あつぎの学生食堂のページ 4時限目、東京工芸大学の取材内容 今回取材に応じてくださったのは、生協理事長の大学准教授森山先生と学生課(健康管理センター)スタッフの宮川さんです。 生協理事長の森山先生の言葉 厚木キャンパスは、工学部全員と芸術学部の1〜2年生がおり、学生数はおよそ3,200人、男女の割合は3:1で男子学生が多いです。 食堂は2か所、売店が1か所あり、自動販売機を数えたら38台ありました。 学生の健康は、健康管理センターに看護師、学生支援センターにカウンセラーを配置して、フォローしています。 睡眠のリズムを崩し、生活リズムが乱れると大学生活に支障をきたすため、気が付いた教職員が相談につなげ、 その情報は関係者で共有して、大学全体で支援できるようにしています。 睡眠のリズムを崩す原因のひとつに夜間のアルバイトがあるため、 大学では、学習支援センターの講師や食堂及び売店のレジなど学内でできる雇用の場を提供しています。 学生が大学に長く滞在することは、居場所のひとつである生協の活発化につながります。 食堂に来たくなるような企画をいつも検討しています。厚木の地場産物を売店に置いて、帰省の時のお土産にしたり、 大学のPRにも活用できるようにしたい、食堂のメニューにも加えてみたいと考えています。食堂では、食の安全と価格に配慮しています。 定期的に食生活相談会を開催して、栄養士によるアドバイスを行ったり、「学食パス」の利用を呼びかけ、 保護者と連携しながら質のよい食生活維持を応援したりしています。 生協への要望(ものもーすカード)はQRコードからアクセスして入力できるようになっています。 入力された内容は一覧になり表示されるので、回答も返しやすく、学生とのコミュニケーションのひとつにもなっています。 学生課(健康管理センター)スタッフの宮川さんの言葉 朝食を食べない学生が多いと感じます。朝お腹が空かないのは睡眠のリズムが乱れていて、空腹感を感じられないためと考えられています。 何も食べないことのないように、せめてバナナだけでも食べるように指導しています。 また、食べることに慣れてきた学生には100円朝食をすすめることもあります。大学生になり一人暮らしをすることで、 自分を律することができなくなり、睡眠リズムが乱れ、生活に支障をきたしてしまうことがあります。 大学は社会に出る一歩手前ですから、大学生であるうちにリズムを整えておかないと、社会人として仕事ができなくなります。 睡眠のリズムに関しては新入生ガイダンスで注意喚起していますし、健康管理センターで相談ができることをキャンパスガイドでお知らせしています。 食生活については、そのものが大切であること、そして朝食を食べることの必要性について話をしています。 体重の多い学生を呼び出して健診結果を配布するようにしていますが、女子学生についてはデリケートな部分なので配布には気をつかいます。 健診結果について異常があれば保護者にも連絡します。気になる学生に関しては、先生方や関連するすべての部署と連携し、フォローしています。 100円朝食の紹介 朝ごはんを食べて元気な1日をスタート! ワンコインで食べられる「100円朝食」を実施しています。 森山先生の言葉 「大学として朝食で何かできないか」、「朝、食堂で一息ついてから授業に行けたら・・・」 など朝から食堂がにぎわうことを考えていたところから朝食提供が浮かびました。そんな時に、 大学では工学部の授業を1〜4時限に集中させることになり、1時限目の授業が大幅に増えました。 朝食をしっかり食べることにより脳が活性化して、1時限目の授業から集中できること、 さらに、学生の生活リズムを整えることを目的に、2年前に100円朝食を始めました。 短期間のイベントではなく、「食育」として、通年で毎日実施することにしました。学生さんの反応もよく、メディアにも取り上げられました。 当初より学生の保護者で作る後援会から補助を頂きながら継続してまいりましたが、当の保護者の皆様からも大きな反響を頂いています。 メニューは、おにぎり2個と豚汁のセットです。生協の廃棄損を防ぐことも考慮しています。 豚汁は、教室に持っていかず、食堂で食べてもらえるように添えました。 おにぎりの具は毎日変わりますが、メニューに充実を求める声もあり、検討しながら今後も続けていきます。 食堂は朝早くから朝ごはんを食べる学生さんでにぎわっていました。 「100円朝食」を食べている学生さんにインタビューしました! 100円朝食は?みなさんにとっての朝ごはんとは?・・・どんな様子でしょう!? 学生さん1 実家から通学していますが、毎日ここで朝食を食べます。自分にとって、朝食は1日の活力です! 学生さん2 2人で部屋をシェアしていますが、朝食は毎日ここで食べます。以前は家で作り食べていましたが、 片付け等もあって、授業に遅れることもありました。ここで食べるのは遅刻防止になります。100円であることも魅力です。 それでは食堂をのぞいてみましょう! 8号館食堂の入り口には本日のメニューのサンプルが並んでいます。 メニューは自由に選べるカフェテリアスタイルです。サンプルにはエネルギーと塩分の表示がされています。 各コーナー(カフェテリア、丼、麺)のオススメが掲示されています。 レシートには選んだメニューのエネルギー、塩分、3群点数法による栄養バランスが表示されます。 もうひとつの学生ホール食堂ものぞいてみましょう! こちらは丼と麺メニューが中心です。 こちらの食堂は主に芸術学部の学生が利用していて、8号館食堂とは異なるメニューが提供されています。 食堂の店長さんにお話を伺いました。 加藤店長さんの言葉 食堂は朝食(8:30〜9:30)、10:30〜19:00と長時間にわたって営業しています。 ランチでは1/3程度の学生さんが利用しています。 ランチメニューの他、15:00〜ポテチュロ、16:00〜軽食(この日は親子丼)、瓶コーラも置いてあり、 学生さんの希望に添えるような商品をラインナップしています。 ランチはカフェテリア形式で、健康に配慮した食事をとってもらうために料理の組み合わせを提案しています。 メインの料理と野菜中心の副菜を用意し、野菜料理をとってもらうために、「ほうれん草クーポン」(10円引き)のキャンペーンなどもしています。 メニューは全て生協メニューです。学生さんが喜んでくれそうなメニューをいつも提供したいと思っています。 食堂は学生さんがくつろいだり、休息できるオアシス的存在でありたいです。 また、月2回程度は様々なイベントを開催して学生さんが食事を楽しみに来てほしいと日頃から思っています。 学生生協委員会の学生さんにお話を伺いました。 学生生協委員会の言葉 学生生協委員会では、食堂の宣伝や食生活を見直してもらう機会を設けたり、組合員の健康状態を見直すきっかけを提供しています。 毎年6月に生協で行う食生活相談会では、栄養士さんと神奈川北央医療生協のブースを設けますが、 学生生協委員会のブースも作って、学生目線での健康チェックなどを行っています。 また、食堂で出される新商品を積極的にTwitterでリツイートするなど広報に力を入れています。 今後は、利用者に向けて、食から健康を見直す機会をどんどん提供したり、 利用者と食堂がもっともっと近く感じてもらえるようなイベントを行っていきたいと思っています。 食堂で野菜の小鉢を選んでいる学生さんにインタビューしました! 食事で気をつけていることや食堂の上手な使い方など・・・どんな様子でしょう!? 学生さん1 野菜をとることに気をつけています。ごはんも麦ごはんにしました。 食堂は毎日利用します。100円朝食も利用しています。メニューは値段で選ぶことが多いです。 学生さん2 食堂は久しぶりに利用しました。いつも混んでいるので、売店で購入して食べたりしています。 今日は麦とろ丼に合うおかずを選びました。朝食を食べないこともあるので、お昼は気をつけるようにしています。食事のときはごはんをしっかり食べるようにしています。 学生さん3 比較的空いていたので、丼物を選び、野菜のおかずを付けました。野菜は食べたいです。メニューは食べたいものを選んでいます。 学生さん4 健康的でヘルシーなので野菜の小鉢を選びました。午後の授業で眠くならないよう、昼は主食を少なめにしています。  食堂で試食させていただきました。 厚木保健福祉事務所 管理栄養士の言葉 私は店長お薦めのスンドゥブ、野菜がたくさんとれるよう、ほうれん草の胡麻和えとポテト&コーンサラダの副菜、麦入りのライス(小)をつけていただきました。 支払いをした時いただくレシートで栄養チェックができ、この組み合わせでエネルギーは735kcalになりました。 塩分がちょっと多くなってしまったので、スンドゥブのスープを少し残しました。 スンドゥブは豆腐がたっぷりとれ、これからの季節にうれしい身体が温まる一品でした。とてもおいしくいただきました。ごちそうさまでした。 こちらの厨房では、業務用の食材や、調味料を使っていますが、ご家庭でもできるレシピをご紹介します。 温泉卵は市販もされていますが、卵をそのままのせたり、落し卵にして少し加熱しても、卵なしでもおいしくいただけます。 「ずっといたくなるような場所にしたい」「オアシス的な場所であってほしい」という思いが詰まった食堂は、朝から夜まで1日を通して学生さんがホッとできる場となっています。 取材日:平成27年11月30日 ご協力ありがとうございました!