほか、将来的な職員交流や共同事業の実施等に向けて体制の構築に取り組む。 地域の相談支援体制の充実に向けて、地域において中核的な役割を果たす相談機関への発展を検討していく。 2 科学的な福祉の研究に基づく当事者目線の推進 (1)障害者の心身状態の見える化に関する研究(調整中) (2)有効な支援のあり方に関する研究(調整中) (3)県から指示を受けて実施する研究(調整中) 中期目標(案) (4)当事者が参加する研究の推進と公正性の確保 障害当事者、その支援者や家族等が参加する研究の枠組みを積極的に取り入れ、障害当事者等の提案や現場の課題を研究テーマとし、障害当事者や現場職員等が一体となって研究プロジェクトを進め、その研究成果を実践に反映させる体制を確立すること。 また、研究成果の法人施設等における実践や社会への還元を含む一連のプロセスを明示して研究プロジェクトを推進するとともに、研究に対する倫理審査や評価の枠組みを確立し、研究の公正性を確保すること。 (5)研究成果の社会への還元 当事者目線の障害福祉を広めるため、大学等の教育研究機関や民間施設・事業所等と連携し、研究成果を現場での実践例とともに学生や職員の人材育成、地域への普及啓発に生かすこと。 また、県等の施策への反映や県を通じた国への要望などに活用するとともに、福祉に関する諸課題に対する研究成果の適用を推進し、県と連携して福祉全体の底上げを図ること。 3 当事者目線の支援を実践する人材の育成 (1)法人職員の育成 ア 基礎力や専門力を高める研修の実施 職員が業務を通じて自己実現を図ることのできるキャリアパスに基づき、外部機関とも連携して、当事者目線の支援を実践するために必要な基礎力や専門力を高める研修を実施すること。 また、新たな知識や先例にとらわれない柔軟な考え方を身につけるため、障害福祉分野に限らない様々な業種の企業等との交流に積極的に取り組むこと。 中期計画(素案) (4)当事者が参加する研究の推進と公正性の確保 障害当事者等の提案や現場職員の意見を踏まえて研究テーマを決定するとともに、障害当事者や現場職員等が研究員を兼務して研究に参加するプロジェクトチーム方式による研究の実施に取り組む。 また、研究成果の社会への還元を含む研究計画を作成するとともに、研究に対する倫理審査や評価の枠組みを通じて、研究の公正性を確保しながら、実践につなげられる仕組みづくりに取り組む。 (5)研究成果の社会への還元 学会、刊行物、講演会、法人のホームページ、SNS、地域における交流活動やイベント等を通じて、研究成果とその実践例の発信に取り組むほか、大学等の教育研究機関、民間施設・事業所等と連携し、将来的な学生や職員に対する研修、助言活動や職員交流等による人材育成に向けた仕組みづくりに取り組む。 県への政策提案や市町村への情報共有を行うことにより、施策との連動につなげていく。 また、大学・医療機関・行政機関・関係団体等と連携し、子ども、高齢者や支援を必要としている方等の福祉に関する諸課題への研究成果の適用につながる仕組みづくりを検討していく。 3 当事者目線の支援を実践する人材の育成 (1)法人職員の育成 ア 基礎力や専門力を高める研修の実施 法人の目的と職員の自己実現をリンクさせるキャリアパスを構築する。 また、当事者目線の支援を実践していくために必要な基礎力、実行力、専門性や意欲等を持った職員を育成する研修体系を構築するとともに、将来的に異業種を含む企業等との職員交流や合同事業等を実施するなど、外部機関と連携しながら効果的な研修に取り組む。   中期目標(案) イ 現場における効果的な実践 研修の成果を現場で実践できるようにするための効果的なOJTや、職員が自らの支援を振り返り、見直すための気づきを与える仕組みを構築すること。 また、職員の意欲を高める自己研さんの仕組みを導入するとともに、課題の共有や支援の振り返りを行うため、民間施設・事業所等と職員交流等を行うこと。 (2)地域の施設・事業所等職員の育成 研修機関と連携し、計画的な人材育成が難しい民間施設・事業所等に対して、当事者目線の支援を実践する職員の育成に取り組むこと。 また、全国の施設・事業所等に当事者目線の支援を広めるため、法人の人材育成の体系や民間施設・事業所等との連携による実践例等の情報を発信するとともに、職員交流等に取り組むこと。 4 地域共生社会の実現に向けた普及啓発 地域の住民や事業所、大学、病院等に対して、法人の取組や当事者目線の障害福祉、科学的な福祉の研究及び当事者目線による実践の成果等の普及啓発を行い、地域における障害者に対する理解や地域とのつながりをつくる活動への参加を促進すること。 また、県の地域共生社会の実現に向けた取組に協力すること。 中期計画(素案) イ 現場における効果的な実践 一人ひとりの職員が設定した目標と習得度に応じた計画的なOJTの仕組みを構築する。 課題の共有や支援の振り返りのため、日々の業務における効果的なミーティングや実践報告のほか、民間施設・事業所等との合同による研修や職員交流に取り組むとともに、将来的に実習やインターンシップの受入れ等も検討していく。 職員の企画提案制度による新規事業の開拓や資格取得支援による専門力向上など、職員の意欲を高め、自律的な運営につなげるための自己研さんの仕組みを導入する。 (2) 地域の施設・事業所等職員の育成 研修機関や施設・事業所等との合同による研修、スーパービジョンや職員交流等に取り組む。 法人のホームページ、刊行物や学会等を通じて、法人の人材育成に関する取組の情報の発信に取り組む。 大学等の教育研究機関、民間施設・事業所等と連携し、将来的な学生や職員に対する研修、助言活動や職員交流等による人材育成に向けた仕組みづくりに取り組む。(再掲)    4 地域共生社会の実現に向けた普及啓発 科学的な福祉の研究及びその当事者目線による実践の成果について、地域のイベント、ホームページ、SNSや刊行物等による発信に取り組む。 中井やまゆり園を拠点として、地域から共生社会を広めるシンポジウム、学校への出前講座や支援体験授業の実施を検討していくほか、日常的なボランティアの受入れや日中活動の場における交流・共同作業などを通じた普及啓発に取り組む。 県の地域共生社会の実現に向けた取組に協力していく。 中期目標(案) 第3 業務運営の改善及び効率化に関する事項 1 運営体制の確保 (1)業務の引継ぎ 中井やまゆり園については、県から法人へ運営主体が変わることを踏まえて、利用者や家族等に寄り添い、県との間で丁寧に業務を引き継ぐことのできる体制を構築すること。 (2)職員の計画的な確保と定着 法人の自主性及び実行性を高めるため、法人が直接雇用する職員の計画的な確保を進めるとともに、職員の定着に向けて魅力ある職場づくりを推進すること。 (3)研究や人材育成等の業務実施体制の確保 研究や人材育成等の業務の効率的かつ効果的な実施体制を確保すること。 2 組織及び人事配置の適正な運用 利用者の地域生活移行の状況に応じて寮体制や職員配置の適正な運用に努めること。 3 その他PDCAサイクルによる継続的な改善 (1)適時適切な報告の仕組みの構築 利用者支援について、当事者目線で改善すべき、共有すべき事象を適時適切に把握し、多角的な視点から改善と成長を遂げるため、日頃の支援での好事例や気づき等、些細なことも報告され、また報告が評価される仕組みを構築し、PDCAサイクルによる継続的な改善を図ること。 (2)利用者及び職員の満足度の把握と反映 利用者や職員の満足度調査を実施し、その結果を科学的な福祉の研究を含む業務運営に活用すること。 (3)組織マネジメントの強化 法人の理念や目的を達成するため、経営資源の戦略的な活用を図り、理事長中心の組織マネジメントを強化すること。 中期計画(素案) 第2 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためとるべき措置 1 運営体制の確保 (1)業務の引継ぎ 利用者や家族等に寄り添い、県との間で丁寧に業務を引き継ぐことのできる体制を構築し、円滑な運営主体の移行に取り組む。 (2)職員の計画的な確保と定着 SNS等を活用して効果的な採用広報を行い、計画的な職員の確保を進めるとともに、業務における必要性を踏まえた適時適切な職員の採用に取り組む。 職員が法人の業務を通じて自己実現を図ることのできるキャリアパスを構築するとともに、職員の定着に向けて業務や職場の魅力向上に取り組む。 (3)研究や人材育成等の業務実施体制の確保 利用者支援、研究と人材育成等の業務間や組織間のコミュニケーションを促進する体制を確保する。 2 組織及び人事配置の適正な運用 利用者の地域生活移行の状況に応じて、寮体制や職員配置の柔軟な見直しに努める。 3 その他PDCAサイクルによる継続的な改善 (1)適時適切な報告の仕組みの構築 法人の経営会議やエラー&グッドプラクティス・レポーティングシステム等を通じて、法人内で適時・適切に支援を含む業務運営の状況を共有し、それを踏まえた業務運営の改善に取り組む。 (2)利用者及び職員の満足度の把握と反映  継続的に利用者及び職員の満足度調査を実施し、その結果を活用して、法人の業務運営の改善の見える化に取り組む。 (3)組織マネジメントの強化  理事長をトップとする経営会議を通じて運営ビジョンを明確化し、全職員への研修等により徹底するとともに、 それに基づく戦略的な人材の採用・育成・定着、物資の調達や施設の活用、資金の管理や予算の執行、情報の活用等に取り組む。 中期目標(案) 第4 財務内容の改善に関する事項 1 自己収入の確保 障害福祉サービス等報酬の改定に迅速かつ適切に対応し、新たな加算を獲得するなど、自己収入の確保に努めること。 また、科学的な福祉の研究や人材育成において、科学研究費補助金などの外部資金の獲得やその他の自己収入の確保に努めること。 2 経営資源の有効活用 財務運営の定期的な見直し、効率化を図ることにより、限りある経営資源の有効活用を徹底し、必要なサービスを維持しながらコストの削減に取り組むこと。 第5 その他業務運営に関する重要事項 中期計画(素案) 第3 財務内容の改善に関する目標を達成するためとるべき措置 1 自己収入の確保 障害福祉サービス等報酬等の自己収入の確保に取り組む。 科学研究費補助金などの外部資金の獲得やその他の自己収入の確保に向けた営業活動に取り組む。 2 経営資源の有効活用 業務の外部委託や外部人材の活用による運営経費の見直し、土地及び建物等の有効活用等を通じて、必要なサービスを維持しながらコストの削減に取り組む。   第4 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画 1 予算(令和8度から令和12年度)(調整中) 2 収支計画(令和8年度から令和12年度)(調整中) 3 資金計画(令和8年度から令和12年度)(調整中)   第5 短期借入金の限度額 1 短期借入金の限度額(調整中) 2 想定される理由(調整中) 第6 出資等に係る不要財産又は出資等に係る不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画(調整中) 第7 第6に規定する財産以外の重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画(調整中) 第8 剰余金の使途(調整中) 第9 その他業務運営に関する重要事項の目標を達成するためとるべき措置 中期目標(案) 1 施設設備の維持管理、リノベーションの実施 暮らしの場にふさわしい生活環境を維持するため、迅速・柔軟な修繕を行うこと。 また、安全安心な施設を実現するため、中長期の計画に基づく修繕を行うこと。 中長期の計画に基づき、利用者を管理するのではなく、利用者と職員が同じ空間で自然に接することのできる生活環境を実現するためのリノベーションを行うこと。 2 支援や運営の見える化、積極的な情報の公表及び県への報告 支援や法人運営の見える化を図るため、障害当事者や学識者等で構成する第三者機関を設置し、定期的に支援や法人運営の状況を報告するとともに、その意見を反映するよう努めること。 また、家族会の運営への協力など、家族等に寄り添って適切な情報の提供とコミュニケーションを行うこと。 県との間で明確な公表・報告基準を作成し、当該基準に基づき適時適切に公表・報告を行うこと。 目標値 第三者機関への意見聴取 毎年度2回以上 県との情報共有・意見交換 毎月1回以上 中期計画(素案) 1 施設設備の維持管理、リノベーションの実施 柔軟・迅速な修繕等を実施するため体制及びスキームを構築し、暮らしの場にふさわしい生活環境を維持するために修繕等を行うとともに、中長期の修繕実施計画に基づき、計画的な修繕を実施する。 中井やまゆり園の利用者のよりよい暮らしの場をつくるため、リノベーションを実施する。 2 支援や運営の見える化、積極的な情報の公表及び県への報告 障害当事者や学識者等で構成する第三者機関を設置し、施設運営、研究や人材育成等の計画及びその実施状況等に関して意見聴取し、その結果の反映に努める。 家族会をはじめ家族等に寄り添った情報提供及びコミュニケーションに取り組む。 県との間で情報公表・報告基準を作成するとともに、研修を通じてマネジメント層へ当該基準の遵守を徹底するほか、全職員への周知を行うことにより、積極的な情報の公表に取り組む。 法人の経営会議にオブザーバーとして県を招へいするなど、県との定期的な情報共有・意見交換を実施する。 第10 その他設立団体の規則で定める業務運営に関する事項 1 人事に関する計画(調整中) 2 県からの長期借入金の限度額(調整中) 3 積立金の処分に関する計画(調整中)