審議結果:第23回 かながわ高齢者あんしん介護推進会議

掲載日:2019年8月7日

様式3-2

会議記録

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称 第23回 かながわ高齢者あんしん介護推進会議
開催日時 平成29年10月24日(火曜日) 14時から16時
開催場所

一般社団法人シルクセンター国際貿易観光会館地下1階大会議室(横浜市中区山下町1)

出席者
委員長◎
副委員長○
山田祐子、○松浦美知代、中澤陽子、武藤とみ子、吉井文均、小枝恵美子、板橋み雪の各委員、
横浜市(2名)、相模原市(1名)、神奈川県警(1名)、事務局(5名)
次回開催予定日  
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福祉部高齢福祉課

下欄に掲載するもの 議事録全文  
 

1あいさつ
板橋高齢福祉課長
2議題
(1)平成29年度かながわ高齢者あんしん介護推進会議関係開催状況等
(事務局)
<平成29年度かながわ高齢者あんしん介護推進会議関係開催状況等について事務局説明>
(松浦副委員長)
高齢者虐待に関する研修とか会議の内容を、現場の施設職員にどうリンクさせているのか。
(事務局)
現在高齢者虐待防止部会では、虐待が発生した時に対応する市町村などの行政職員を対象とした研修の整備を考えている。施設職員向けの研修は、別途、拘束なき介護推進部会などでやっている研修があてはまる。
(松浦副委員長)
虐待が発見されたことを次にどうつないでいくのかということを中心に研修しているということか。
(事務局)
虐待が発見された場合の市町村がとるべき対応について、どんな対応をしていけばいいのか研修会でやっていく。対応方法を市町村の職員が、積み上げられれば良いが、職員の入れ替わりもあり、市町村によって経験値が違っているので、みな同じ対応ができるよう、対応力の平均化を図ることを目的に研修体系の整備を挙げている。
(松浦副委員長)
そこがねらいだとすると、何故そういうことが起きてしまったのかという現場での原因分析などは明らかにしていないということか。
(事務局)
例えば、施設虐待の場合には、再発防止のための取組として、発生後マニュアルの作成を挙げている。施設で起こった場合には、必ず起こったことについて、何故起こったのかを掘り下げて課題を出し、その課題についての改善策を作ってもらい、それができているかどうかを市町村が判断し、指導していくことになるが、その部分を、施設側が自らできるようになるためのマニュアルである。市町村などの対応する行政側には、指導の際にこのマニュアルを参考としてもらいたい。
(吉井委員)
発生後対応というよりもむしろ再発防止という意味で、今後そういった事例を減らす対策をたてるためのマニュアル作りと理解したほうが良いのではないか。まず、起こったことへの対処も必要だと思うが、今後そういうことを起こさないように再発防止も含めた内容のマニュアルにしておかないと不十分なような気がする。そういった点もご検討いただいたほうが良い。
(山田委員長)
高齢者虐待が起きてからというと、事後対応ということになるが、重要なのは未然防止というところで、そのためには身体拘束の廃止の推進とか認知症対策ということが重要だと思う。特に認知症高齢者が非常に多くなる中で、必ずしも専門的な教育を受けた職員だけを採用しているわけではないという現実の中で、施設の虐待を意識したプログラムを組んでいるのかと気になる。未然防止のための認知症対策など、それぞれの部会でがんばっていただきたい。
(吉井委員)
認知症は病気なので、この病気についての理解がきちんとできていないと、防止対策は立てられない。一般の方々に対しても高齢者虐待や認知症に対する理解を深めるような研修や場を作っていかないと本質的な防止対策、マニュアルは作りにくいと思う。病気が理解できていない中で、客観的にその対策を立てようと思っても無理がある。ある程度医学的な内容も含めた理解を十分浸透させないといけないと、医者の立場からは思う。認知症を素人的に判断して、ただ単に暴れているだけという理解で終わってしまうと、虐待につながっていく。本質は何かということが理解できていないままにマニュアルを作っても意味がないと思う。そういった点もご検討いただければ良いと思う。
(山田委員長)
身体拘束については、専門職の人たちへのトレーニングと一般市民へのトレーニングとでは、またちょっと違う考えられる。職員にはどの程度のレベルの認知症対応力が身についているのか。
(武藤委員)
事業所によってかなり温度差が大きいというところがある。今、各地域の中で認知症サポーター養成講座が展開されており、私たちの施設でも地域住民向けに広めたいと考えている。サポーター養成講座に出た方は認知症の理解をするところからスタートになると思うが、それはそこで終わっしまい次に続かない、地域の中でということにつながらない。
(吉井委員)
病気をうまく理解できていないと、ただ単に暴れているから抑え込むとか虐待につながる行動に移ってしまったりする。認知症はこのような病気だからこのように対応すればよいということを学べば、暴れていてもひょっとすると抑制も必要ないかもしれないし、虐待につながらない可能性もある。そこを理解できていないと患者はどんどん悪くなるような気がするので、そういうことについて、研修や啓蒙をしたほうが良いと思う。
(松浦副委員長)
神奈川県で認知症介護実践者研修、実践リーダー研修というのを実施している。実はカリキュラムの内容が国の指導で28年度から大幅に変わった。認知症のアセスメントをすること、認知症の人をいかに理解するかということを学ぶカリキュラムの内容に著しく変わったので、非常に効果的な研修ができていると思っている。研修の中の職場実習で、一人の事例に対してもう一度アセスメントし直して、自分たちが今まで行っていたケアと新たにアセスメントすることで新たに作られたケアを実際にやってみて、どういう違いがあったのかということを発表する場面がある。その中で、これまでいかに認知症の人をざっくり見ているだけで、中核症状があることで生活にどんなふうに困っていたか個別に見るという視点がなかったという報告を8割以上の方から得ており、地道に認知症のケアの学びは深められているのかなと思う。
(吉井委員)すごく重要なことである。
(山田委員長)
専門職の方への対応と認知症対策の協議会の関係はどうなっているのか。
(事務局)
今、松浦副委員長にご説明いただいた認知症介護実践者研修や実践リーダー研修も新オレンジプランに基づいて実施している。施設で介護にあたられている方々の認知症の対応力のための研修で、位置づけとしては認知症対策推進協議会のもとで、県としてやらせていただいているという形になる。先ほどのマニュアルについては虐待防止部会のもとですすめさせていただき、また現場の職員の認知症対応力の研修という部分では認知症対策推進協議会のもとで平行してやらせていただているという形になろうかと思う。
(山田委員長)
それでは、今の情報提供を参考にしながらそれぞれの部門の報告をしていただければと思う。
(2)高齢者虐待防止部会報告
(事務局)
<高齢者虐待の状況及び部会の取組みについて事務局説明>
(吉井委員)
件数だけの集計だと内容がわからない。先ほど事後対応マニュアルという話もあったが、軽症のものもあれば、重大なものも含まれているかもしれない。それによって、対応や再発防止の仕方は変わってくる可能性がある。数字だけ並べられたのでは、今後の対応を考えていく上では不十分なデータである。もう少し踏み込んだ解析をしないと本来の意味でのマニュアルの作成につながらないと思う。
(山田委員長)
事例的なものというのは、個人情報保護条例など情報関係のところで何か制約などがあるのか。
(事務局)
事例検証というと、時間もかかるし数多くできないというところがあるが、1件1件の事例の概要を共有する機会を作ることは今後必要であると考えている。
(松浦副委員長)
事例を細かく見ていくことはすごく大事だと思う。1事例だけではなくて、例えば象徴的な3事例くらいを見て、共通する課題は何かとか、個別に考えなくてはいけない例えば介護者のメンタル的な面とか、共通点と個別と分けて考えるとより細かくそのマニュアルの内容が見えてくると思う。
(山田委員長)
部会では、隔年に一度事例集を出していた。その時には困難事例を中心に典型事例というのを市町村に照会して出していただいて、介入についての事例集を作った。2回目の事例集作成の時には、定期的に情報収集する仕組として、フォーマットをある程度確定した。事例集をつくるために事例を出して県の単位で共有していくということはしているが、毎年やっているわけではないので、そろそろ最新の傾向の事例を市町村から出していただいて事例集として県内で共有するということを毎年度行う等、考えていくことも必要かもしれない。
(吉井委員)
医者の立場で実際に経験した話であるが、単なる言葉だけのいじめもあるが、いじめが暴力につながっていて、ぼこぼこにぶたれて救急外来に運ばれてきて青あざだらけという例もある。それらを同じものとして扱うというのは問題で、後者の場合は、高齢者なので、死亡につながる可能性もあり、非常に大きな問題である。ぼこぼこになってしまうようなことが起こった背景があり、親子関係の確執等認知症の人が虐待を受けていたりするケースも取り上げないと、殺人とまでは言わないが、重大な事故につながる虐待を本来の意味で防止することは難しいと思う。マニュアルを作るうえで、十分な分析が必要である。ある程度事例を集めなくてはいけないし、人間の生死にかかわるような激しい虐待に関しては特別な事例として取り上げて示しておかないと、あとからどのようなことが問題だったのかということを察知できないのではないかと思う。かつては認知症という病気は社会的にみると恥ずかしい病気という印象があった。発症すると家族は家の中に押し込んで一歩も外に出さないで、暴力的な状況が起こる可能性が結構あった。我々医者としては、重大な虐待を受けたケースを見ているので、事実としてお伝えし、1件1件事例として検討いただいたほうが良いかと思う。
(中澤委員)
通報件数について、誰からの通報かとの分析はされているのか。
(事務局)
家庭の中で起こっている虐待の通報で一番多いのは、ケアマネや介護事業所の職員が多い。介護サービスを利用している人は発見される可能性があるが、介護保険サービス未申請の場合は見つかりにくい。施設従事者等による虐待の通報は、施設職員からの通報が一番多い。
(中澤委員)
通報するまでの期間はどうか。虐待だということを認知してからすぐに通報しているのか、それともある程度期間を置いてから通報しているのか。1回の虐待で通報しているのか、それが何か月も続いてから通報しているのかというところを知りたい。通報していいのだろうかと迷って通報していない方もいらっしゃると思うので、通報できるような形にするためには、そういったところも調べたほうが良いのではないかと思う。
(事務局)
通報者がどういう段階で通報しているのかという調査は、確かにない。
(山田委員長)
研究では、最近日本社会福祉士会の学会誌に投稿された論文であるが、通報時の特に専門職の行動では、職場の上司や関係の同僚たちに相談しながら通報しているというのが在宅の虐待だと一般的である。施設のほうは調査はないが、私が意識調査をやった時には、3分の1がためらいなく通報、3分の1が上司に相談、3分の1が通報しないという結果だった。施設の場合の具体の通報行動は、あまり促進されていないと言える。ただ、通報をうける行政の側の感想だと、退職したあとの職場のもめごとの範囲の一つではないかということで、確認が必要だという話も聞く。研究者間の認識では、職員としてはやめた職場の通報をしてもメリットがないという理由で、あまり通報行動にはつながっていないのではないのかと思うが、通報を受ける行政のほうは結構気にされている傾向があると感じたがどうか。
(事務局)
そういう職場内のトラブルということも多くあると思われるが、事実確認をしないとわからないことなので、慎重に事実確認をして、本当に被害を受けている人がいるのかどうか、それぞれの市町村で現場に行って確認する場合もあるし、聞き取りの中で確認する場合もある。
(山田委員長)
その辺は武藤委員、どうか。
(武藤委員)
平成27年度の通報件数についてだが、多分事業所間では温度差がかなり大きいと思う。言葉の虐待でも、すごくアンテナを高くして、どうなのだろうと相談から始まっているというところもあれば、身体的虐待があって通報するところもある。通報が急増していると先ほど言われていたが、働き手の側がアンテナを高くしていれば、ちょっとしたことでもすぐ通報という形になってしまうなど、通報の中身というのはすごく問題だなと感じるところ。職場間のトラブルで辞めた職員が後で通報するというのも他県で聞くことはよくある。私自身はそういった経験はないが、辞める時の辞め方が理不尽な辞め方だったから通報したとか、業務内容がすごく過酷で、上司に相談を持ち上げてもなかなか改善しなくて、人手が少なくて虐待が起こったから通報してしまうというのも聞いたりすることがある。家庭の中の虐待については、もう少し注視していく必要があると思う。家庭内の虐待で男性介護者が非常に多いという中で、親子関係でどこまでを暴力であると見極めるのかというところだが、親子関係だからこそOKの部分が結構あったりする。最近かなりケアマネジャーの質的な問題が出てきていると言われている。ケアマネジャーが自分の抱えているケースがどれほど重度な虐待を受けているのかということを十分に把握しないまま、分離のために施設入所ということになってしまうと、その課題は全然解決されないまま、明るみに出ることもなく終わってしまうということが結構ある。特に在宅の場合どこまでがご家族の範疇、というところで許せるのか許せないのかケアマネジャーは迷う。そこまでケアマネジャーが入っていっていいのかどうか、時には関係ないでしょと言われてしまうとそこから先は踏み込めないということだってケアマネジャーの立場としてあったりする。居宅介護支援事業所も上司などに相談できる土壌があると良いが、決してそういう事業所だけではないし、少人数の事業所も多い。ケアマネジャーから通報があった時にそのケアマネジャーの経験値がどれくらいあるのかというデータは、今後事例を作ったり、地域の包括の中にケアマネの教育システムを作っていくという中で、重要なデータになってくるのではないかと思う。
(山田委員長)
地域包括でいうと権利擁護対応のソーシャルワーカーというよりは、主任ケアマネジャーがいかに地域のケアマネジャーと連絡を取って未然防止をしていけるかということが大きいが、まず虐待案件への対応に一生懸命なところなので、未然防止、予防というところもしてはいるが、しっかり分析されているわけではないというところが実態かと思う。通報を受ける側の行政として、小枝委員どうか。
(小枝委員)
高齢者虐待の事後対応マニュアルについてだが、吉井委員もおっしゃっていたが、フローはフローとして皆さんわかっているが、通報が入った時にそれが虐待かどうかということについては、かなり個人的な認識に違いがあるような気がしている。皆さんやはり、そんなはずはないという思いがあるので、担当者によって非常に左右されると実感している。マニュアルを作るときには手順というだけではなくて、事例を少し盛り込んでいただいて、これも虐待として扱うというあたりをもう少し膨らませると良いのではないかと思った。通報を受理した側が、これは親子関係などの問題だから虐待には認定しないということが過去あった。市の受理から認定までの仕組は現実はどういう感じな
のか。
(相模原市)
私の部署は、所管しているのが施設の方の部分だけで、在宅のところは直接対応していないので、その質問にお答えできる環境にはないが、相模原市で今年度新たに始めた取組をご紹介する。相模原市の場合は政令市とは言ってもまだ成り立てであるし、ある程度コンパクトに構成されているという都市観もあって、民生委員が70歳以上の一人暮らし高齢者及び高齢者夫婦世帯を今ぐらいの時期から年末にかけて必ず1回戸別訪問するという事業を実施している。これは、過去に虐待の死亡事故があったことを契機として始めた経過があるが、さらに、親一人子一人の70歳以上の高齢者と一緒に住まわれている息子さんや娘さんの世帯に虐待の通報が多いということがあってから、今年度民生委員と連携をして、その戸別訪問事業に親一人子一人世帯に対しても併せて民生委員に訪問してもらおうと今まさに始めたところ。我々としてはその推移を見ながら今後また状況について考えていきたい。とりあえずそこまでは体制は整ってきたという状況。
(山田委員長)
横浜市はどうか。
(横浜市)
我々も高齢施設課で、施設の虐待を扱っているので、在宅の虐待には直接携わったことがない。施設の虐待だと、数字を出しているわけではないが、印象としては、今話題に挙がったような職員の方からの通報が多い。その次はご家族からで、家族も直接見たり聞いたりしていないケースが含まれていたりする。調査は必ず何かしらかの形で実施するが、傾向として一番調査がやりやすいのは、例えば時間とか場所とか対象者等が特定されること。調査の際、外に出す情報ではないが、特定されていないとまず事実確認ができない。通報者等の情報提供元は明かさないとしても、もともとの情報がそこに絞れないということが結構多い。そして、その通報者が施設を辞めた職員というケースだと、情報としての信憑性に疑義が生じるということは、少なからずある。
(松浦副委員長)
地域をくまなく訪問していくという話があったが、世田谷区では、地域包括にお金を投入して戸別訪問をやっている。そこで、新たな問題のあるところを発掘してそれを地域包括につなげられているという発表を委員会で聞いた。方法としては一つであるが、金銭的な問題でいかがかなと思う。それから、去年だったか、三崎警察署で、認知症サポーター養成講座をやった。認知症のことが管内であまり理解できていなくて、当事者が私の財布が無くなってしまったとかうちの夫が盗んでいるようだとかそういうことを何回も足しげく言いに来ることなどにどう対処していいかわからないし、どこにつなげていいかもわからないという声がすごく多かった。そこで、地域包括とそこだけの関係で情報は外に出さないということで、まずそこでつながりましょうという話をした。そういうことをきっかけに地域の中の家族関係だとか認知症の人の新たな発掘とかにつながったので、それはちょっと良かったかなと思う。実際、警察署にそういう人が相談にくるケースは多くないか。
(神奈川県警)
多い。私も今この立場で、認知症の高齢者の担当と高齢者虐待の担当をやっているが、基本的に高齢者虐待について家族の方からの通報が多くなっている。警察に連絡がきている時点で、もう切羽詰まって自分の身が危ない状態で通報してきているが、やはり相談する場所がなくて警察のほうに連絡してくることが往々にしてある。110番以外でも警察の相談窓口があるが、そこにも自分の息子から言葉の暴力を受けているとか直接身体的には危害はないがその場合どうしたらいいかという相談もあり、年々増えているような現状。認知症についても警察のほうとして知識はないが、私も今、キャラバンメイトとして各署や新人の警察官に教養している。やはり警察官は認知症の知識がないので、相談を受けてもどこに相談していいかわからない、自分も知識がないので、何をしていいのかわからないというのが現状。
(松浦副委員長)
実際、そのように相談にきたことについては、どこかにつなげるのか。
(神奈川県警)
基本的に高齢者虐待については、警察官は高齢者虐待という認知ができる専門職ではないので、相談にきたものについては、区の担当者へ通報という形で対応依頼をしている。
(山田委員長)
高齢者虐待防止法がスタートした時から警察との連携はしている。
(神奈川県警)
高齢者虐待防止法が施行されて、警察庁からもそれに基づいて市へ通報して協力体制をつくるとか、また行政から立入等の援助要請があった時には協議した上で対応していくということで指示を受けているので、その流れはできていると思う。
(相模原市)
警察から市のほうに虐待の連絡票が来る。
(神奈川県警)
高齢者虐待通報票という形で警察署長名で各市区町村に通報という形で対応依頼をしている。基本的に刑事事件のように暴力を振るわれているような身体的なものについてはすぐ警察が入って加害者を引き離して話を聞いたりだとか、事件になれば逮捕してということもやっているが、それにつながらないものについては、市区町村への通報という形をとっている。
(山田委員長)
中澤委員に質問であるが、障害者虐待のほうでは、札幌事件と言われているものがあったように、通報することで通報した職員への報復的訴訟が起こるという傾向が出てきているが、高齢者については職員が通報したことで、施設から相談がくるというようなことを聴いたことはないか。
(中澤委員)
私自身はそういう対応をしたことはない。
(山田委員長)
経済的虐待などで、関わる事例などはあるのか。
(中澤委員)
施設に入っている方だと、ご家族が利用料を払わなくてはいけないところ、払わなくなってしまい、経済的虐待ということで区のほうで認識するということはあるかと思う。
(山田委員長)
法律関係の専門職との協力も欠かせないというところである。
(中澤委員)
結構時間がたってから相談があったりするので、なかなか連絡が取れないとか、支払いがちょっと遅れたという段階で相談をしていただければ、早く解決できるのではないかと思うことはある。
(横浜市)
横浜市では市役所ではなく各区役所で在宅高齢者の支援をしているが、高齢者虐待の対応においては法的な観点から判断に迷うことが多いため、(高齢者の尊厳を守るため、必要な支援はなにか、という視点で)神奈川県弁護士会高齢者・障害者の権利に関する委員会所属の先生に各区担当という形で随時(虐待に関する相談に特化せず、権利擁護全般の)相談ができる体制をとらせていただいている。たとえば、施設からの(経済的虐待の疑いの)相談や、在宅で生活されている方の虐待の疑いについて、具体的な事例で虐待と判断するにあたり、どこに注目するかとか、成年後見制度が必要と思われる区民に対し、法的に確認すべき点等を随時、区役所の担当者と弁護士の先生とで、(電話やFAXで)直接やりとりし、助言をいただいている。
(中澤委員)
横浜市は輪番体制で弁護士が各区についている。川崎市ではたまに研修会などで弁護士が入っての事例検討会などがあったりするが、もう少し定期的に気軽に相談が受けられるような仕組みがあれば良いと思う。
(山田委員長)
法律専門職との連携というのがますます必要になってくる。
(中澤委員)
事例などについてお話していても、施設の方や実際に関わっている方から、これを虐待と言っていいのかどうかというご相談が多いような気がする。そこで悩んで悩んで時間がちょっと過ぎているということがあるので、その期間を置かないというか、そう思った時点でちょっと相談できるという仕組みが必要だと思う。
(山田委員長)
弁護士に相談するのはなかなか敷居が高いという印象があるが、そのあたりはどうか。
(横浜市)
横浜市で弁護士相談の担当になっていただいている弁護士さんは担当が毎年変わったりするが、いろんな事例検討の場に来ていただいたり、(支援困難事例において)必要があれば区役所まで来てネットワークミーティングに参加いただいたりとかしているので、いろいろなアドバイスをいただくなどのご協力をいただいている。
(山田委員長)
横浜市さんの状況が他の市町村でも普通の姿になればいいなと思うので、弁護士会のほうにもよろしくお願いしたい。
(相模原市)
ちなみに、相模原市でも虐待の件で、弁護士の先生に相談することもできており、横浜市さんと同様に関係としてはできていると思う。先ほど経済的虐待の話があったが、施設での経済的虐待、要するに介護職員による金銭搾取というような案件が、実はここのところ相模原市の場合は虐待の中で多くなっており、昨年度が3件、今年度が1件あった。先ほど数の話で、26年度に比べて27年度の数が増えているという話があったが、多分28年度の数はもっとびっくりするほど施設虐待は増えていると思う。相模原市でいうと、27年度は通報が4件だったのに、28年度は15件もあった。今年度は今の段階で既に10件受けているので右肩上がりだと思う。要因は一昨年度の有料老人ホームでのいわゆる殺人事件が契機になって虐待に関する意識が高まり職員や家族からの通報が増えてきたという印象がある。昨年度の経済的虐待については、介護付き有料老人ホームいわゆる特定施設の職員が同じ職員からあるいは入居者から金品を盗っていたというような案件や、或いはデイサービスの管理者が利用者から多額のお金を借りていたというような案件があり、そこらへんは指導していくのだが、ヘルパーが金銭搾取したという事案は、非常に指導しづらい。というのは市に通報があがった段階で既に警察にも話が行って捜査の対象となっているし、また該当職員は施設をやめてしまっている。施設に対してどういう指導をするのかというところがなかなか悩むところ。
(山田委員長)
こんなことが、というようなことが最近はあるので、そのあたりも都道府県が把握して注意喚起することも必要。また、最近の傾向というものを市町村から常に挙げてもらうことを毎年したほうが良いかと思う。
(3)拘束なき介護推進部会報告
(事務局)
<拘束なき介護推進部会の取組みについて事務局説明>
(武藤委員)
これまでの身体拘束廃止推進モデル施設研修の内容が、大きく変わったわけではないが、これを現場にどう展開していくかということは、管理者の方がどんな意識を持っているのかということが一番だと思うので、期待を持って今後見ていきたい。
残念なのは、高齢者施設の中での虐待が減るどころかどんどん増えていく傾向にあること。それは、アンテナが高くなったということではあると思っているが、一方でかなり陰湿なものも増えてきているという中で、冒頭で板橋委員のほうからお話があったように介護従事者の不足というのが、何よりも大きな課題としてある。国でもいろいろな施策はされているようだが、現場は人がいないということで、本当に疲弊しきっている。きちんとしたケアをしようと思っても人がいなければ追われてできないというのが、現場の生の声だろうと思う。人がいなくて、昨日まで介護とはまるで関係のない人が介護現場に入ってきて、一か月もたたないうちに夜勤になってという負のスパイラルが常に介護現場の中で起こっている。神奈川県は今回、介護福祉士の専門学校もかなり閉鎖することになっているが、ますます人材不足の状況があるので、国だけに頼るのではなく、神奈川県独自で何か一般の現場にフィードバックできるような取組をできないのかなと思う。我々の施設はまだまだ派遣の人に頼ることなくやれているが、介護経験がない人が入職して、その人が一人前になれるための人材育成にものすごく時間をかけても途中で挫折してしまうことがある。この負のスパイラルが時に虐待につながってしまうのではないか。介護施設でこのような事故が起こってしまうのは、事業所で働く者としてはとても遺憾であるが、働く人や環境という根本のところをどうやって支えていくのかというところ、神奈川県独自で何かできるようなことがないのかといつも思っている。
(板橋委員)
今、第7期の、市町村では介護保険事業計画、県では高齢者保健福祉計画と呼んでいる介護保険事業支援計画を策定している途中であるが、どの会議においても、何か人材確保の取組をやってほしいというご意見をたくさんいただいている。県の方では地域福祉課が人材確保についての事業を担当しており、いろいろな事業をやっている。今はどの分野でも人材不足と言われている中、どうやって介護人材を確保すべきなのかというところ、いろいろ基金も持っているので、その基金のご提案もいただいたりしているが、なかなかこれといった効果的なものがないという状況。多分みなさんに、人材確保についてどういった取組が行われているかということを、なかなかお伝えできていないのかなと思う。今、地域福祉課とも話をしていて、全体的に参入促進や人材確保、先ほどの資質向上の取組など、県や市町村やいろいろな機関でこういったものをやっていますというところをお見せしていかないと、多分納得いただけないかなと思っている。また、何か有意義なご提案があれば、検討させていただきたいので、よろしくお願いしたい。
(武藤委員)
人材確保の問題をここで議論するわけではないが、まずそこがベースになってこういった問題が上がってくるということ。職場の中で調査してみたら、一人の職員を育成するのにマンツーマンで教えると、金額的に計算すると120万円くらいかかっているのが現状。初任者研修などを受けた人たちは、虐待のこともテキストの中にちゃんと入っていて学んでくるけれど、実際現場の中に入った時には、そこまで至らないというところ。これは各事業所で初任者研修をやっているところが多いという中では、事業所がどう取り組んでいるのかということである。管理者研修で、管理者の方に人材育成として、まず権利擁護というところを新人の職員にどんな形で伝達していくのかということを何か伝えられるのではないかと、期待したい。
(松浦副委員長)
これから高齢化とともに少子化で、マンパワーは絶対的に不足していくわけで、そうすると今までみたいな施設運営のモデルというのは通用していかない時代になると私は思う。今は定床満杯に入れてそこに人材を入れて収入を確保してという考え方であるが、実際にはもうマンパワーはいないわけなので、満床稼働ということは不可能なこともある。そうすると利用者の生命、安全を確保するために、職員がどのくらいいて、どのくらいのスキルを持っている人がいるのかということも総合的に考えて、施設運営80%でなくて今はとりあえず90%にしなきゃ安全が保てないとか、そういう施設運営モデル自体を考えていかなきゃいけない時代がくるのかなと思う。足りない、足りないと言ってももう絶対数が少なく、どこからか集まって来ないのだから、今は介護ロボットの問題とかいろいろあるので、そちらに依存していいところと、どうしても人が手をくださなきゃいけない部分とかを整理しながら、考えていかなくてはならないのかなと思う。
(4)神奈川県認知症対策推進協議会報告
(事務局)
<神奈川県認知症対策推進協議会について事務局説明>
(山田委員長)
ライトアップというのは簡単にできるものなのか。
(板橋委員)
決まってから2週間で準備した。たまたま乳がん検診の普及啓発であるピンクのライトアップが翌日だったので。
(山田委員長)
ライトアップとなると暗い時間帯で県庁周りの人通り等、見てくれる人がいるのか。マスコミなどの取材はあったのか。
(板橋委員)
今回は、急な話だったので手作りでやったが、たまたまTVKで認知症についての取材があったので、そこでちょっとご紹介いただいた。
(事務局)
ポータルサイトにその部分は掲載しており、ライトアップのテレビ取材のところも入っているので、ご覧いただければその時の様子などもダイジェストで見ることができる。
(山田委員長)
吉井委員からご意見をお願いしたい。
(吉井委員)
いろいろ事業を展開しているが、若年性認知症にもう少しスポットをあてて対策を考えるというのが重要課題。実際にどのくらいの若年性認知症の患者がいるのかという検討も不十分である。特に高齢者認知症との違いという点で言えば、就労支援という課題があるが、まだまだ働ける人が社会から脱落していくわけで、数少ないそういう人たちをいかに支援して、社会資源として活かしていくのかという対策を考えている。今回コーディネーターを2か所に配置したところであるが、実際どんな問題が起こっているのかという報告はまだもらっていない。多分いろいろな問題が出てきているので、一つ一つ検討して対策をたてていくことが、こういった人たちを支援していく一つの柱になっていくのではないかと思う。まだ、始まったばかりである。
(事務局)
今4か月の実績としては横浜のコーディネーターはだいたい50件くらいと曽我のほうが30件ということで、やはり県西のほうが少ない。横浜総合保健医療センターは、確定診断で毎月10件ほど新規の方がおり、告知のところからコーディネーターが立ち会って、そのあとの支援をすすめている。曽我病院エリアの県西のほうは、確定診断される方が少ないので、各地域で実施している若年性認知症の集いに行かせていただき、困っている方に出会いながら、いろいろな相談を受けており、アウトリーチな形が多い状況。集いなどで、新規の方の話を聞くと、告知されてから10年くらいどこへも行かずに家族が抱えどこのサービスも受けられないで、次にどうしたらいいのかという形で来るという状況がある。地域の受け皿もあまりなく、障害の関係の就労ABの作業所には受け入れが難しく、介護保険も高齢者が行っているので、やはり50代の方は、抵抗があるので行きづらいという状況。また、仕事では、最初は物忘れが多くなってくるので、電話対応もなかなかできなかったりすると、職場から少し休職したらという形で勧められて、3年くらい休んで結局退職するという流れがある。そんな話をお聞きするので、なかなか難しい課題が多いと感じている。
(吉井委員)
情報共有も非常に重要で、センターは本来、認知症の早期発見、早期治療が軸になっているが、若年性認知症の問題もある程度取り入れながら、対策をたてるような方向性でセンターの機能を変えていくようなことも今後検討したほうが良いかもしれない。
(事務局)
これから5つの認知症疾患医療センターにヒアリングを行う。今後、2次医療保健圏域ごとの地域との連携や、サポート医との連携の強化、また、平成30年4月から全市町村がやっていく初期集中支援や推進員関連も認知症疾患医療センターが中心に、地域の拠点としてすすめていっていただけたらと思っている。2月にはヒアリングの結果を踏まえての連絡会議を実施する予定。
(吉井委員)
初期集中支援チームについては、今はあまりにも認知症患者が多くなっていて、問題事例への対処という、本来の目的から外れて活動しなければいけない状況がある。なるべく家庭の中に踏み込んで調査していく必要がある。認知症の患者さんはもっとたくさんいる可能性がある。虐待と同様に、報告がないとわからないが、家庭に入り込んで調査してみるとひょっとするともっといるかもしれない。認知症も病院に来てくれる人は認知症ですと診断できるが、それは一部かもしれない。各家庭の中にチームを作って入りこむと、単なるお年寄りだと理解されている人が、実は認知症の始まりだったということもあるかもしれない。認知症もがんと同じで早期発見、早期治療が大事である。悪くなってからだと家族への影響も大きくなる病気だと思うので、初期集中支援チームによる早期発見をこの認知症対策推進協議会の大きな柱の一つとして今後もう少し力を入れてやっていかなければならない。本来の意味での早期発見といった事業を展開していく必要がある。ただあまりいっぺんに多くのことはできないので、ひとつひとつやっていく。センターも12か所でき、初期の目的もある程度達成してきているので、次は若年性認知症と早期発見という意味での初期集中支援チームの体制の強化が課題になる。ますます高齢化してきて今後認知症の患者さんが増えるだろうと推測されているが、実はそれは日本だけの話であって、海外ではもう対策が非常に進んでいる。この領域における医療対策レベルの違いに関係してくるのかもしれないが、欧米では認知症の患者さんはある程度横ばいまたは減っているということで、対策が立てられている。本来の病気を治せないとしても、高血圧とか高脂血症、糖尿病をきちんと治療することが認知症の悪化を防ぐということがわかってきており、また運動を推進するといったことが重要になっている。ご存知かもしれないが、イギリスではたばこは認知症に非常に悪いということからロンドンのたばこの自動販売機は全部撤廃されてしまったらしい。それだけ徹底しているし、スーパーマーケットでは塩分が高いものは店頭に置いてはいけないという施策があると聞いている。このように、増えている認知症の患者さんに対する対策を考えるということも重要だが、いかにして認知症の患者さんをこれからの高齢化社会の中で増やさないかということも考えていかないといけない。
(山田委員長)
認知症施策について、警察のほうではどうか。
(神奈川県警)
今、増えているのが、認知症患者の交通問題。免許を返しても車を運転してしまうという人が結構ある。そのほかにも行方不明という形でいつの間にか外出して帰ってこないという事案が結構増えている。家族の方でGPSなどをつけている方もいれば、そのまま放置している家族もいる。なかなか対応がすすまないが、警察としても認知症患者を持っている家族に対しては、保護した時に家族を呼んで一つ一つ説明した上で、こういった機関だとか紹介した上でいろいろ対策を練ってもらうとか、免許証については、物理的に車をなくしてもらったりという対策をご紹介したりという対応をとっているところ。
(吉井委員)
免許証の更新について医療機関に警察や公安委員会から相談があるが、相談を受けた時点で、だいたいは医学的に判断をすると難しい結果となる。大丈夫ですよと言って、あとから事故などが起きたら犠牲になる人が出てしまう。
(山田委員長)
車の運転に関しては、精神障害の方などの人権にも関わってしまうので、なかなか制限をかけるということは難しいが、制度設計を考えないといけない。
(神奈川県警)
警察署のほうでもいろいろ工夫しているみたいだが、なかなかすすまない。免許証を取る人にいろいろ検査をやった上で、認知症の疑いのある人にはもう一度詳しい検査をやってもらうというところから始めているのが現状。いきなり免許証剥奪というわけにはいかないので、段階を踏んで法律を改正している。
(山田委員長)
時間になったので、事務局にお返しする。
以上