更新日:2023年4月27日

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水道水質の解説(1)

理化学項目等の解説

※ 水道水質については以下のリンク先もご覧ください。

神奈川県営水道の水質情報(浄水課ホームページへ移動します。)

keyわーど:亜硝酸態窒素

 亜硝酸態窒素は、水に含まれる亜硝酸イオン(NO2-)中の窒素を表し、窒素肥料や家庭排水などに含まれる窒素化合物が自然界で酸化されたものです(図参照)。亜硝酸態窒素は、乳幼児にメトヘモグロビン血症(悪化すると顔色や全身の色が青紫となるチアノーゼとなる)を引き起こすことがあります。

 通常、水道水は亜硝酸態窒素が酸化された硝酸態窒素の方を多く含みます。硝酸態窒素は、一部体内で再び亜硝酸態窒素に変化します。そこで、水道水の水質基準は、この二つを合算した「硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素」として、10mg/L以下となっています。

 近年、亜硝酸態窒素が単独で、極めて低い濃度で影響があることが分かってきました。このため、平成26年4月に亜硝酸態窒素が水道水質基準項目に追加されました。水質基準値は、0.04mg/L以下です。県営水道の給水栓における亜硝酸態窒素の濃度は、水質基準を十分に下回っています。

Keyわーど:アンモニア態窒素

 アンモニア態窒素とは、水中に含まれるアンモニウムイオン(NH4+)とアンモニア(NH3)の合計量中の窒素分のことで、環境汚染指標として用いています。たんぱく質やアミノ酸のような窒素を含んだ成分は、環境中でアンモニア態窒素に変化するため、これらが混入した排水の影響を判断する指標として有効です。アンモニア態窒素は昭和53年(その当時は「アンモニア性窒素」と呼ばれていました。)まで水道水質基準に規定されていましたが、浄水処理した水道水においては健康に影響しないとされ、削除されています。

 高度経済成長期に産業が活発したことや生活スタイルが変化したことにより排水が増加し、1960年から1980年にかけて、相模川の水質が悪化しました。この期間、アンモニア態窒素は最大で1.0mg/Lに達し、平均でも0.2から0.4mg/Lで推移していました。その後、下水道施設の整備が進んだことにより2001年以降は最大でも0.2mg/Lを下回り、最近では平均値で0.03mg/L程度となっています。

 寒川浄水場では、定期的にアンモニア態窒素を測定しており、降雨により河川の水質の悪化が予想される場合には測定頻度をあげています。これらの結果は、薬品注入量を判断する指標として利用しています。アンモニア態窒素の濃度が著しく上昇した場合には、通常の浄水処理に活性炭処理を追加しています。

Keyわーど:塩素酸

 神奈川県営水道の浄水場では水道水の消毒に次亜塩素酸ナトリウムを注入し、残留塩素濃度の基準(0.1mg/L以上)を維持した水道水をお客様に供給しています。

 「塩素酸」は、浄水過程で消毒剤として使用される二酸化塩素や次亜塩素酸ナトリウムの分解により生成します。このため平成15年の水道法改正時に、水質基準には至らないが水質管理上留意が必要であるとして、水質管理目標設定項目に挙げられました。

 その後、次亜塩素酸ナトリウムを長期間貯蔵すると、塩素酸の濃度が上昇すること、特に高温下でその上昇が顕著であることが明らかとなり、平成20年4月から水質基準項目に格上げされました。なお、基準値はWHO飲料水水質ガイドライン第3版(2005年)等の情報を参考にして、0.6mg/Lに設定されました。

Keyわーど:界面活性剤(陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤)

 手洗いや洗濯で使用する石けんや合成洗剤は今や私たちの生活に無くてはならない存在で、日常生活に深く関わっている化学物質です。

 石けんは、一般的に動植物性の油脂と水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質を混合して作られますが、川や湖に混入したとき生物分解されやすいとされています。また、主に石油から合成される合成洗剤は、洗浄力が強いため、石けんよりも使用量が少なくなるという利点があります。

 石けんや合成洗剤に含まれる、油汚れを除去する成分が「界面活性剤」と言われているものです。界面活性剤分子は、親水基(水に溶けやすい部分)と疎水基(油に付きやすい部分)から構成されており、これらの働きにより、油汚れを取り除くことができます。

界面活性剤の分子構造

界面活性剤による油の除去

Keyわーど:かび臭物質

 水がかび臭くなる問題は1800年代後半から報告されていましたが、その原因が明らかになったのは1960年代後半になってからでした。

 かび臭の原因となる物質(かび臭物質)にはジェオスミンと2-メチルイソボルネオールがあり、水質基準値はともに10ng/L(0.00001mg/L)以下と定められています。これらのかび臭物質は、アナベナやフォルミジウムのような藍藻類により産生することが知られています。特にアナベナは湖沼の富栄養化が進むと発生し、水温が上昇する春から夏にかけては増殖が多くなる傾向にあります。

 かび臭物質は、通常の浄水処理では除去できません。藍藻類では塩素処理により藻体内のかび臭物質が水に溶け出し、原水よりも浄水のほうが高い濃度になることもあります。そのため、水質基準値以下に抑え、おいしい水を供給するために、浄水場では粉末活性炭による処理を追加しています。

Keyわーど硬度

 硬度とは水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量を炭酸カルシウム(CaCO3)に換算して表示したものです。EDTAという物質と反応させ、反応終点量から求める方法の他に、カルシウムイオンとマグネシウムイオンを個々に測定し、次の式で硬度を算出する方法があります。

硬度(CaCO3mg/L)=[カルシウム(mg/L)×2.50]+[マグネシウム(mg/L)×4.12]

 硬度は石鹸の洗浄効果を阻害する能力を示したもので、硬度の高い水を「硬水」、低い水を「軟水」と呼んでいます。硬度は水の味にも影響し、高い水は口に残る味があるとされ、低すぎるとコクがないとされています。また、カルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦味を感じると言われています。

 WHOの飲料水水質ガイドラインでは、硬度60mg/L以下を「軟水」、60から120mg/Lを「中程度の軟水」、120から180mg/Lを「硬水」、180mg/L以上を「非常な硬水」と分類しています。簡便には、硬度100mg/L以下を「軟水」、100mg/L以上を「硬水」と分類する場合もあります。

 硬度の水質基準は、石鹸等の泡立ち等への影響を防止する観点から300mg/L以下と決められ、おいしさの観点から、水質管理目標設定項目の目標値は10から100mg/Lに設定されています。

Keyわーど残留塩素

 水道水は、水系感染症を防ぐため、消毒されています。日本では、大正11年に東京市(現在の東京23区)と横浜市の一部で初めて塩素剤による消毒が、感染症流行時に実施されました。その後、昭和32年水道法の施行により、塩素剤による消毒が義務づけられました。神奈川県営水道では、寒川浄水場、谷ケ原浄水場とも建設当時から塩素剤による消毒を行っています。

 水道水中の塩素剤は、空気中への揮散、水中物質や水道管材質との反応などにより、しだいに減少していきます。そのため、浄水場から遠い家庭では、重要な消毒効果がなくなる可能性があります。そこで、県営水道では「蛇口での残留塩素濃度0.1mg/L以上」を維持するために塩素剤を途中で追加しています。また、100地点以上で毎日残留塩素の濃度の検査を行い、消毒の残留効果の確認を行っています。

(「塩素剤」は水中で「残留塩素」として存在するため、その濃度を測ります。)

残留塩素濃度の測定

(残留塩素測定のo-トリジン比色法は、現在廃止されてますが、浄水器販売業者が販売促進に用いていることがあります。)

Keyわーど:1,4-ジオキサン

 「1,4-ジオキサン」は常温で無色透明の液体で、水や油のどちらにも溶けやすく、化学工業で溶剤として使用されています。過去には安定剤としても多く使用されていました。ある種の界面活性剤製造時に副生成されます。揮発性があり、水に溶けやすく、水中において難分解性で、変異原性や人に対する発がん性が疑われる物質です。

Keyわーど蒸発残留物

 水道水を蒸発させたときに得られる残留物を蒸発残留物と呼んでいます。主な成分は、水道水に溶解して含まれているカルシウム、マグネシウム、ケイ酸等の無機物及び不揮発性有機物(蒸発しない有機物)です。

 蒸発残留物となる物質は、主に自然界由来ですが、人為的な汚染由来もあります。一般に、地下水や湧水など硬度の高い水においては、硬度成分により高い値となります。蒸発残留物が多い水では、苦み、渋みなどを感じ、適度に含まれるとまろやかさを感じるとされています。

 水道水の水質基準において蒸発残留物は味覚の観点から500mg/L以下と定められており、測定方法は水を蒸発乾固させ、残った物質の重量を求める方法で行っています。 

Keyわーど全有機炭素

 全有機炭素とは、水中に存在する有機物に含まれる炭素の総量のことです。有機物に関連する指標には、全有機炭素(TOC)をはじめ、過マンガン酸カリウム消費量、生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)等があります。

 水道原水に含まれる有機物が多くなると、浄水処理の消毒用塩素の消費量が多くなります。よって、水道原水の水質管理、また浄水処理工程を管理する観点で測定しています。

 水質基準である「有機物(全有機炭素(TOC)の量)」では、基準値は「1L中に3mg以下であること」とされています。平成16年3月までは「有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)」が水質基準となっていました。なお、河川の環境基準にはBOD、湖沼・海域の環境基準にはCODが用いられています。

 TOCの測定方法には、燃焼酸化方式と湿式酸化方式の2種類があり、神奈川県営水道では、酸化力が強く、ほとんどの有機物を酸化する燃焼酸化方式で測定しています。

Keyわーど濁度

 濁度とは水の濁りの程度を数値として表現したものです。平成16年3月までは水1L中に標準カオリン(白陶土)が1mg含まれた時の濁度を1度としていました。しかし標準カオリンは天然物質であり、粒の大きさを揃えることが難しいため、現在では人工的に作られたプラスチックの粒子が標準物質として用いられています。

 水の濁りとは、水中に含まれる細かい粒子の分散量を示すもので、その原因となる物質として粘土などの土壌由来物質や、プランクトンなどの微生物などが挙げられます。水道水中の濁りは、浄水場で浄水処理が適切に行われたかどうかの重要な判断材料になります。

 水道水の水質基準において濁度は「2度以下であること」とされていますが、下痢症状を引き起こすクリプトスポリジウムの対策として、浄水場のろ過池出口での濁度は0.1度以下となるように管理されています。また、水道法では「濁り」について、蛇口で毎日検査することが定められております。

濁度計

Keyワード

 鉄は生物にとって必須の元素です。食物に含まれており、日々の食事を通して、人間も摂取しています。

 鉄は地球の核を構成する主要元素ですが、核やマントルを除いた地球上(地殻部分)の金属全種の中でもアルミニウムの次に多く存在します。機械製品、電気製品、建築材料、ライフラインの配管などで使用されており、人間にとって、身近な金属の一つと言えます。水道事業においては、浄水場から各家庭まで水道水を配るための水道管として使用しています。鉄製の水道管は、使用状況により、鉄さびを生じることがあります。特に、建屋内の水道管がさびた状態にとなると蛇口から流す最初の水が「赤水(アカミズ;鉄さびを含む水)」として出ることがあります。この場合は、「金気(カナケ)」を感じる味となりますので、雑用水として使用することをおすすめします。

 水道法では、「鉄及びその化合物」として、水質基準値が設定されており、その基準値は、0.3mg/L以下であることとなっています。この基準値は、健康影響の観点から定められたものではなく、味覚や洗濯物の着色といった観点から定められたものです。水道水の原水では鉄が含まれていますが、浄水処理により除去され、定量下限値(0.01mg/L)未満まで除去されています。

Keyわーど電気伝導率

 電気伝導率は、水の電気の流れやすさを表した値で、水に溶けている物質の量と関係します。水道水質基準項目ではありませんが、水質管理において有効な指標となります。通常地球上に存在する水には様々な物質が溶けています。溶けている物質として、水質基準項目である「ナトリウム及びその化合物」などの陽イオン類や「塩化物イオン」などの陰イオン類があり、電気伝導率はこれらのイオン類を包括的に捉えた数値を示します。水道水の電気伝導率は、水系ごとにある範囲に収まります。そのため、電気伝導率に大きな変化があった場合、水質が変化している可能性があります。

 電気伝導率は、水中に電極を入れて電気抵抗を測定して、求めることができます。電気伝導率計を用いて、連続的かつ迅速に測定することが可能です。水質検査に用いられる電気伝導率計の電極間の距離は1cm程度であり、卓上で用いることができる大きさです。

 生活排水、雨水、海水の電気伝導率は、通常の水道水と大きな違いを示します。水道では、水系の違い、下水とのクロスコネクションの判定、漏水判定などでも電気伝導率を用いています。東日本大震災では、沿岸部の地区で津波の影響を受けた水道水源の地下水で電気伝導率を測定し、海水の影響を調査している事例が報告されています。

Keyわーどトリハロメタン

 「トリハロメタン」とは、メタンを構成する4個の水素原子のうち3個がハロゲン原子(塩素、臭素など)に置換した化合物のことです。このうち、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4物質及び総トリハロメタン(前記4物質の合計量)について、水質基準が定められています。

トリハロメタン

 トリハロメタン類の発がん性には様々な意見が提出されていますが、国際がん研究機関(IARC)による評価では、クロロホルムとブロモジクロロメタンは「発がん性が疑われる」化学物質(グループ2B)、ジブロモクロロメタンとブロモホルムは「発がん性が分類できない」化学物質(グループ3)にクラス分けされており、より上位の「発がん性が認められる」化学物質(グループ1)や「発がん性がおそらくある」化学物質(グループ2A)には指定されていません。

 これらの情報に加え、急性及び慢性毒性情報も合わせて、「生涯にわたる連続的な摂取をしても人の健康に影響が生じない水準(平成15年厚生科学審議会)」の観点から、水道水の水質基準が設定されています。

Keyわーど

 鉛は常温で固体の金属です。比較的柔らかく、成型加工しやすい性質から、古代ローマにおける水道配管の一部でも用いられていました。県営水道では、昭和8年の創設以来、各戸メーターの前後や給水管の立ち上げ部分で鉛管の施工が行われていましたが、昭和57年4月以降は鉛管使用を中止しています。

 平成4年の生活環境審議会答申において、水道水中の鉛は0.05mg/L以下であれば乳児にも健康影響がない濃度レベルであるという答申が出されるとともに、長期目標値として0.01mg/L以下という値が示されました。このことを受けて、0.1mg/Lであった水質基準が、平成4年12月から0.05mg/Lに強化され、更に平成15年4月に0.01mg/Lに強化されて現在に至っております。

Keyわーど濃度の単位

 水道水質検査で化学物質の検査を行う場合には、水中に含まれる化学物質の割合(濃度)を求めます。

 例えば、100mLの水に5gの食塩が溶けていると、5%の食塩水といいます(注1)。

濃度の単位

 濃度を表す単位には上の例のような%(パーセント:百分の一)のほか、ppm(ピーピーエム:百万分の一)、ppb(ピーピービー:十億分の一)、ppt(ピーピーティー:一兆分の一)などがありますが、水質検査では、より具体的に濃度を表すために「mg/L(ミリグラムパーリットル)」という単位を使用しています。

 例えば、浴槽に純粋な水を150L入れ、小さじ一杯(5g)の食塩(塩化ナトリウム)を溶かすと、この水溶液にはナトリウムが13mg/L、塩化物イオンが20mg/L含まれるということになります。

 水道水質センターで最も低濃度まで測定している項目は、水にかびくさい臭いをつける「ジェオスミン」及び「2-メチルイソボルネオール」という物質です。これらの物質について「0.000001mg/L」という低濃度まで測定しています。ちなみに「0.000001mg/L」というのは、標準的な学校の25mプール(長さ25m×幅12m×平均深さ1m)に0.3mg(塩粒なら2.5個分注2)!)という極微量を溶かした濃度です。

25mプールに溶けている量

(注1)パーセント表示には「重量パーセント」、「容量パーセント」、「(重量/容量)パーセント」、「(容量/重量)パーセント」等がありますが、これらの説明については割愛させていただきます。また、上の食塩水の例では「(重量/容量)パーセント」で計算しています。

(注2)水道水質センター調べ。一般的な食卓塩65mgを取り、その粒を計数したところ540個でした(一粒平均0.12mg)。ただし、塩の湿り具合や粒子同士の結合、粒子の割れ・欠けにより異なります。あくまで目安としての一例とお考え下さい。

Keyわーど農薬類

 平成16年4月の水質基準等の改正の施行により、農薬類は水質管理目標設定項目として位置付けられ、102種類の農薬がリストアップされました。その後、近年の農薬類の検出状況や出荷量、安全性の見直し状況を踏まえて、平成25年4月に測定対象農薬は120種類に変わりました。

 また、農薬類は、「総農薬方式」という考え方で評価され、つぎの式のように、それぞれの農薬について「検出値を目標値で割った値」を計算して足し合わせたものを検出指標値(DI)とし、この検出指標値が1を超えないこととされています。

 この表のようにチオベンカルブが0.002mg/L、ピリダフェンチオンが0.001mg/L、ベンタゾンが0.01mg/Lで検出されたとします。検出指標値はそれぞれの検出値を目標値で割り、足し合わせます。

 検出指標値は0.65となります。このように総農薬方式の特徴として、ピリダフェンチオンは他の農薬よりも検出値が低いにもかかわらず、目標値が低いために検出指標値への寄与が大きくなっています。

Keyわーど:pH

 酸性、アルカリ性の強さを実用上の便宜から簡単な指数で表したもので、その範囲は0から14です。pH7は中性、7より値が小さくなるほど酸性が強くなり、値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。

 水の基本的な性質を表す指標の一つで、天然水のpH値は通常7付近です。水質基準は水道施設の腐食等を防止する観点から5.8から8.6とされています。

pH計

Keyわーど非常用飲料水

 災害に備えて、ご家庭で飲料水を備蓄する必要は感じていても、どうしたら良いのか判らないという方も多くいることと思います。そこで、ご家庭で非常用の水として、水道水を保存する方法について説明します。

 水道水を長期間保存する場合、『水道水中の残留塩素の減少を抑えて消毒の効果を維持する』ことがポイントです。

 そのために、遮光性、密閉性のよい容器を選びます。容器として手軽に入手でき、取扱い易いものとしては、ペットボトルの空き容器があります。市販飲料の容器として多用されており、低コストで水道水を保存できます。その他にポリエチレン容器があります。大量に備蓄でき、給水車等から水を入れる際にも役立ちますが、容器臭がつく場合もあります。

 容器は、内側をよく洗浄してから使用しましょう。可能な材質であれば熱湯で消毒したり、台所用の塩素系漂白剤で洗った後、よく水洗いしてから使用すると、なおよいです。

詰める前に・・・

  • 滞留していた水道水は保存に向かないため、よく使っている蛇口を選ぶ。
  • 手をきれいに洗う。
  • 容器と蓋を水道水で、きれいに洗う。

詰める際に・・・

  • 空気が残らないように、水を容器の口まで満杯に入れる。
  • 蓋をしっかり閉める。

詰めた後は・・・

  • 日光の当たらない涼しい所に保管する(非常時に取り出すことも考えて保管場所を決める。)。
  • 保存した水は4日(夏期)から10日(冬期)程度を目安に交換する。

飲用する際は・・・

  • 可能な限り煮沸してから使用する。

Keyわーど:ホルムアルデヒド

 ホルムアルデヒドは、広く合成樹脂の原料として使用されている有機化学物質です。浄水処理において、水中の有機物と消毒剤が反応して産生する場合もあることが知られています。そのため、ホルムアルデヒドは水道水の水質基準項目のひとつとして定められており、その基準は0.08mg/L以下となっています。

 県営水道では、水質検査計画を定め、ホルムアルデヒドも含めた水質基準項目等の水質検査を定期的に実施し、安全で良質な水道水をお届けしています。

 なお、平成24年に利根川水系でホルムアルデヒド産生物質の流出があり、関連浄水場に影響を及ぼしました。神奈川県の主な水源である相模川及び酒匂川は水系が異なるため、影響がなかったことを確認しています。

Keyわーど水の色は?

 コップなどに入った水の色は、無色透明に見えますが、海や湖をみたときに青く見えるのはどうしてでしょうか。

 太陽から降り注ぐ光は電磁波の一種で、電磁波は波長によって様々に分類されます。ヒトの眼に見えるのは波長がおおよそ380nmから780nmの光でこの範囲の光を私達は可視光線と呼びます。可視光線は通常、いろいろな波長が混ざった状態などで光は白に近い色に見えますが、プリズムなどを用いて太陽光を分離してみると波長の短い順に、紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の七色(日本の単位)に分けられます。海や湖では、水面まで届いた光に含まれるさまざまな波長のうち、波長の長い赤い光は水中で吸収されてしまい、反対に波長が短い青い光は反射されてしまうのです。このため、私達の目には青い光が多く届き海や湖は青く見えることになるのです。一方、コップに汲んだ水道水では、光がコップを透過することによって、無色透明に見えます。

 水道法では、水道により供給されている水の外観はほとんど無色透明であることとされており、毎日の水質検査において、色及び濁りの検査が義務づけられています。

可視光波長

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