ヘアドライヤーの商品テスト

掲載日:2020年1月7日

以前購入したヘアドライヤーを使用したら熱風が出てノズルが溶けた、という消費生活相談がありました。高温の熱風により溶けたものと推定されます。そこで実際にヘアドライヤーを使用する時に、ノズルがどの位の温度になるのかをテストし、その結果について消費者の皆様へ情報提供します。

1 調査の概要

 

事項

内容

調査対象品

市販されているヘアドライヤー 6件

調査内容

(1)表示調査

   ヘアドライヤーの取扱説明書に表示されている、安全のための注意表示および仕様を調査しました。

(2)温度測定

日本工業規格(JIS C 9613 ヘヤドライヤ)に基づき以下の調査を実施しました。

  ア ヘアドライヤー使用時のノズルの温度

風量が調節できるものは温度が最高になるように設定し、各部の温度が一定になるまで通電します。バレーボール用ボール(円周約65cm)の表面に取付けた銅版に30mm(3cm)離れたところから温風を直角にあて、最高温度を測定しました。(図1参照)
 ドライヤー
図1 

 イ 取っ手の温度
温度の測定は熱電温度計によって行いました。

調査期間

平成26年11月から平成27年3月まで

調査機関

一般財団法人 電気安全環境研究所(JET)

ヘヤドライヤ:ヘアドライヤーについて、JIS C 9613の規格名称では「ヘヤドライヤ」と表記されていますが、本調査報告書では、 「ヘアドライヤー」と表記します。

2 結果および考察

(1)表示調査結果
取扱説明書にあった注意表示について確認したところ、以下のとおりでした。
取扱説明書にあった注意表示(抜粋) ()はその表示のあったヘアドライヤーの件数
 

(使用上の注意)

吹き出し口と髪は3cm(注1)以上離す(髪が焦げる原因となります)(2件)

髪から10cm以上離して使う(髪が傷む恐れがあります)(2件)

吸込み口と髪は10センチ以上離す(髪が絡む、髪をいためる原因となります)(4件)

髪が吸い込み口に吸い込まれないようにする(やけど、故障の原因)(2件)

本体に電源コードを巻きつけない(電源コードが断線し火災、感電、やけどの恐れがあります)(全件)

電源コードがねじれたまま使用したり、束ねたままで使用しない(コードの中の芯線が断線しショート、発火、けがの原因となります)(全件)

使用中、使用直後の吹き出し口は高温のため触れない(4件)

(安全上の注意)

改造はしないでください(全件)

引火性のもの(ガソリン・ベンジン・シンナー・ガスなど)の近くで使わない(爆発や火災の原因になります)(全件) 

本体内部が真っ赤になったり、煙が出るときは使わない(感電、発火、けがの恐れがあります)(5件)

(電源関係)

定格電流(注2)15A以上のコンセントを単独で使う(全件)

100Vで使用する(日本国内専用とし、外国では使用できません)(5件)(1件は、海外対応可能機種)

電源プラグは根元まで確実に差し込む(感電、ショート、発火の恐れ)(全件)

濡れた手で使用しない(ショート、感電の恐れ)(全件)

(注1)3cm:JISの温度測定試験では、30mm(3cm)離れたところから温風を直角に当てて最高温度を測定している
(注2)定格電流:電気製品を安全に使用するために製造者によって保証された電流の限度値

イ 温度測定結果
ノズルと取っ手の温度を測定したところ、以下のとおりでした。JIS基準ではノズルの温度は100℃以下となっており、今回の6件はすべて基準を満たしていました。
ノズルの温度は57℃から87℃とJIS基準を満たしていましたが、人にとっては高温と考えられます。例えばNo.3のように使用直後87℃となった場合は、アタッチメントの交換の際にはやけどをしないように注意が必要です。
ヘアドライヤー使用時の測定温度は次表のとおりでした。

測定温度結果

ヘアドライヤーNo.

(電圧・消費電力)

測定場所 表示されていた温風温度(℃)(室温30℃) 測定値℃(室温30℃) JIS基準
1
(100V・1200W)
ノズル(注1) 105 64.5 ノズルについては100℃以下(取っ手については60℃以下温風温度については、140℃以下)
取っ手(注2) - 44
2
(100V・1200W)
ノズル 約100 60.5
取っ手 - 38
3
(100V・1200W)
ノズル 115 87
取っ手 - 36
4
(100V・1200W)
ノズル 120 71
取っ手 - 37.5
5
(100V・1200W)
ノズル 120 71
取っ手 - 38.5
6
(100V・850W)
ノズル 約95 57
取っ手 - 33

(注1)ノズル:アタッチメントを装着して、吹出し口の温度を測定
(注2)取っ手:持ち手前面の温度を測定

(2)考察
取扱説明書上の表示方法は異なっていましたが、注意事項の内容としては、6件全ての製品で安全に使用するための項目が網羅されていました。

ア 取扱説明書に「吹き出し口と髪は3cm以上離す」と表示されたものがありましたが、これはJISの温度測定が「30mm(3cm)離れたところから温風を直角に当て、最高温度を測定する」という測定方法をとっていることに基づくものと思われます。ノズルの温度測定結果によると57℃から87℃と高温になることから、髪とヘアドライヤーの間にはある程度の距離を置くことが必要と思われます。商品によっては、10cm以上離すよう注意を呼びかけているものもありました。

イ 吹き出し口と同様に、「吸込み口と髪は10センチ以上離す(髪が絡む、髪をいためる原因となります)」という表示から、吸い込み口からも髪は、離すことが必要と思われます。吸い込み口に近づきすぎると、髪が吸い込まれ、ヘアドライヤー内部のファンに巻きついて取れなくなったり、故障、事故の恐れがあるためです。

ウ 「本体に電源コードを巻きつけない」という表示については、ヘアドライヤー使用直後の温度が57℃から87℃の高温となると推定されることから、コードが温められたままとなり、劣化の一因ともなりかねません。また、巻きつけることで、コードがねじれたり、曲がったりしてそのためにコードの芯線に断線が起こり、ショートや発火の原因となることが考えられます。東京都が実施した「ヘアドライヤー電源コードに関する危険」の調査 (https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/dryeri_press.html) でも、「電源コードが劣化する原因は、本体への巻きつけによる繰り返し疲労、硬化による被覆の柔軟性が失われること等が考えられ、長期使用、コードの不適正な収納及び使用形態により、被覆の劣化が起こり、半断線、断線、ショート、発火・発煙となることが予見できる」という調査結果が示されています。

エ 取扱説明書上の表示では、6件中5件で温風温度が100℃以上となっていましたが、実際のノズルの温度測定値はそれより28℃から49℃低く測定されました。しかしながら使用直後のノズルの温度は高温になっていますので、ヘアドライヤー使用中及び使用直後のアタッチメントの取り付け、取り外し等の際にはやけどしないように注意が必要です。

3 消費者へのアドバイス

使用開始前に必ず取扱説明書を読みましょう。安全に使用するための方法が詳しく記載されています。

ヘアドライヤーの吹き出し口や吸い込み口と髪は離して使いましょう。髪を傷めたり、また吸い込みによる故障や事故の原因となります。

電源コードを本体に巻きつけるのはやめましょう。コードの断線の原因となり、ショート、発火の原因となります。

ヘアドライヤー本体内部が熱を持って赤くなる、または発煙を認めた時は、危険な状態であると考えられ、感電、発火、怪我の恐れもあることから、すぐに使用 を止め、メーカーまたは販売店へ連絡しましょう。

ヘアドライヤーは使用した直後に高温になっているためなるべく触れない様にし、また、アタッチメントを交換する場合には注意しましょう。

4 消費生活相談は、消費者ホットライン188番をご利用ください

188
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