更新日:2020年4月1日

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3033(サンマルサンサン)運動ノート

普段あまり運動を行っていない方々でも、運動・スポーツ習慣を身につけていただくきっかけづくりになるノートです。

 神奈川県には、「運動不足」や「体力の衰え」を大いに感じている人がたくさんいらっしゃいます。(巻末「県民の体力・スポーツに関する調査」データ参照)

 そこで、主に中高齢者の普段あまり運動を行っていない方々を対象として、運動・スポーツ習慣を身につけていただくきっかけになればと思い、このノートを作成しました。健康・体力つくりのために、気軽に、自分ができることからはじめてみて下さい。


目次

3033運動って何・・・?

運動・スポーツによるメリット

始める前にしておきたいからだチェック


3033運動で健康生活を始めましょう!

 3033運動って何・・・?

 県民の皆さんが一人でも多くスポーツに親しみ、健康で明るく豊かな生活を営んでいただくために、1日30分、週3回、3ヶ月間継続して運動やスポーツを行い、運動やスポーツをくらしの一部として習慣化すること、それが「3033(サンマルサンサン)運動」です。

1日30分

1日30分、意識的にからだを動かしてみましょう。

「1日に10分程度の運動を合計して30分」でも結構です。

週3回

週3回、できれば2日に1回ずつ行うことが生活習慣病の予防や改善などの運動効果が期待できる目安です。

3ヶ月間

3ヶ月間、継続することで「体力が向上した」「体調が良くなった」などの運動の効果が現れてきます。また運動習慣も身に付きます。

  • 体力とは、人間が生きるうえで必要な、筋力や持久力、柔軟性、免疫力、抵抗力などの身体的・精神的能力です。
  • 楽しく、マイペースで行いましょう!
  • 運動効果をすぐに求めず、体調の悪いときは休みましょう!
  • 仲間を見つけ、励まし合ったり、運動した記録をつけてみましょう!

運動・スポーツを生活の中で習慣化するとこんなに変わるヨ!

 運動・スポーツによるメリット


 運動・スポーツには、健康増進やストレス解消、そして若さを保つ効果があります。

具体的効果例

  • 不眠、食欲不振、便秘等の予防や改善により、からだも心もさわやかに、若々しく、活動的で充実した日々を実現
  • 生活習慣病(糖尿病、虚血性疾患、肥満、高脂血症、高血圧、動脈硬化)の予防や改善
  • ガン(直腸・結腸ガン、乳ガン)の予防や改善
  • 階段を楽にのぼることができる
  • やわらかい動きができる
  • 転倒や捻挫などの予防
  • 老化の進行をおさえる
健康寿命の延長

健康寿命とは、私たち一人ひとりが生きている中で、元気で活動的に暮らすことができる期間のことを言います。


運動を始める前に健康チェックをしましょう

始める前にしておきたいからだチェック

自己診断してみましょう

 無理な運動はかえって体調をくずしたり、健康に悪影響を及ぼします。以下の質問項目の中で、一つでもあてはまるものがあるようでしたら、医師の相談を受けるようにしてください。

 全くなければ「3033運動」をはじめましょう。

  1. 医師から心臓に問題があると言われ、活動を制限するよう忠告されたことがありますか?
  2. 体を動かした時に、胸部に痛みを感じたことがありますか?
  3. ここ数ヶ月の間に、安静にしていても、胸部に痛みを感じたことがありますか?
  4. めまいがしてバランスを失ったり、あるいは意識を失ったりしたことがありますか?
  5. 体を動かすことで、骨や関節に痛みを感じたりすることがありますか?
  6. 血圧や心臓の問題のために薬を服用していますか?
  7. その他に運動をしてはいけない何らかの理由がありますか?

(Canadian Society for Exercise Physiologyより)

 

自分のからだのチェックとして行っていただきたい項目

  • 診察
  • 血液検査 貧血の有無、コレステロールの状況、肝臓の機能など
  • 尿検査 腎臓の機能(尿の中にタンパク、糖や血液が出ていないか)
  • 胸部X線写真撮影 肺の状態(結核やがんの有無)
  • 安静時心電図 心臓の状態(心臓の異常、不整脈の有無)

健康つくりのための体力3大要素は「持久力」「柔軟性」「筋力」

「持久力」

日常生活では、「持久力」が必要です。持久力は有酸素運動により高まります。

 

「柔軟性」

ケガを防止したり緊張をほぐすのには、「柔軟性」が必要です。柔軟性はストレッチにより高まります。

 

「筋力」

身体を動かすことや、転倒などを防止するには「筋力」が必要です。筋力はトレーニングによって高まります。


簡単にできる代表的な運動とその効果

持久力を高める有酸素運動(呼吸・循環機能の改善と肥満解消)

ウォーキング(陸上)ジョギング

ウォーキング(水中) エアロビクス

自転車水泳

  • 代表例

ウォーキング

歩くことは、人間の最も基本的な動作です。

そして、いつでも、どこでも気軽にできて運動効果が高いのが「ウォーキング」です。

歩き方のポイント

  • 胸を張った良い姿勢(かかと、膝、腰、肩を通るラインが直線になる)で、やや広い歩幅で歩きます。
  • 腕の振りは、肩の力を抜き、肘を軽く曲げ、肩甲骨が滑らかに移動する感じでやや大きく振ります。
  • みぞおちから下が脚になるようなイメージで動かします。
  • かかとから着地し、足裏全体に体重をのせ、母趾球でキックします。
  • 少し汗ばむような、それでもパートナーと楽しく話せるようなペースを保ちます。
  • 視線は4から5m先の下方に合わせる。
  • 肩の力を抜き、背筋を伸ばして歩く。
  • かかとから着地し、つま先に体重を移動して歩く。
  • 肘は80度に曲げ、後ろの振りを大きくして歩く。
  • 母趾球でキック

ウォーキングを始める時のワンポイントアドバイス

  • 自分にあったウォーキングシューズを選んでください。
  • 気候に合った服装で行いましょう。日差しの強いときは、帽子をかぶりましょう。
  • 水分の補給は、少しずつ何回も行いましょう。汗を多くかくときは、塩分の補給も必要です。市販のスポーツドリンクを薄めて飲むと良いでしょう。

ウォーキングの効果

up down
持久力
腹筋
敏捷性
善玉コレステロール
血圧
体重
体脂肪
悪玉コレステロール

 

安全で効果的な運動強度

運動を安全かつ効果的に行うには、以下の条件を考える必要があります。

  1. 運動の種目
  2. 運動の強さ
  3. 運動時間
  4. 運動の回数

これらは、運動を実践する人の年齢、目的、身体状況、体力レベルや運動経験の有無に応じて決められるものです。したがって、上記4つの条件は人により異なってきます。

ここでは、有酸素運動を行う際の強度を2つの指標(脈拍と自覚的運動強度)を使って考えてみましょう。

脈拍

運動時の目標脈拍数(拍/分)を下記の式より算出してみましょう。

{(220-年齢)-安静時脈拍数}×運動強度(%)+安静時脈拍数

運動強度(%)の目安は?

  1. 運動習慣がない人、体力の低い人、超高齢者など 40%
  2. 中高年者、肥満者など 50から60%
  3. 体力のある人 75%

例1 45歳、安静時脈拍数が67、運動習慣がない人…運動強度を40%に設定した場合

{(220-45)-67}×0.4+67=110←運動時の目標心拍数(拍/分)

例2 59歳、安静時脈拍数が65、中高年者…運動強度を55%に設定した場合

{(220-59)-65}×0.55+65=118←運動時の目標心拍数(拍/分)

例3 31歳、安静時脈拍数が57、体力のある人…運動強度を75%に設定した場合

{(220-31)-57}×0.75+57=156←運動時の目標心拍数(拍/分)

脈拍のはかり方

  1. 下記の図のように3本の指を用いて触診により測定します。
  2. 一般的には10秒間計測し、その脈拍数を6倍して、1分間の脈拍数とします。
  3. 運動中の脈拍を測定するのが難しい場合、一時的に運動を中止して測定しましょう。運動中止後すぐに脈拍は減少するので、可能な限りすみやかに測定するとよいでしょう。

自覚的運動強度

 脈拍による客観的な数字とともに、自覚的な「体がきつい」「苦しい」といった感覚も目安にして運動強度を調節することが望ましいといわれています。

 そこで、以下の自覚的運動強度(運動強度をどのように感じているか)による指標を利用してみましょう。

 ある運動をしている時の自覚的運動強度を下の表のようにRPE点数によって数量化します。

 例えば、その運動が、「ややきつい」と感じれば、「13」であり、「きつい」と感じれば、「15」です。どちらでもなくて、その中間と感じるときは「14」と判定します。

 健康つくりにおいて、無理のない運動強度は、「11」から「13」程度ですが、年齢、目的、身体状況、体力レベル等を考慮して、自分にあった強度を設定してみましょう。

 また、下の表には、自覚的運動強度の点数にあたるおよその脈拍数も示してありますので、自覚的運動強度と脈拍数の関係の把握に役立ててください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消費エネルギー量を考えてみよう!

 消費エネルギー量は、体重や運動種目そして運動時間等が関係します。以下の表を参考にして、運動による消費エネルギーを考えて、消費エネルギーと摂取エネルギー(食事)のバランスを保ちましょう。

おなじみ外食10のカロリー数

中華がゆ
201Kcal

うどんすき
601Kcal

モーニングセット
422Kcal

肉南蛮うどん
445Kcal

にぎりずし
518Kcal

しょうがやき定食
773Kcal

天津麺
766Kcal

ペスカトーレ
スパゲッティセット
743Kcal

からあげ定食
671Kcal

カツどん
893Kcal

外食ならば、いわゆる定食物がお勧めです。
しかし、その他のものであっても、その料理に使っている食品の種類が多いものならばお勧めできます。

女子栄養大学出版部:「毎日の食事のカロリーガイドブック」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Foxeら、ACSM、コロラド心臓病学会、カナダ医学雑誌などを合成して波多野が作成したメッツ表(参考:兵庫県立健康センターホームページ)より計算。
健康を考えるにあたっては、余剰エネルギー分を運動によって消費することが必要になってきます。(一般の人の1日の余剰エネルギーは、約200から300kcalといわれています。)

柔軟性を高めるストレッチ

ストレッチとは、筋肉をゆっくり伸ばしていき、伸ばしたままの状態を維持する運動です。リラックスして、どこの部位を伸ばしているのか、正しく意識して行いましょう。

また、ストレッチは、身体活動のウォームアップやクールダウンとしても有効に活用できます。

(1)ストレッチの実践例

各筋肉を反動をつけずに伸ばしていき、約20から40秒間楽に呼吸しながら保持します。

(1)手を頭の上で組んで背伸びをし、体側を伸ばす。

(2)肘をつかんで頭の後方にゆっくり引き、上腕と体側を伸ばす。(左右)

(3)両手を後ろで組み、体を前傾させないように腕を上げ、腕を伸ばす。

(4)背すじを伸ばし、手を水平に伸ばして、手前にゆっくりひく。

(5)手を下に引きながら、首から肩を伸ばす。(左右)

(6)少し膝を曲げて、上体もすべて脱力してリラックス。(体をおこす時は膝を曲げてからおこす)

(7)かかとを手前に引き寄せ、息を吸い、吐きながら上体を前へゆっくり倒していく。

(8)つま先が触れ合うように内側へ足首を曲げ、逆に外側にも足首を曲げる。

(9)横になり、片方の膝を立てて息を吐きながら反対に倒す。

(10)足の甲を手でつかみ、かかとを尻に引きつける。

(11)膝を抱えて胸に引きつける。頭はなるべく床から離さない。

 

(12)床にあお向きになり、手足を大きく伸ばす。

(2)ストレッチのポイント

  • リラックスして行い、筋肉を無理なく伸ばします。
  • 不快に感じるようであれば伸ばしすぎです。呼吸を止めず、楽に呼吸ができる範囲で行いましょう。

(3)ストレッチを効率的に行うためのワンポイントアドバイス

  • 仕事の合間に行う手軽なストレッチも、意識して実施すればもっともっと効果的。

筋力を高める筋力トレーニング

 筋力の維持向上には、筋肉に抵抗や負荷を与えることが必要です。

 とはいえ、こうしたトレーニングは、以前には、血圧が上昇することから虚血性心疾患患者には禁止され、整形外科的障害をもたらす可能性もあり、中高齢者の実施には否定的でした。

 しかしながら、このごろは腰痛対策や生活の質の改善や向上のための体力つくりに積極的に取り入れられるようになりました。無理をせず適切な負荷を加え、トレーニングを継続することにより、からだにしっかり「貯筋(ちょきん)」(筋肉を貯えること)しましょう。

 疲労がたまっている筋肉は、緊張状態が続くことで、中枢神経にもストレスをためます。ストレッチで筋肉の緊張をほぐすと精神的なストレスも緩和されます。

「貯筋」することで、老化による筋力低下の速度をずっと遅くできます。

(1)筋力トレーニングの実践例

いすなどを活用した、負荷の少ないトレーニング方法

背すじを伸ばし、手をももの上に乗せて、体を前に倒し(30から45度)、背すじを伸ばしたまま、上体を起こす。(10回ほど行う)

後ろ向き腕立て伏せ(ディップ)

椅子の背に手をかけ、片足をゆっくり前へ、ゆっくり後ろへ呼吸に合わせて行う。

椅子につかまり、おしりをギュッと引き締め(肛門を締める感じ)、かかとを浮かす。3秒間。

片足を交互に、または両足を持ち上げる。

用具を使わず自分の体重を利用

横になって足の上げ下ろし。

 

あお向きになり、膝を少し開いて立てる。手は頭の後ろ、またはお腹の上におく。

息を吐きながら、自分のへそを見るように頭を上げる。そのまま5秒間保持。

膝を少し開いて、うつ伏せになる。手は腰の上に置く。

息を吐きながら顔を前方に向け、背筋を緊張させる。そのまま5秒間保持。

片手を壁に付いて、バランスをとる。

かかとを上げ、母趾球のあたりに体重をかける。そのまま5秒間保持。

片脚を肩幅よりやや広く開く。つま先は前方に向ける。手は頭の後ろで組む。

顔を前方に向け、背筋を伸ばしたまま、膝を曲げる(90から120度)。そのまま5秒間保持。

(2)筋力トレーニングのポイント

  • あくまで無理をせずに行う。
  • 負荷の目安は、10から20回できるくらいの強さでよい。
  • 週に1から2回を継続する。(上下肢、腹筋などは週2回、背筋などは週1回)

 

(3)筋力トレーニングを効率的に行うためのワンポイントアドバイス

  • ストレッチを十分に行い実施する。
  • 軽めの負荷からはじめ、トレーニング後は休みを入れる。

時間がない人へのメッセージ(気軽な運動例)

有酸素運動

  • 通勤ウォーキング(余裕があれば、一駅手前で下車してウォーキング。)
  • リュックで買い物(早歩きで)

ストレッチ

  • ちょっとした合間にストレッチ(仕事の合間やバス・電車を待つときなど)・・・スーツを着ていても、できることがある!
  • ジュータンや布団の上でのストレッチ・・・目覚めたときはまず背伸び、テレビを見ながらストレッチ

筋力トレーニング

テレビの前でのCMエクササイズ

コマーシャルの間に簡単な筋力トレーニング

  • タオルを使って…膝にタオルを押しつけ、前に力を入れる。全力で7秒間ずつ。
  • 体全体でリズムに乗ろう!体をゆらして、左右、上下、斜めに。どんな動きでもOK。自由に組み合わせてやってみましょう。
  • 左、右と交互に大きく膝を上げます。左右で50回くらいから。

家の周りがトレーニング場

ガーデニング

庭の穴掘り

 

土の運搬

 

 

 

3

草取り

電車やバスの中で

電車の中でつり革につかまり、脚はかかと上げ、手は、ゆっくり引っ張るように力を入れる。

つり革につかまって軽く背伸び。つま先で立ち、お尻をギュッと締めて、しばらく我慢したら下ろします。ふくらはぎとお尻の筋力アップに効果的。

つり革に体重をかけたり、戻したりする。

椅子に座って…

椅子に座り脚上げ
片方の膝に手をおき、足は上へ、手は下に力を込め、
手足で押し合う。全力で7秒間ずつ。左右ともに行う。

両手を胸前で合わせて
両手を7秒間全力で押し合う。

つま先立ち
主にふくらはぎの筋肉を鍛えます。できる人は立ってやってみましょう。筋力がついたら片足でやってみましょう。

膝の伸展
主に太もも前面の筋肉を鍛えます。


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電話:0466-81-2803

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