【資料8】 (1ページ目、表紙) 政策立案過程への障がい当事者の参加及び意思決定支援の推進について 神奈川県福祉子どもみらい局 共生推進本部室 ※本資料において、「条例」は本年4月施行の「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜」を示します (2ページ目) 「当事者目線の障がい福祉」と条例の基本理念 県のたより1月号の2面より抜粋 県は県議会と共に、「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定し、取り組みを進めてきましたが、障がい当事者等との対話を重ねる中で、本人の意思を尊重するためには本人の立場に立たなくてはならないことに改めて気づき、この条例をつくりました。「当事者目線の障がい福祉」とは、障がい者に関する全ての人が本人の気持ちになって考え、本人の望みと願いを大事にし、そして、障がい者が自分の気持ちや考えで、必要なサポートを受けながら暮らせる社会をつくることです。 令和4年10月21日に、当事者目線の障害福祉推進条例を公布しました。4月1日から施行します。 基本理念(大事にすること) 1、個人として尊重されること 2、障がい者が自己決定できるようにすること 3、障がい者が、希望する場所で、自分らしく暮らせること 4、障がい者の可能性を大切にすること 5、障がい者だけでなく、周りの人たちも喜びを感じられること 6、全ての県民で地域共生社会を実現すること (3ページ目) 条例の実現に向けた、障がい者の社会参加について 健常者の視点による社会を変えるには、 障がい者が主体的に社会に関わることが必要。 障がい当事者は障がい者主体の活動の促進、県は政策立案過程への当事者参加の推進、県民・事業者は社会参加などへの参加の機会の確保、障害福祉サービス提供事業者は、地域住民との連携、意思決定支援に取り組む。 条例第18条、県は、障害者の福祉に係る政策の立案に関する会議の開催に当たっては、 障害者の参加を推進するものとする。 (4ページ目) 政策立案過程への障がい者の参加の推進 「みんなで読める神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」では、第18条、障害のある人に関係する会議に障害のある人の参加を進めることと書いています。 神奈川県は、障害のある人の生活に関係する神奈川県の会議に、障害のある人の参加を進めます。 (5ページ目) 政策立案過程への参加の形態について 1 「委員」として出席する。 県の審議会等において、障がいのある方に委員をお願いすることがあります。(ただし、構成員の範囲が法令等で特定の分野に規定されているものは除きます。) 2 「参考人聴取」等の機会に意見を述べる。 (1)参考人聴取とは、特定の課題について審議の充実を図るため、利害関係者(個人及び団体の代表)に審議会等への出席を求め、意見を伺います。 (2)関係団体への意見照会又はヒアリングとは、障がい者の福祉に関する課題について、広く様々な意見を伺います。 (6ページ目) 障がい者の意思決定支援の定義 ○ 意思決定支援とは、自ら意思を決定することに困難を抱える障害者が、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるように、可能な限り本人が自ら意思決定できるよう支援し、本人の意思の確認や意思及び選好を推定し、支援を尽くしても本人の意思及び選好の推定が困難な場合には、最後の手段として本人の最善の利益を検討するために事業者の職員が行う支援の行為及び仕組みをいう。(平成29年3月31日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知「障害福祉サービス等の提供に係る意思 決定支援ガイドライン」より抜粋) ○ 「意思決定支援」とは、障害者が自ら意思を決定すること(以下「自己決定」という。)が困難な場合において、可能な限り自らの意思が反映された日常生活及び社会生活を送ることができるよう、自己決定を支援することをいう。(条例第2条第3項より抜粋) (7ページ目) 障がい児・者の意思決定支援の位置づけ(国法令)@ 障害者基本法第23条 国及び地方公共団体は、障害者の意思決定の支援に配慮しつつ、障害者及びその家族その他の関係者に対する相談業務、成年後見制度その他の障害者の権利利益の保護等のための施策又は制度が、適切に行われ又は広く利用されるようにしなければならない。 障害者総合支援法第1条の2 障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合 的かつ計画的に行わなければならない。 (8ページ目) 障がい児・者の意思決定支援の位置づけ(国法令)A 障害者総合支援法第42条 指定障害福祉サービス事業者及び指定障害者支援施設等の設置者(以下「指定事業者等」という。)は、 障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害者等の意思決定の支援に配慮するとともに、市町村、公共職業安定所その他の職業リハビリテーションの措置を実施する機関、 教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、障害福祉サービスを当該障害者等の意向、適性、障害の特性その他の事情に応じ、常に障害者等の立場に立って効果的に行うように努めなければならない。 ※第51条の22には「指定一般相談支援事業者及び指定特定相談支援事業者の責務」として同様の規定 児童福祉法第24条の11 指定障害児入所施設等の設置者は、障害児が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、障害児及びその保護者の意思をできる限り尊重するとともに、行政機関、教育機関その他の関係 機関との緊密な連携を図りつつ、障害児入所支援を当該障害児の意向、適性、障害の特性その他の事情に応じ、常に障害児及びその保護者の立場に立つて効果的に行うように努めなければならない。 ※第21条の5の18には「指定障害児通所支援事業者及び指定発達支援医療機関の設置者の責務」として同様の規定 (9ページ目) 障がい児・者の意思決定支援の位置づけ(県条例) 第3条 当事者目線の障害福祉の推進は、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。 (1)全ての県民が、等しく人格的に自律した存在として主体的に自らの生き方を追求することができ、かつ、その個人としての尊厳が重んぜられること。(2)障害者一人一人の自己決定が尊重されること。(3)障害者本人が希望する場所で、希望するように暮らすことができること。(4)障害者の性別、年齢、障害の特性及び生活の実態に応じて関係者が連携し、障害者一人一人の持つ可能性が尊重されること。(5)障害者のみならず、障害者に関わる人々も喜びを実感することができること。(6)多様な人々により地域社会が構成されているという認識の下に、全ての県民が、障害及び障害者に関する理解を深め、相互に支え合いながら、社会全体で取り組むこと。 第10条 障害福祉サービス提供事業者は、意思決定支援の実施に努めなければならない。 2 県は、意思決定支援の推進に関する必要な情報の提供、相談及び助言等を行うための体制を整備するものとする。3 県は、障害福祉サービス提供事業者に対し、意思決定支援に関する研修を行うものとする。 第11条 障害福祉サービス提供事業者、障害者の家族その他の関係者(次項においてこれらを「関係者」という。)は、 施設への入所その他の障害者の福祉サービスの利用に際しては、障害者の意思が反映されるよう配慮しなければならない。2 関係者は、障害者が意思決定支援を受けることを希望する場合には、その希望を十分に尊重し、円滑に意思決定支援を受けることができるよう努めなければならない。 ※条例における「障害福祉サービス提供事業者」・・・条例第2条第4項 (10ページ目) 意思決定支援を全県に広げる県の取組(令和5年度) 県は、次の7項目により、政令・中核市所管を含む県内88か所の障害者支援施設の取組みを後押しします。 1 県版ガイドラインの普及 ・具体的な支援方法の周知、意思決定支援の理解促進 2 意思決定支援専門アドバイザーの派遣 ・客観性や専門性の担保 3 研修(国・県版ガイドライン研修、サビ管・相談支援従事者専門コース別研修等) ・担い手の養成 4 事例検討会 ・施設間での取組の共有、取組の相談機会の提供 5 実践研修事業費補助 ・支援方法の習得の促進 6 その他 ・施設利用者と地域住民等との交流の促進 7 推進対象の拡大の検討/推進体制の検討 (11ページ目) 神奈川県版意思決定支援ガイドラインの策定について@ 厚生労働省「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」と、「神奈川県版意思決定支援ガイドライン」の比較図 国のガイドライン、県版ガイドラインの順に記載。 策定時期、国、平成29年3月。県版、令和5年4月。 目的、国、日常生活や社会生活に関して自らの意思が反映された生活を送ることができるようにするため。県版、国ガイドラインに同じ。 対象、国、自ら意思を決定することに困難を抱える障がい者。県版、自ら意思を決定することに困難を抱える障がい者のうち障害者支援施設の利用者。 実施者、国、意思決定支援責任者(相談支援専門員やサービス管理責任者を想定)。 県版、支援チーム(本人、家族・後見人等、相談支援専門員、施設職員(サービス管理責任者、生活支援員等)、市町村障害福祉所管課職員(支給決定を行う機関として担当のケースワーカー等)、その他の関係者(ヘルパー、主治医、看護師、心理士等)等で構成することを想定。 特徴、国、意思決定支援の定義、枠組み等を示したもの。県版、・障害者支援施設の支援者向けに現場での行動や姿勢をチェックリスト方式で示したもの・国ガイドラインを補完する位置づけ・管理者編、サービス管理責任者編、生活支援員編で構成。 障害者支援施設等から関係機関あてに、意思決定支援会議への参画や、本人に関する情報提供について協力依頼が入ることがあります。県から市町村及び指定計画相談支援事業所あて通知文を発出予定です。 (12ページ目) 神奈川県版意思決定支援ガイドラインの策定についてA 【意思決定支援会議の考え方について(参考)】 厚生労働省「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」 (趣旨) 本人、事業者、家族や成年後見人等の他に、必要に応じて教育関係者や医療関係者、福祉事務所、市町村の虐待対応窓口や保健所等の行政関係機関〜(中略)〜、障害者に関わる多くの人々にも意思決定支援への参加を促すものである。 (意思決定支援会議の開催) 意思決定支援会議は、本人参加の下で、アセスメントで得られた意思決定が必要な事項に関する情報や意思決定支援会議の参加者が得ている情報を持ち寄り、本人の意思を確認したり、意思及び選好を推定したり、最善の利益を検討する仕組みである。 【意思決定支援の実践にための7つのポイント(参考)】 ・本人中心に支援をすること(支援者目線ではない) ・本人を知ること、理解すること ・本人が安心して意思表明できる環境(ソフト面、ハード面)を整えること ・本人を中心としたチームで検討(模索)し続けること ・第三者の視点を導入すること(客観性の担保) ・人間関係や社会関係を外へと広げる方向で支援すること(施設内で完結しない) ・施設全体で取り組むこと (13ページ目) <参考>意思決定支援実践研修事業費補助※(令和5年4月〜)について 【補助申請済施設(令和5年8月14日時点)(参考)】施設名、法人名、所在市町村の順。法人の名称前の(福)は、社会福祉法人の略。 1 進和あさひホーム、(福)進和学園、平塚市 2 永耕園、(福)永耕会、小田原市 3 竹の子学園、(福)明星会、小田原市 4 水平線、(福)翔の会、茅ヶ崎市 5 丹沢レジデンシャルホーム、(福)じょうせい福祉会、秦野市 6 厚木精華園、(福)かながわ共同会、厚木市 7 愛名やまゆり園、(福)かながわ共同会、厚木市 8 七沢学園、(福)神奈川県総合リハビリテーション事業団、厚木市 9 すぎな会愛育寮、(福)すぎな会、厚木市 10 ほしや学園、(福)ほしや会、海老名市 11 カビーナたかし園、(福)からいけ学園、綾瀬市 12 れいんぼう川崎、(福)川崎市社会福祉事業団、川崎市 13 柿生学園、(福)川崎市社会福祉事業団、川崎市 14〜16  申請調整中 ※神奈川県ホームページ参照 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/m8u/ishikettei1.html