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更新日:2023年11月28日

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令和4年度精神障がい者雇用・職場定着支援セミナー(第1回)【終了しました】

神奈川県が主催する企業向けの精神障がい者雇用・職場定着支援セミナーのお知らせです。

精神障がい者の雇用と職場定着を考えてみませんか

県内では、すでに多くの精神障がい者が企業の戦力として働いていますが、少しだけ配慮や工夫を行うことで、まだまだ活躍できる場面が増えます。また、就職後、長く働き続けることができる環境づくりも大切です。

そこでこのたび、県では、精神障がい者の雇用と職場定着に特化した企業向けセミナーを開催します。

第1回では、「経営の視点」から考えるとし、組織として障がい者雇用を進めるにあたり、押さえておきたいポイントを取り上げ、議論します。

なお、本セミナープログラムは、神奈川県が作成した「企業のための障がい者雇用ガイドブック(以下「ガイドブック」という)」で紹介している障がい者雇用のプロセスをベースとしています。

企業のための障がい者雇用ガイドブック(PDF:3,807KB)

本セミナーは終了しました。ご参加いただき、ありがとうございました。

セミナーの概要を掲載しました。

開催日時

ライブ配信(Zoom)~「経営の視点」から考える~ 

  • 2022年8月4日(木曜日)14時00分から16時30分まで

当日の様子(当日の概要を記載しています)

オンデマンド配信(YouTube 第1回、第2回共通の内容です)

  • 2022年7月19日(火曜日)から2022年9月30日(金曜日)

プログラム

ライブ配信 ~「経営の視点」から考える~ 

<講義>精神障がい者の雇用の状況について

県障害者雇用促進センターから、障がい者雇用の動向や、企業が障がい者雇用を行うにあたり知っておきたい差別の禁止や合理的配慮についてお話しました。

精神障がい者雇用に取り組む経営者と支援者のパネルディスカッション

【テーマ】

〇「企業のための障がい者雇用ガイドブック」で紹介している以下の障がい者雇用のプロセスをテーマとしました

・ステップ1「障がい者雇用に向けた理解を深める」

・ステップ2「職務の選定」

・ステップ3「雇用に向けた社内環境整備」

・ステップ4「採用活動」

・ステップ5「職場定着」

〇障がい者雇用が職場に与えた好影響について

【登壇者】

<経営者の立場から>株式会社テクノイケガミ 取締役 蒲谷幸利氏、武藤工業株式会社 代表取締役 佐藤卓弥氏、東海鋼鉄株式会社 代表取締役社長 鴨山剛至氏

<支援者の立場から>NPO法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会 理事 宮木孝幸氏、同 理事 吉野敏博氏

<コーディネーター>NPO法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会 理事 桒原茂氏

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ステップ1「障がい者雇用に向けた理解を深める」

  • (蒲谷氏)なぜ、障がい者雇用が必要かという点であるが、一つは企業としての社会責任が挙げられる。もう一つが、精神障がい者の数が増える一方、企業は人材が不足しており、障がい者で能力のある方を戦力として迎え入れることが求められていると感じる。
  • (佐藤氏)既に障がい者雇用を進めている立場からすると、障がい者雇用を進めれば進めるほど障がい者にとって選択肢が増えると思う。マッチングが良いと、障がい者社員の会社に対する貢献度は高いと実感している。
  • (鴨山氏)かつてのような、法定雇用率のために障がい者を雇用し周辺業務をやってもらうという発想だけではなく、少子高齢化やダイバーシティを踏まえて、人材をどうやって確保し、戦力にするかを考えた障がい者雇用に取り組むのが良いと考えている。
  • (宮木氏)精神障がい者の方は、強い不安、自己肯定感の低さ、傷つきやすさという共通点がある。その方の不安に目を向けると、合理的配慮のヒントや糸口が見つかると思う。

ステップ2「職務の選定」

  • (蒲谷氏)職務の大枠を考えて、募集をかけ、面接の際には特性や得意不得意を聞いている。また、障がい者を受け入れる際に指導をしたり、相談を受ける社員がいる部署かどうかも考慮の上、採用の決定をしている。
  • (吉野氏)職務の選定には、「洗い出し・再構築モデル」、「積み上げモデル」、「特化モデル」等がある。他の社員に、作業難易度が低いけれどやってもらえると助かる「ニーズ調査」をするのもひとつの方法である。目標とする業務に到達するまでのプロセスを細分化し、社内教育制度の一つとして考えると、新たな業務マニュアルにもなる。不得手よりも強みや得意なことに着目するのが良いと考える。

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ステップ3「雇用に向けた社内環境整備」

(就労支援機関について)

  • (蒲谷氏)当社で雇用していた精神障がいと聴覚障がいがある社員について、Web日報システムSPIS(エスピス)を活用し、日々の業務報告や体調管理を本人、企業担当者、外部支援者で共有するという形をとっていた。その際に、外部の支援者の対応の仕方が大変参考になったり、一緒に見守っていてくれるという安心感を感じた。
  • (宮木氏)外部支援者が入ることで、障がい者社員とのコミュニケーションの仕方を参考にしていただくことができたのかもしれない。また、支援者としては、障がい者社員の支援のみならず、企業担当者の支援につながるとも感じた。 
  • (鴨山氏)支援機関と連携しているか否かで、障がい者雇用の進みが違うだろうと思うが、どのようにして支援機関を探せばよいのだろうか。
  • (桒原氏)1つの方法としては、地域のハローワークに相談すると良いかもしれない。

(合理的な配慮について)

  • (佐藤氏)配慮の提供は、一般の社員と障がい者社員で特に違う点はなく、本人から希望があれば、都度考えている。当社の障がい者社員で、薬の影響かあるいは疲れているのか、ウトウトしてしまう者がいる。その際は肩をトントンと叩いて起こすのだが、同僚の社員はみなそういうものだと受け止めていて、その配慮に疑問を示す者はない。 
  • (宮木氏)合理的配慮はその企業の風土や、支援する当事者個人の状況を踏まえ、対話をしながら行うのがよい。そして、その当事者が、どんなことに困っているのか、何を希望しているのかを丁寧に聞き取っていくのが、一貫して大切であると考える。

ステップ4「採用活動」

  • (蒲谷氏)当社では、職場見学を必ずしてもらっている。質問があればそれに答え、その答えに対する応募者の反応も参考にしている。また、出来れば職場実習はした方がいいと思う。見学だけではなかなかわからない部分があるので、実習をやった上で、雇用する側される側、双方が納得した上での採用ができるといいと思う。
  • (桒原氏)企業からは、なかなか良い人材が採用できないという声を聞くことがある。特性を見ながら、他の部署では採用できないかや、配慮があれば、働くことができるのではないかという点を検討いただければと思う。また、求人票について、記載できる処遇はできるだけ具体的に明示した方が良いと思う。求人票を見た障がい者が条件に魅力を感じられず、応募をしないケースも多い。
  • (桒原氏)応募者が転職をしている場合は、理由を確認することで、特性の見極めができることもある。また、面接の際に応募者から要望事項を強く出されることもあるかもしれないが、そこは企業として対応可能なのかどうかというのを検討する必要がある。
  • (桒原氏)支援機関と連携がうまくいっていると、マッチしそうな方を紹介してもらえることもあるし、また、面接の際に同席の上、当事者がうまく説明できない点について、代わりに説明してもらえることもある。

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ステップ5「職場定着」

  • (佐藤氏)定着には3つ大切なポイントがあると考えている。1つ目は、目標を持つこと。当社の障がい者社員で、国家資格の取得を目指して、合格した者がいるが、目標をもって次のステップにつながるのは大事だと実感した。2つ目が配慮である。障がい者社員は無口で声掛けをしても「はい」しか言わないのだが、この十数年コミュニケーションの面で問題はない。かえって、周りもコミュニケーションを図ろうとしなかったのが定着につながったのかなと思っている。3つ目は、支援機関という相談先があることである。
  • (蒲谷氏)精神障がい者は定着までの過程で休職して復職したりとか、色々なことがあるのが常であると思う。また、今まで勤務していた社員の中から精神疾患になるというケースもあると思うが、簡単に退職ということにはしないで欲しい。精神疾患になった社員が退職に至ってしまったのに、雇用率が達成していないので、他の精神障がい者を雇用するのは本末転倒であると思う。精神疾患になった社員がいたら、企業の中で受け入れて雇用し続けることを考えて欲しい。
  • (宮木氏)精神障がい者は強い不安を抱えている。職場に受け止めてもらえる安心感が自信につながって、そこで成果を出せばさらなる自信につながるというスパイラルになると、定着につながるのようだ。一方で、不安が強いから、自分を認めて欲しいという欲求がどんどん強くなり、周りの方が疲弊してしまうということもある。それを防ぐには、適切な対話が必要になるが、その点は支援者と連携していると、一緒に考えることができると思う。
  • (鴨山氏)精神障がい者の職場定着に悩んでいる企業は多いと思うが、実際課題があり、解決に至ったエピソードなどあるか。
  • (佐藤氏)休日について、伝達に行き違いがあり、出勤日になっても障がい者社員が出社して来ず、支援者に同行してもらい様子を見に行くなど騒ぎになったことがあった。結局、本来の出勤日も休日だと勘違いしていたということだったのだが、メモ書きを渡すとか、配慮すればよかったと感じた出来事であった。
  • (吉野氏)精神障がい者社員が出社して来ないというような連絡を企業からもらい、同行することがあるのだが、大切なのは起きてしまったことを責めるのではなく、社員として復帰してもらうにはどうしたらいいか、ということを考える熱意であると思う。どうすればいいかということを考えるには、ぜひ支援者を活用して欲しい。

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障がい者雇用が職場に与えた好影響について

  • (蒲谷氏)今回「合理的配慮」という言葉が何回か出てきたが、結局のところ「思いやり」であると思う。これを自然にできるような関係性が会社の中にできると、一般の従業員も働きやすい環境になっていくのではないか。我々の所属しているNPO法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会は、以前は職親会と称していのだが、親が子を育てるように、会社の従業員が障がい者社員を一生懸命育てるといった雰囲気にしたいと思っている。

    

 

オンデマンド配信(第1回、第2回共通の内容です)

神奈川労働局から、障がい者雇用制度や精神障がい者雇用に際し利用できるサービスや助成金等を紹介しました。

  • 障がい者就労支援機関とは<講義>県障害者雇用促進センター

県障害者雇用促進センターから、障がい者就労支援機関の概要や支援内容、企業が利用する際の留意点についてお話しました。

主催・共催・事業委託先

【主催】神奈川県

【共催】神奈川労働局

【事業委託先】NPO法人かながわ精神障害者就労支援事業所の会

 


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