服のサイズに関する調査

掲載日:2021年2月19日
服のサイズは、S、M、Lなどで表示されることが一般的ですが、表示されているサイズは、基本的に服そのものの寸法ではなく、その服を着用する人の身体のサイズに基づいて表示されています。そのため実際の服の大きさは、メーカーごとにある程度の相違があることが推測されます。実際に、ネットオークションで事業者からTシャツを購入したところ、LLサイズなのに着用すると小さい、といった相談もよせられています。
 そこで今回、服のサイズに関する調査を実施しましたのでその結果について情報提供いたします。

1 調査の概要

事項 内容
調査対象品

市販されている服 20件

成人男子用10件(シャツ(フリーサイズ)5件、ズボン(Mサイズ)5件)

成人女子用10件(シャツ(フリーサイズ)5件、ズボン(Lサイズ)5件)

アイテム毎に同じサイズのものをインターネット通信販売で購入しました
調査内容

(1)アンケート調査
神奈川県消費生活eモニター(注)を対象に、平成26年12月にインターネットによる服のサイズについて」のアンケート調査を実施しました。

(有効回答者342名 男性 115名、女性 227名)

(2)計測調査
服について日本工業規格JIS L 01121に基づき、以下の部位2等について測定を行いました。

ア 着丈 イ 身幅 ウ 肩幅 エ 袖丈 オ ウエスト カ また上  キ また下丈 ク 裾幅
調査期間 平成26年11月から平成27年3月まで
調査機関 一般財団法人 日本繊維製品品質技術センター 東部事業所

(注)神奈川県消費生活eモニター
18歳以上の県内在住者で、毎年公募により決定。消費生活に関する意識や考えについてアンケートにお答えいただいています。

1日本工業規格JIS L 0112:衣料の主要な部分及び寸法に関する用語について規定している
2 測定部位の説明:「5 参考(1)」を参照

2 調査結果及び考察

(1)アンケート結果

eモニターによるアンケート結果の主な内容は以下のとおりでした(抜粋)。

服を購入する際に、どのような方法で購入しているかをたずねたところ、ほぼ全ての方が「店舗で購入」と回答し、「インターネットで購入する」という方も約4割、「通信販売(カタログ、テレビショッピング等)で購入する」という方も約3割いました。(複数回答)

服の購入方法で「店舗で購入する」と回答した方へ、服を購入する際、試着をしているかたずねたところ、「試着している」と「試着することもある」をあわせると9割を超えました。大半の方が、「ボトムスやコートは試着するが、トップスは試着しないことが多い」と回答しました。

服を購入した際、何か不都合があったかたずねたところ、「特にない」が最も多くなりましたが、「サイズが合わなかった」も3割を超えました。

服の購入方法で「通信販売で購入する」または「インターネットで購入する」と回答した方へ、実物を見ないで服を購入した際、何か不都合があったかたずねたところ、「実物と色や形がイメージと違った」が最も多く、「サイズが合わなかった」、「肌触り等着心地が悪かった」が続きました。

「服のサイズ表示は、服そのものの寸法ではなく、人間の身体のサイズを示したものである」ことを知っているかたずねたところ、「知っている」と「知らなかった」は、ほぼ同数でした。

JIS(日本工業規格)で定めている服のサイズは、同じサイズであっても数値に幅があることを知っているかたずねたところ、「知っている」は5割台でした。(例:成人女子用衣料サイズでは、ウエストが58-64cmの範囲内であれば「S」と表示できる 等)

サイズ表示について不明な点があった場合、その内容について販売者やメーカー、サイト等で確認しているかたずねたところ、「確認していない」が6割を超えていました。

服のサイズで「フリーサイズ」とはどのようなサイズだと考えているかたずねたところ、「どんな方でも着ることができるサイズ」との回答が約5割でした。

その他の自由意見として、「同じMサイズでもメーカー・ブランドによって大きさが異なるので困る」「サイズ表示がわかりづらい」「高齢者と若者では体格が違うので、それぞれのサイズがあってもいい」といった意見がありました。

なお、アンケート結果の詳しい内容は、県ホームページに掲載しています。

【アンケート結果本文】http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f370223/p878767.html

(2)計測調査結果

計測した結果は、表1及び表2のとおりです。

表1 シャツの測定結果(1から5は成人女子用、6から10は成人男子用) 単位:cm

試料No.

(生産国)
測定部位1 製品に付いていた サイズ表示

家庭用品品質表示法上の表示2

着丈 身幅 肩幅

袖丈

裄丈*
1(USA)
(ネット上表記)
55.5 42.5 34.5 50.0 フリー  
(55.5) (43.0) (35.0) (50.5) - -

2(中国)

70.0 86.0 88.2 78.5*

バスト79から87

身長154から162
 
M

3(日本)
(ネット上
表記)

60.5 44.5 35.0 54.0 FREE  
(60.0) (45.0) (38.0) (56.0) -  
4(USA) 54.0 48.5 44.0 54.0 F  
5(中国)
(ネット上表記)
53.5 41.5 32.5 58.0 フリー  
(53.0) (41.0) (30.0) (56.5) -  
6(タイ)
(ネット上表記)
66.5 52.5 42.0 66.5 表示なし 英文表示のみ
(64.0) (51.0) (46.0) (64.0) - -
7(韓国)
(ネット上表記)
68.5 49.5 - 83.0* 表示なし 一部(表示者)の記載なし
(67.5) (48.5) (記載
なし)
(裄丈86.5) - -

8(日本)
(ネット上表記)

69.5 50.5 - 66.5* F  
(69.5) (50.5) (記載
なし)
(裄丈59.0) - -
9(韓国)
(ネット上表記)
67.0 51.0 42.0 45.0 表示なし 一部(表示者)の記載なし
(67.0) (57.0) (43.0) (43.0) - -
10(韓国)
(ネット上表記)
75.5 68.5 71.5 73.5* F  
(88.0) (62.0) (記載
なし)
(裄丈72.0) - -

1測定部位について:「5 参考(1)」を参照

2家庭用品品質表示法について:「5 参考(3)」を参照

表2 ズボンの測定結果(11から15は成人女子用、16から20は成人男子用)  単位:cm

試料No.

(生産国)
測定部位1 製品に付いていたサイズ表示

家庭用品品質表示法上の表示

ウエスト また上 また下丈

裾幅

11(中国) 75.4 26.3 75.7 15.6 L  
12(日本)
(ネット上表記)
81.0 25.5 72.2 16.0 L  
(81.0) (25.5) (71.5) (記載
なし)
   
13(イタリア) 77.0 21.8 71.0 15.0 M 26 英文表示のみ
14(イタリア) 77.0 21.2 70.0 15.3 M 英文表示のみ
15(中国) 76.0 26.6 77.2 16.1 L  

16(中国)
(ネット上表記)
【製品タグ上表記】

83.0 26.0 85.5 21.3 ウエスト76、ヒップ93、また下丈86  
(84.0) (26.0) (85.0) (記載
なし)
   
【76.0】 【記載
なし】
【86.0】 【記載
なし】
   
17(中国)
(ネット上表記)
84.0 28.0 75.5 19.0 M  
(82.0) (28.0) (75.0) (記載
なし)
   

18(カンボジア)
(ネット上表記)

【製品タグ上表記】

86.0 28.3 81.6 19.1 ウエスト81cm,ヒップ98cm、また下丈81cm  
(87.0) (29.0) (81.0) (19.0)    
【81.0】 【記載
なし】
【81.0】 【記載
なし】
   

19(中国)
(ネット上表記)

【製品タグ上表記】

86.4 29.1 72.1 18.0 M ウエスト78cm  
(85.0) (28.0) (71.7) (18.0)    
【78.0】 【記載
なし】
【記載
なし】
【記載
なし】
   

20(中国)
(ネット上表記)

【製品タグ上表記】

79.4 30.1 78.4 18.8 M

ウエスト81

また下丈78
 
(81.0) (29.0) (記載
なし)
(記載
なし)
   
【81.0】 【記載
なし】
【78.0】 【記載
なし】
   

家庭用品品質表示法上の表示について

今回参考として、家庭用品品質表示法に基づく表示(「5 参考(3)」参照)について確認しました。20件中15件(75.0%)では正しく表示されていました。

その他の5件については、2件では表示はあるものの、「表示者名」の記載がなく、3件では英文の表示はあるものの、日本語の表示がありませんでした。

なお、表示については、使用する用語等についても法律で定められており、日本語で表示をすることになっています(一部繊維名称等に英語で表記できるもの(例)COTTON 他)もあります)。

 

 3 まとめ

今回測定した20件については、測定した結果から次のことがわかりました。

同じサイズ(例えば同じ「成人男子用Mサイズのズボン」)であっても、商品によって実測値に差がありました。

海外製品の場合、ネット上のサイズ表示と実際に商品に付いているサイズの表示が異なるものもありました。(ネット上では「L」と表示していたのに実際は「M」の表示が付いていた等)

ネット上に表記されていた丈や幅の長さが、実測値と差があるものがありました。

ネット上表記、製品タグ上表記及び実測値が全て異なっているものもありました。

JIS規格に定められたサイズの呼び方(「M」や「L」といった呼称)を使用しているのに、実際測定すると規格の範囲外のサイズのものがありました。

  (成人女子用ズボンで「Lサイズ」と表示できるのは、JIS規格上、「ウエスト69cmから77cmの範囲内」と定められていますが、No.12はウエスト81.0cmで規格より大きい。また、成人男子用ズボンで「Mサイズ」と表示できるのは、JIS規格上、「ウエスト76cmから84cmの範囲内」と定められていますが、No.18はウエスト86.0cm、No.19はウエスト86.4cmで規格より大きい)。

また、アンケート調査から、インターネットやカタログ等の通信販売で服を購入した際に、不都合があったか尋ねたところ、「イメージが違う」、「サイズが合わなかった」といった意見が寄せられました。しかしながら、サイズ表示について不明な点があった場合、販売者やメーカー、サイト等で確認しているかについては「確認していない」が6割を超えていることから、不明な点があってもなかなか確認まではされていないことがわかりました。

4 消費者へのアドバイス

表示してあるサイズは、服を着用する人の身体的なサイズを表示しています。S,M,Lといった服のサイズにはある程度幅があり、実際にどのくらいであるかは測ってみないとわかりません。このことを勘案の上、服を選択しましょう。

購入の際は、出来るだけ試着をした上で購入するようにしましょう。

試着のできないインターネット通信販売等による購入の場合、可能な限り、丈や幅を確認しましょう。

サイズについて疑問がある場合は、メーカーや販売店に確認することをお勧めします。

サイズ表示は、人の身体のサイズに基づいたものです。服を購入する際には、ご自分のサイズをよく把握した上で、選択するようにしましょう。

5 参考

(1)測定部位の説明

ア シャツ

着丈:後ろ身頃の襟下から裾までの長さ。

身幅:前身頃の両脇下の左右の幅。

肩幅:左右の肩先の縫い目から縫い目までの肩縫い目線に沿った衣服の長さ。

袖丈:肩のそでを付ける位置から袖口までの長さ。

裄丈:後ろ襟ぐりの中央から、肩先をとおり袖口までの長さ。

シャツ画像

イ ズボン                                 

ウエスト:身体のウエストに相当する部分の衣服の周囲の長さ。胴回りともいう。

また上:ズボンなどのまた止まりから上の部分。

また下丈:ズボンなどのまた止まりからすそ線までの直線距離。

裾幅:ズボンなどのすそ部分の幅。

また止まり:内またの縫い目の上端と、しりの縫い目との交点

ss

(2)サイズ表示について

ア  一般に洋服のサイズは、その洋服そのものの寸法を表すものではなく、着用する人の身体のサイズ(基本身体寸法又はヌード寸法という)を表しています。サイズ表示における数値の表し方には、「単数表示」と「範囲表示」の2つの表示方法があります。

単数表示:JIS規格のサイズ表に定められている数値を使用し、ある一定の幅の中心値を代表として表示するものです。
例) ウエスト 67
身長 158

範囲表示:その服を着用できる人の身体寸法を範囲(下限値から上限値)で示したもの。なおJIS規格に定められている数値に合致するものについては、S、M、Lといった 呼び方が使用できます。
例) ウエスト  64から70
身長 154から162
このサイズの成人女子用衣料については、「L」 という呼び方が出来ます。

イ JISの規格に「フリーサイズ」というサイズはありませんが、一般的には、「どの様な体格の人でも着られる大きさのもの」、「適合するサイズに制限がないもの」といった理解がされているようです。「フリーサイズ」と言われるような着用範囲の広いものについて表示する場合、JISの規格に基づく適正な表示は以下のようになります。

(表示例) 婦人パジャマ

  SIZE バスト 79から94 ←Mの下限からLの上限
  身長 154から162 ←任意表示
MからL用 ←「MからL」のみでも認めている場合が多い。
(株)○×商事

(3)家庭用品品質表示法上の表示について

家庭用品品質表示法は、「家庭用品の品質に関する表示の適正化を図ることによって、一般消 費者の利益を保護すること」を目的に制定された法律です。通常生活に使用されている繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具、雑貨工業品のうち、消費者がその購入に際して品質を識別することが困難で、特に品質を識別する必要性の高いものが「品質表示の必要な家庭用品」として、政令により指定されています。

今回調査したシャツやズボンは家庭用品品質表示法上「繊維製品」に分類され、その規定により

ア 繊維の組成

イ 家庭洗濯等の取り扱い方法

ウ 表示者名等の付記 

を日本語で表示することになっています。

表示は、繊維製品に直接記載するか、容易に取れない方法で取りつけたラベルに織り出し、印刷、その他の方法によって記載することになっています。

【家庭用品品質表示法について(消費者庁ホームページ)】http://www.caa.go.jp/hinpyo/

4 消費生活相談は、消費者ホットライン188番をご利用ください

188
本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa