審議結果:第22回 かながわ高齢者あんしん介護推進会議

掲載日:2019年8月7日

様式3-2

会議記録

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称 第22回 かながわ高齢者あんしん介護推進会議
開催日時 平成28年10月19日(水曜日) 9時30分から11時30分
開催場所

神奈川県総合医療会館2階 会議室A(横浜市中区富士見町3-1)

出席者
委員長◎
副委員長○
山田祐子、中澤陽子、渡邉二治子、武藤とみ子、吉井文均、永井雅子、青木良夫の各委員、
横浜市(1名)、川崎市(1名)、相模原市(1名)、横須賀市(1名)、事務局(5名)
次回開催予定日  
問い合わせ先

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福祉部高齢福祉課

下欄に掲載するもの 議事録全文  
 

1 あいさつ

青木高齢福祉課長

 

2 議題

(1)平成28年度かながわ高齢者あんしん介護推進会議関係開催状況等

(事務局)

<平成28年度かながわ高齢者あんしん介護推進会議関係開催状況等について事務局説明>

(2)高齢者虐待防止部会報告

(事務局)

<高齢者虐待の状況及び部会の取組みについて事務局説明>

(山田委員長)それでは委員の皆様ご質問ご意見をよろしくお願いします。

(中澤委員)事例検証について検証の必要な事例があると6市町村が回答しているが、検証委員会を設置しているのは5市町村となっており、事例との差があるが、1事例は検証をしていないのか。

(事務局)第三者性を担保した形では実施していないが、事例の振返りということで実施している市町村もある。

(中澤委員)事例検証について各市町村でそれぞれであるということで、市町村ごとの情報交換や一定のルール作り等の必要性はあると思う。

(山田委員長)高齢者虐待は、児童のように事例検証が義務化されていない。東京都は事例検証ということで事例を提出してもらっているが、全国的にも神奈川県が検証を始めるということは意味のあることで、今回報告書を作成するということは大変意義のあることだと思っている。それでは次に武藤委員よろしくお願いします。

(武藤委員)一斉点検の実施は、意義のあることだと思う。現場の中で質の向上というのは大切である。現場では人がいないと言う中で、意識は高いが組織の中での管理職の意識が高くなければ、なかなか取組みは進まないのでこういったところで何か取組みができればよいのかなと思う。実施率が50%ということであるができれば、これを90%くらいまで上げることが出来ればよいと思う。そして現場での振返りができると一斉点検の意味があると思われる。現場では様々な業種から転換して介護の仕事に就く中では、緊急の課題かと考える。

(山田委員長)ありがとうございます。それでは吉井委員お願いします。

(吉井委員)高齢者虐待は年々増加している。いろいろ対策を立てているにもかかわらず、数が増えているということは、対策の内容が不十分であると考えざるを得ない。ただ、考えられることは通報のシステムが変わっているのであれば、数の増加は否めない。いろいろな対策の内容そのものが減少につながっていないのであれば、そのものが問題であると思う。減少させるような内容を考えないといけない。これはただ高齢化が進んでいるだけ、認知症の患者が増えているだけという問題ではない。虐待を起こすような社会背景があるのに県として十分な対策が立てられていないと考えられなくもないので、高齢者虐待防止部会を含めて再検討する必要がある。

(山田委員長)ありがとうございます。いただいたご意見は、現在実施している死亡事例検証の第2回目で、虐待をしてしまった家族への支援について、検討している。虐待のリスク、危機感の共有ができなかったのかなど意見が出されているので、今までのやり方のみではなく、どのような支援ができたのかも検討している。

(吉井委員)部会の中だけのことに留めないためにも、虐待を起こさないための方法、虐待防止のシステムづくりを県として実施していくことが必要である。部会の中では非常に質の高いデイスカッションが出来ていると思うが、現場にまでそのことを伝えるには十分には至っていない、状況であり、同じことが繰り返されている。来年度には実績として減っているということが示されなければ、何をやってもその効果が出てなければ意味がない。もう少し減少する方法を検討し直す必要がある。

(山田委員長)本日は政令市と中核市の方にも参加していただいている。高齢者虐待防止部会としての議論でも、養介護施設従事者による虐待も養護者による虐待の数も現状を反映していないのではないかという意見を聞いている。一斉点検についての報告は、施設により実施率に差があるということで部会でも意見が多く出ていた。また職場内での意見交換にも差があることも気にかかるという意見が出ている。報告している施設は優良施設であり、提出していない施設が非常に気になるところである。そのことも含めて、政令市、中核市の方々に、ご意見をいただきたいと思う。それではまず、横須賀市はいかがでしょうか。

(横須賀市)一斉点検については、虐待通報が入ると事実確認の調査をして介入はしているが、事後フォローで一斉点検の実施を促し実施報告を確認するということで活用している。実地指導でも確認して、実施している施設が多いと感じていたので、横須賀市内の施設はほとんどがやっているかと思っていた。虐待通報での介入後には事後フォローとして研修をやっていくが、残念なことに介入した施設でもまた何度も虐待の通報が入ってしまう施設もあるという現状である。通報が入れば、すぐに調査に入っているが、必ずしも深刻という訳ではない。また、養護者による虐待は、横須賀市は平成27年度は少なくなっている。理由はわからないが、ケアマネジャーの意識が上がってきていて、自分たちである程度対応しているのではないかという感じである。横須賀は虐待の件数は多い。決して横須賀市は虐待が多いのではなく、意識が高ければ高いほど通報の件数も多いと説明している。今回平成27年度は減少しているが、統計を見てみると一回減ってまた増えているということもあるので、今後減少していくのかどうか何とも言えない。平成26年度の増加の理由は、指導監査課で在宅の身体拘束について、集団指導講習会でも虐待に該当するということを伝え、在宅であっても3原則を守らなかった場合は通報が入ったり、今も事業者のかたから、拘束しているがよいかという連絡や相談ある。ただ、おむつ交換をし、ちょっと、動かないようにしているとか、結構細かいところまでのことがあると、正直在宅でどこまで虐待なのか考えてしまうこともあるが、指導監査課とも相談して虐待の予防の観点から意識を高めてもらうということで、必ず関係者で組織全体でやらない方法はないか考えること、身体拘束をした場合には記録を書いて残すということが大事なのではないかということで日々対応している。

(吉井委員)件数を減らすということを考えれば、県と違って市町村は小回りが利くので、単に通報が入るのを待っているだけではなく、現場に踏み込んでいくことも必要で実態調査をする必要がある。今の話にもあったが、単なる意識が高いということで片付けないで、例えばケアマネジャーや民生委員などは、実態をつかんでいるかもしれないので、その人たちから情報を得ることが必要かもしれない。また調査をする中で大きな問題が隠れていることもあり得るので、市町村の努力は必要である。

(横須賀市)実態調査というのは通報を待つのではなく、虐待の可能性があるのではないかということを把握することか。

(吉井委員)実態を把握する、たとえば、認知症なども同じで、何人いますよというのではなく、認知症の初期集中支援推進事業のように、チーム員が訪問をしてやはり、この人も認知症だったのかということに気づくということもあるので、実態調査は何らかの方法で必要なのではないか。今後は市町村レベルでやっていった方がよい。数を減らすことが目的であるので、そのようなことをしないと成果を上げることは難しいと思う。

(横須賀市)ただ研修は年3回必ず実施している。研修等による啓発と、加えて集団指導講習会の中では虐待のことは、必ず盛込み実施している状況である。

(吉井委員)ただ、一般化しているだけではだめで例えば認知症であれば早期に治療しなければならないということがあり、ある程度進行して病院に来た人たちを治療しても成果は上がらない、先に探しに行くような姿勢が必要であって、そのような状況で見つけ出すことが必要である。

(横須賀市)虐待の程度もどのくらいの程度であるのかということでも対応は異なる。

(吉井委員)通報のシステムそのものに問題があるのかもしれない。本質的な問題である虐待を減らすということが大きな目標であり、虐待なんかない世界にしたいということが最終的な目標であると思う。

(横須賀市)実態調査することによって意識を高めるというのは一つの方法であると思うが、今のところ研修や集団指導講習会での周知をしていきたいと思っている。

(山田委員長)いろいろなご意見をいただいたが、横須賀市は全国一と言ってもよいくらい様々な取組みを実施している市町村である。高齢者虐待についても、アウトリーチという切り口で、新たな取り組みとしてやっていただくと、また様々な取り組みにつながっていくのではないかと期待している。横須賀市の保健師活動は、非常に早めに虐待防止センターを立ち上げているような実績があるので、まずはより積極的なアウトリーチと地域づくりを実践し、また全国発信していただけるとありがたい。それでは、川崎市の方お願いします。

(川崎市)担当部署としては施設を指導する立場であるので施設従事者による虐待の担当となる。ちょうど昨年の今頃に有料老人ホームの事件があり、その後、今年度は集団指導講習会という形で、年間3回、虐待のみなならず関係法令についてもすべて実施するということでプログラムを見直した。また、実地指導をする、現場に行くスタッフを増員し、現場に足を運ぶ回数を増やし、また担当課長も置いている。虐待に加えて防犯も含め、今年は警察署、障害関係の事業所にも研修を実施している。大切なのは、虐待で入って認定をしたからそこで終わりではなくて、施設が本当に改善していくのかどうかということを、すべて書面ということではなく足を運び、再発しないような施設での対応をしてもらうことである。ただ数は2000を超えているのでなかなか十分にできるかということもある。また、記録について、再発防止をするためにどうするのか、どうして虐待が起ったのか、その発端は苦情であったりすることもある。あるいは事故報告書も同じである。事故報告書は県が作成したものを横浜市も使っていると思うが、それを基にして施設がこの報告書をどのように活用するのかも考え、様式を変更して活用してもらっている。実地指導でも事故報告書は必ず確認している。

(山田委員長)次に相模原市はいかがでしょうか。

(相模原市)6月から9月にかけて集団指導講習会を実施している。この中で虐待防止の観点からの指導もしている。それから、介護保険法23条に基づく実地指導を行っている。これは、通常3年に1回訪問して、虐待防止についても確認しており、最近はそれに加えて防犯のこと、防災のこと、相模原市で起こった事件のこともあり、メンタルヘルスのことも内容に盛り込んでいる。ストレスチェックが従業員50人以上の事業所に義務付けられたこともあり、そのようなことも含めて実践している。実際に虐待の通報がどのくらいあったかということでは、少なくすることがあるべき姿ではないかという意見も出ておりそのとおりだが、増加している。平成27年度は施設に関する通報は4件、虐待認定は1件、この1件は警察も関係している案件であった。職員が入所者の顔面を殴ってしまったという事件があり、虐待認定している。今年度はこの段階で7件あり、そのうち認定したのは4件、件数は昨年度より増加している。川崎市の事件が発生したことから、相模原市も研修を充実しているし、各施設独自での研修も充実してきているのではないかと感じている。認知症のことも理解ができると、今までは見過ごされていたことについて理解が深まり、今までやっていたことが虐待であったのではないかということに気付く。認知症で徘徊してしまう人の部屋のドアを開けないようにしていたことは、身体拘束になるのではないかと気付いたりしている。研修を契機に自分たちが気付いて、通報してきていると思う。今まで通報として上がってきていなかったことが上がってきているという状況がある。ただ、難しいと思っていることは、最近通報が遅いことである。事例としては、虐待をしてしまった職員を処分して、それから再発防止策を行った上で市へ報告をしてくるという状況で、市としては指摘しづらい状況がある。また、虐待を受けていた方は認知症の方が非常に多く女性が多いということもあり、保健師が同行して必ず当日か翌日には事実確認に入っている。認知症があると実際に自分が虐待を受けたという認識、確証を得ることが難しいことが、ジレンマとなっている。加えて処分をした職員のその後が、気になっている。ヘルパー2級などの資格を持っている場合も多く、その該当する施設では退職しても、市内の別の施設で仕事をしているかもしれない、そういった情報は個人情報でもあるので把握はできない。現場では人材不足ということもあり、採用する施設も多いと聞いているので、他の施設でも同じことをやっているのではないかということがとても気になっている。ただ、虐待が起こった場合には関係各課とケース会議を開いている。ここ最近は、件数が増加したのでアドバイザーにもそのケース会議に入ってもらって、具体的な指導についてアドバイザーから助言をいただきながら支援策を検討している。本日も1件通報があり、事実確認で職員が行っており、ひとつひとつの事例に対応して改善をしている状況である。

(山田委員長)まだ掘り起こしの時期ということで通報の件数が増加している。まだ通報が増えていくということが続きそうである。春日部市の施設では、その事件を起こした職員が退職して再就職をし事件を起こすというようなことも起っている。横浜市はいかがでしょうか。

(横浜市)平成25年が18件の通報があり、平成26年11件、平成27年19件の通報が入っている。平成28年度はすでに20件の通報が入っている。認定しているのは3件である。通報の件数がなぜ増加しているのかの検証はできていない。通報が入った場合には即日か翌日には事実確認をしている。先日の事例では、身体拘束があったということで通報があり、どのようなことが身体拘束に当たるのかが理解できていなかった。意識が高いところは、身体拘束のこともよく理解できていて通報があるので、施設による差があると感じている。このことについては研修を通して改善していきたい。あと、川崎市の事件を受けて、平成27年度からリスクマネジメント研修を実施している。また集団指導講習会でも虐待のみならず、防犯についても触れている。施設ではないが大口の病院の事件なども起っているので、事故報告書が上がってくる施設もあるが、市民の方からも、ちょっとでも心配なことがあると連絡が入っている。事実確認に入ったときには、虐待認定が難しい事案も多く認定もできず、どのような指導をしていくことがよいのか難しいことも多い。

(山田委員長)偶然ではあると思うが、それぞれの政令市でいろいろな事件が起っている。そのような中で一斉点検について意見を伺いたいと思う。保健福祉事務所等での一斉点検の活用状況等も含めてご意見があればいただきたい。

(永井委員)一斉点検で報告をしているところは優良なところ、提出しない施設について気になっているところである。そのような中でできることは何かということを考えると、保健福祉事務所は病院の立ち入りも実施しており、その中でも事件、事故報告も上がってきいてる。先ほど苦情をどうとらえるかという意見が出ていたが、インシデント、アクシデントについての分析を系統立ててやることも、重要なポイントではないかと思う。施設の職員の差があるということも、何らかの形で集合研修だけではなく、もう少し地域のネットワークの中で、身近なところで何かできることはないかと思っていたところである。感染症では出前講座を施設に出向いて実施しており、その際に高齢者虐待のことも含めてやれないかと思う。保健福祉事務所としても、虐待になる以前に何ができるかという視点でできることを検討したい。施設職員の知識の差も感じているし、先ほどの相模原市の方のご心配もあったが、施設は常に人手不足でヘルパー募集をしているので、働きたいと言う人が来れば採用している現状であると思う。

(武藤委員)今の永井委員のお話を聞いて思ったところであるが、私の施設は横浜市緑区にあり、横浜市や神奈川県だけの研修では追いつかないところがある。自らの職場内で言いにくいことがあったりする場合もあり、私は認知症介護指導者でもあり、地域の中で4人指導者がいて地域の事業者向けに認知症を理解してもらえるための勉強会を毎月実施している。高齢者施設の中での対応をどのように改善していくかという内容と、一方で地域の中で認知症の人と家族をどのように支えていくかということで、地域包括と連携をして認知症カフェを立ち上げている。実施するためにエネルギーは要するが、地域の中でその地域の課題を発掘し、地域包括と施設が連携し課題解決するための活動を展開している。私は施設に勤めているので、実地指導や監査などを受けるが、その場限りのものになってしまう。事業所によっては監査のときだけ上手に対応するところもあるので、そうではなく日常を通してやっていくことである。辞めていった職員の話があったのだが、この職員もそもそもどのような人であったのか、職場風土がどうだったのか、ストレスを吐き出す相手がいなかったとか、身体拘束も同じだが、管理者がどのような意識でいるのかにもよると思う。小さな施設であっても管理者へアプローチすることで、管理者の意識も高く持ってもらわないといけない。管理者が辞めたら身体拘束をやっているというようなことは、よくあることである。体を縛ることはしなくても薬を使うことになっている場合もある。実地指導はとても重要であるとは思うが現場の中では、一方で締め付けが強くなっているので、ストレスがたまってきている。ストレスチェックをやるのだがそれだけで改善できるということではない。ストレスチェックの結果で1ヶ月職員を休ませるということになると他の職員はまたきつくなるという現状が生まれる。かなり上手にやっていかないといけない。介護保険がスタートした時と同じ人員配置のまま、認知症の人が増加してきている。働く人たちも専門学校を卒業している人のみならず様々な業種の人がこの業界で仕事をしているという現状がある。指導と実務の両輪でやっていかないといけない。そのことを考えると地域の中でどうお互いに支えていくかということである。包括支援センターは地域のことがよく見えている。男性の介護者も増加してきている。今までは会社で仕事をしてきた息子が、母親の介護を始めて、どうも四肢の拘縮が気にかかり、虐待があるのではないかとのことでケアマネと地域包括が係って継続支援をして、他の機関も入れたネットワークでずっと見守りを継続し、息子さんもやっとカフェに出てくるようになり、介護方法に変化が見られた、改善していった事例もあり、1人の事例にかかわる時間が長い。多くある事例にどのように対応していくのか、課題もあるが小さなネットワークをたくさん作って地域で支えていくことが重要であると感じている。

(永井委員)介護保険制度がスタートするときに県庁にいた。このような時代が来るとは思っていなかった。スタートの時、思ったことは県の実地指導だけでは限界があるだろうと当時から思っていた。例として、保健所の食品衛生協会の組合員がまさしく行政と組合の会員が一緒にお店を回って歩くということを実施していた。これが地域に根付いたこと、組合員同士がお互いに指摘し合うという、組合員に見られるので組合員の店舗も一生懸命やるということになる、行政のみではできないことを相互に補完し合うというそんな仕組みがあるとよいと思った。武藤委員のご発言があった、その地域で関係者が集い、ケア質の担保をしていくということができるとうれしい、それをまた県がどのように支援していくのかと言うことになると思う。

(吉井委員)今は施設の職員に対してどのように研修をしていこうかということを言われているが、我々は臨床の現場にいるので、施設で起っているよりははるかに、家庭で起っていることのほうが多いと認識している。施設の研修をやってみても一部の改善策にしかならない、本質的な改善策にはならないだろうと思う。外来で診察していると、この家族はきちんと指導しないといけないのではないかということが分かることがある、その指導は市町村の仕事であると思っている。県では、規模が大き過ぎるので市町村でやってほしいし、個々の事例について、現場から問題を解決する方向性を考えていかないことには、この虐待については解決しないという印象を持った。事件化しているものもあるが、心理的虐待、ネグレクトというようなことは施設の中では拾い上げることは難しい。実際にお金を渡さない、高齢者をはじに押しやるような問題、認知症などに対する家族の対応の問題などがあるので、そのような問題を何とかしないことには虐待の問題は解決しないと思う。観ている視点が違っているが、本質的なところは同じであると思っている。

(山田委員長)それでは、一斉点検、高齢者虐待については、よいか。それでは次の議題に入りたいと思う。

 

(3)拘束なき介護推進部会報告

(事務局)

<拘束なき介護推進部会の取組みについて事務局説明>

(武藤委員)身体拘束については、従来の11項目に加えて、考えていく必要があるのではないかという意見があった。11項目についてやっていないから身体拘束をやっていないという認識の事業所もあるのでないかという現状である。実際にはスピーチロックやドラッグロックをやっている。最近は離床センサーを使っている施設も増えてきており、使い方として、どうしてその方が立ち上がってしまうのかということまで踏み込んで、アセスメントし本人のケアプランの立案をしないといけない。座っていてくださいということで使うのでは、行動制限になってしまうことになる。そういったところに目を向けていかなければ、11項目だけやっていなければよいということにはならない、言葉だけでやっていないというところも多くあるのではないかということもあり、アンケートを実施し、実態把握する必要がある。もう一つでは地域での活動ということ、地域の中で身体拘束の廃止を推進していきましょうと言っても、身体拘束が外れないのだけれどという相談は少ない。私ども施設も平成19年度からモデル施設となっているが、2施設のみの相談に留まっている。おそらく自らの施設のことを他施設に相談する、身体拘束をしていることを暴露するということはしたくないと思っているのでないかと思う。ということでモデル施設が地域で何ができるかということで集い、そこからモデル施設になっていない施設と一緒に何ができるか考え、現場の中で課題になっていることは何かということを考える機会があればよいと思う。人手不足の中で4日や5日の研修を継続して参加できなくても、1、2時間だけは近くの施設へ行って、情報交換することでそのような取組みであれば自分のところでもやってみようと思ってくれるような場があり、自らどうやっていこうかと思うようなことからの取組ができるとよいと思う。県内4か所で実施し、県の支援もいただく、施設同士が地域でつながり県が支援をするということで根付いていかれればよいかと思っている。

(山田委員長)それでは何かご意見ありませんか。

(渡邉委員)看護協会の役割は職能団体として、看護の質向上を目的に看護職を支援していくことである。施設で働く看護職に対しては3段階に分けて県からの委託を受けて研修をしている。第1段階として経験の浅いナース、第2ステップとして中堅のナース、次は管理職に対する研修を実施している。中堅の第2段階の講座に身体拘束の内容を組み込んでいる。昨日から研修が開始されており、1か月半の中で3日間の講座を組んでいる。定員60名であるが、150名を越える申込みがあった。出来るだけ多くの方に受講していただきたいということで80名近くの方に受講してもらうようにしている。現場のニーズとしてはとても高いということがわかった。

(山田委員長)看護職の方々に身体拘束のことを理解してもらう研修やモデル施設など神奈川県としては取組みが進んでいる。看護職は看護協会、その他施設の介護職については、モデル施設研修とそれぞれの立場で受講できるようになっている。何かご意見はあるか。

(吉井委員)先ほどの研修の対象は病院か。

(渡邉委員)介護施設で働く看護職の研修である。

(吉井委員)我々は病院勤務であるので、高齢者が多く看護職が少ないという現状においては、夜間での対応なども含めて、病院で働いている看護師に対しての研修も実施してほしい。

(渡邉委員)認知症も含めて病院の看護師に対する研修も実施している。

(吉井委員)入院している方はそれなりの理由があって入院しており、施設とは違うところで看護をしている。事故が起ると病院の責任になるので身体拘束をせざるを得ないこともあるのでその点を含めて今後の取組を実施してほしい。

(山田委員長)施設看護職の研修のニーズが高いようであるが、自主的な参加なのか、それとも施設から受講するようにということなのか。

(渡邉委員)両方である。連続してやると施設からの受講が難しくなるので、1が月半の間に3日間のプログラムということで工夫をしている。他県の様子も聞くがラダーに分けて実施しているところは珍しいということで他県からの照会もある。

(山田委員長)新人と言えども施設では、とても頼りにされると思うので重要であると思う。その他何かありますか。

(相模原市)先ほどの身体拘束の話の中で、離床マットのことがあったが一点心配していることがある。実は他の制度で国の一億総活躍社会の中での、介護ロボットを導入しようということで、見守りがあり見守りが何かということでそれが離床マットである。本人が立ち上がると、職員のPHSに連絡があるというようなシステムになっていると記憶しているが、1事業所300万円国が出すということで調査をした。結果としては92万円に減っているが今のお話の中では、離床マットを使うことのみが虐待ということではないが、どのように使うかということが問題になってくると思う。しかし実際に補助をして介護事業所にどんどん活用されるとなると、かえって使い方によっては身体拘束になってしまうということに漠然と心配をしている。

(武藤委員)2月か3月に応募締め切りがあったと思う。それを受けて、離床センサーの使い方を間違えると困ると思っている。私たちの施設は100床で6台のセンサーを使っている。これ以上増えるとセンサー対応で職員のほうが徘徊になってしまうということになる。本当の意味、その人はなんでその時間に立ち上がるのだろうということできちんとアセスメントができればよいと思うのだが、鳴ったから行って、座ってなさいということであれば使い方が違う。なぜに立ち上がるのかをしっかりアセスメントするために、使うことである。台数が増加してくると、立ち上がれなくしてしまうというようなことにならない、使い方をどうするか、今はアセスメントのために使って、使わなくなるためにどうするのか、きちんとアセスメントをしていかないといけない。利用者は身体拘束になるし、使い方であり6台が限界であると思っている。使い方次第、使い方を待ちがえてしまうと困ってしまうのではないかと思っている。

(山田委員長)最初から手を打っておかないといけない。

(武藤委員)最初から使い方を誤ってしまわないように、きちんと検討して家族へも説明する。PDCAサイクルを連動して回していく、離床センサーが付いたことで職員がセンサーに縛られるということになってしまう。また以外と離床センサーは簡単に作ることができる、某業界で作り方を出している。私は、これはとても危険であると思っている。企画も何もない、実際に購入すると7万も8万円もするものが、安価に手作りができるということがあり、乱用されてしまう。この人は離床センサーをつけているから大丈夫というようなことになり、見守りを怠るようなことになってしまうということになり、私たちが高い意識を持ち、ケアの質を上げていくためにも、自らの身を守るためにもどう評価していくのかということは、課題である。

(山田委員長)その他何かあるか。

(横須賀市)身体拘束ができないので骨折が起っても仕方ないというような、矛盾を感じる施設があった。身体拘束の廃止は進んでいるのに、事故報告の骨折は多くなっている、きちんとした根拠はないがそのような現状もある。

(川崎市)実際に現場に入っていると事故報告は多い。再発防止をするためにはその人その人一人ひとりのケアプランを立てる、なぜ骨折をするのかということをきちんとアセスメントしてプランを立てないといけないと思う。当然実地指導へ行ったときにもこの施設は骨折が多いと感じるところもある。施設に入りその中で確認をしながら指導していくしかないと思っている。また身体拘束はゼロにしているといっても、本当に必要な場合もあると思うのでその場合にはきちんと記録をとってもらって、理由がきちんとしていないとだめだと考える。家族への説明も含めてきちんとやっていないとだめである。医師の判断、ケアマネの判断、そのような中で誰もが、そのような方法しかないというようにしていく、そして見直しをして継続が必要なのかどうかも検討していく必要があると思っているので、施設がケアをきちんとしているのかも含めて、観ることが必要である。

(吉井委員)医学的に言うと、高齢者では骨密度は低く、特に女性の場合には閉経後には特に低くなっている。こんなことでは折れないのにと思うような場合でも骨折してしまう。一番心配しているのは、認知症がある場合で、骨折をして安静固定状態になると認知症が進行してしまうことである。私は認知症のある人は骨折すると回復を見込むことが難しいと思っている。もともと足腰の筋力も弱っているので普通の人であれば支えられる体を支えられず、思わず転んでしまい転んでしまうことも多い、認知症の人たちは80歳以上の方が多いので、骨折については身体的な状態も多分に影響していると思われる。

(山田委員長)そのほか何かありますでしょうか。それでは次の認知症対策推進協議会について事務局お願いします。

 

(4)神奈川県認知症対策推進協議会報告

(事務局)

<神奈川県認知症対策推進協議会について事務局説明>

(山田委員長)認知症施策については新オレンジプランあたりから、当事者の参加ということで変化してきていると思いますがいかがでしょうか。

年々増加していくとは思うが課題等その他要望等はあるか。

(吉井委員)認知症は早期発見早期診断が原則であり、今は認知症初期集中支援推進事業で、アウトリーチをかけていくことが喫緊の課題である。内科疾患も合併しているので、急性期治療が終わっても、施設でワンクッション置かない限りは家に帰すことはできない。そのようなことを考えると、今後の認知症施策としては認知症の実態を地域で早期に把握して、対応策を考えていく必要がある。

(山田委員長)本当に大変な社会を迎えるということで特に医療関係者にとっては認知症は大変な状況になっている、それがまた虐待や身体拘束になっていってしまうというようになってしまうので、認知症対策につてもがんばっていただきたいと思う。認知症の対応がうまくできれば虐待も減っていくということにもなるのでよろしくお願いしたい。

(永井委員)若年性認知症のワーキングに参加したが、当事者が入っていただいて当事者の視点での発言をしてもらった。診断が付いたときの気持ち、相談の場面での対応などを語ってもらいそれがまた、私たちワーキングのメンバーを動かすというというようなこともあったので、認知症でも特に若年性の認知症では当事者からの発言というものは重要であると認識したので、報告させていただいた。

(山田委員長)当事者の権利擁護というのが一番大切なところである。障害者の方が支援計画作成などに本人の希望が入ってくるなど、どちらにしても当事者の参画が認知症についても重要であるということだと認識した。特に報告があったことについて、何か意見がありましたら神奈川県へ連絡してほしい。ご意見を寄せていただければと思う。

 

 

以上