○事務局
これより、平成30年度神奈川県介護予防市町村支援委員会専門部会を開会させていただきます。
高齢福祉課企画グループの御薗生と申します。しばらくの間、進行役を務めさせていただきます。
会議の開催にあたり、高齢福祉課副課長の麻生から御挨拶申し上げます
○麻生副課長
お忙しい中、夜分、御出席誠にありがとうごいます。代理出席の方を含め16名、全員御出席ということでありがたい限りです。
今年度から第7期のかながわ高齢者保健福祉計画も始まっておりますが、その施策の中にも新たに「市町村が行う取組の支援施策及び目標値」という柱を掲げ、介護予防や重度化防止の取組支援なども明確に位置付けています。
2025年問題、2040年問題と言われておりますが、それらの問題に対処するためには、まさに「今」この第7期の3年間に介護予防をどう頑張れるかということが重要で、先々の明暗が大きく分かれると思います。
我々も先送りのできない、重大な課題に真剣に取り組まねばならないと危機感を持って臨んでおります。
今年度からは、法改正により、「保険者機能強化推進交付金」の取組も始まっております。市町村分として、61項目の評価指標があり、県の方で、取りまとめをいたしましたが、やはり、市町村間でばらつきがかなりあるというのが実感です。
今日は次第に沿って、各市町村や県の取組状況の報告などもしてまいりますが、委員の皆様におかれましては、それぞれのお立場から課題やその課題に対して、どのようにアプローチしていくことで各取組が進んでいくのかという観点で御意見をいただければと思います。
県も市町村も、予算や人材、時間には限りがございます。しかし、その中でも、効果的に実施し、住民の皆さんにとってよりよい結果を生むためにはどうしたらよいか、まだまだ、工夫ができる分野であると思っております。
本日は、活発な御議論をよろしくお願いします。
○事務局
それでは、ただいまから会議次第に基づき議題に入りたいと存じます。本日は、傍聴者はおりません。
「審議速報」及び「会議記録」については、発言者の氏名を記載した上で公開させていただきますので、よろしくお願いします。
「議題(1)の部会長及び副部会長の選任について」です。
本委員会の進行については、部会長、副部会長にお願いするわけでございますが、本会議の設置及び運営要領第7条に、部会長は委員の互選によって選出するとしております。
これまで杉山委員に部会長を務めていただいてきましたが、事務局としては、引き続き杉山委員にお願いできればと思っておりますが、いかがでしょうか。
(承認)
次に副部会長については、部会長が指名することとしております。杉山部会長、どなたか指名をお願いします。
○杉山委員
柴委員にお願いできればと思っています。
〇事務局
柴委員、よろしいでしょうか。
(承諾)
おそれいりますが、杉山部会長、柴副部会長から一言御挨拶をお願いします。
○杉山部会長
いろいろな制度変更がされる中で、評価をしていくことが議論となってくると思いますので、忌憚なく御意見を言っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
○柴副部会長
微力ではございますが、議事進行に協力していきたいと思います。よろしくお願いします。
〇事務局
それでは、ここからの議事進行は杉山部会長よろしくお願いします。
○杉山部会長
では、「議題(2)の介護予防事業の集計結果について」事務局よりお願いします。
〇事務局
資料1-1、1-2、1-3、1-4説明
○杉山部会長
この関連で、次第では「3 その他」になっていますが「(1)の横浜市の介護予防事業の状況」については見村委員から、「(2)の南足柄市の介護予防事業の状況」については鳥居委員から、続けて説明をお願いします。
○見村委員
資料2説明
○鳥居委員
資料3説明
専門職の確保が難しく、また、介護予防事業は、どのように評価していけばよいかが課題だと考えている。こうした点で県からの支援をお願いしたい。
○杉山部会長
ここまで、市町村の介護予防の現状をお話しいただきました。何か質問はございますか。
〇澤野委員
資料1-1、5ページ平成2年度とありますが、29年度でよろしいでしょうか。
資料1-2 13ページ実施状況の中で、開催回数で例えば海老名市を見ているのですが、講演会開催回数が23回なのに、参加延べ人数が27人となっています。平塚市は32回開催で32人となっていますが、1回1人と解釈してよいのですか。
○事務局
この資料につきましては、市町村から回答いただいている数値で、個別に確認をしたわけではありませんが、おそらく相談会などの回数であると思われます。
○杉山部会長
今、南足柄市からお話があった介護予防サポーターの行っていることは、通常のサービスのボランティアが行っていることではないのですね。
では次は、「議題(3)地域包括支援センターの運営状況等について」事務局から説明をお願いいたします。
〇事務局
資料4説明
○杉山部会長
「議題(4)県事業の介護予防に関する研修及び普及啓発について」、「議題(5)介護予防活動普及展開事業について」事務局から説明してください。
〇事務局
資料5説明
○杉山部会長
続けて、「議題(6)介護予防ワーキングの報告」について、柴委員からお願いします。
○柴副部会長
資料7によりワーキンググループの報告
○杉山部会長
確認ですが、全国展開をめざしている介護予防活動普及展開事業とは、資料6-1、6-2、6-3でよろしいでしょうか。
〇事務局
申し訳ありません。資料の説明が抜けていました。
資料6-1、6-2、6-3 説明
○杉山部会長
久保木委員、ワーキンググループについて一言お願いします。
○久保木委員
今回、私は、ワーキンググループにも委員として参加させていただいております。
介護予防活動普及展開事業における県のアドバイザーという立場で、モデル事業に関わっている秦野市、伊勢原市、開成町の地域ケア個別会議に参加させていただきました。
地域ケア個別会議において、昨年度から見させていただいた中でワーキングの中でも課題として出ていたように、特に自立支援の概念について、どう捉えていくのかがセンター間の中でも若干変わっていたり、事例提供側が捉えていることと、助言をする側の概念が異なっていることで、それをどのように話を持っていくかが難しいという意見が出ておりました。
それは、回を重ねていくことによって、市町村の考え方も変わっていくのではないかという意見も出ておりますが、ポイントになっている自立支援をどう捉えていくかが今後の課題だと思われます。
支援のプランを基に話を進めていくのですが、栄養と歯科のアセスメントがほとんどされていない状況で、どう助言していくのかは助言者の方も試行錯誤している状況です。
ただ、出ている内容からうまく助言をくださっている方が非常に多かったので、そこからプランの中のアセスメントの一環として取り入れていくことになると思います。
○杉山部会長
栄養、口腔についてのアセスメントは、従来は基本チェックリストでしたが、それ以上のものがないのですね。
○久保木委員
はい、基本チェックリストに全然チェックがつかないものに関して、参加している専門職がどう広げていくのかを伝えていくことが難しいということです。
○杉山部会長
貴重な御意見ありがとうございます。
続けて柴委員は資料5(10)の「地域分析、自立支援、重度化防止に係る市町村研修」の助言者も務められたそうですが、一言お願いします。
○柴副部会長
資料5(10)説明
○杉山部会長
ここまでの資料等について、皆様から質疑、御意見をお願いします。
○久保木委員
今、私は地域ケア会議に関わっており、地域ケア会議が多種多様化している中で、いろいろな市町村に伺って、どう整理して取り組んでいくのかが難しいと感じています。
専門職がどう関わっていくのかは、介護予防事業自体も専門職がうまく回っていず、今後地域ケア会議の回数が増えたときに、職能団体としての育成に着手していますが、それをどう埋めていくのかは一つのポイントだと思います。
○杉山部会長
専門職が理学療法士だけのところもあったようで、モデル地域以外では参加している職種にもっと差があると思います。また、自立支援の概念が明確でないと目標設定がバラバラになったりしませんか。
○久保木委員
大きくは崩れないと思いますが、どこを指標にしていくかの捉え方が若干違う印象がありました。
医療にシフトしている専門職と福祉にシフトしている専門職では、捉え方でも少し違いますので、それをどう考えていくのかは、回を重ねていく中で精査されていくのかと思います。
○杉山部会長
数値目標が取りにくいのですか。口腔、栄養のアセスメントの課題がバラバラになってしまうので、今後標準化していくことも一つの課題だと思います。
県ではどのような取組が必要かを求められておりますので、是非お願いします。
○清水氏
栄養士会では、地域ケア個別会議に参加できる管理栄養士がいないことが課題になっています。医療に所属している管理栄養士ですと、地域の生活の視点に即したアセスメントができないので、今年度以降、人材育成に力を入れて取り組んでいこうと考えています。
栄養士会の中で介護に関われるような人材研修会等を開催し、医療に留まらず、在宅で活躍できる管理栄養士を育成しなければならないと思っています。
管理栄養士が地域として必要とされている現状に対して、ニーズに即した活動ができていないので、ほっておくと我々の活動の場所がなくなるという危機感を感じながら取り組んでいる状況です。
○杉山部会長
地域ケア個別会議にどのくらいの割合で管理栄養士が参加しているのかわかりますか。
○事務局
資料6-3で、市町村により地域ケア個別会議は月1回や年4回など、開催回数が異なります。表の中の助言者で栄養士・管理栄養士は栄養士会から派遣していただいたり、地域のつてを利用して在宅に詳しい栄養士を見つけたりしています。
会議の回数はわかりますが、どのくらいの割合で参加しているかは把握し切れていません。
○杉山部会長
栄養士会では参加していない会議を把握されて推薦したりしていますか。
○清水氏
人材登録やリストアップなどが進んでいないので、行ける人、動ける人を輩出している段階です。
〇事務局
会議の開催回数は、県全体で2400回ほど行っておりますが、何回栄養士が参加しているかはわかりませんが、管理栄養士と歯科衛生士は29年度から地域包括ケア会議で数か所参加するようになり、30年度はこの事業が増えていることもあり、少し伸びてはおりますが、ほかの職種に比べると入り始めたところです。
○杉山部会長
取組を推進していただきたいと思います。
○山田典子委員
保健福祉事務所では、保健師が地域ケア会議に出席をしておりますが、介護予防については栄養士は出席しておりません。
ただ、伊勢原市では、高齢介護課の栄養士が健康づくりと兼務で入っていて、会議に市の栄養士も出席していると聞いています。
○杉山部会長
地域のわかる管理栄養士、介護予防のわかる保健師を育成しなければならないということでしょうか。
○打矢委員
歯科衛生士会は、今年度からモデル事業に関わった逗子市、葉山町から指名があり第1回から参加して、地域を知っている歯科衛生士が地域ケア会議や、認定審査会に参加している市町村もありますが、今まで関わりがなかったのです。
今後は、派遣の依頼に対して人材を育てていかなければいけないと、会議に参加していた歯科衛生士を呼び、また就業実態調査をして、どのくらいの在宅の歯科衛生士がいるかを調べました。
個別会議で助言をするとき、単独では技量がない上に不安なので、いずれは単独で行いたいのですが、今は事例を持ち帰り複数の歯科衛生士で考えたいと思っています。
いろいろな手段を考えるために、まず在宅の歯科衛生士のネットワークを作成しなければいけないのではないかと思っています。
歯科衛生士会は今6支部あるのですが、支部から5・6名ずつ選んで、地域ケア会議でどんなことをしているかを話していただき、4月以降も研修会は続けていかなければいけないと考えております。
実際に、県からもお世話になっております歯科衛生士を主軸にして、いろいろな情報を流していきながら、地域で歯科衛生士を育てていきたいと思っております。そこには歯科医師会の助言も求めながら、地域ケア会議に臨んでいきたいと思います。
会議に歯科衛生士が入っていないところもありますが、市町村に1人はいて欲しいと思っております。
○杉山部会長
スーパーバイザーになれるような人を育成していくことが大事ですね。
○澤野委員
保健福祉事務所の歯科衛生士は、地域ケア会議に参加する機会がありません。歯科衛生士は9割が歯科診療所に勤めております。多職種と交流する機会がありませんでした。地域の中での専門職として、地域ケア会議などに出ていって欲しいと思います。保健福祉事務所としては、専門職のスキルアップのための研修を行っていきたいと思っています。
先日、在宅を進めている先生にお聞きして、歯科は診療所に通って来られる元気な高齢者しか見てこなかったので、今後は通えなくなった高齢者に口腔管理の視点で責任を持って、口腔内のケアや清掃、機能という視点に立ってできるようにすることで、介護予防のための地域ケア個別会議等で口腔という健康を保っていくことに関わっていくことがこれから必要だと感じています。
それができる人材を育成するために、診療所の外に歯科衛生士が出て自己啓発してもらいたいと思います。
○彦根委員
保健福祉事務所では、保健師が地域ケア会議や地域包括支援センターの会議には必ず出席させていただいています。その中の機能として、精神保健や認知症などの対応で、福祉職もおりますので、しっかりやらせていただいています。
保健福祉事務所の強みとして、保健師、福祉職、栄養士、歯科衛生士がおり、難病の方を含めて、いろいろな職種によるネットワークを持っています。
保健福祉事務所が行っている保健衛生関係の研修会も、在宅栄養士や歯科衛生士が出席されて、地域のことを知っている人がいることが強みになるのかを感じています。
そこから、顔の見える関係を有効にして、何のためにかを見失わないようにしていこうと思っています。
○西田委員
私は保健福祉事務所の福祉職です。地域ケア会議は従来から私の役割として関わってきました。足柄上管内1市5町の中で、地域包括支援センターが8か所で、それぞれが地域ケア会議を開催しております。
うち、毎月開催しているセンターが3か所、一定の周期性を持って開催しているところが数か所、年1回のところもあります。
8か所の地域ケア会議全部を私が担当ですが、行けないところもありますので、私が保健福祉事務所内で会議に参加できるふさわしい人材をコーディネートしています。
当初の地域ケア会議は困難ケースを解決したい人が集まり、解決する方向性を見出して満足して、何の蓄積もない会議でした。
地域ケア会議を開催しなければならない場合、何を議題にするかというとき、一番ニーズが高かったのは、困難事例でした。それが困難ケースカンファレンスと何が違うのかということになり、明確に分けられませんでした。
地域ケア会議は地域の課題を見つけるところでありますから、ある程度広域行政として私が参加して事前打合わせをして、会議の助言で地域課題の方向にシフトしてうまく会議が行われるようになった地域ケア会議もあります。
困難ケースではなく、好事例の中からうまくいっているファクターを探すなどに行きついている会議もあります。
リハビリテーションの関係について、私が直接関わって把握している範囲では、リハビリ専門職が地域ケア会議に出席しているところが1か所、開成町で、一般の地域ケア会議にも理学療法士が従来から出席されていました。
経過から言いますと、神奈川リハビリテーションセンターが事業を受けたところから、開成町が理学療法士を呼んでずっと続いているところです。
神奈川リハビリテーションの時は理学療法士,作業療法士など職種が年次で変わって出席されたこともありました。リハ職が従来の地域ケア会議で強いのは開成町で、1月15日の会議は呼ばれていませんのでわかりません。他のところの地域ケア会議は、医療関係で保健師や看護師が出席する程度でした。
地域包括支援センターは、社会福祉中心でありますから福祉系が強くなります。そうなると医療知識があまりなく、医療の仕事の進め方、役割などに理解がないので、医療的な視点に目が落ちないため、リハビリテーションに目が向かないのです。
ところが、福祉側が気にしている生活支援などよりも、日頃の運動をどうするか、生活の中で動きを作りながら自立する・幸せになる方法があるのではないかと、言わなければそちらに流れていかないのです。開成町だけは定期的に理学療法士から御意見をいただくので、そのビジョンが入ってきます。
専門職に適宜参加してもらうことが必要だと思います。事前に相談や打合せがあるたびに、この先生を呼んだほうがよいのではと提案しています。
地域包括ケアシステムの構築には5つの柱がありますが、システムへの定着という点では、介護予防の柱が足柄上では一番遅れています。従来足柄上では、システムの構築に関しては、在宅医療の柱を中心に取り組んでまいりました。在宅医療・介護連携支援センターを1市5町が医師会に委託し設立されましたので、我々保健福祉事務所の役割として、市町が着手できているそこの部分より、市町がなかなか着手しづらい介護予防事業の柱をテーマとした事業を1月31日に行います。これは、フレイル、オーラルフレイルをテーマに、東京都健康長寿医療センターの渡邊先生をお呼びして行います。これが地域ケア会議にインパクトを与えてくれるのではないかと期待しております。
○堀委員
先ほどの南足柄市の事業の中で、原因追及したところ、ロコモティブシンドロームの問題が多かったということは非常に素晴らしいことだと思います。
さらに、もしできましたら、ロコモティブシンドロームのもっと前の段階、介護予防よりもっと前の段階で、オーラルフレイル、栄養の改善などにも目を向けていただいて、検討会でも未病の改善を考えていただけたらと思います。
そこに歯科衛生士から助言をいただけるような場を作っていただければよいと思います。
○川口委員
横浜市の事例、南足柄市の事例で、シニアボランティアを養成したり、介護予防サポーターを養成していることを聞き、一般の人の力を借りることはたいへん良いことだと思いました。その中で、彼らに運動やトレーニングを行い、口腔機能の向上、栄養の問題を伝えて、彼らが一般の人に伝えて活動を広げています。
考えてみると地域ケア会議では、多種多様な職種が集まって話をするようになりました。
しかし、実際の現場の中では、専門職のほうが自分の専門のことだけにこだわっているようです。例えば、運動のロコモティブシンドロームの予防教室や体操教室を行うとき、一緒に歯科衛生士が口腔機能を向上させる口の運動を取り入れてみたり、栄養士が「こういうものを食べればよい」と言うだけでなく、専門領域でなくても介護予防全体のことを、運動も併せて指導するようになるとよいと思います。素人がトレーニングを受けて幅広い活動を行っているのに、専門職が自分の専門にこだわっています。難しい症例は専門職が関わっていかなければいけませんが、予防の段階では、専門職が垣根を取り払って、いろいろなことを同時に行っていくような専門職のためのトレーニングコースがあってもいいのではないでしょうか。
歯科衛生士は、結婚すると仕事を辞めてしまう方が多く、在宅の歯科衛生士が結構いると思います。今、厚労省の事業で全国のいくつかの歯科大学で、在宅歯科衛生士の再教育プログラムがあります。きっとほかの職種でもこれから再教育が進んでいくと思います。
昔の歯科衛生士は、高齢者や介護予防のことなどを習っていなかったと思います。しかし、今の現場では必要なので、そのような人たちへのトレーニングを短期間のコースで提供し、訪問診療や高齢者対応など、地域で働く予定の歯科衛生士が必要となるコースを受講してから、仕事に出ていくことができます。
口腔機能を考えると、介護予防段階の高齢者になってからスタートするのでは遅いと思いますが、成人の頃から口腔機能のことを伝えていく働きかけが全く行われておりません。子供たちは毎年学校で歯科検診を受けています。仕事を退職した人が、高齢になって一番後悔していることは歯の定期検診に行かなかったことだと書かれた記事が雑誌に出ていました。歯の治療だけではなく、口腔機能も大切だという情報を若いうちに提供していくことが必要だと思います。
口腔機能のトレーニングは、高齢者になってゼロから始めるよりは、本人のセルフケアを生かすという意味でも若いうちから知ることが大事だと思います。
○杉山部会長
次の田中委員は、参考資料1の高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議の委員でもありましたので、その立場から、また、管理栄養士養成の立場からも県の取組について御意見をお願いします。
○田中委員
皆さんの御意見を聞いて、気づいたことがあります。栄養のアセスメントがなかなかいい形で入っていかないという御意見がありました。
基本チェックリストはまさに基本なので、リストにあたっている人は1年後、1年半後には、要介護状態になってしまいます。かなりのリスキーな方なのです。もっと手前の人にアプローチしなければなりません。
私が実務を行ってきて思うことは、ケアマネジメント全体のことです。それはどちらの方向を向いているのかです。栄養はどう手助けできるかなのです。
体重が2㎏しか減少していなくても、かなりリスクがある場合があります。それは、ケースバイケースなのですが、ケアマネジメントの方向性がはっきりしていれば、その方の自立支援に向かってどう栄養が入っていけばよいのかわかります。
介護予防従事者研修会は、全体的なものを盛り込んでいます。先ほど委員の方から御発言がありましたが、困難事例ばかり入れていると、介護予防の時はイメージがつかないと思います。
私は、力を入れて好事例を入れているつもりなのですが、何百人も研修会にいらっしゃいますが、管理栄養士が少ないのです。栄養士会の方は、独自に考えていただくことも大事ですが、ほかの職種の方と一緒にケアマネジメントや口腔に入っていくような研修を是非御利用いただきたいと思います。
高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施についてですが、昨年の9月から11月にかけて国で5回の会議を行い、今日出てきた課題については、これを推進することによって一部は解決できることがあると思います。
どのように評価をしていけばよいのか、一般高齢者施策なので評価は非常に難しいとは思いますが、大きなマスの単位でみていただくと、使えるデータは、例えばKDBです。介護予防では議論になっておりませんが、KDBのデータには介護予防のデータが非常に多く入っています。介護になった要因や地域包括ごとに介護予防のデータが非常に多くあります。
KDBを自分のところで見る状態ではない場合、まさにこれが保健と介護の一体的な実施です。
そういうところで、健康づくりに入ってもらう、保険年金課など他課と一体的に実施するなどKDBのデータを有効に使っていただければ、特に一般高齢者施策は地域診断も入っていますので、それほど難しくなく評価できると思います。
参考資料1の最後のページに、介護予防事業と疾病予防・重症化予防の事業とあります。個別会議で、疾病が全然入っていないということはおそらくないであろうと思います。それも含めて、できるならば縦割りではなく、通いの場の積極的関与や保健師、管理栄養士、歯科衛生士等の配置など書かれてありますので、柔軟に対応していただければと思います。来年度は、経費は後期高齢者広域連合が交付と書いてありますので手をあげていただければと思います。
○高井委員
横浜市と南足柄市の介護予防の取組で、ボランティアの方が活躍されて、いろいろな集う場所を作るなどをされているということでした。
このごろは、コミュニティがだんだん崩壊しているのではないかと思います。コミュニティがしっかりしているところは、こういった事業が比較的うまくいくのではないでしょうか。
例えば、南足柄市は都市部と違って比較的周りと人との関係性がよいのではないでしょうか。横浜市は都会なのに頑張っておられますが、これから高齢化が始まるともっと頑張らないと追いつかない印象です。
普段のコミュニティづくりを郡市の行政がもっと力を尽くしていただきたいと思います。
ボランティアを行う人に、経済的にメリットがあるかどうかがあると思います。少なくとも行政から表彰されるなど、自尊心を満足させるような方策を考えなければだんだん減少してしまうと思います。
この間、在宅医療の研修会に出席したのですが、地域包括ケアシステムを子供のうちから理解させなければだめだという意見が出ました。
千葉県松戸市の医師会の先生が、小学校に出張講義に行ったそうです。介護予防やコミュニティづくりに関しても地道に行っていかないと、だんだんやってくれる人が減少してしまうのではないかと思います。
フレイルの問題にしても、市区町村の医師会に協力を仰げば講演を行ってもらえると思います。県医師会としても、要請があれば郡市医師会に申し伝えたいと思います。
○杉山部会長
人材づくりとコミュニティづくりは、2つの柱としてどちらも県として重点的に取り組まなければならない課題です。
神奈川県立保健福祉大学も、実践教育センターにおけるリカレント教育として、栄養ケアマネジメント課程を9か月間にわたり毎週土曜日に実施しています。これは、地域包括ケアシステムの推進を意識したもので、在宅のスーパーバイザーとしての管理栄養士を育成しようとしています。
もう一つは、田中教授らの地域栄養活動の教授陣やKDBの大型データを扱える教授が一緒になり、地域栄養診断と地域健康づくりに関する短期集中型の研修を31年度行うことになっています。これらについては、皆様に別途御案内いたしますので、市町村や県のリーダ-を担っている、あるいは将来的にリ-ダ-となるような人材に是非、出席していただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
○柴副部会長
地域診断の研修会のアドバイザー任命をいただき勉強させて頂く中で、日本全体でみますと、都市部の後期高齢人口が増加し、地方はのきなみ人口減少が進んでおり、疲弊し消滅していくという流れとなっています。神奈川県に限りますと、横浜市、川崎市、相模原市、藤沢市のようにこれからますます後期高齢者人口が増加し、医療・介護のインパクトが強くなる自治体と、一方でまさに今、介護が必要で少しずつ減衰していく自治体のおおまかに2つに分類することができるようです。各自治体が自身の地域実情を十分把握した上で、どのような指標を選択し評価するのか、この視点が後期高齢者の自立を支えるための政策立案につながると考えております。
○杉山部会長
本日はお忙しい中、お集まりいただき、また活発な御議論をいただきありがとうございます。では、進行を事務局にお返しします。
○事務局
本専門部会の結果につきましては、かながわ高齢者保健福祉計画評価・推進等委員会に報告をする予定になっています。
本日御討議いただいた各事業につきましては、御意見を今後の展開に活かしていきたいと存じます。
それでは、以上をもちまして平成30年度かながわ神奈川県介護予防市町村支援委員会専門部会を終了いたします。ありがとうございました。
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