気になる隣の社食ごはんのページ エントリーナンバー2、株式会社リコー厚木事業所の取材内容 取材に応じてくださったのは、厚木総務室の方々です。 こちらの事業所では、社員は約900名。関連会社等も含めると、約1,700名の方が働いて います。社員の平均年齢は40.8歳で、8割が男性です。女性は20代の若い方が多く働い ています。 総務室 総務環境グループ グループリーダーの齊藤さんの言葉 「健康で働いていただくために、食事は第一です。食堂は、社員が安全で健康に働くために必要なものの一つとして捉えています。 食堂を充実させることが、社員の安全や健康につながると考えています。 厚木事業所では“ものづくり”を中心に行っているので、他の事業所と比べて生産部門の社員が多いのが特徴です。 しかし、その他にも本部や開発などいろいろな部門の社員が働いているので、食事へのニーズもさまざまです。 メニュー考案など難しい面もありますが、食堂スタッフと連携しながら工夫やアイディアを凝らしています。」 総務室 人事安全衛生グループ グループリーダーの阿部さんの言葉 「健康で働いていただくために食事は第一ですが、最近では、特に若い人たちは、食事の優先順位が低くなっているように感じます。 また、朝食を食べていない若い社員も多く見受けられます。 現場の社員は365日稼動体制です。また、こちらでは仕事以外にクラブ活動も盛んに行われているので、 食堂で長い間提供され続けている朝食や夕食は、社員の健康づくりに大きく貢献していると感じています。」 総務グループの沢津橋さんの言葉 「以前は食堂では定食形式で提供されていましたが、2009年にメニューが大きく変わり、 自分で好きなメニュー(おかずや小鉢)を選べるようになりました。 食事の選択の幅が増えたことで、食堂の充実につながっています。」 総務室 総務環境グループ グループリーダーの齊藤さんの言葉 「食堂で大切にされていることは、“温かいものを温かい状態で出す”ことです。 「美味しい状態で提供したい」という食堂スタッフから伝わってくる思いに、私自身も心を打たれています。」 総務室 人事安全衛生グループ グループリーダーの阿部さんの言葉 「“ヘルシー食”は20年以上前から提供していましたが、当初は“ヘルシー食=病院食”のようなイメージが強かったように思います。 今は、『一汁多菜(いちじゅうたさい)』という名前で提供され、社員も気軽な気持ちで選んで食べているようです。」 働く方の心が安らぐ場、そして健康づくりの場となるよう、総務室が率先して食堂の環境改善をすすめていらっしゃいます。 食堂の環境改善だけでなく、健康支援室の方々による取り組みも、社員の健康づくりを後押ししています。 健康支援室の産業医さん、保健師さん、看護師さんの言葉 「社員の平均年齢は少しずつ上がってきていて、生活習慣病の方の割合も増えてきています。 健康支援室では個別支援に力を入れていて、健診後のフォローとして定期的に本人と面談し、目標を確認するようにしています。」 「途中で気持ちが停滞してしまったり、面談内容を忘れてしまう方もいます。 そこで、1人1人にメールを送って様子を伺ったり、スタッフを変えて気分を変えてもらうなど、 モチベーションを維持して続けられるような働きかけをしています。」 「食事については、食堂メニューのエネルギー量を確認するようアドバイスしたり、「一汁多菜」(ヘルシーメニュー)をすすめたりします。 全社員を対象にした健康イベントも、年に1回開催されています。 2011年は、『食事でメタボリック予防』というテーマで講義や筋力測定などが行われました。 なるべく多くの方に参加してもらえるよう、「社員に来てもらう」のではなく、「社員がいるところに出向こう」と考え、 筋力測定は社員が集まるレクホールを会場にして行いました。 食堂では、イベントのテーマと連動したメニューが提供され、すぐに売り切れてしまったそうです。 皆さん意識されているのですね 食堂にて 入り口には献立表などが掲示されていて、社員の皆さんはメニューを一通り確認することができます。 WEB掲示板でも、週間献立表や、今日の昼食メニューの画像を見ることができます。 メニューの栄養表示(エネルギー、たんぱく質、脂質、糖質、塩分の量)も確認できるので、 健康支援室のスタッフのアドバイスを思い出してメニューを選べますね! 8月のフェアメニューは、オリンピックにちなみ『ワールドカレーフェア』。毎月、楽しみですね。 ランチバーでは、(器に1回盛り放題ということで)皆さん野菜をたっぷり盛り付けていました。 何か1品プラスしたい時におすすすめの小鉢も、豊富なラインナップ。 各定食メニューのおかずは、ハーフサイズが用意されていました。 「AメニューとBメニューを両方食べたい…」というちょっと欲張りな気持ちも叶えられてしまいますね。 根強いファンが多いという、そば・うどん。ベストな温度で出来立てが提供されるのも人気の秘密のようです。 ごはんの量は自分で調整することができます。小盛でも180gあります(現場の方サイズ)! しょうゆが一滴ずつ出る醤油さし。塩分が気になる方も、醤油をかけすぎてしまうこともなさそうです。 各テーブルには、卓上メモ(“栄養一口メモ”)が置いてありました。お得情報が隠されています。 食堂の店長さんの言葉 「給食を日々提供している中で大切にしていることは、常にお客様の目線に立ち、物事を判断して行動することです。 1品1品のメニューをお客様に喜んでいただき、お客様の価値にあったものをご提供できるようにしています。 私たちにはゴールはなく、お客様に満足いただけること1つ1つが通過点であると心得ています。 普通のお店とは異なり、お客様お一人お一人と接する時間は少ないですが、その少ない時間からでも、 心づかいと気配りでまたご利用していただけるように日々努力していきたいと思います。」 食堂の管理栄養士さんの言葉 「ヘルシーメニュー(一汁多菜)は、野菜を多くとり入れ、彩りや食材に含まれる栄養素の効能などを考慮して内容を考えています。 社員の方へ健康や栄養・食事についての情報を発信するために、食堂の各テーブルに卓上メモを置いています。 WEB掲示板に掲載している週間献立表は、色分けを工夫するなど、見やすく、分かりやすいようにしています。 また、メニューの詳しい栄養価を知りたい方のために、エネルギー、たんぱく質、脂質、糖質、塩分の5つの項目についての 栄養表示も行っています。」 社員の興味を引くように工夫して作っているという献立表。 WEB掲示板で見られる献立表は、メニューのエネルギー、塩分、野菜の量が、色分けにより一目で分かるようになっています! (例えば、エネルギー・塩の赤色は“とり過ぎ”を、野菜の赤色は“不足”の心配があることを表しています。) 本日のヘルシーメニュー  主菜 チキンのごまサルサソース 副菜1 もやしとにらの卵とじ 副菜2 ブロッコリーのおかか和え エネルギー 624kcal たんぱく質 29.0g 脂質 19.0g 塩分 2.8g     ≪ごはん小(200g)、味噌汁を含む≫ (PFC比※1はP 18.6、F 27.4、C 54.0%) ※1PFC比とは3大栄養素である、 たんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の摂取比率です。30歳以上の大人の場合、1日の総摂取エネルギーに対して たんぱく質20%未満、脂質25%未満、炭水化物50〜70%で摂取することが望ましいとされています。 ヘルシーメニューはいかがですか? 食堂利用者さんの言葉 「食堂はほぼ毎日利用しています。野菜が多く使われていて品数も多いので、いつも一汁多菜※2を食べています。 特別な運動などはしていませんが、会社のウォーキングイベントに参加するなど、できるだけ歩くようにしています。」 「バランスがよく、いろいろなものが食べられるので、一汁多菜は時々食べます。おいしいですし、もの足りなさはありません。」 「体重を減らすために、意識的に一汁多菜を食べています。でも何より、一汁多菜がとても美味しいので選んでいます。 始めは少々もの足りない感じがしましたが、今は慣れてしまったので、もの足りなさは感じません。」 ※2:食堂では「一汁多菜」という名称でヘルシーメニューが提供されています。 このヘルシーメニューの基準はエネルギー700kcal未満、食塩3.0g未満となっています。 ヘルシーメニューを試食をさせていただきました。 フリー栄養士の会 青木さんの言葉 「食事バランスガイド※3のモデル献立のようで、主菜1皿、副菜2皿が漆器様トレーに和膳風に盛られていて、食欲をそそります。 緑黄色野菜がたっぷり使われていて、彩りもきれい! 主菜の「チキンのごまサルサソース」は香りのよい胡麻が使われていて、サルサソースには刻みトマトが加わり、彩りや減塩効果が期待できそうです。 「ヘルシー」や「メタボ対策」などの名前は使わず、だれにでも選んでもらえるようにメニューのネーミングを工夫されたのもグッドアイディアです。 見た目も味も満足でした。作り方も簡単で、お家のメニューに加えてはいかがでしょうか。」 ※3:食事バランスガイドとは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかが一目でわかる食事の目安です。    主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の5グループの食品を組み合わせてバランス    よくとれるよう、コマ(右図)にたとえてそれぞれの適量をイラストでわかりやすく示しています。 主菜「チキンのごまサルサソース」のレシピ ◆ 材料(1人分)◆ 鶏もも肉(皮なし) …80g 塩 …少々 こしょう …少々 いりごま …小さじ1/2 サルサソース(市販)…大さじ1と1/2 トマト …1/8個 油 …小さじ1 ◆ 作り方 ◆ @ トマトは細かい角切りにして、サルサソースと混ぜておく。 A 鶏もも肉は、厚みのあるところは包丁を寝かせて切れ目を入れ、左右に開 いてから塩、こしょうをふる。 B 熱したフライパンに油をひき、鶏肉に火が通るまで中火で両面をこんがり 焼く。 C Bを食べやすい大きさに切ってお皿に盛りつけ、ごまをふって@のソース をかける。 副菜1「もやしとにらの卵とじ」のレシピ ◆ 材料(1人分)◆ もやし …40g にんじん …15g にら …10g 卵 …40g だし汁 …小さじ2 しょうゆ …小さじ1/2 みりん …小さじ1/2 塩 …少々 油 …小さじ1 ◆ 作り方 ◆ @ 野菜はすべてきれいに洗う。にんじんは太めの千切りに、にらは5cmの 長さに切る。もやしはザルにあげて水気をきっておく。 A 熱したフライパンに油をひき、にんじん、もやしを炒め、にんじんに火 が通ったら上ににらを並べ、調味料を入れてひと煮立ちさせる。煮立っ たところに溶き卵を全体に回し入れ、弱火にして卵に火を通す。 副菜2「ブロッコリーのおかか和え」のレシピ ◆ 材料(1人分)◆ ブロッコリー …50g かつおぶし …1g しょうゆ …小さじ1/2 ◆ 作り方 ◆ @ ブロッコリーは小房にわけ、熱湯で食べやすい硬さにゆで、ザルにあげ 粗熱をとる。 A かつおぶし、しょうゆをボールで混ぜ、@を入れて和える。 食事の選択の幅を増やしたり、健康づくりを後押しするような環境づくりが、 総務室、健康支援室、食堂スタッフの方々により行われていました。 社員にとってはうれしい環境ですね。 お昼時間でにぎわう食堂。 楽しい食事が、社員の元気を引き出します。 ご協力ありがとうございました!