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更新日:2018年7月24日

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イクボスで、業績と笑顔が共にアップ!―イクボス10ヵ条―

 前編では、「イクボス」の定義、イクボスが必要な理由、イクボス組織は業績好調、ということを述べました。

 復習すると、イクボスとは 1 部下の私生活やキャリアを理解し、 2 自らも私生活を満喫し、 3 組織成果に責任感を持っている、という3つを満たす上司・管理職・経営者のことです。

またイクボスが業績に比例する理由は、 1 部下と上司の個人力が高まるから、 2 組織力が高まるから、 3 組織のリスクが軽減するからです。

後編では、私が総合商社の管理職時代と、今年6月に退任した上場企業の社長をしていた中で実践してきた「イクボスの10ヵ条=上司の心得」をご説明します。

<イクボス10ヵ条>

1 理解 「部下の大切にしている私生活と将来のキャリアを、理解し応援する。」
⇒自分の私生活とキャリアを理解し応援してくれる上司に対し、部下は「あのボスのためなら」と頑張ってくれるものです。

2 多様性 「働く場所や時間に制約のある部下を差別せず、多様な働き方を受容する。」
⇒育児のみならず、親孝行や介護、地域活動やボランティアなどのために、働く場所や時間に制約のある部下を、“戦力外通告”する時代ではないですね。

3 知識 「育休などの社内制度や労基法などの法律を、最低限でいいので知っている。」
⇒上司が“この制度を使ったらどう”と声掛けをするだけで、部下は嬉しいものです。また、法律を知っていることはコンプライアンス上、必須条件となってきます。

4 浸透 「私生活充実の大切さと、権利主張の前に職責を果たそうという意識を、全体に浸透させる。」
⇒子育てと同じ。つまり、我が子に対し“好きなことをやっていいよ”と言いながら、社会規範に反する行動には厳しく叱りつける。まさに権利の裏には責務があるということを、両建てでバランスよく導いていくのです。

5 配慮 「転勤や単身赴任など部下の私生活に大きく影響を及ぼす人事について、最大限の配慮をする。」
⇒単身赴任という英語はありません。競争激化やグローバル化のために転勤や単身赴任を無くすことは難しいでしょう。しかし“部下への一方通行の人事発令”はそろそろ終わりにしませんか。

6 チーム 「休暇や時短者が出ても、組織の成果を出し続けるために、チームワーク醸成に注力する。」
⇒休暇や時短を取る部下が出たからと言って人事部門に人の補充を求めるようでは、“甘えている管理職”と見なされます。では補充ではなく何でカバーするかというと、チームワークの醸成に尽きます。

7 時間捻出 「会議・書類・メールの削減、やらない事を決める、迅速な意思決定などで、時間を捻出する。」
⇒回数と時間と人数を半減するだけで会議は1月8日になります。形骸化していることが組織にはあるはずです。決断を下さない上司は部下のヤル気と時間を奪っています。

8 育成 「部下をコントロールするのではなく、一人ひとりへの丁寧な指導と声掛けで、部下を育成する。」
⇒昔の上司は、軍隊の隊長のような上司で“部下をコントロール”してきました。でも今後、部下を育成するには、彼・彼女の成長を支援する丁寧な指導や声掛けが必須です。

9 自ら実践 「ボス自ら、仕事x私生活x社会活動などハイブリッドな生活を満喫している。」
⇒長時間労働の要因に“退社してもやることが無い上司が無駄な仕事を作っている”というのがあります。また、私生活満喫で上司の仕事能力も高まります。だから上司も、“仕事や職場以外の居場所”とか“やりたいこと”を見つけることが大切ですね。

10 業績責任 「組織の長として、職責にコミットし、計画や目標達成に強くこだわっている。」
⇒これは言うまでもありません。

 以上がイクボス10ヵ条です。
 実は私も、出来ていないことがいくつもあります。逆に言うと“だからこそ意識する”ことが大切ですね。

 さあ、上司・管理職・経営者の皆さん、自分や家族のために、部下や組織のために、そして「今そこにいる子ども達」の未来のために、イクボス10ヵ条を念頭に入れて仕事をしてみませんか!?

(執筆:NPO法人ファザーリング・ジャパン理事 川島 高之氏)

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