障がい者雇用のための企業交流会「はじめの一歩」(1)(湘南東部・横須賀三浦地域)【終了しました】

掲載日:2019年11月28日

 「障害者の雇用の促進等に関する法律」では、従業員45.5人以上の企業を対象に、障がいのある方を2.2%以上雇用することとしています。
 一方、中小企業の皆様からは「どうやって障がい者雇用を進めたらよいか分からない」、「どこに相談したらよいのか分からない」といった声も聞こえてきます。
 そこで、県では、すでに障がい者雇用を進めている先輩企業の体験談や質問会を通して、普段は聞けない事柄を自由に聞きながら、参加企業間のつながりも作れる企業交流会を開催します。
 障がい者雇用を進める「はじめの一歩」として、ぜひご参加ください!

本イベントは終了しました。ご参加いただきありがとうございました。

当日の概要を掲載しました。更新

  • 日時:2019年7月19日(金曜)14時から17時45分まで
  • 場所:鎌倉芸術館 集会室(鎌倉市大船6-1-2)

プログラム(当日の様子)

先輩企業の雇用事例紹介

すでに障がい者雇用を進めている「先輩企業」3者に雇用を始めたきっかけや取組内容、体験談などをご紹介いただきました。

事例紹介1
菱電湘南エレクトロニクス株式会社
総務・コンプライアンス部 武田祐一朗氏と当事者の社員様

jirei1当社はエレクトロニクス製品や検査計測システム等の製造を行う三菱電機グループの企業です。本日は当社の障がい者雇用の現状、採用に向けた取組、そして採用後の定着に向けた取組についてお話しさせていただきます。

まず当社の障がい者雇用の現状ですが、2017年より障がい者雇用に本格的に取り組んでおり、現在9名の障がい者が勤務しています。本日は9名のうち、直近で採用させていただいた発達障がいのある2名に関する取組について紹介いたします。

2名の採用に際しては、はじめに当社が求める人材を、支援機関である社会福祉法人電機神奈川福祉センターに提示し、候補者を推薦していただきました。また、候補者の採用ステップとしては、まずは本人・人事部門・配属先部門長(配属を予定している部門長)の3者で面談を行い、その後、5日間から6日間の実習を行いました。実習後には振り返り面談を行い、この振り返り面談でお互いの意向が一致した場合に採用となります。
上記の選考過程を経て、2名を事務職として採用しました。

2名のうち、初めの1名は、まずは総務課が率先して採用すべく、配属先は総務課とし、受け入れ準備を開始しました。受け入れるにあたり、総務課では、課の全員が参加し、どのような業務を切り出せるのか会議を行いました。会議では、障がい者にもストレスがなく、集中できる業務は何かを意識して、業務の洗い出しを行った結果、まとまった業務量を確保することができました。
また、課員が少し手を加えて準備をすれば、担当となり得る業務も見つけることができ、課員が障がいについて理解を深めるとともに、課の業務について見直しを行う契機にもなりました。
さらに、紹介元の就労援助センターの方にお越しいただき、総務課のみならず配属先となるフロアの社員全員が参加する説明会も開催しました。この説明会で、障がいの特性や、本人に対して配慮するべき点、接する上で気を付けるべき点を教えていただき、フロアの社員全員で情報を共有しました。

採用後は、障がい者一人に対して必ず一人の指導係をつけ、指導係が一元的に業務の内容と量を調整し、複数の業務が重ならないように管理しています。一つの業務が終わらない限り、次の業務の指示は行いません。業務指示者は4名ほどおり、日常的に様々な依頼が寄せられますが、まずは指導係が依頼された業務の事前確認を行い、実施の可否を判断しています。そして実施となった場合は、本人への伝え方を意識しながら、それぞれの業務指示者が指示を行っています。指導係は、障がい者の方に対する業務指示・サポートのスキルを向上させるために、外部講座を受講したり、関連する書籍を読んだりしています。

また、入社の際、本人には日報の作成をお願いしました。入社後1ヵ月間は日報、2ヵ月目以降は週報、8ヵ月目以降は月報というように、本人の報告書作成能力の向上に応じて間隔を徐々に開けるようにして、その中で、本人の業務成果を把握するとともに、新たに取り組んだ業務も記入するようにして、本人にとっても課員にとっても成長を「見える化」しています。その他にも、本人と就労援助センター職員の定期面談を3ヵ月ごとに実施しており、面談の結果は配属先上長・人事担当者にフィードバックされています。企業側には明かされることのない、本人のストレスや悩みが把握できる大切な機会と思っています。

以上のように、一人ずつ受入れ体制を整えた上で採用するようにしています。誰が育成を担当し、どのような教育計画を立てるかは、障がいの有無に関わらず、社員の採用と定着にとって重要な要素であると思います。

~当事者の社員様から~

総務・コンプライアンス部総務課に所属し、事務を行っています。具体的な業務はエクセルやワードを使用した資料の作成、社員の就業状況の管理業務、清掃、業務マニュアルの作成等です。

この仕事を始めた当初は、不安だらけでしたが、指導係の方や職場の先輩の方が、丁寧に業務を教えてくださったことにより、少しずつ慣れることができました。
また、自分の所属する部署だけでなく、他の部署の方から感謝の言葉をいただくことがあり、それが大きなやりがいにつながっています。
さらに、自分で業務マニュアルを作成し、そのマニュアルに沿って仕事をする等、主体的に業務に取り組むことができることもやりがいになっており、引き続き、今の職場で、定例業務を少しずつ増やしたいと思っております。

今は定例業務の精度を少しずつ高めている段階です。この会社に就職してから1年9ヵ月が経過しましたが、これからも成長を続けて、引き続き、毎日会社に行きたいなと思える状態を維持したいです。そして、この会社で定年まで働きたいです。

事例紹介2
株式会社TOMORROW(マクドナルドフランチャイジー)
オペレーション・マネージャー浜田琢也氏

jirei2当社は横須賀三浦地域でマクドナルドのフランチャイズ店舗の運営を行う企業です。従業員はアルバイトのスタッフを含め、1,000人ほどいますが、そのうち19名が障がいのあるスタッフです。当社は多様性こそが企業の強みとなり、従業員が成長することで企業も成長すると考えていますので、障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。

当社では障がい者のスタッフには苦手なこともあるが、それ以上に得意なこともある存在として捉えています。得意なことを組織の中で活かしていくという観点から、これまで障がい者雇用に取り組んできましたので、本日はその実例についてお話ししたいと思います。

当社は就業時間と就業日数を本人と話し合って決めており、1日1.5時間、週2日の勤務から始めたスタッフもいます。短い勤務時間の中で、何ができるか、何が得意なのか本人の様子をよく観察して仕事を任せるとともに、少しずつ勤務日数と勤務時間を延ばしていきます。
また、日々の業務では、接客が得意な知的障がいのあるスタッフがいますが、苦手なレジ打ちは他のスタッフに任せ、接客業務に専念できるようにしています。その他にも、精神障がいのあるスタッフもいますが、仕事終了後、必ず私に電話をすることを約束事にしており、今日悩んでいることは、今日のうちに解決するようにしています。このように一人ひとりの障がい特性に配慮した対応をすることにより、戦力化と定着を図っています。

次に、障がいのあるスタッフの定着で重要なことが5つありますので、一つずつ説明していきます。

  1. 障がい特性を活かせる職場に配属すること⇒笑顔で接客できる方もいますが、それが苦手な方もいます。根気よく清掃ができる方もいますが、集中力が持続しない方もいます。それぞれの特性が活かせる職場に配属することが重要です。
  2. できることにフォーカスすること⇒本人ができない事や苦手な事は、他のスタッフがカバーすることがチームワークです。本人ができることは何かをディスカッションして、業務を割り振ることが重要です。
  3. 本人のペースを重視し、スモールステップで取り組むこと⇒障がいのあるスタッフにとって、フルタイムで働くことはとてもハードルが高いです。本人の成長に合わせて、少しずつ勤務日数を増やすこと、もしくは勤務時間を延ばすことが重要です。障がい者のスタッフは真面目な方が多く、勤務時間中は100%の力を出してくれますが、それゆえに疲れが出やすい面もあります。周りのスタッフが無理をさせず、本人のペースを見守ることが重要です。
  4. 精神障がいのあるスタッフとは必ず毎日コミュニケーションをとること⇒精神障がいのあるスタッフは気持ちの浮き沈みが大きく、必要以上に悩んだり、自分の気持ちをため込んでしまうことがあります。そうしたことが無いよう、本人が自分の気持ちを吐き出す機会を毎日設けることが重要です。
  5. 障がい者を特別扱いしないこと⇒今までの話しと矛盾してしまいますが、障がいの有無でスタッフを分けて考えることは絶対にしてはいけません。障がいの有無に関わらずそれぞれに役割があり、その役割が限定されているか、あまり限定されていないかが違いと考えることが重要です。

毎日出勤して、1時間働くことですら、とても高いハードルである障がい者が多くいます。そのような方々にとって、当社がそのハードルを乗り越える最初のステップとなってほしいですし、他の会社に行きフルタイムで働く、または、より活躍できるようになる場であれば幸いです。

事例紹介3
社会福祉法人八寿会 人財育成事業部教育担当課長 三浦利治氏

jirei3当法人は、特別養護老人ホームみどりの園を運営しており、従業員は188名おります。そのうち障がいのあるスタッフは6名で、4名が清掃担当、1名が介護補助、そしてもう1名が調理を担当しています。

当法人の障がい者雇用の取組についてお話ししますと、「地域社会に貢献する」という経営理念の下、5年前に清掃業務を担うスタッフを雇用したことがきっかけです。当時は障がい者雇用について知見がなく、まずはハローワークに相談に行ったところ、就労移行支援事業所スタッフによる施設見学の受け入れを提案され、施設見学会と当法人の説明会を行いました。その説明会を通してつながりが生まれた就労移行支援事業所から推薦を受けた方を採用したことが、当法人の障がい者雇用の始まりです。

採用に際しては、面接と3日間の実習を行いました。また、面接時には「どういうところに配慮が必要ですか?」という質問をして、その質問に対してしっかり答えられる人を採用しました。例えば、「こういう風に声掛けをしてほしいです」という本人の希望を面接で聞き取って、それを普段のコミュニケーションで活かすようにしています。

採用後の業務指導は、最初のうちは私と就労移行支援事業所のスタッフがほぼ付きっきりで行い、その後、少しずつ本人に任せていくというスタイルをとりました。また、障がいのあるスタッフが清掃を行う場合、清掃を行う場所には介護スタッフが多くおりますので、介護スタッフには事前に必要な配慮事項と、本人と接する上で気を付けるべき点について説明を行いました。どのスタッフも抵抗感なく受け入れてくれ、本人も施設のイベント等に積極的に参加してくれたことで、すぐに一体感が生まれました。

そして、本人が迷いなく業務ができるよう、作業の手順書を作成し、また、業務指示の担当者は固定するようにしています。清掃して欲しい場所は様々にありますが、本人の混乱を避けるために、清掃する場所は必ず担当者が決定し、他のスタッフは清掃場所の指示をしないようにしています。

上記のような配慮をしていましたが、本人は同僚との距離感に悩みを感じていました。日々接する介護スタッフの方々と打ち解けていこうという意識が強すぎるあまり、それがストレスとなっていたのです。本人から相談が寄せられましたので、「必要最低限のコミュニケーションが取れれば、無理に打ち解けようとする必要はないですよ」とお伝えしました。また、コミュニケーションをとることにストレスを感じていることが把握できましたので、その後はなるべく一人で業務を行えるようにし、一人では難しい業務に限って、周りのスタッフがフォローする形にしています。

このように障がい者雇用を進めてきた中で重要だと感じることが3点あります。

  1. 支援機関との連携⇒今までたくさんの相談を支援機関にしてきましたし、本人からの相談結果もフィードバックしてもらっています。支援機関との連携がなければ障がい者雇用は不可能だったのではと思うくらいお力添えをいただいています。
  2. 本人について深く知ること⇒障がいのあるスタッフは得意なこと、苦手なことがはっきりとしていますので、長所と短所を見極めて、長所をより伸ばしていくために、本人について深く知ることが重要です。
  3. 本人に無理をさせないこと⇒障がいのあるスタッフは障がいのないスタッフよりも強いストレスを感じている面があります。無理をするとストレスがかかり、心身共に大きく消耗してしまうので、それを避けるためにも、できるだけ無理をさせずに業務を行ってもらうことが重要です。

障がい者雇用では上手くいかないことが数多く発生します。それでも、粘り強くコミュニケーションを取れば、必ずうまくいかない原因が特定できますし、解決することもできます。担当者だけで抱え込まずに、周囲のスタッフや専門機関のスタッフの力を借りて取り組むことが大切です。

先輩企業に聞く!(質問会)

 先輩企業に直接いろいろ聞くことができる座談会形式の質問会を行いました。
 企業等で働く障がい者ご本人にもご参加いただきました。

QA1 QA2

グループワーク

 自社において、どのような仕事が障がい者の方にできそうかを考えるグループワークを行いました。
 また、先輩企業や支援機関の職員も交えて、参加企業間で悩みや困り事などを共有し、自由に意見交換を行いました。

Gr1 Gr2

交流会

 参加者同士で自由に情報交換等を行う交流会を行いました。

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湘南東部・横須賀三浦地域のチラシ(実施終了しました)

「はじめの一歩」(湘南東部・横須賀三浦)のチラシ(PDF:545KB)

主催・共催

【主催】神奈川県
【共催】鎌倉市神奈川労働局ハローワーク横須賀ハローワーク藤沢ハローワーク横浜南湘南障害者就業・生活支援センターよこすか障害者就業・生活支援センター

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