令和5年度第1回基幹相談支援センター及び 主任相談支援専門員連絡会 議事録 ・日 時:令和5年10月20日(金)13時30分〜16時30分 ・会 場:職員キャリア開発支援センター 研修ホール ・出席者:110名 1 県からのお知らせ   (1)「当事者目線の障害福祉推進条例に基づく基本計画」について                  障害福祉課企画グループ 安田グループリーダー  令和5年4月、県では、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜」を施行し、条例に基づく基本計画を策定している。現在の素案についての意見等を求めるため、パブリックコメントを実施していることを共有した。  (2)神奈川県版意思決定支援ガイドラインの策定について                  共生推進本部室当事者目線障害福祉グループ 松浦副主幹  「意思決定支援の推進」について、上記条例の10条にも盛り込まれており、努力義務という形ではあるが、県、そして、相談支援事業者の責務としての規定がされているため、意思決定支援の考え方を広げていきたいと考えている。 2 基調講演 「相談支援従事者初任者研修及び現任研修におけるOJTのあり方について」  (1)講師・進行 神奈川県障害者自立支援協議会研修企画部会 座長 菊本 圭一 様           長野県上小圏域障害者総合支援センター 所長 橋詰 正 様  (2)内容  かつては全国に5,000人弱だった相談支援従事者が、現在は26,028人まで増えてきていて、厚生労働省の推計を超えているが、今でもセルフプランが高い地域があり、追いついていっていない状況にあるが、赤字といわれる相談支援事業に特化して、正規職員を3名で始めた事業所が5年間で5名体制となって、しっかりと経営できている団体があるなど、制度とともに体制についてもめまぐるしく変化している状況を考える中で、「相談支援事業の実務の変化に対応できているか」「相談支援専門員に求められる価値と専門性の向上を追求しているか」「共生社会の実現における相談支援専門員の役割と今後の展望をもって相談支援体制を考えているか」という3つの柱を軸として菊本様、橋詰様より問題提起を行った。 3 グループワーク 「OJTにおける必要な視点・課題について」  (1)講師・進行 神奈川県障害者自立支援協議会研修企画部会 副座長 吉田 展章 様 (2)内容       菊本様、橋詰様の基調講演を受けて、自身の事業所におけるOJTの体制や、実施状況を振り返り、基幹相談支援センターの職員として、主任相談支援専門員として持っている課題をグループで共有し、意見交換を行った。   4 まとめ  基調講演では、全国的にも先進的な取り組みの実践報告ということもあり、受講者がそれぞれの地域の実践状況と比較することで課題等に気づくことができ、今後の業務に対するモチベーションへと繋がったとの声を多くいただき、非常に充実したものとなった。しかしながら、内容のボリュームが多かったことから、予定時間を大幅に超過してしまったことで、グループワークの時間が削られてしまい、もっと各地域の話を聞きたかったとの意見が寄せられていた。受講生のアンケートでは、終日通しての開催や、講演とグループワークの日を分けた開催などの提案もあり、今後の開催に向けて検討を行っていく必要を感じた。  また、今回より、基幹相談支援センターの職員に加えて、主任相談支援専門員も受講対象としたが、現在の業務の方向性について振り返れたことや、グループワークを通じて横のつながりが構築できたこともあり、参加できてよかったとの声があったため、今後も地域の体制整備の担い手の中心となる主任相談支援専門員の参加についても継続できたらと考える。    引き続き、県内の状況に合わせて、地域の体制づくりをテーマとした連絡会を開催していきたい。 5 その他  (1)令和5年度新規開設基幹相談支援センターの紹介    ・海老名市(令和5年6月開設) 基幹相談支援センター未来    ・茅ヶ崎市(令和5年10月開設) ちがさき基幹相談支援センターNalu(ナル)    ・平塚市(令和6年1月予定) 平塚市が直営を予定。  (2)アンケート (別紙)「アンケート集計」を参照 6 次回開催 令和6年2月頃開催予定 【別紙】 令和5年度第1回基幹相談支援センター及び主任相談支援専門員連絡会 アンケート結果 1 基調講演について   相談支援従事者初任者研修及び現任研修におけるOJTの在り方について、研修企画部会座長の菊本様から現状についての問題提起後、長野県上小圏域障害者総合支援センター所長の橋詰様より長野県での実践を交えてお話しをいただいた。主任相談支援専門員となったばかりで、人材育成の担い手としての実践期間の短さから内容が難しかったとの声も一部あったが、約77%の方から満足いただけたとの回答結果であった。また、約半数の方より、講演時間が短かったと回答されており、「もっと詳しく話しを伺いたかった。」と多くの声をいただいた。 【自由記述】(抜粋)  ・GSV、OJTを広げるための地盤がまだできていないのが感じられた。  ・主任相談緯線専門員のやるべきことは十分理解できたが、指定相談支援事業所の事業が安定していないので、通常業務以外でできることは限られていると感じた。  ・基幹相談支援センターを立ち上げているが、自治体単体では、なかなか運営の難しさがあるため、圏域等、運用の幅を広げていき、よりよい運営について考えていかなければならないと感じた。  ・法定研修(初任・現任)と実習との連動性について改めて課題が見え、主任相談員として、地域と連携して取り組んでいけたらと思った。  ・基幹(主任)と指定特定の信頼関係が重要になると思えた。  ・今までは、インターバル実習の受け入れをほぼ委託も相談支援事業所も任せていたが、受け入れ態勢を事前にしっかり作っておくことが地域づくりに必要だと気付くことができた。  ・OJTを行う上で自分自身も学び続ける姿勢が大事だと改めて感じた。地域の実情に応じた体制作りをしていきたいと思う。  ・GSVについて積極的に取り組む必要があると常々感じている。出来、不出来に囚われずにチャレンジと工夫を加えて地域にマッチしたものを進めていきたいと思った。  ・現状出来ていないことの気づきがあり、今後、やりたいと思えることがわかった。  ・自分の地域で取り組めていること、今後取り組まなければならないことが鮮明になり、有意義な時間だった。 2 グループワークについて  基調講演の内容元に、参加者間で「基幹相談支援センターとして」「主任相談支援専門員として」それぞれの地域で課題となっていること、今後進めていきたい取組みの方向性等について共有を行い、今後のOJTの在り方について考えた。ホールでのグループワークの実施だったため、話しにくさがあり、会場面の課題はあったものの、各グループも活発に意見交換されていて、「もっと話したかった。」「短く感じた。」という声が多く、約7割の方が「短い」「やや短い」と回答されていた。中には「グループワークだけの回を作ってはどうだろうか」という意見もあり、各地域の課題や、取組みについての関心の高さが伺われ、今後の開催の際に活かしていきたい。 【自由記述】(抜粋)  ・それぞれの立場でいろいろな課題の話をすることができ、参考になった。みなさんの頑張っている話が聴けて元気になった。  ・自治体による違いを知り、たくさんのヒントを得ることができた。 ・時間が短く感じた。基幹、特定、行政の構成メンバーのグループで。同じ相談支援従事者でも立場や役割の違いがあると感じた。  ・行政の違いはあっても、同じ方向を向いていろいろ考えるよいきっかけとなった。 ・県と政令指定都市で進め方が異なるので、今後、基幹相談支援センターと主任相談支援専門員の在り方についてきちんと示して欲しいと感じた。 ・全員の話しを十分に聞けなかったため、もう少し時間があればよかった。 ・自分の地域の基幹相談支援センターでは、計画相談の実務経験者がいない(初任者も1人のみ)のため、計画相談を行っている方たちとの話しに温度差があったように感じるが、その差を今後の課題としたいと感じた。 ・具体的な情報交換の場となったが、そこで時間となってしまったため、今後の方針のようなところまで話せる場となったら嬉しい。 ・GSVの手前のようなものを実践しているとの意見が多く、あと1歩専門性のあるGSVを実施するための研鑽が自分自身も必要だと感じた。 ・ざっくばらんにお話しでき、楽しく有益で、驚くことばかりだった。 3 今後扱って欲しいテーマについて【自由記述】  ・人材育成について  ・自立支援協議会においての基幹相談支援センターの役割について  ・基幹相談支援センターと相談支援事業所の連携について  ・指定一般と指定特定の役割分担について  ・ケースの引継ぎの実践について  ・主任相談支援専門員の活動の実践報告  ・自立支援協議会の地域課題について  ・地域づくりの実践報告  ・セルフプランについて  ・体制加算について  ・基幹相談支援センターの活動の実践報告  ・基幹相談支援センター開設の実践報告